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Ok Boomer!
OK Googleじゃありませんよ。ピンとこない? 実はこの世に「ブーマーシューター(boomer shooter)」というゲームジャンルがある。
内容はなんと、“おじさん用FPS”だ。
謎すぎるでしょ? でも90年代を駆け抜けたゲーマーたちにとっては、これ以上ない熱狂の舞台でもあった。
ブーマーシューターには現代のFPSにない“ピュアな面白さ”がある。
つまり──撃って、避けて、撃って、撃って、撃ちまくる。シンプルなのに熱狂できる、原初のFPSの快感を、つかみ放題のキャンディみたいに詰め込んだジャンルだ。

▲『ヘレティック』レトロな雰囲気がたまらないブーマーシューター。
でも弱点もある。……そう、「古臭い」のだ!(はい、ここは「当たり前だろ」のツッコミを入れるところです)。
ところがベセスダ傘下のid Softwareは、それを現代基準で次々と蘇らせてきた。しかも面白さはもぎたてフルーツのように瑞々しいまま。
今回紹介するのは、その神移植シリーズの最新作──『ヘレティック+ヘクセン』だ。
目次

インディゲーム100選!

Heretic+Hexen
■30年越しの復活──『ヘレティック+ヘクセン』ってなに?

▲クレジットに「id Tech」の文字が…。由緒正しき「ドゥームエンジン」作品。
本作はダークファンタジーの世界観をベースにしたFPSだ。1994年発売の『ヘレティック』と、続編にあたる1995年発売の『ヘクセン』、そして全てのDLCをひとまとめにしたバンドル作品。
基本のゲーム内容は当時のままに、こんな要素が強化・追加されている。
・2つの新エピソード追加。
・最大4人の画面分割マルチプレイ(Xbox X|SとPCでは8人まで)。
・クロスプラットフォーム対応。
・4K解像度ワイドモニター対応。
・最大120FPSに対応。
サウンドトラックや開発当時の貴重な資料なども収録。さらに、ゲーム内MODをサポートするなど、その気になればマジで一生遊べる充実っぷり。

▲構造物としての現実性を保ったレベルデザインが特徴的。
id SoftwareはNight Dive Studiosとタッグを組んで、本作と同様のコンセプトの『クエイク』『クエイクII』『ドゥーム+ドゥームII』など、数々の神移植をこれまで世に送り出してきた。
そんな中、2025年8月に行われたクエイクコン(ゼニマックス・メディアが毎年主催しているゲームイベント)で本作を予告なしに発表。さらに即日リリースするなど往年のファンを驚かせた。
大声で叫ぶような盛り上がりじゃないんだけど、根強いファンが多くて、なんかこう沸々と湧き上がる喜びがある──
本作はそんな作品なのだ。

Heretic+Hexen
■魔法で撃ちまくるハクスラ!?『ヘレティック』の魅力

▲魔法や剣で戦うシンプルなFPS『ヘレティック』。
『ヘレティック』はダークファンタジーな世界観が特徴的なシリーズ第1作目。
オリジナル版の開発はRaven Software。当時、『ドゥーム』の生みの親の1人である「ジョン・ロメロ」がエクゼクティブ・プロデューサーとして参画していて、その名前を本作のクレジットでも確認できる。
ゲーム内容は、剣と魔法をマシマシにした「マジカル・ドゥーム」といった様相。かわいく聞こえるが、実は血反吐や肉片が飛び散る筋肉成分多めのダークファンタジー。もちろん魔法少女は出てこない。
拳でしか語り合えないようなアレな敵を相手に、銃の代わりに魔法の杖や剣で敵を粉砕していくステージクリア型のFPSだ。扉の色に対応したカギを求めてマップを探索するスタイルまで本家を踏襲している。まさにドゥーム・ライクの名に相応しい作品。

▲この通り、大量の敵に囲まれるハクスラ感が最高。
独自のシステムとして簡易的なインベントリを搭載。入手したアイテムを任意のタイミングで使用できる反面、次のステージにはアイテムを持ち越せない。そのため、どこでどのアイテムを使うのかといった戦略性が生まれて面白い。
極めて『ドゥーム』に近い手触りなのに、RPGらしさが滲み出るプレイフィールが魅力的。アタリのアーケード作品『ガントレット』に代表されるような、バリバリ敵を倒してゴリゴリ進むハクスラ味を、どことなく感じさせる。
シンプルかつ明快なブーマーシューターだ。

