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テーマ特化型のインディーゲーム展示会「DREAMSCAPE#5」現地レポート。会場で出会った個性豊かな5タイトルを紹介

テーマ特化型のインディーゲーム展示会「DREAMSCAPE#5」現地レポート。会場で出会った個性豊かな5タイトルを紹介

最終更新 :
過去の自分と協力するパズルから、ゲームボーイ実機で動く作品まで。インディーゲームのイベント「DREAMSCAPE#5」で出会った個性豊かな5タイトルの画像

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2026年10月24日、東京国際フォーラム E2ホールで、テーマ特化型のインディーゲーム展示会「DREAMSCAPE#5 presented by マウスコンピューター」が開催された。

第5回となる今回は、初めて「アクション/パズル/アート」という3つのテーマを掲げた。また、会場・出展数ともに過去最大の規模となり、146作品が集まった。

操作そのものを楽しむアクションから、じっくり頭をひねるパズル、物語や表現を味わう作品まで、さまざまなゲームに触れることができたイベントの様子をご紹介する。

目次

「DREAMSCAPE#5」はどんなイベント?

「DREAMSCAPE」は、テーマを決めて作品を集める「テーマ特化型」のインディーゲーム展示会だ。主催はWorldMap株式会社が務めている。

今回のテーマを考える出発点になったのは、人間の思考と知覚だという。「瞬時に反応し、直感で動くこと」「立ち止まり、仕組みを読み解き、じっくり考えること」そして、「そのどちらにも収まらない表現に触れ、心が動くこと」。この3つを、ゲームの楽しさに触れる「入口」として設定している。

ジャンル名ではなく、遊ぶときの頭と体の使い方でテーマを切り分けているのが特徴だ。インディーゲームに詳しくなくても、「直感で動かしたい」「じっくりと考えたい」といった自分の好みを手がかりに、気になる作品を探せる。

過去の自分と協力するパズルから、ゲームボーイ実機で動く作品まで。インディーゲームのイベント「DREAMSCAPE#5」で出会った個性豊かな5タイトルの画像

会場の中心となるのは、出展作品をその場で遊べる試遊エリアだ。加えて今回は、会場に直接来られないクリエイターの作品を紹介する代理出展エリアも設けられた。来場者は海外や遠方の開発者による作品にも触れられ、作り手同士にとっても、互いのゲームを知るきっかけになる場だった。

過去の自分と協力するパズルから、ゲームボーイ実機で動く作品まで。インディーゲームのイベント「DREAMSCAPE#5」で出会った個性豊かな5タイトルの画像

このほか、作品関連グッズや展示会グッズの物販、各種協賛ブースも展開。音楽体験を通じて新しいゲームを知るコラボ企画「DREAMSCAPE×びぶ」も実施され、遊ぶこと以外の入口からも作品に出会えるようになっていた。

会場で印象に残ったのは、ゲームを遊ぶ場と、作り手と話す場の距離が近いことだ。試遊しながら開発者に仕組みを聞いたり、気になった点をその場で尋ねたりと、遊んだ先に会話が生まれる。来場者もそれぞれ、気になる作品に向き合っていた。

全出展者・出展作品は、DREAMSCAPE公式サイトで公開中だ。

▶「DREAMSCAPE#5」公式サイトはこちら

また、出展者への10問10答記事が「DREAMSCAPE JOURNAL」にて公開されている。あわせてこちらもチェックするのがおすすめだ。

▶「DREAMSCAPE JOURNAL」はこちら

気になった5作品をピックアップ

今回は会場で実際に試遊し、開発者に話を聞いた作品の中から、5タイトルを紹介していこう。

正気度が変わると、見えるものも戦い方も変わる『Replica Club √D』

もねてす氏が手がける『Replica Club √D(レプリカクラブ ルートD)』は、探索や推理、カードバトルを組み込んだTRPG風コズミックホラーアドベンチャー。華やかなハリウッドの劇場街と、見覚えのない暗い街という、ふたつの世界を舞台に物語が進んでいく。

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本作を特徴づけているのが、クトゥルフ神話TRPGでもおなじみの「正気度(SAN値)」だ。この数値が探索・推理・戦闘のすべてに関わり、ゲーム中のさまざまな変化につながっている。

たとえば、探索では正気度によって見えるものが変化する。推理で選んだ選択肢によって正気度が変わり、その状態は戦闘で使えるカードや技にも影響する。物語の選択と戦い方が、正気度を介してつながっているわけだ。

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変わるのは性能だけではない。戦闘のUIや演出にも変化があり、カード名やメッセージ、メニューといった画面上の言葉まで、正気度に応じて壊れていく。主人公の状態が数値として示されるだけでなく、プレイヤーが見ている画面そのものにも表れるところが面白い。

