
生き延びる気があるのかないのかわからないキャラたちが、生き残りを賭けて戦う!

ようこそ80年代へ。 猛暑、経済危機、冷戦……そしてゾンビパンデミック!?
そう、1980年のテキサス州ウォルトン・シティは地獄だ。町中には、タイムセール開催中のスーパーみたいに、ゾンビがひしめいている。
もし筆者がそこにいたら、開始3分でクローゼットに引きこもって、鼻水をすすりながら発売したばかりの「ゲーム&ウォッチ」をプレイしまくるだろう。
そんな、文字通り「終わっている」世界。それが、今回紹介する『Into the Dead: Our Darkest Days』だ。
圧倒的な数の暴力でプレイヤーを追い詰めるゾンビの群れは、まさに絶望。希望の「き」の字も感じられない。そんな状況の中でもプレイヤーは、何度も全滅し、やり直し、そして不屈の精神で再び立ち上がる。

▲ゾンビの巡回ルートを把握して、物陰に隠れてやり過ごすことも重要。
「そんな苦行みたいなゲームが面白いの?」その疑問はもっともだが、安心してほしい。
間違いなく楽しいと断言できる!
※やられ耐性のネジが1本ぶっ飛んだ、筆者の個人的な見解です。
だってこれは「ゲーム」だから。ソファーに座ってコーラでポテチを流し込みながら、地獄をサバイブする圧倒的な満足感がたまらない。
「ああ、これがゲームで本当に良かった!」と、生存者たちの絶望を尻目に、プレイヤーである筆者は神の視点で、地獄をエンタメとして満喫しちゃうのだ。

▲シェルターを転々としながら街中を手中に収めよう。
本当に「アンデッド」なのは、幾度も「全滅」の2文字を見せられてもなお「ニューゲーム」をクリックするプレイヤーの方ではないか。
このたびGameWithでは、本作をプレイする機会を特別にいただいた。本稿では、そんな非現実を、心の底から楽しむ極上のサバイバル体験をお届けする。
……その前に、まずみなさんに伝えなければならないことがある。 本作のキャラクターは、死ぬとそのゲーム中は二度と生き返らない──人間としては。
シビアすぎるパーマデスも、いまや一周回って最先端

▲やばい!2体のゾンビに囲まれ、肋骨も打撲。マジで殺られる5秒前。
本作の舞台は、ゾンビパンデミック後の1980年のテキサス州ウォルトン。シェルターを拠点に廃墟を探索する、2.5D横スクロール・ゾンビサバイバルアクションだ。
そもそも結構、骨太なゲーム性なのに、さらに火を注いでくるのが任意セーブ不可という仕様。いや、セーブはできる。でも、完全オートしかない。
つまり、死ぬ直前のデータをロードして無かったことにする軟弱なプレイはできない。
一瞬の油断が命取りとなって、あっという間にゾンビに囲まれ、噛まれたら終わり。生存者の断末魔の先には「パーマデス(永遠の死)」が待っている。

▲こうなる前に逃げるのが最善。無理は禁物なのだ。
え、過酷すぎるって?
いやいや、全然そんなことはない。だって、この「やり直しの効かない死」こそが、ワンプレイの価値を極限まで高めるスパイスになっているから。まるで昔のゲーセンで、なけなしの100円を投入して全集中でプレイする、あの研ぎ澄まされた感覚みたいなものだ。
探索だけではない。ランダムな物資の配置によっては、シェルター運営で万策尽きてしまうのも日常茶飯事。筆者もプレイ中、何度全滅したかわからない。
「チクショウ!適当に食料を食ってたらもうないんだけど……。10分後、生存者が餓死で全滅」
「ヤバい!木材が全然みつからないんだけど……。シェルターにゾンビがなだれ込んできて全滅」
「ぐへええ!探索でケガするし、肋骨は折れてるし、なんかやる気もない……。ゾンビ化して全滅」
みたいな。

