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「gamescom 2025(ゲームズコム2025)」主催者が語る「過去最多」の舞台裏と、現地で垣間見えた“真の熱狂”

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ドイツ・ケルンにて開催された世界最大級のゲームイベント「gamescom 2025(ゲームズコム)」。5日間続いた“ゲームの祭典”は、その大盛況の中、世界中から惜しまれる形で、8月24日に閉幕しました。この数日後、主催者から特別インタビューが届きました。過去最多の出展企業を記録したイベントの舞台裏を、主催者からの言葉と現地で感じた熱狂から紐解き、ご紹介します。

注釈:今回は、会期前に行ったテキストインタビューへの回答を、gamescom ディレクターであるTim Endres(ティム・エンドレス)氏、Stefan Heikhaus(ステファン・ハイクハウス)氏の両名と、運営チームより頂戴しました。なお、回答は英語にて行われたものを、日本語に翻訳しています。

目次

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数字で見るgamescom:主催者が語る「成長」と「多様性」の戦略

2025年7月15日(現地時間)時点で、出展者は昨年度同時期比で11%増え60カ国以上からの参加者が集まるなど、すでに記録破りの来場者数を見込んでいるとの、公式リリース発表がありました。(引用:gamescom 2025 set to break new records | gamescom

これをうけて、実際に現地を訪れてみると、各ホールを繋ぐ通路には早々に規制線が貼られて移動が困難になったほか、各社の試遊ブースが人気のあまり数時間待ちとなったり、列形成の制限や事前予約制となったりと、大盛況の様子が伺えました。

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▲入場と同時に、お目当てへと足早に向かう来場者の姿。事前に過去最大の来場者規模を予想して、混乱が起きる前からしっかりと対策を取られていたところに、秩序を重んじるドイツらしさを感じました。

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▲大型タイトルのひとつ『バイオハザード レクイエム』ともなれば、来場者が限定されているビジネスデーでも長蛇の列ができ、待機列エリアを超えてしまうほど。

これほどまでに世界中から多くの人を集めた理由は何だったのか。その理由は、インタビューの回答の中にありました。

――昨年の成功を受けて、今年特に強化したい部分や新たに注力するテーマはありますか?

Tim Endres氏:今年はあらゆる面で「成長」をテーマにしています。まず、エンターテインメントエリアを拡張し、さらに1つのホールを追加することで、コミュニティと出展社が交流できるスペースを大きくしました。
また、インディーエリアはこれまで以上に拡大し、インディーコミュニティから生まれる創造性と革新性を強調しています。

いただいていた言葉の通り、ゲームの展示が行われていたのは、全11ホール中の7ホールとかなりの規模でした。これは東京ドーム約5つ分・幕張メッセの約3倍を誇る会場「ケルンメッセ」だからこそ実現できる規模だと言えます。

その中でも、特に人気だったのが「インディーエリア」。あまりの人の多さに、目的のブースまでもなかなかたどり着けず、ビジネスデーですらも取材が困難を極めるほどでした。開発者とのゼロ距離コミュニケーションが多く見られ、主催側の狙い通りに、創造性と革新性を加速させる交流がさかんに行われていたのが印象に残っています。

その代表ともいえるインディー作品『電車アタック』は「gamescom: Opening Night Live」(以下、ONL)の会場を爆笑の渦で包んだ結果、会期中そのブースには数多くの来場者が詰めかけ、さらなる話題を呼んでいました。

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▲インディーブースは多くの人が列を成し、開発者が後ろで見守る中で試遊できました。なお、ビジネスデーには、実際にプレイしながら、興味関心からの質問を尽きることなく開発者本人に投げかける場面も。

Tim Endres氏:さらに、ホール1に新設したイベントアリーナでは、「gamescom: Opening Night Live」やeスポーツ決勝戦といったハイライトを、これまで以上に高い水準で実施できるようになりました。今年のテーマ「Games – Perfect Entertainment(ゲーム ― 完璧なエンターテインメント)」のもと、ゲームがどのように人々を感動させ、つなぎ、イノベーションを推進するかをさまざまな形式で示していきます。エンタメの枠を超えたゲームの可能性に興味がある方は、ぜひ今年も「gamescom congress」に足を運んでください。

