偶然生まれたゲームブランド！？「holo Indie」のキーマンと『ホロパレード』開発者に直接インタビュー！

ホロライブプロダクションのファンゲームを取り扱うゲームブランド「holo Indie」。

この度、そんなholo IndieよりNintendo Switch™版として『ホロパレードデラックス版』『ホロライブお宝マウンテンてんこ盛りVer』が発売された。

発売に際して、holo Indieの責任者であるカバー株式会社の金川氏と、記念すべき第一弾タイトルとしてリリースされた『ホロパレード』の開発者であるろぼくろ氏にインタビューする機会をいただいた。

ブランド設立の裏話やホロライブ愛に満ちたゲーム開発の秘話など、ホロライブファンはもちろん、インディーズゲームというジャンルにおいても非常に興味深い話を伺えたので、その様子をお伝えする。

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最も重視するのは「ホロライブ愛」！クリエイターとファンを繋ぐゲームブランド「holo Indie」

金川宗義

カバー株式会社ゲーム事業開発室プランニングディレクターにして「holo Indie」プロジェクト責任者。

カバー株式会社へ入社後、グッズ関連の部署や営業企画部などを経て本プロジェクトを発足。

発足のきっかけは”偶然”から！？『holo Indie』とはどんなゲームブランドなのか？

ホロライブ専門のインディーゲームブランド「holo Indie」のキーマンと『ホロパレード』開発者に直接インタビュー！の画像

――改めまして「holo Indie」とは何か、ご紹介をお願いできますでしょうか。

金川さん：

holo Indieはホロライブファンのクリエイターさんと一緒にものづくりをするために設立した、ホロライブプロダクションのファンゲームを取り扱うゲームブランドです。

ゲームブランドとして「クリエイターを支援するための還元エコシステムの提供」と「より多くのユーザーにゲームを届ける機会の創出」の2つを中心に展開しています。

――holo Indieが始まったきっかけを教えていただけますか。

金川さん：

元々『HoloCure』や『Idol Showdown』など、クリエイターさんが作ってくださったゲームがタレントの間で流行ったという背景がありました。

そのタイミングでそれらをもっとホロライブのために活かすにはどうしたらいいかという話が上がりました。

▲きっかけの１つである『HoloCure』(Steamより引用)

それで「これを後押しするためには、もっといろんな人にこういうゲームを作ってもらう必要があるよね」というところからガイドラインの制定やサポート、収益の仕組みを提供するのがいいんじゃないかとなりました。

企画書を作って提案して、とりあえずテスト的にやってみましょうとなったんですけれども。

そのタイミングで、実はろぼくろさんの方からこういうゲームを作っていいかみたいな問い合わせをいただいたんですよね。

――すごい嚙み合わせですね。

金川さん：

そうですね。「せっかくだしクリエイター側の意見を聞いた上で作ろう」という話になり、会社に1回ろぼくろさんをお呼びして、ぶっちゃけどういうのがあるといいですかみたいな話をしました。

ガイドラインも一部、ろぼくろさんに見ていただきながら制定しています。

――『ホロパレード』をリリースされてからの反響はいかがでしたか？

金川さん：

この座組み自体が珍しいというところで注目していただきました。

反響もすごく、その後告知したタイミングですぐに30～40件ぐらい応募をいただきました。

一旦テストランみたいな感じで始めたプロジェクトだったので、最初は全然審査が追いつかなくて、半年ぐらいクリエイターさんをお待たせしてしまいました。

――累計だと何件ぐらいの応募が来ているのでしょうか。

金川さん：

累計だと大体、118タイトルです。(※2025年6月12日段階)

――すごい数ですね。審査ではどういったところをチェックしてらっしゃるんでしょうか？

金川さん：

二次創作というところがこのプロジェクトはベースにあるので、完成度の高いゲームを求めているというよりは、どちらかというとファンの⽅とホロライブのタレントが楽しめるかどうかというところを基本軸に置いています。

「このクリエイターさん、本当にホロライブ好きなんだな」とか、ユーザー目線で「ホロライブのこういうゲーム欲しかったんだよな」みたいな。

タレントさんから見た時に、配信して楽しい、配信しやすいゲームを評価しています。

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個人から企業や学校まで！holo Indieが切り拓く新たな二次創作の形

――二次創作というものを会社として受け入れるのはハードルがあったのではないでしょうか。

金川さん：

元々カバーというかVTuberの文化自体かもしれないんですけど、二次創作自体が結構ウェルカムといいますか。むしろ皆さんにそういう創作をしていただきたいという思いが、会社としてもありました。

