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11月1日、『昭和米国物語(Showa American Story)』の第2弾のトレーラー(下記動画)が公開された。
本作は、「昭和66年に日本がアメリカを経済的・文化的な植民地にした世界」が舞台のアクションRPGである。全体的に1980年代の雰囲気が漂う、B級映画のようなビジュアルが特徴的だ。
ちなみに、本作を開発しているのは、中国のゲーム会社、NEKCOM GAMESである。
その奇抜な世界観と散りばめられたネタの数々、様々な作品へのオマージュが大きな話題を呼んでいる。
そこで、NEKCOM GAMESの代表取締役で、本作のクリエイティブ・ディレクターでもあるXY.Luoさんにインタビューを実施した。
目次
昭和米国物語
昭和の思い出とコメディ・暴力・ロマンスの融合が魅力
──よろしくお願いいたします。はじめに、あらためて本作の魅力をお伺いしてもよろしいでしょうか。
XY.Luoさん
私が小さい頃に見てきた日本とアメリカのコンテンツをベースにして、当時の思い出やネタ、レトロな雰囲気を再現しているところです。コメディ・暴力・ロマンスの3つの要素を融合させています。
──登場するさまざまな要素やネタに関しては、どのように考えているのでしょうか?
XY.Luoさん
基本的には私が考えていますが、開発チームのメンバーから募集したアイデアも採用しています。
チームには、平成生まれの方もいます。彼ら彼女らは、良い意味で昭和のコンテンツに詳しくないんですよね。
なので、私が「こんなことがあったんだよ」と教えることで、昭和を経験していない立場からアイデアを出してもらっています。
世代の差があるからこそ、さまざまなアイデアを取り入れることができ、面白い作品を作れているのではないかと考えています。
──実は私は平成元年生まれなので、昭和を経験していません。Luoさんにとって、昭和とはどんな時代でしたか?
XY.Luoさん
日本のものも含めて、アニメ、漫画、ドラマ、任侠映画、時代劇をたくさん観てきました。もちろん、ゲームもそうです。『ドラゴンクエスト』や、『ファイナルファンタジー』などをプレイしていました。
これらを混在させたものが、昭和に対する思い出というか印象ですね。
──特に好きなアニメや漫画、特撮作品などはございますか?
XY.Luoさん
小さい頃に見たアニメの中では、例えば「鉄腕アトム」「花の子ルンルン」「一休さん」「ドラえもん」などが強く印象に残っています。
アニメ・漫画の両方に該当しますが、いわゆるジャンプ系の作品も好きですね。「ドラゴンボール」や「幽☆遊☆白書」が特に好きで、もちろん作者の鳥山明先生と冨樫義博先生も大好きです。
中国において、我々の世代にとっての特撮といえば、「恐竜戦隊コセイドン」でした。小さい頃に、コセイドンのお面かヘルメットのおもちゃを被って、学校に登校したこともありますよ(笑)。
昭和米国物語
なぜPVでは蝶子の顔にモザイクがかかっていたのか
──11月1日に公開された第2弾のトレーラーでは、新たに多くの要素が紹介されました。ユーザーの反応はいかがでしたか?
XY.Luoさん
第2弾は、第1弾よりも多くの反響がありました。これまでの世界中の視聴回数や再生回数を合計すると、1億4000万回を超えています。
そして、そのうちの95%以上は好意的なものでした。熱烈な応援を受けていると感じていますね。
──トレーラーでは、主人公の蝶子の顔にモザイクがかかっているシーンがあり、ユーザー間でも話題になっていました。何か理由はあるのでしょうか?
XY.Luoさん
実は、まだこの部分が完成していないので、お見せできないだけなんです(笑)。
そんな中で、「モザイクをかけてみるのはどうだろう?」というアイデアが出ました。面白いと思っていただけたなら嬉しいです。
昭和米国物語
「もしも明日が…。」をテーマソングに起用した理由
──第2弾のトレーラーでは、わらべの「もしも明日が…。」が流れるのが印象的です。
この曲を2つ目のテーマソングに起用した経緯を教えて下さい。
XY.Luoさん
ゲームのテーマやストーリーにしっかり合っているということで、使わせていただきました。
1つ目のテーマソングである、「それが大事」は、いわゆるバブルが崩壊してそこから立ち直す、という意味を込めて使用しています。
「もしも明日が…。」は、恐れを知らずに明日を楽しめる、「明日への希望」や「明日に対する憧れ」があふれる歌です。まさに、ストーリーにおける「災厄」が起こる前と、起こった後の両方の心境を表していると思ってます。
2曲とも中国語でカバーされていることもあり、私にとっても非常に思い出深い曲です。
──1つ気になったのですが、ライセンスはスムーズに取れましたか?
XY.Luoさん
私たちは日本の代理店を通して、ライセンスを取りました。版元様も「こんなに世界観が奇抜で、セクシーでゴア表現のあるゲームのテーマソングにしても大丈夫なのか?」という部分は、心配されていましたね(笑)。
もちろん、トレーラーでお見せしているものだけがゲームの趣旨ではありません。その背後には、古き良き時代の思い出があります。「閉塞感のある現代を生きる皆様に、そんな時代を思い出していただき、元気づけたい」という気持ちで開発していることを説明したところ、快諾していただけました。
昭和米国物語
インパクトのある地名はどのように決まったのか
──新しいトレイラーでは「第四 新東京都市」や「新 横浜市」など、様々な場所が紹介されました。地名については、どうやって決めたのでしょうか?