会場内には新たに「イベントアリーナ」を新設。会期前夜に行われたONL内でのショーケースを皮切りに、ライブコンサートや『フォートナイト』クリエイターチャンピオンシップなどのイベントが会期期間中の毎日行われ、多くの人を呼びました。
去年よりもスケールが大きくなったことで、ただ触って楽しめるだけではなく、見るだけ・聴くだけでも楽しめる、総合型エンターテインメントとしてのゲームの姿がそこにはありました。

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▲まずはONLにて独占音楽ライブを実施。

こういった多様性は、来場者だけに限らず、出展者となる企業にとっても、大きな魅力のひとつとして映ったのではないでしょうか。
また、出展企業においては、初めて現地を訪れた我々にとって馴染みがある「東京ゲームショウ」と比較し、いくつかの共通点と相違点が見受けられました。

――近年、出展するゲーム企業の傾向に変化はありますか?

Tim Endres氏:はい、顕著な変化があります。近年では、アジアや北米のパブリッシャーがグローバル市場に向けた発信拠点としてgamescomを活用するケースが増えています。同時に全体的な多様性が拡大しており、AAAタイトルだけでなく、インディー作品、ハードウェアメーカー、サービスプロバイダー、ストリーミングプラットフォーム、カード&ボード分野までもカバーしています。今年は72か国から出展企業が参加し、過去最多となります。それはつまり、展示されるゲームの多様性も過去にないほど広がっているということです。

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似ている点だと感じたのは、グローバル市場でのさらなる発展を狙うアジア企業のブース。それらが立ち並ぶホールにいると、まるで「東京ゲームショウ」に来たかのような錯覚を覚えました。各社ともに、ゲームの世界観を忠実に再現したブースが並ぶ姿は圧巻で、多くの来場者を魅了していました。

一方で、コスプレエリア(cosplay village)以外も全てのホールをコスプレしたまま楽しめる点は、日本と大きく違う点だと言えます。その点も相まって、良い相乗効果を生んでいたように見えました。

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▲「原宿ファッション」に似た服装に身を包んだ女性の姿も多く、自撮りや“推し”のアクリルスタンドとの記念撮影を楽しむといった、日本でもよく目にする光景も見られました。

バラエティー豊かな出展者も目立ちました。ファミリー向けのエリア(retro & family area)では『マインクラフト』のサーバーを子ども向けに展開するサービスプロバイダーがあったり、ボードゲームやTRPGのダイスなどまで取り揃えるカード&ボードエリア(cards & board area)など、アナログも含めたすべてのゲームを取り揃えています。

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この多様性に、gamescomそのものが“ゲームを取り巻く文化の集合体”であるように感じながら帰国しました。これは主催側として意図して作り上げられたものなのかが気になっていたのですが、そのようでした。

Stefan Heikhaus氏:もう1つのトレンドはハンドヘルドゲーム機の隆盛です。今年は「Nintendo Switch 2」「ROG Xbox Ally」という2つの新型ハンドヘルドが出展され、多くの来場者が初めて体験するでしょう。数年前まではこの品質のゲーム体験は据え置き機やPCでしか不可能でしたが、今では最新作がバックパックに収まる時代になりました。

一方で、今回の氏の発言をうけて、新型の携帯型(ハンドヘルド)ゲーム機が多くの人の注目を集めていた背景が伝わりました。今回の場を通じて、“どこでも気軽に最高のゲームが楽しめる世界”が広まっていく未来も見えました。

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会場で見るgamescom:なぜ「リアル」なのか?ハイブリッド開催の強み

実は我々も、これまでは毎年オンラインにて参加していました。ただ、実際にドイツ・ケルンの地を訪れてみると、ハイブリッド開催だからこその良さを多く感じられる結果に。それに込めた主催側の思いを伺いました。

――ゲームユーザーとゲーム会社、両方の観点から「リアルイベント」として開催する意義について教えてください。

Tim Endres氏:gamescomのようなイベントは、コミュニティと業界にとって唯一無二の意義があります。デジタルショーケースも重要ですが、対面イベントが持つ感情的・社会的・インタラクティブな体験を完全に代替することはできません。待ち望んだゲームをついにプレイできる瞬間や、お気に入りのクリエイターに直接会える感動――その熱気は会場でしか味わえません。