谷郷(カバー株式会社社長)も昔から言っていて、社内で「二次創作だからどう」みたいなのは正直そんなには無かったですね。

元々土壌があったので、非常に進めやすかったです。

▲公式の３Dモデルが使用された作品『スターそらイトファンタジー　～空へ届く魔法～』

――直近発売した「スターそらイトファンタジー」では公式3Dモデルの提供をされていましたね。今後もそういったサポートは増えるのでしょうか？

金川さん：

そうですね。直近だと3Dモデルデータの一部の提供と、あとはオーディオストックのアカウントをクリエイター向けに弊社の方から支給をさせていただいてます。

極力、提供できるものがあれば提供していきたいなというふうには考えてはいます。

ただ、オフィシャルで提供するものが増えると、多様性が失われるリスクもあるので、そうならないように、いい塩梅で提供していくことを意識して進めていこうと思っています。

その中でも3Dモデルの提供は社内でもだいぶハードルが高かったですね。

作り方だったり技術的なところの要素がかなり含まれているものではあるので。

ギリギリ許容できるラインを議論しました。

▲ビサイドによる作品『ホロライブお宝マウンテン』

――holo Indieでは『ホロライブお宝マウンテン』のように企業からの作品もありますよね。どういったきっかけで始まっているのでしょうか？

金川さん：

始めたての頃は、弊社から企業さんへ提案していました。

今はありがたいことに、企業さんの方から、どうすれば参加できるかなどお問い合わせをいただくことが多くなってきていて、打ち合わせさせていただきながら進めています。

あと、最近は学校法人さんとのやりとりも始めています。

今取り組みさせていただいているのは東京デザインテクノロジーセンター専門学校さんなんですが、オープンキャンパスのイベントに一条莉々華さんが出演し、実際に学生さんが作成したゲームを遊ぶという企画をやらせていただいたりもしています。

インディーゲーム市場におけるholo Indieの強みと役割

――インディーゲーム市場における、holo Indieの魅力とは何でしょうか。

金川さん：

holo Indie独自の物で言うと、やはりホロライブのIPが含まれてるっていうところが何にも変えられない強みだと思っています。

ホロライブの要素入ってるんだったらちょっとインディーゲーム触ってみようかなとか。

「配信でやってたやつだ」みたいなきっかけにはなるかなと思っています。

そういうところから「お、インディーゲームも結構面白いな」「これから他のゲーム触ってみようかな」という風に思っていただけるきっかけの提供は、できるんじゃないかなと思っています。

――今後のプラットフォーム展開についてもお聞かせください。

金川さん：

最初にSteamで発表した時も「頼むからSwitchでやらせてくれ」とか「スマホで出してくれ」とか、そういう声がたくさんありましたので、より多くのユーザーさんに触れてもらえるようにしていきたいなと思っています。

今後のタイトルがどう続くかはちょっとまだ決まってはいないんですけれども、皆さんにいっぱい遊んでいただけたら、他のタイトルもぜひ出して行きたいと思っています(笑)

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推しもファンも一緒になって大騒ぎ！『ホロパレード』の魅力を開発者に聞いてみた

ろぼくろ

フリーランスのゲームクリエイター。『ホロパレード』の開発者。

自身もホロライブの熱心なファンであり、ファンの視点を大切にした愛情あふれるゲーム開発を行っている。

たくさんの推しが入り乱れる「わちゃわちゃ感」が魅力の『ホロパレード』

――ろぼくろさんご自身が思う『ホロパレード』の魅力について、是非お聞かせください。

ろぼくろさん：

ホロライブファン向けですと、やっぱりタレントさんだったり、そのリスナーをモチーフにしたマスコットみたいなキャラクターですね。

85キャラ以上を全員イラストとアニメーションで描いていて、個性的な攻撃方法とか、そういう「自分の推しがどんな風に動くのか」みたいなところを楽しんでいただいているかなと思ってます。

特にタレントさんには配信から切り抜いてきたボイスが大体20種類ずつぐらいついているので、どんなボイスが採用されてるんだろうみたいなところも楽しんでいただいてるかなと思います。

ゲームとしては、タワーディフェンスジャンルではあるので、戦略性が割と求められます。

ポップな見た目の割には意外に奥深いですよ。

キャラをうまいこと組み合わせて編成を組んだり、プレイングで工夫したり、思考錯誤を楽しんでもらうゲーム性です。

じっくり楽しめるタイプのゲームになっています。

――ホロライブのタレントさんと、タワーディフェンスを組み合わせようという発想はどこから生まれたのでしょうか？

ろぼくろさん：

ホロライブのゲームを作ろうとなった時、その魅力を詰め込めるものがいいなと思っていました。

それがどんなものかって考えた時に、僕の中のホロライブの魅力はタレントさんだけじゃなくて、リスナーの皆さんも含めてのコミュニティ全体っていうイメージがあって。

ファンの存在も魅力の一因になってるなと思ったんです。

なので、1画面の中にタレントさんとファンが入り乱れて、わちゃわちゃ賑やかな画面が作れるものが何か無いかなというところで、タワーディフェンスがちょうどいいと思いスタートしました。

――キャラクターのアクションはご自身でアイデアを出されていると思いますが、どうやって考えているんですか？

ろぼくろさん：

(タレントの方々が)これまでずっと配信をしてこられた中で生まれた、タレントさんごとの物語とか、リスナーさんとの間でのネタとか、そういったものから拾ってくる感じですね。