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開発者によると、正気度判定や戦闘のダメージにはダイスを使うが、クリティカル(大成功)やファンブル(大失敗)は採用しておらず、正気度はある程度プレイヤーがコントロールできるという。

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物語は全4章構成で、エンディングは3+1のマルチエンディング。そこに至る道中も大きく異なり、正気度が一定を下回ると、到達できるシーンそのものが変わるそうだ。

同じ出来事でも、どんな状態で向き合うかによって見え方が変わる。物語とゲームの仕組みがどのように結びついていくのか、先を確かめたくなる作品だった。

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「10」を作って戦う、でも時には10を超える判断も必要『IZEA:10puzzle Rogue-Lite RPG!』

本質のおもちゃ箱氏による『IZEA:10puzzle Rogue-Lite RPG!』は、数字と四則演算を使って戦う計算パズルRPG。4つの数字から10を作る「10パズル」を、RPGのバトルに組み込んだ作品だ。

過去の自分と協力するパズルから、ゲームボーイ実機で動く作品まで。インディーゲームのイベント「DREAMSCAPE#5」で出会った個性豊かな5タイトルの画像

配られた数字カードを使って式を作り、10を目指すのが基本の遊びだ。数字カードにはそれぞれ効果があり、単に計算問題を解くだけではない。引いたカードをどう組み合わせるか、手元の数字で何ができるかを考えるところに、カードゲームらしい面白さが加わっていた。

過去の自分と協力するパズルから、ゲームボーイ実機で動く作品まで。インディーゲームのイベント「DREAMSCAPE#5」で出会った個性豊かな5タイトルの画像

興味深いのは、計算結果が10を超えても攻撃できることだ。その数字に応じたダメージを与えられるものの、反動で自分もダメージを受けてしまう。どうしても10になる組み合わせが思いつかないときの打開策にもなれば、反動を承知で大ダメージを狙う手段にもなる。計算に詰まったときの逃げ道と、攻めるための選択肢を兼ねた、絶妙な仕組みだと感じた。

そこに数字カードごとの効果も絡むため、式ができたところで考えどころは終わらない。10ぴったりを狙うのか、反動を受け入れて大きな数字で攻めるのか、今攻撃すべきかまで判断する必要がある。

過去の自分と協力するパズルから、ゲームボーイ実機で動く作品まで。インディーゲームのイベント「DREAMSCAPE#5」で出会った個性豊かな5タイトルの画像

計算に詰まった際のヒントも用意されている。すぐに式が思い浮かばないときでも、手がかりを頼りに考えられるのは嬉しい。

さらに、戦闘後の強化など、ローグライトの要素も組み合わされている。数字カードに効果を付けたり、仲間の能力を組み合わせたりと、計算をどう有利に進めるかにも工夫の余地がある。おなじみの10パズルを入り口に、どんな戦い方を組み立てられるのか。計算好きはもちろん、手札から一手を考えるゲームが好きな人にも注目してほしい作品だ。

過去の自分と協力するパズルから、ゲームボーイ実機で動く作品まで。インディーゲームのイベント「DREAMSCAPE#5」で出会った個性豊かな5タイトルの画像
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過去の自分は、動きごと頼れる仲間になる『Astro Loopers』

ビットグルーヴが開発する『Astro Loopers(アストロ ルーパーズ)』は、倉庫番スタイルのパズルにタイムループを組み合わせた作品。宇宙を舞台に、ブロックや仕掛けを利用してステージを攻略していく。

過去の自分と協力するパズルから、ゲームボーイ実機で動く作品まで。インディーゲームのイベント「DREAMSCAPE#5」で出会った個性豊かな5タイトルの画像

最大の特徴は、時間を巻き戻すと、過去の自分がそれまでの行動を繰り返すこと。今操作しているキャラクターと、過去の行動を再現するキャラクターを連携させて、ひとりでは解けない状況を突破していく。

ここで大事なのは、過去の自分がいた位置だけでなく、そこに至る動作も再現されるという点だ。ある場所にキャラクターを置けば終わり、という仕組みではない。どこへどう動いたかも、次の自分が攻略するための材料になる。

過去の自分に何を任せ、今の自分は何をするのか。さらに、あとから行動する自分を助けるには、先にどんな動きを残しておけばいいのか。目の前の盤面を考えることに、時間をまたいだ段取りが加わってくる。

過去の自分と協力するパズルから、ゲームボーイ実機で動く作品まで。インディーゲームのイベント「DREAMSCAPE#5」で出会った個性豊かな5タイトルの画像
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試遊では序盤からしっかり考える場面があり、仕組みを理解しているつもりでも、実際に手を動かすと頭をひねることになった。そのぶん、過去と現在の動きがうまくつながり、解けた瞬間は気持ちいい。自分で用意した動きが、あとから自分を助けてくれる感覚が楽しい。

