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・メインクエストなし。自由に過ごす30日間の魅力
・昼夜で変化するスタイルと吸血鬼の超常能力
・上下左右の方向入力が生み出す深い戦闘の駆け引き
この記事を書いた人あなたは今、敵の駐屯地に潜入している。
そこで、無抵抗の囚人をいたぶる兵士を見かけた。ここで介入すれば、周囲にいる兵士まで相手にすることになるだろう。それでも、目の前の人物を助けるべきだろうか。
正義感に従えば、兵士を懲らしめるべきかもしれない。しかし、騒ぎを起こせば本来の目的にも支障が出てしまう。
『The Blood of Dawnwalker』で印象的だったのは、こうした場面で善悪の答えを選ぶのではなく、自分なりの理由で行動を決める感覚だった。
本作は、Rebel Wolvesが開発を手がけるオープンワールド・ダークファンタジーアクションRPG(販売はバンダイナムコエンターテインメント)。2026年9月3日にPC,PS5,XBOXで発売される。
舞台は14世紀ヨーロッパのカルパティア山脈に位置する、架空の地・サンゴラ谷。プレイヤーは昼は人間、夜は吸血鬼のドーンウォーカーとなった青年コーエンとして、連れ去られた家族を救うために限られた時間のなかで行動していくことになる。
このたびGameWithでは、本作のPS5版を試遊する機会をいただいた。本稿では、昼と夜で変化するプレイスタイルや30日間という限られた時間の過ごし方、プレイヤー自身の選択によって変化するゲーム体験など、実際のプレイを通して見えてきた魅力を中心にお届けしていく。

▲Unreal Engine 5によって描かれたサンゴラ谷の景観は、圧巻の一言。
目次
目的は「家族の救出」のみ。メインクエストが存在しない世界で過ごす30日間
14世紀ヨーロッパは、黒死病の蔓延によって混乱を極めていた時代だ。舞台となるサンゴラ谷も例外ではなく、人々は疫病に苦しめられていた。そうした状況の中で領主ブレンシスはヴラキールの血を用いて、人々を疫病から救ってみせる。
しかし、その奇跡には恐ろしい対価があった。ブレンシスは血のミサと称して定期的に人間から血液を徴収し、反抗する者を容赦なく処分。恐怖によって人間を家畜同然に支配していった。

▲血のミサで村人から血液を徴収するブレンシス公爵。
こうした圧政に不満を抱いた人々は反乱を企てるものの、計画はあえなく失敗。この騒動の中で、主人公コーエンの家族も連れ去られてしまう。
最愛の家族が生贄として捧げられるまでに残された猶予は、わずか30日。
ブレンシスの臣下を倒して支配体制を崩すか、あるいは暗躍する反徒を見つけ出して助力を仰ぐか。この限られた30日間をどう過ごすかが、本作の核となる。

▲ブレンシスと対峙するもコーエンは一度敗北してしまう。
家族を救うという大きな目的はあるものの、そこへ至るまでの道筋や、次に何をするかはプレイヤー次第だ。一般的なRPGのような一本道のメインクエストが存在しないため、プレイヤー自身が次の行動を考えながら、限られた30日間を過ごしていくことになる。
ゲーム内の時間は現実のようにつねに流れ続けるわけではなく、クエストの進行や特定のアクティビティなどに応じてタイムセグメントが消費されていく仕組みになっている。昼と夜にそれぞれ8つのタイムセグメントがあり、すべてを消費すると時間帯が切り替わるといった具合だ。
選んだ行動やアクティビティによって消費量が異なるため、限られた時間をどこに使うかが重要になる。その判断をより複雑にしているのが、半吸血鬼であるドーンウォーカーの特異性だ。

▲夜になるとコーエンは吸血鬼へと変化し、人間離れした力を得る。
コーエンは昼間は人間として活動し、夜になると吸血鬼に変化するため、同じ場所でも時間帯によって取れる行動が変わってくる。
その違いを実感できたのが、囚人と面会するために兵士が駐屯する軍事基地に潜入したときだ。深夜に潜入した際には兵士たちとの戦闘に発展し、目的の人物に近づくことすらできなかった。
しかし、あらためて昼間に訪れた際には、対話による交渉で看守を説得。一度も戦闘せずにターゲットとの面会まで進めることができた。