リスナーさんがどういったものだったら喜んでくれるかなぁと考えて制作しました。

――ファンの方からアイデアをいただくこともあるんですか？

ろぼくろさん：

あります、あります！

広報活動の一環みたいな感じで「こういうキャラ実装しようと思ってるんだけど、どんな攻撃方法がいいでしょうか」っていう風にアイデアをいただいたりしてやったりもしましたね。

――特にお気に入りのキャラクターアクションを教えていただけますか。

ろぼくろさん：

大空スバルさんのアクションですね。

スバルさんの魅力である大きな声をイメージしたアクションで「ホワァァァ」という文字が出てきて、画面がガタガタ震えて、それが攻撃になってるみたいな(笑)。

兎田ぺこらさんが配信でプレイして笑ってくれてたりもして結構好評だったと思います。

――発売後のユーザーさんの反応で印象に残っていることはありますか？

ろぼくろさん：

一番嬉しかったのは、この作品をきっかけにホロライブを知りましたっていうのと、そこから自分でもholo Indieのゲームを作り始めました。っていうところまで行ってる方もいて。

それはすごく嬉しかったですね、やっぱりコミュニティの発展に貢献できてるんだなっていうのが。

DLCが全部入り！！Switch版の魅力とは？

――今回発売されるSwitch版ならではの魅力があれば教えてください。

ろぼくろさん：

Switch独自の要素ではないですが、Steam版で出てた有料DLCが全部入っています。

兎田ぺこらさん、湊あくあさん、白上フブキさんの3名の楽曲付き衣装が入っていて、豪華なライブ衣装や、水着衣装バージョンなどに切り替えができ、その3名のオリジナル楽曲がBGMとして流せるようになっています。

あと、元々スマホに出したかったゲームでもあったんですよ『ホロパレード』って。

タッチ操作に対応して操作しやすくなっているので、本当に『ホロパレード』を遊ぶ上でNintendo Switchは結構ベストな媒体かなって思ってます。

次回作『ぷちホロの村』について

――『ぷちホロの村～剣とお店と田舎暮らし～』の開発状況をお伺いしてもよろしいですか？

ろぼくろさん：

まず初期は3人ぐらいで作っていましたが、3月に告知をさせていただいてプロジェクトの協力者を募集したところなんと450名以上の方から応募いただきました。

そこから何人かの方にお声がけして、今は15人ぐらいの体制でプロジェクトを進めています。

マルチプレイ対応なのが結構技術的に難しくて苦労してるのですが、やっぱり皆さんホロライブファンですし、すごく熱意持って制作に取り組んでいただいてます。

増えたメンバーについては今後発表する機会がありますので自分としても告知を楽しみにしています。

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お2人から読者へ向けたメッセージ

「ホロライブ」で繋がったクリエイターの夢（ろぼくろ氏）

一度は僕もゲーム会社に最初就職しようと思った時期があって、クリエイターっていうのに憧れがありました。

自分には難しいかなと諦めてしまった夢だったんですけど、ホロライブをきっかけに夢が続いて、holo Indieをきっかけに「クリエイターとして生きていこう」っていう勇気を貰えました。

これからもっと面白いゲームを作り続けることで、同じように悩んでるクリエイターさんとか、迷ってるクリエイターさんに勇気を与えられるようになれればいいなと思っています。

『ホロパレード』がSwitchにリリースできたのも、たくさんプレイいただいたファンの皆さんのおかげですし、本当に感謝しています。

これからも応援していただけると嬉しいです。

クリエイターの応募が、このプロジェクトのすべて（金川氏）

holo Indieは、クリエイターさんの応募がなくなると立ち行かなくなってしまうプロジェクトです。

なので、これからもクリエイターさんが応募しやすいような環境を順次整えていきたいと思っています。

ファンの⽅とタレントの皆さんに楽しんでいただけるようなコンテンツを出していくのが本当に一番holo Indieで大事な部分だと思っているので、共感していただける方は、ぜひholo Indieの応募をご検討いただけると嬉しいなと思います。

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まとめ

インタビューから、発売されるゲームの魅力はもちろん、「holo Indie」というブランドとクリエイター、そしてファンが生み出す熱も伝わったのではないだろうか。

『ホロパレードデラックス版』『ホロライブお宝マウンテンてんこ盛りVer』はNintendo Switch向けで2025年6月19日発売中だ。

また、この記事を読んで心を動かされたクリエイターは、ぜひholo Indieへの応募を検討してみてはいかがだろうか。

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ハード別発売日カレンダー

発売日など基本情報

発売日	PC: 2023年12月1日 Switch: 2025年6月19日 Switch2: 2025年6月19日
会社	holo Indie
ジャンル	ストラテジー
対応ハード	PC / Switch / Switch2
価格	PC : 890円(税抜) Switch : 1,363円(税抜) Switch2 : 1,363円(税抜)
公式Twitter	@roboqlo