▲廃墟から物資を持ち帰ってシェルターを拡張せよ!
しかし、それは敗北なんかじゃない。「次はもっとうまくやれる」という至高の学習プロセスなのだ。死から得られる学びこそが、本作最大の攻略のカギであり楽しさなのだ。
極めつけは、探索中に倒れた生存者が、後日、同じ場所を訪れるとゾンビ化して襲い掛かってくる、ブラックジョークかと疑いたくなるような仕打ち。
これは2025年5月28日の「EA Update #1」で追加された新要素だ。 しかし、筆者も仲間との「再会」を果たさんと何度も挑戦したのだが、ついには自分の目で確認することができなかった。
とはいえ、追加されたのは間違いない。ぜひ自分の手で、ゾンビ映画お約束の悲劇を体験してほしい。

▲ゾンビに直接やられるだけでなく、さまざまな要因で人がポンポン死ぬ。
要するに本作は「死んだら終わり」なゲームなのだ。じつに当たり前なのだが、それをシステムで体感させてくれるゲームは、現代では極めて少ない。
だからこそ、ゾンビゲームのくせに、海辺を素足で走りだしたいような清々しい気分になれる。
そんなわけで次は、「いまを生きる」話をしようか。
なにが起こるかわからない世界。だから、いまを生きるんだ!

▲ゲーム中はなにが起こるかわからない。プレイヤーの皆様は、本当に、気持ちを強く持ってください。
ゲーム開始直後、プレイヤーは6つのペアからひとつを選ぶ。各キャラクターの能力は全員違い、1人として同じではない。
「胃袋が強い野球部監督と、近接戦闘に特化した大食いの教え子の、生き延びる気あるのかペア」や「無気力すぎるバー店主のおじさんと、楽天家すぎるバイトの女子の、おじさんバイトを見習えペア」 など、いずれもクセつよな面子が揃っている。
筆者は「格闘家で料理人の兄と、工学部の才女だが内気な妹」という、昭和の少年漫画みたいな設定の、ハオ&メイの兄妹ペアを選択した。
ハオの特殊能力「キッチンでトンポーローが作れる」に引かれたからだ。サバイバルより中華料理。これ正論。

▲ハオ&メイの兄妹。超使える兄と全然使えない妹のペア。中華の鉄人が作るトンポーローはどんな味なんだろう。
プレイはめちゃくちゃシンプル。1日2回、昼と夜に各キャラクターへ行動を割り振るだけ。拠点となるシェルターの改良や武器の生産、休息、廃墟の探索など行動はさまざまだ。
筆者は早速、武闘派のハオを探索に割り当て、メイにはロックピックの作成を命じる。全員にタスクを割り振りフェーズを進めると、いよいよ行動開始だ。

▲シェルター周辺の廃墟を探索しながら、脱出するための活路を見出す。
探索では、廃墟に点在する虫眼鏡アイコンを漁って物資を回収し、容量が許す限りバックパックに詰めて拠点へ持ち帰る。基本はこのサイクルを繰り返すだけ。簡単でしょ?
しかし、生き残り続けるのは簡単ではない。いつ何が起こるのか、本作では一切予測がつかないから。どんなに致命的な不運でも、ありのまま受け入れて前に進むしかないのだ。
だが、そのイヤらしさがイイ。だって、これはゲームだから!

▲マジでろくなことが起こらないな、このゲーム(笑)。
ゲームならド級の悲劇もすべて他人事。いやむしろ、一級の「絶望シミュレーション」として楽しめちゃうから、あら不思議。
他人の不幸をエンタメにするなんて、普通に考えて最低すぎるけど、楽しいんだから仕方がない。
これに追い打ちをかけるように、さらに酷すぎる環境の変化や、過酷すぎるイベントが洪水のように押し寄せる。綿密に練った計画など、砂の城のように崩れ去る。悲劇を通り越してもはや喜劇にすら思えてくる。