Heretic+Hexen
■冒険する楽しさを深化させた『ヘクセン』

▲RPG要素を加えて正統進化した『ヘクセン』
翌年に発売された『ヘクセン』は、シリーズの味であるRPGらしさをさらに深化させた。
最大の変化はクラス制の導入で、プレイヤーは近接型でタフな「ファイター」、攻守バランス型の「クレリック」、遠距離特化で打たれ弱い「メイジ」の3種類から選択する。専用武器と異なる戦闘スタイルが用意され、プレイバリューは大きく広がった。
もう一つの進化が進行方式だ。前作までのステージクリア型を廃止し、エントランスレベルを拠点に複数のマップを行き来する擬似オープンワールドを採用。各ハブの奥に待ち受けるボスを倒すと新たなポータルが開く仕組みで、自由な探索が可能になった。
現代のシームレスな世界ではないが、氷の世界や沼地、城、墓地など多彩なロケーションを旅するワクワク感は当時として十分に斬新だった。


▲多彩なロケーションとクラスごとのプレイの幅にワクワクする。拳いっちょでやり合うファイター。
ただその広さゆえ迷子になるプレイヤーも続出。そこで今回の移植版では新たに目的地を示すマーカーを追加。小さな改良だが効果は絶大で、筆者の体感でも右往左往する時間が激減した。
最小限の修正で遊びやすさを飛躍的に高めるあたり、さすが神移植シリーズだと妙に納得してしまう。実際こうした丁寧なブラッシュアップこそが、Night Dive Studiosが手掛ける移植作の真骨頂なのだ。

Heretic+Hexen
■昔のFPSはカーソル操作!? ありえない操作性を現代基準に

▲『ヘクセン』。ポータルを介して世界を旅してまわる。
PCのFPS操作といえば今では「WASD」+「マウスルック」が当たり前。でも『ヘレティック』が出た当時は全然違っていて、移動はカーソルキー、しかも左右は“横移動”じゃなくてその場回転。水平移動には別キーが必要だった。
マウス? そんなものは使わない。マウスルックが一般化するのはもう少し後。つまり、現代の感覚からすると「超やりにくい」操作性だったのだ。
当時の作品をオリジナル環境でプレイする場合は、常にこうした“古臭さ”がついて回る。だから懐かしさだけで触るにはハードルが高すぎた。

▲『ヘクセン』。散らばるパズルを解くことで進む道が解放される。
Night Dive Studiosの開発陣は、そうした古臭さを丁寧に取り除いて、過去の名作を現代基準にアップデートする職人集団だ。本作のオリジナル版は30年以上前にリリースされた作品だが、プレイしていて全く古さを感じさせない。
操作性、メニュー周り、ディスプレイ設定、サウンドに至るまで、まるで早期アクセスを開始したばかりの新作ブーマーシューターだと言われても違和感のないレベル。
単に「懐かしい」と感じるおじさんシューターから、「レトロチックで面白そう」と感じる若いヒーローシューターまで、気軽に手に取って遊べる作品に仕上がっている。

Heretic+Hexen
■Ok Boomer!おじさん用FPS=ブーマーシューターとは?

▲『ヘレティック』。FPSの根源的な楽しさが味わえるのがブーマーシューター。避けて撃つ快感に酔いしれろ。
昨年、Steamに新タグ「ブーマーシューター」が追加された。数あるFPSの中で独自ジャンルとして認められたってわけだ。
筆者も大好きだが、単に懐かしさを求めているわけじゃない。最大の特徴は「敵の弾を目視で避けて撃ちまくる」こと。隠れるんじゃなくて、かわす。
死ぬほど撃ってくる弾をギリでかわす高揚感は、現代のシューターにはない感覚だ。
『ヘレティック+ヘクセン』は、FPSの本質がギュッと詰まった一本。そんな「懐かしい」では終わらない魅力に溢れた作品だ。

Heretic+Hexen
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Heretic+Hexen
発売日など基本情報
発売日 |
2025年8月8日 |
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会社 |
Bethesda Softworks |
ジャンル | シューティング |
対応ハード | Switch / PS5 / PS4 / PC / Xbox |
価格 |
Switch : 1,700円(税抜)
PS5 : 1,700円(税抜)
PS4 : 1,700円(税抜)
PC : 1,700円(税抜)
Xbox : 1,681円(税抜)
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公式HP |
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