▲賄賂を渡して地下牢に潜入。戦闘を避けるためには仕方がない。
別の場面では、時間を消費する代わりに平和的な解決を目指すか、時間を消費せずに暴力的な手段を取るかという選択を迫られることもあった。
時間という制約があるからこそ、本来なら避けたいはずの行為にも、思わず手を伸ばしたくなってしまう。そうした選択を前に、自分ならどうするかを考えさせられるのが印象的だった。
こうした状況を踏まえながら自分なりに次の行動を選んでいく感覚こそが、本作の大きな魅力だと感じる。
もっとも、プレイヤーが選んだ行動が思い通りの結果につながるとは限らない。ドーンウォーカーとして生きるコーエンは、自らの意思だけでは制御できない血の渇望という問題を抱えているからだ。
制御不能な血の渇望がプレイヤーの選択を狂わせる
ドーンウォーカーであるコーエンが抱える血の渇望とは、HPの低下とともに強まっていく吸血衝動だ。渇望が限界まで高まればコーエンは自我を失い、会話中に敵味方を問わず襲ってしまう可能性がある。プレイヤーが慎重に行動を選んできたとしても、コーエンの状態次第では思いもよらない展開を招くことになるのだ。
だからこそプレイ中はHPの管理にも気を配る必要があった。HPを回復する方法はいくつか存在し、吸血鬼であるコーエンは、人間や野生の動物から血を吸うことでHPを回復できる。
▲戦闘中でも敵の血を吸えば体力を回復できる。積極的に活用したい。
戦闘中には吸血術アビリティを使って敵にダメージを与えながらHPを回復することも可能だ。こうした回復手段を活用してHPを維持することが、血の渇望に陥るリスクを抑えることにもつながっている。
プレイを進める中で、戦闘で受けたダメージがその後の展開にまで影響を及ぼす場面もあった。
ある強敵との戦いを終えた直後、HPの低下に気付かず血の渇望に陥り、こちらの意思とは関係なく吸血を選択することになってしまったのだ。

▲血の渇望状態では友好関係にあるNPCでも容赦なく殺してしまう。
どれだけ傷ついた状態で戦いを終えたかによって、その後の行動や展開まで変わる可能性がある。自分なりに行動を選んできても、その結果が制御不能な形で返ってくるのも、本作ならではの体験といえるだろう。

▲血の渇望が高まると、画面全体に血管が浮かび上がったような変化が現れる。
一方で、ドーンウォーカーであることはコーエンに不自由さだけをもたらすわけではない。前述のとおり、夜は吸血鬼として人間離れした超自然的な力を扱えるようになる。
鋭い爪を使った戦闘能力もそのひとつだが、とくに印象に残ったのは、その力が移動にも大きく影響する点だ。昼間であれば遠回りするしかない場所でも、夜には別の進み方が可能になる。
▲屋根から屋根へ、シャドウステップを駆使して跳び回る。
たとえば、吸血鬼の能力シャドウステップを使えば、離れた場所に一瞬で移動できる。さらに、壁面や天井を歩くといった人間離れした移動もできるため、通常であれば迂回する必要がある崖や谷のような場所でも直接突破できる場合がある。
こうした能力が探索において重要な意味を持つのが、各地に設けられた偵察塔だ。人間の姿では登ることができず、吸血鬼の移動能力を駆使して上を目指す必要がある。
塔の上までたどり着けば、周辺に存在するさまざまなアクティビティを確認できる。筆者の場合は、新たな地域に足を踏み入れると、まずマップ上で偵察塔を探し、周囲に何があるのかを把握してから行動を考える……そんな探索の流れが自然と生まれていた。

▲高所から見下ろす街並み。人ではたどり着けない場所から、世界を見渡している感覚だ。
上下左右の方向入力が生み出す戦闘の駆け引き
本作の戦闘で特徴的なのが、上下左右の方向入力を攻撃と防御の両方に取り入れた独自のシステムだ。攻撃時には、相手の隙に合わせて方向を選びながら剣を振るい、防御では敵の攻撃方向を示すマーカーに合わせて対応する方向に入力することで攻撃を防いでいく。
▲敵の攻撃を弾いたときに響く金属音も、攻防の駆け引きを盛り上げる。
最初は攻撃や防御のたびに方向まで意識する必要があるため、独特の操作感に戸惑うこともあった。しかし、戦闘を重ねるうちに敵の動きとマーカーを見る余裕が生まれると、ただ攻撃を繰り返すだけではない駆け引きが見えてくる。
とくに重要になるのが、敵の攻撃に合わせて正しい方向を入力するパーフェクトブロックだ。攻撃を受け止めるだけでなく、その後の反撃につなげられるため、守りの成功がそのまま攻勢に転じるきっかけになる。
もちろん、すべての攻撃を防げるわけではない。敵の中にはブロックできない攻撃を繰り出す者もいるため、状況によっては防御だけに頼らず、回避など別の行動を選ぶ必要がある。

▲アビリティ選択中は時間の流れが遅くなるため、状況を確認しながら選べる。
戦闘中には、こうした通常の攻防に加えて、アクティブチャージを消費して各種アビリティを発動することもできる。剣術による強力な一撃はもちろん、昼間であれば魔術、夜であれば吸血術といった超自然的な力も戦闘に組み込まれていく。
昼間に使用できる魔術は、持続ダメージを発生させたり、強力なスタン効果と範囲ダメージを与えたりと用途もさまざまだ。状況に応じて魔術を使い分けることで、剣による正面からの攻防とは異なる戦い方を選択できる。
夜の吸血鬼状態では吸血術を使用可能だ。「貪欲な咬みつき」のような敵にダメージを与えながらHPを回復できるアビリティもあり、血の渇望を抱えるコーエンにとっては攻撃と生存を同時に支える手段となる。