発売を2週間後に控えていた『Hollow Knight: Silksong』では、あまりの人気のため、事前予約のスロットが勢いよく埋まっていく様子も見られました。それほどまでに、“熱きゲーマー”たちにとって、購入予定のゲームであっても、1日でも早く実際に手にとって遊べる体験は、かけがえのないものです。

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▲世界中から発売を待望されている中、ビジネスデー開幕とともにどちらのブースも長蛇の列。一般デ―では事前予約制がとられるなどの対策がとられていた点も印象的でした。

Tim Endres氏:ビジネス面でも同様です。握手を交わしたり、相手が自分のゲームに示す生の反応を目にしたり、会話がそのままパブリッシング契約につながることは、ビデオ通話では起こり得ません。ホテルのロビーで偶然出会った相手が、後にパブリッシャーになる――そんな物語もリアルイベントならではです。
こうした理由から、gamescomのビジネスエリアは「出会いとアイデアが流れるプロフェッショナルな空間」として設計されています。特に困難な時代にこそ、このような集まりの価値が際立ちます。同時に、対面イベントだけでは限界もあるため、gamescomはハイブリッド型を目指してきました。世界の業界人にリアルでの出会いとデジタルでのリーチを両立させる――それが成功の理由だと考えています。

実際に我々も、会場までの交通機関で見かけた相手と、訪問先の会場ブースで偶然にも再会する、といった出来事がありました。この他にも、ホテルの朝食会場やエレベーター、会場までの電車など、至るところに“出会い”があったのは、ケルンという街自体の治安の良さと、欧州ならではの距離感があってこそなせる技だと感じました。

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▲いずれも公共交通機関での出会いからご縁が広がりました。我々に限らず、会期中は会場内のいたるところで、新たな種の芽吹きがあったのではないでしょうか。

かといって、現地ドイツまで訪れたくても、費用や時間などの関係で、どうしても叶わないことも。そういった事情も考慮し、会場であるドイツ・ケルンと世界中を繋ぐgamescomの象徴ともいえるのは、オンラインイベントの存在です。

―― 「gamescom award」や「gamescom: Opening Night Live」など象徴的なコンテンツにおいて、今年はどのような強化や特別な企画を予定していますか?

Stefan Heikhaus氏:はい、両方とも今年はアップグレードしています。まずオープニングショー「gamescom: Opening Night Live」はホール1へ移動します。これにより、より大きなステージ、技術的可能性の拡張、そしてさらにスペクタクルな開幕が実現します。司会は今年もGeoff Keighleyが務め、今回はEefje “sjokz” Depoortereも加わります。この2人のコンビが素晴らしいエネルギーをもたらしてくれるでしょう。すでに「Ghost of Yotei」「Ninja Gaiden 4」「Resident Evil Requiem(※)」「Silent Hill f」などの大型タイトルが登場予定で、独占音楽パフォーマンスやサプライズも楽しみにしていただけます。

※:『バイオハザード レクイエム』の洋題

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実際、会期前夜に行われる「Opning Night Live」は毎年、大きな進化を遂げています。
特に、各タイトルの世界観をより高度に再現できるド派手なライティングや臨場感あふれるサウンド、より繊細なカメラワークで来場者の盛り上がりも逃さないドローンなど、昨年よりもパワーアップした様子は、会場のみならずオンライン配信からでも伝わるほど。

gamescom 2025
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昨年(2024年/59:00〜)今年(2025年/1:02:30〜)における『Call of Duty: Black Ops 6』登壇時の比較。公式配信で見比べても、鮮やかなライティングと、自由度の高いカメラワークが際立っています。

そして、司会が増えたことで掛け合いがうまれ、会場の様子をより多角的な視点で感じられるようになったのではないでしょうか。ソーシャル上の反応から推測するに、各タイトル紹介の合間にはさまれるコメントからは、より幅広い視聴者層の共感が生まれたように推測できました。

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▲実写ドラマ『Fallout』新シーズンの発表(1:38:00〜)や、『Clair Obscur: Expedition 33』音楽ライブ(2:05:46〜)など、ゲームから繋がるエンターテインメントを幅広く網羅。

なお、会場内には豪華な顔ぶれが代わる代わる入れ替わる、公開収録ブースもありました。

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▲公式サイト内コンテンツ「gamescom epix」に登場するロボット「EPI」が公開録画に臨む姿も見られました。

