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2024年1月19日、浅草橋ヒューリックホール&ヒューリックカンファレンスにて開催された「ゲームクリエイター甲子園 2024 発表授賞式&作品展示会」。多くの学生や関係者が集まり、非常に盛り上がりました。
本イベントは、1年を通して作品とクリエイターが共に成長することを目的とした、成長型コンテストです。
本記事で紹介している作品の一部は、ゲームクリエイターズギルドが運営する「みんなのゲームパレード」にて遊ぶことができます。
本記事では、総合大賞の授賞式の様子と、授賞式の中で開催された「野田ゲー王決定戦」の結果発表、ゲームクリエイターズギルド代表の宮田さんへのインタビューについてお届けします。
総合大賞『すぽっとスポット!』
チーム名:深夜2時に明日って今日?
見事1,001作品の中から大賞に輝いたのは、「深夜2時に明日って今日?」の『すぽっとスポット!(以下、すぽスポ)』。
プレイヤーは、穴に埋まるのが大好きな「すぽいむ」の身体をちぎったりくっつけたりして、ゴールにスポッ!とハマるのが気持ちいいパズルゲームです。
細かい部分にも非常にこだわって制作されており、非常に完成度が高い作品でした。洗練されたデザインも素晴らしいです。5ステージ+EXの全41ステージと、ボリュームもたっぷり。
※すぽっとスポット!公式Xによると、実際には賞金を分けてみんなで焼肉に行くそうです。
総合大賞を受賞した「深夜2時に明日って今日?」代表者インタビュー
──今の率直なお気持ちをうかがってもよいでしょうか?
「深夜2時に明日って今日?」代表の倉富さん:
元々は学内のコンテスト向けに作った作品です。ただ、学内で1着を取ったことはあっても、外部のコンテストで大きな賞を取ったことはありませんでした。なので、このような大きい賞をいただけてすごく嬉しいです。
初めてのチーム制作だったこともあり、チームメンバーにたくさん助けられて……とにかく熱い想いで作りました。
──初めてのチーム制作で大賞を受賞されたのですか!?
倉富さん:
以前にも1度チーム制作に挑戦したのですが、技術も経験もなく、コケてしまったので、そのときの悔しい気持ちを糧に制作しました。
「深夜2時に明日って今日?」のメンバーの中にも、そのときに一緒にやっていたメンバーがいます。
──挫折からの栄光というストーリーがあったのですね。制作において、特にこだわった部分はありますか?
倉富さん:
特に、デザイン面にこだわっています。「すぽいむ」の体が分離するとき、スライムっぽく分離するように「メタボール」というシェーダーの技術を使いました。
DirectXでの開発は初めてだったので、シェーダーの勉強から始めました。ぷにゅっとした感触を上手く表現できたと思います。
全体的にかわいらしいデザインにして、統一感を持たせるよう工夫しました。
効果音についてもこだわっています。実際に使ったのは60種類ぐらいですが、制作の過程で200種類ぐらいボツにしました。何回も作り直してもらったものもありますね。
そういった細部へのこだわりが、ゲーム体験の気持ち良さに繋がっているようで良かったです。
──ありがとうございました。大賞、本当におめでとうございます0ω0。
▶『すぽっとスポット!』作品紹介ページはこちら総合賞2~5位もクオリティが高い作品が並ぶ
総合賞2位『FrameShift』
チーム名:枠星人
『FrameShift』は、空間をループさせるフレームの力でゴールを目指す、2Dパズルアクションゲーム。ルールは「フレームの境界で上下、左右に空間が繋がる」、これだけです。
一見クリアできそうにないステージも、フレームを活かして「ループ」と「ワープ」を使い分けることでクリアできるのが面白いです。「枠にとらわれない」というコンセプトも秀逸だと思いました。