XY.Luoさん
アメリカの地名の名付け方法にちなんでいます。もともとは、ヨーロッパ系の移民が自分のふるさとの地名に「ニュー」をつけたのが、そのままアメリカの地名になっているんですよ。
例えば、「ニューヨーク(New York)」って、よく考えると「新しいヨーク」ですよね?「ニューオーリンズ(New Orleans)」もそうでしょう。
逆に、皆様にとってどう感じるのかが気になります。インタビュアーさんは「新 横浜市」や「第四 新東京市」がトレーラーに出てきたときにどう思いましたか?
──「第四 新東京市」と聞いて最初に連想したのは、「某ロボットアニメ」でした。
「新 横浜市」に関しては、私が横浜市の出身で、何度か新横浜に行ったことがあったので、馴染み深いなと思っていました。
実在することを知らずに名付けていて、後で日本に出張したときに、「こういった地名が存在するんだ」と気づくこともありました。本当に偶然ですね(笑)。
逆に考えると、なぜ日本では地名に「新」を付けることが多いのか、とても奇妙に感じます。
──気にしたことはありませんでしたが、たしかにその通りですね。
マップ繋がりでご質問ですが、ゲーム内の建造物について、実際に現地を訪れたことがきっかけで登場させたものはありますか?
特にありません。というのも、「もし日本がアメリカに植民していたらどうなっていたのか?」を想像して作っているからですね。
イメージとしては、チャイナタウンならぬジャパンタウンを作るような感じで、当然ながら自分達に馴染みがあるような建物や風景を作っていくと思うんですよ。
トレーラーには、サン・フランシスコにある「ゴールデンゲートブリッジ」のようなものに提灯がついていたり、しめ縄が飾られていたりしますよね。このあたりもそんな想像をしながら作りました。
昭和米国物語
作っていくうちに、ゾンビへの愛着が湧いてきた
──ゾンビのデザインについて、何かこだわりはありますか?
XY.Luoさん
最初は、セクシーな表現やゴア表現に便利な敵を作ることを考えていました。生身の人間よりゾンビのほうがいいんじゃないかと。
ただ、作れば作るほど、「ゾンビらしさとは何か?」「どうすればもっとゾンビらしくなるのか?」と考えるようになりました。ストーリーを書いているうちに、ゾンビに対する愛着が湧いてきたんですね。
最初はただのゴマなんですけれども、作れば作るほどだんだんゴマの顔も見えてくるし、それぞれの性格も見えてくる……そういった感じです(笑)。
昭和米国物語
蝶子の成長システムと、登場する武器
──トレーラーには、蝶子がショットガンやドリルなど、武器を切り替えて戦うシーンがありますが、登場する武器の種類は何種類ぐらいなのでしょうか?
XY.Luoさん
武器の種類は2桁を予定しています。ぜひ、いろんな組み合わせを皆様に模索してみていただければと思っています。
奇抜なものも登場するかもしれません。武器を切り替えると、すぐにモザイクがかかるような、そんな案も出ていました(笑)。
──レベルアップやスキルツリーなど、蝶子の成長システムはどのようになっていますか?
XY.Luoさん
今はまだアバウトなことしかお伝えできませんが、いわゆる普通のRPGのようにレベルアップするとステータスが上がっていきます。
それから、ゲームの中にはミニゲームや、サブミッションがあり、それらもステータスに影響を与えます。例えば、ランニングマシンを使ったり、漫画を読んだりすることでも、ステータスが上がっていきます。
スキルツリーについては、蝶子個人と武器の両方にありますよ。
──プレイヤーの選択によってストーリーが分岐したり、異なるエンディングが用意されているのでしょうか?
XY.Luoさん
エンディングの分岐はありません。その代わりに、ミニゲームやサブミッションをたくさん実装する予定です。
さまざまな人間模様が描かれており、思わず笑ってしまうようなものもあれば、涙を誘うものもあります。
昭和米国物語
ファンの皆様へのメッセージ
──現在の開発状況を教えて下さい。
XY.Luoさん
既に開発の最終段階に入っています。主に、全体のチェックや微調整を進めているところです。
──最後に、ファンの皆様にメッセージをお願いします。
XY.Luoさん
PV第2弾の公開後、多くのプレイヤーのコメントを見ました。PVの細かい場所に隠した要素を発見してくれた上に、セリフに注目してくださった方が多かったのもありがたかったです。セリフを書いた時の私の気持ちと共鳴して。
プレイヤーたちには笑う人もいれば、泣く人もいる。中には笑いながら泣く人もいます。これは、まるでプレイヤーと交流しているような感覚です。この交流は、直接的なコミュニケーションではなく、作品を通して行われています。
リリースの日が待ち遠しいです。私が愛している『昭和米国物語』の世界を、皆さんにも愛していただけたら幸いです。
──ありがとうございました。
昭和米国物語
まとめ
インタビューやその後のお話の中で、Luoさんからはゲーム開発や昭和に対する非常に熱い想いを感じた。
今よりも色々な意味でおおらかだった昭和という時代。もしかしたら『昭和米国物語』はそんな古き良き時代に宛てたラブレターなのかもしれない。
そんな『昭和米国物語』は、PS5/PCで2025年発売予定。発売日が待ち遠しい。
昭和米国物語
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発売日など基本情報
発売日 |
2025年 |
---|---|
会社 |
2P Games |
ジャンル | アクションRPG |
対応ハード | PC / PS5 |
価格 |
PC : 未定
PS5 : 未定
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公式HP | |
公式Twitter |
昭和米国物語
GameWith編集者情報
小学生のときにゲームボーイを買ってもらったことをきっかけでゲーム好きになる。 「ポケットモンスター」シリーズや「パワプロクンポケット」シリーズ、「逆転裁判」シリーズが好き。 特にハマっているスマホゲームは『ポコロンダンジョンズ』で、8年間プレイし続けている。 休日は、『ポケモンGO』のために、いつもどこかを歩きまわっている。 |
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