Stefan Heikhaus氏: 「gamescom award」も特別な変更を加えました。アート、プラットフォーム、グローバルの3つのカテゴリーに分かれ、合計19部門で受賞者を決定します。今年新設された部門には「Best Merch(ベストグッズ)」「Best Business Booth(ベストビジネスブース)」などがあります。これにより、パブリッシャーの取り組みをB2C・B2B両面でさらに称えることができます。さらに「Best Booth(Consumer Award)」のように、コミュニティによって選ばれる部門もあり、パブリッシャーにとって大きな価値をもたらします。
授賞式は8月22日に現地とオンライン配信「gamescom studio stream」で実施され、世界中から視聴可能です。

実際に現地を訪れた側として、世界が注目するこの「gamescom award」の放送が、会場内の各所から来場者がより近くで見られる形で届けられていた点も、彼らの興奮をよりかき立てているように見えました。

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その発表内容については、別の記事で詳しくご紹介しています。

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街中で見るgamescom:街全体の“フェスティバル”としての相乗効果

会期中の会場には、世界中からゲームファンが押し寄せます。ONL当日は、23時を過ぎても最寄り駅周辺には多くの人が見られ、熱狂冷めやらぬままカフェで話し込む人々の姿もありました。
その環境を支えるのはドイツ・ケルンという街。長年開催を続けているからこそ、街をあげて全力でイベントを盛り上げようとする姿も見られました。

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▲会場最寄駅で見たパリ北駅(Paris-Nord)行きのユーロスター。欧州内でのアクセスが良いところも、ケルンという街の魅力です。

――gamescomが「街全体のフェスティバル」へと進化している点について、ケルン市との協力や企画の背景を教えてください。

Tim Endres氏:gamescomとケルン市は独自で長年にわたる強力なパートナーシップを築いています。市役所、地方自治体、文化機関、ノルトライン=ヴェストファーレン州と連携し、街全体を巻き込んだ祭典として計画しています。公共交通の強化、観光・宿泊業界の国際来訪者受け入れ準備、「gamescom city festival」での無料コンサートやフードトラックなど、街全体がgamescomのステージとなります。ケルンのどこにいてもgamescomの旗やポスターが目に入るほどです。この密接な連携が、イベントの価値を来場者・出展社・ケルン市民すべてに広げています。

特に、会場の最寄り駅となりにあるターミナル駅(ケルン中央駅/Köln Hauptbahnhof)の存在感は大きいと言えます。
駅構内の通路内に大きな広告を出している企業があっただけでなく、鉄道会社が駅の構内に独自のゲーミングブースを設置していたのには驚きました。
地元の学生が帰宅途中にバックパック抱えてふらっと立ち寄り、ゲームを楽しむ姿を見られたところに、ドイツ国内のゲーム文化のさらなる盛り上がりへの期待が感じられました。

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▲駅の利用者であれば誰でも飛び込めるドイツ鉄道(Deutsche Bahn)のブース。鉄道のロゴが入ったオリジナルのステッカーパックをいただき、良いお土産になりました。

また、ONLが終わった夜遅くに、駅前のタクシースタンドに向かうと、多くのタクシーが並んでいて、安心してホテルまで戻ることができました。
その際の運転手との会話でも「gamescomに来たの?」と聞かれたように、その存在はドイツ・ケルンの人々にとっても、毎年恒例のフェスティバルとして認知されているとのことでした。

また、この街には『ダークソウル』の世界観を感じさせる「ケルン大聖堂」のほか、多くの恋人たちがその恋の成就を願って南京錠をかける鉄道橋「ホーエンツォレルン橋」、そしてそれがかかるライン川など、見どころも満載。それもあって、会場周辺にはホテルがたくさんあり、鉄道網も充実しています。タイトなスケジュールの中ですら、合間に一足伸ばしてちょっと観光することも可能でした。

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▲初日の終了時刻でもまだ外は明るく、駅からでもケルン大聖堂の美しい姿が見られました。また、ONL前に訪れたケルン大聖堂では、同じように観光する開発者らしき方々の声も飛び交っていました。

こうした街全体の力があってこそ、世界中からファンを惹きつけるゲームの祭典として、その姿を確立できているのだと感じました。

主催が語るgamescom:日本への期待と、この先に目指す未来

先の回答でも大型タイトルとしてあげられていた4作品を筆頭に、日本企業がgamescomに与える影響を会場で強く感じました。
その詳しいブースの様子は別の記事でもご紹介していますが、主催として日本企業に期待するところはどこにあったのでしょうか。