総合賞3位『SHADOW LEAP』
チーム名:Leapers
3位はなんと同率で2作品。『SHADOW LEAP』は、影を操る力を持つ主人公が、自分の影分身と共闘するアクションゲーム。スピード感のある爽快なアクションが魅力です。
審査員の方々がコメントでも触れていましたが、ステージのデザインや残像の表現など、スタイリッシュでカッコ良い画面作りを追求しているなと思いました。サイバーパンクな世界観もオシャレです。
総合賞3位『Out of Skull』
チーム名:セイテイシレズ
『Out of Skull』は、ガイコツの主人公が頭を投げてゴールを目指す、パズルアクションゲーム。作品紹介にもある通り、「頭を使って」ステージをクリアしていきます。
「すべてのステージでひらめきを得られるように制作した」とのことで、解けた瞬間の達成感がたまりません。ステージが進むにつれてギミックが増え、やりごたえも抜群です。
総合賞5位『SphereSmash』
チーム名:Team16
5位の『SphereSmash』は、ピンボールのようなアクションゲーム。ボールのような主人公を操り、巨大な宇宙船の上を転がって、ステージ上のさまざまなオブジェクトを破壊し、宇宙船のコアの破壊を目指します。
プレイ後にはスコアも表示されるので、より高いスコアを取るために「どんなルートで転がせばスコアを高められるのか?」を追求する奥深さもあります。宇宙的な世界観のデザインも素敵でした。
野田ゲー王決定戦の結果発表
発表授賞式の中で、『スーパー野田ゲーMAKER』で作ったゲームの面白さを競う「野田ゲー王決定戦」の結果発表も行われました。大賞作品に選ばれたユーザーには、ゲーム内で表示される公式認定の本人バッジが授与されます。
『スーパー野田ゲーMAKER』は、「野田AI」からの質問や会話に応えることで、4,500以上の素材から自分だけのゲーム作品を手軽に作ることができるゲームです。
審査員はマヂカルラブリーの野田クリスタルさん、面白法人カヤックの後藤裕之さん。そして、「東方Project」シリーズで有名な上海アリス幻樂団のZUNさんの3人。
ゲストは、デッカチャンさん、バイク川崎バイクさん、G-STAR GAMINGの芦澤佳純さん。司会はヒロユキMc-Ⅱさんです。
野田さんやゲストが最終ノミネート作品のプレイを楽しんだ上で、相談して大賞作品を決めることに。初代野田ゲー王の最優秀作品賞とゲスト賞は以下の通りとなりました。
最優秀作品賞 一般部門『〜カワサキの攻撃〜 Robert Hand Wars』
作者:アクタさん
『〜カワサキの攻撃〜 Robert Hand Wars』は、バイク川崎バイクさんが主人公の、じゃんけんを活かしたシューティングゲーム。グー・チョキ・パーの性質を持つ敵を、勝てる手の弾を発射して倒していきます。発想が面白いです。
最優秀作品賞 学生部門『I wanna be the nodage player』
作者:暇人太郎(CXかちょうオーン!)さん
『I wanna be the nodage player』は、いわゆる「アイワナ」系の死にゲーです。初見殺し要素も多いですが、やればやるほど上手くなり、達成感を味わえます。
ゲスト賞『Find Your Soul』
作者:Σ2さん
『Find Your Soul』は、魂を集める2D横スクロールアクションゲーム。シューティングや謎解き要素もあります。優しい音楽と神秘的な雰囲気が印象的です。
ゲームクリエイターズギルド代表の宮田さんにインタビュー
ゲームクリエイターズ甲子園の主催である、ゲームクリエイターズギルドの代表取締役、宮田大介さんにインタビューを実施しました。
──よろしくお願いいたします。ゲームクリエイター甲子園に関して、100以上の賞があることに驚きました。こちらには、どういう想いが込められていますか?