こうしたアビリティを活用しながら戦うことで、戦闘中に取れる行動はさらに増えていく。最初は方向入力を意識するだけでも手一杯だったが、戦闘を重ねるうちに、相手の動きを見ながら次の行動を考える余裕が生まれていった。
基本となる攻防を理解した先に、さまざまな戦い方が広がっていくのも、本作の醍醐味といえるだろう。
成長によって広がる新たなアクションと戦い方
ゲームを進めるなかで、コーエン自身も少しずつ新たな力を身につけていく。クエストをクリアして経験値を獲得し、レベルアップで得られるスキルポイントでパークやアビリティを習得できる。
そうした成長による変化を実感しやすかったのが、すでに身につけた行動のリターンが大きくなっていく点だ。パークでは武器ダメージやスタミナといった基本能力を強化できるほか、特定の行動に成功した際の恩恵を高めることもできる。
その代表例がパーフェクトブロックだろう。関連するパークを強化すれば、成功時にスタミナの回復量が増加し、その後も攻撃を続けやすくなる。これまで守りに回ったことで攻勢が途切れていた場面でも、成功をきっかけにそのまま攻め続けられるようになった。
▲パーフェクトブロックから反撃につなげ、指定された方向に攻撃を決めていく。
さらにパーフェクトカウンターアタックを習得すれば、反撃時に指定された方向を攻撃することで確定クリティカルダメージを狙える。こうした成長を重ねて、かつプレイヤー自身が操作に慣れていくにつれ、単に攻撃を防ぐための手段から積極的に狙う価値のある行動へと変化していた。
▲アビリティ発動中の無敵を利用して、強引に攻撃を差し込む。
成長によって増えていくのは、成功した際のリターンだけではない。新たなアビリティを習得すると、それまでとは異なる戦術が増える。
たとえば敵を一時的に動けなくする「汚い手口」や、複数の敵をまとめて攻撃できる「広範囲斬撃」を習得すれば、相手との距離や敵の数に応じて、より多くの選択肢から行動を選べるようになる。
これまで剣で正面から対処していた状況でも、新たな能力を手に入れることで、別の突破口を考えられるわけだ。
▲シャドウストームを反撃の起点にして一気にラッシュを仕掛ける。
夜になると使用できる吸血術アビリティシャドウストームも印象的だった。時間の流れを遅くすることで、複数の敵に囲まれた状況でも余裕を作り出せる。
高所から下にいる敵を即座に仕留められる死の降臨を取得すれば、夜の潜入時には敵を暗殺するという方法も取れる。たとえ同じ場所を訪れたとしても、これまでとは違った進め方ができるわけだ。
▲高所からターゲットを定めて「死の降臨」で仕留める。
そうした成長による変化は戦闘だけに留まらない。魔術の「敏活なる熱意」や吸血術の「変身」によって迅速効果を得れば、スタミナが尽きるまで高速移動できる。広大なサンゴラ谷では目的地に向かうだけでも時間がかかるため、アビリティ取得後は世界を歩き回る際の快適さが格段に向上した。

▲月明かりに照らされた森を狼の姿で軽快に駆け抜ける。
まとめ:限られた30日間だからこそ生まれる自分だけの冒険
成長によって移動や戦闘の選択肢が広がるにつれ、目的地に向かう途中でも気づけば寄り道ばかりしていた。そうして気になった場所へ足を踏み入れてみると、埋蔵されたお宝を発見したり、思いがけず飢えた熊と死闘になったりと、当初は想定していなかった出来事に遭遇することもある。
もちろん、コーエンには連れ去られた家族を救うという明確な目的があり、そのために使える時間も30日間に限られている。本来であれば、目的地への道中で気ままに寄り道をしている場合ではないようにも思える。

しかし、実際のところは30日間という数字から受ける印象ほど、急かされる感覚があるわけではない。さまざまなアクティビティをこなしながら12時間ほどプレイした時点でも、ゲーム内で経過していたのは7日間ほどだった。
もちろん、限られた時間の使い方を考える必要はある。それでも、その制約があるからこそ、目の前の目的を優先するのか、それとも寄り道して新たな発見を求めるのか、自分なりに行動を選ぶ楽しさが生まれていた。
限られた30日間をどのように過ごし、その先でどのような出来事に出会うのか。自分だけの物語を紡ぐようにサンゴラ谷を冒険できる本作。興味のある方はぜひその世界に足を踏み入れてみてほしい。
発売日など基本情報
| 発売日 |
2026年9月3日 |
|---|---|
| 販売元 |
バンダイナムコエンターテインメント |
| ジャンル | アクションRPG |
| 対応ハード | PS5 / PC / XBOX |
| タグ | |
| 価格 |
PS5 : 8,900円(税抜)
PC : 8,900円(税抜)
XBOX : 8,900円(税抜)
|
| 最大プレイ人数 |
1人
|
| 公式X |
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