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――日本の出展企業に対する期待を教えてください。

Tim Endres氏:日本は世界のゲーム産業において常に大きな影響力を持ち、革新と独自の開発文化によってジャンルやプラットフォーム、そして世界中のプレイヤーの期待を形作ってきました。今年も世界中の注目を集める新しいアイデアや独創的なゲームプレイが見られると期待しています。任天堂、カプコン、スクウェア・エニックスといった大手の存在感も引き続き強いでしょう。さらに多くの日本企業がgamescomに注目し、今後さらに多くの企業が出展してくれることを願っています。

ONLでもサプライズとして『モンスターハンターワイルズ』と『ファイナルファンタジーXIV』のスペシャルなコラボレーションが発表され、会場を大いに盛り上げました。

また、ドイツに本社を構える「Schwarzkopf Professional(シュワルツコフ)」が提供するコスプレヘア体験ブースでは『ファイナルファンタジーXIV』のラインナップもあり、日本で盛んなコスプレ文化とゲーム文化が、地元企業によって多くの方に届けられている様子にも、日本のゲーム業界に欧州が期待するもののヒントがあったようにも思います。

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そういった背景もふまえ、来年以降の出展のヒントになるであろう、gamescomの今後についても伺いました。

――今後数年間で、gamescomをどのように進化させたいと考えていますか?

Tim Endres氏:長期的なビジョンとして、gamescomを「世界で最もグローバルで未来志向なゲームイベント」としてさらに確立していきたいと考えています。そのために、ケルンでのリアル体験と世界規模のデジタルリーチを両立させたハイブリッドエコシステムを拡大していきます。
また、政治的・文化的な議論の場としての役割も強化します。「政治的オープニング」や「gamescom congress」を通じて、ゲームの社会的・教育的・経済的価値を発信し続けます。
そして、規模や地域を問わずあらゆる開発者が「gamescomに自分の居場所がある」と感じられるようにしたいです。大作からインディー作品まで、共通の目的は「つながり、インスピレーションを受け、グローバルなゲームコミュニティを成長させること」です。

今回の日本企業のブースにおいて特に印象的だったのは、日本文化をより色濃く伝えている姿。日本家屋にある中庭をそのまま再現していたり、古く寂れた夏の夜の神社で感じるようなじっとりした恐怖感を体験できたりと、日本から遠く離れた地であっても、圧巻のクオリティーで、多くの人を魅了していました。

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こういった、なかなか訪れる機会のない国の文化をゲームを通じて届けられる側面も、gamescomが成功している要因であると言えるのではないでしょうか。

最後に、そんな先見の明を感じるgamescomとして、この先のゲーム業界をどう捉えているかを、日本に向けたメッセージとともにご紹介します。

――ゲーム業界の未来に対して、どのような希望をお持ちですか?

運営チーム:過去2年間の業界再編を経て、国際的なゲーム産業が再び成長軌道に乗り、より多くの雇用と優れた作品を生み出すことを願っています。gamescomはすでにその方向性を示しています。成熟市場ではプレイヤーの平均年齢が上昇する一方、世界では新しい市場が次々に登場しています。

――最後に、日本のユーザーへメッセージをお願いします。

Stefan Heikhaus氏:ぜひ最新のgamescom情報をフォローしてください。今年は初めて、日本語向けの特別コンテンツを「gamescom studio」からお届けします。ぜひご覧いただき、感想をお聞かせください。そしてゲーム業界に携わる皆さま、来年はぜひケルンでお会いしましょう!

実際に今回、ドイツを訪れてみて、現地だからこそ得られた知見は数多く、まさに百聞は一見にしかずといえます。日本から約13時間を経て向かったその先にある感動は、時間や金額だけでは置き換えられない価値がありました。

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全ホール制覇!熱狂の1日目・2日目現地レポート

もし現地の様子に興味を持たれたら、来年はぜひケルンメッセを訪れ、その熱狂を肌で感じてみられてはいかがでしょうか。gamescomはこれからも、世界中のゲーマーからの愛を一手に背負った象徴的な存在として、ケルン大聖堂の歴史のようにきっと長く続いていくことでしょう。

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