宮田さん:
これはもうずっと最初の会社の時から大事にしていることで、僕たちは別に「ゲームを作っている若手のみなさんの中の1番を決めること」に強い想いがあるわけではないです。
エンタメなので、いろんな評価軸、いろんな好きな軸に刺さる作品ってたくさんあると思うんですよ。
「1位の作品を決めるコンテスト」にしてしまうと、その他の尖った作品が埋もれてしまう。それはすごくもったいないと思っています。
僕たちはチャンスを増やすための存在なので、なるべく多くそういったチャンス、評価される機会を増やしたいという狙いがあります。
ありとあらゆる評価軸の賞を設けようと思ったら、自然と100種類を超えてしまったっていう感じですね(笑)。
──授賞式でも「総合大賞は決めているけど、それが全てではないよ」とお話されていましたよね。いろんなゲームがあって良いし、どれもそれぞれ面白さがあるということで。
宮田さん:
そこのメッセージをすごく大事にしているので、やっぱりゲーム業界として、そういったそれぞれの1位に向かっていって欲しいと思っています。
──ありがとうございます。話は変わりますが、今回、授賞式の中で「野田ゲー王決定戦」の結果発表を行ったきっかけをお伺いしても良いでしょうか?
宮田さん:
もともと、「野田ゲーのコンテストを開催しよう」というお話がありました。話を進めていく中で、「ちょうどゲームのリリースに近いタイミングなので、授賞式で決定戦の結果発表も実施しませんか?」というご提案をいただき、それがきっかけとなりました。
(引用元:My Nintendo Store スーパー野田ゲーMAKER)
『スーパー野田ゲーMAKER』はクリエイターがゲームを作って盛り上げていくゲームですよね。クリエイターが応募して盛り上がっていくイベントはどんどん増えていますが、作れるクリエイターはあまり多くないのではないかと思います。
ゲーム制作の裾野が、若手からもっとカジュアルなところまですごく広がっているなと感じますね。ゲームクリエイター甲子園もそういった可能性を広げることを狙いとしているので、すごくテーマにも合っていると思って一緒に開催させていただきました。
──そうだったのですね。結果発表は審査員やゲストの方も豪華で、すごく盛り上がっていました。
宮田さん:
野田さんだけじゃなくてZUNさんなどもいらっしゃって、すごく豪華な式になって良かったです。
(引用元:【公式】スーパー野田ゲーMAKER公式X)
「野田ゲー王決定戦」ってある意味ちょっと異端の作品のコンテストじゃないですか。異端のコンテストの作品とは思えない超豪華審査員という形で、そのアンバランスさがすごく面白いなと思っています(笑)。
──ありがとうございます。最後に、学生クリエイターへのメッセージを一言いただいても良いでしょうか?
宮田さん:
もはや「学生クリエイターっていう括りが正しいのか?」と思うぐらい、インディクリエイター、商業作品とかと肩を並べるようになってきていると思っています。
なので、「プロクリエイターに劣る存在の学生としての練習作品」ではなく、もう世界に向けて、自分の作品を遊んでもらえるように、どんどん勝負してほしいです。
学生だからといって臆することなく、1クリエイターとして世界に向けて戦って、どんどん自分のファンをつけていってもらいたいと思っています。
そういったことのきっかけに、ゲームクリエイター甲子園を活用していただければありがたいですね。自分のことを若きスター、ネクストスターだと思って、ぜひ制作に取り組んでいただければという風に思っております。
──今日は1日楽しかったです。ありがとうございました。
まとめ
1日取材させていただいて、クリエイターをはじめとした参加者の熱量に溢れた、素晴らしいイベントだと思いました。
また、本イベントには、ゲーム開発に熱量ある学生を採用したい企業がブース出展しており、企業説明を受けることもできます。
ゲームを遊びながら、就職活動もできるイベントになっており、学生クリエイターの成長や将来についても、とても考えられていると感じました。
エンディングでは「ゲームクリエイター甲子園 2025」の開催も発表されました。来年も素敵なゲーム、素敵なクリエイターに出会えることを楽しみにしています。
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GameWith編集者情報
小学生のときにゲームボーイを買ってもらったことをきっかけでゲーム好きになる。 「ポケットモンスター」シリーズや「パワプロクンポケット」シリーズ、「逆転裁判」シリーズが好き。 特にハマっているスマホゲームは『ポコロンダンジョンズ』で、8年間プレイし続けている。 休日は、『ポケモンGO』のために、いつもどこかを歩きまわっている。 |
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