登場キャラクターには、ブロックを押す、引っ張る、壊すなど、それぞれの能力もある。倉庫番になじみのある人も、時間とキャラクターの使い分けによって、ひと味違うパズルを楽しめそうだ。

過去の自分と協力するパズルから、ゲームボーイ実機で動く作品まで。インディーゲームのイベント「DREAMSCAPE#5」で出会った個性豊かな5タイトルの画像
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PC(Steam)向けに2027年に発売予定で、無料体験版も配信中。気になった人は、まず過去の自分との連携を体験してみてほしい。

Steamで詳細を見る

一度に持てる色はひとつ。行ったり戻ったりが攻略になる『色がなくなっちゃった?!』

たみなる氏とまめそら氏による『色がなくなっちゃった?!』は、色を失った森を舞台にしたアクションパズル。色を「とる」「つける」という操作を使い、少女と森の色を取り戻していく。

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色は見た目だけでなく、仕掛けを動かすための大切な要素だ。色を付けることで、触れられなかったものが足場などとして使えるようになる。ただし、一度に持ち運べる色はひとつ。必要な場所へ次々と色を付けていけば済むほど、単純ではない。

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試遊で面白かったのは、先へ進むために、いったん戻ることも必要になる点だ。足場を作ったあとに引き返し、ジャンプ台を利用して進むなど、ステージの中を行き来しながら道筋を考えていく。

進行方向だけを見ていると解けない場面でも、来た道と、そこに残した仕掛けを見直すことで次の一手が見えてくる。一度に持てる色をひとつに絞ったルールが、ステージ全体を使うパズルにつながっていた。

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白くなった景色に色を取り戻していく、見た目の変化も楽しい。かわいらしいキャラクターと柔らかな雰囲気にひかれて遊び始めても、色の使い道を考えるうちに、自然とパズルに向き合うことになる。

本作はunityroomで公開されており、ブラウザで気軽に触れられる。色を使って道を作る面白さを確かめてみてほしい。

▶unityroomはこちら

ブラウン管の映像と実機で味わう『さいばぁぱんく:千葉市美術館』

漫画家・西島大介氏の個人レーベル「島島(simasima games)」が手がける『さいばぁぱんく:千葉市美術館』は、ゲームボーイの実機で動く作品だ。

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舞台となるのは2025年の「チバシティ」。記憶を失った少女・さやちゃんが街を探索し、自身の記憶を取り戻していく。千葉市美術館の開館30周年を記念した展覧会の普及プログラムの一環として制作され、実在する千葉市の風景もゲームに取り入れられている。

今回の会場では、スーパーゲームボーイ(スーパーファミコン用の周辺機器)を使い、ブラウン管で試遊した。PCなどを使用してゲームボーイ風の画面を表示しているのではなく、ROMカートリッジを使って実機で動作させているという。

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取材では、物語、ビジュアル、音楽、プログラムまで西島氏自身が手がけていると聞いた。制作にAIは使用していないという。作品によって制作期間は異なり、1カ月ほどで仕上げたものから、4カ月ほどかけたものまであるそうだ。その制作ペースにも驚かされた。

Webでは本作の体験版をブラウザでプレイできる。会場の実機展示で興味を持った人も、自宅から作品の雰囲気に触れられるのは嬉しいところだ。

▶ブラウザ体験版はこちら

まとめ

今回触れた5作品だけでも、「正気度」「数字」「時間」「色」そして「実機ならではの表現」と、遊びの軸は実にさまざまだった。実際に遊び、その場で作り手に話を聞くと、画面を見ているだけでは気づかなかった工夫が見えてくる。

過去の自分と協力するパズルから、ゲームボーイ実機で動く作品まで。インディーゲームのイベント「DREAMSCAPE#5」で出会った個性豊かな5タイトルの画像

今回のテーマは「アクション/パズル/アート」の3つの入口として示されていたが、実際に遊んでみると、ひとつの入口には収まらない作品も多かった。

計算パズルにRPGとローグライトの要素を組み合わせた『IZEA:10puzzle Rogue-Lite RPG!』や、アクションとパズルを掛け合わせた『色がなくなっちゃった?!』のように、入口から入った先で、別の面白さに出会える。

ジャンル名だけで選んでいたら手に取らなかったはずの作品が、ふらりと立ち寄ったブースでお気に入りになることもあるだろう。ぜひ一度、足を運んでみてほしいイベントだ。

▶「DREAMSCAPE#5」公式サイトはこちら

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