▲突然の高熱。ゾンビが原因だった場合はゾンビ化することも。
だが、その理不尽こそが本作を輝かせる理由だ。
現実ではあり得ない規模のトラブルを前にして「で、どう切り抜ける?」と、頭を抱える瞬間が最高に楽しいトラブルシューティング・ゲーム。
そう、本作は練り上げた最適解を積み上げるゲームじゃない。いま目の前で起こっている地獄を、手持ちの手札で生き延びる、いまを生きるゲームなのだ。
つまり、状況にあわせてシェルターも変化しろってことだ。 ……は、引っ越ししろってこと?ゾンビゲームなのに!?
なに、定期的にお引っ越しだと!?不屈のシェルター運営

▲2.5Dマップの左右はシェルターに繋がっている。ピンチの時はとにかく猛ダッシュでここへ逃げ込むのだ。けっして振り向いてはいけない。
本作に「安住の地」はない。
シェルターはバリケードで守られていて安全なのだが……。夜ごとゾンビの襲撃にさらされ、徐々に消耗する。
耐久ゲージがゼロになると決壊して、ゾンビどもは生存者へ直接ダメージを与える。それを防ぐため、定期的にバリケードの修理を生存者に命じなくてはならない。
しかし、シェルターに留まれば留まるほどゾンビの襲撃は激化する。バリケードへのダメージがどんどん大きくなって、いずれ耐えられなくなる。つまり本作のシェルターは一時しのぎなのだ。崩壊を見越しての運営が大前提だ。
じわじわせまる絶望への焦燥感と、先回りしてプレイヤーの逃げ道を塞いでくるシステム。なにこのいやらしすぎるムーブ。どんなにうまくプレイしても、確実に破滅に向かう仕様になってるんだが(笑)。

▲バリケードの修理には木材が必要だ。物資はランダムに出現するため、運が悪いとなかなか手に入らず、街中を奔走することになる。
筆者のハオ&メイ兄妹も、危機にさらされていた。今晩にもシェルターが崩壊しそうなのだ。
バリケードを修繕したいところだが、ここで大問題が2つ。 ひとつは、探索に忙しいハオの代わりに、メイにタスクを割り振りたいのだが、そもそもメイはバリケードの修理に全然向いてない。
というか基本、メイは何にも向いていない。共有スペースでくつろいでいるときに、たまにアイテムを作成するか、お腹が減りにくいという絶妙なダメっぷり。
もうひとつは、バリケードを修繕する木材が全然足りない!
ハオのこれまでの苦労がしのばれる。とりあえず、メイには共有スペースでくつろいでもらって、ハオを探索兼、バリケードの修繕に当てるしかない。いや、ハオのワンオペ感が凄まじい。

▲各建物の屋上に設置されている望遠鏡。アウトブレイク前にこの望遠鏡で何を見ていたのかは、永遠の謎だ。
なんやかんやで周辺の廃墟を探索して回るハオ。屋上で望遠鏡をのぞくと、別エリアの建物がいくつも見つかる。中にはシェルターとして使えそうな施設もある。プレイヤーはこうして徐々に探索エリアを広げていく。
こうして発見した別のシェルターへ「引っ越し」をしながらプレイヤーは、仲間を集め、拠点を構築して、地獄と化したウォルトンからの脱出を目指す。

ハオ&メイも、これまでのシェルターを捨て、新しい拠点へ引っ越すことにした。これまでに収集した物資やシェルターのアップグレードはすべて次の拠点にも引き継がれる。
そして、この「引っ越し」を繰り返しているうちにふと気づく。あれ、なんで筆者は、繰り返し「ニューゲーム」をクリックしているんだろう?
拠点を破壊され、仲間を失い、幾度も「全滅」の2文字を見せられているのに。
ちょっと待って、無尽蔵に湧き続けるゾンビと、無限残機みたいにコンテニューし続ける筆者。「アンデッド」なのは一体どっちなんだ!? そして、ハオ&メイは、生き延びることができるか!?
撃って、隠れて、鬼ごっこ……死んだ数だけドラマがある

▲ハ、ハオーー!!!お前のトンポーローだけが、生きる希望だったんだぞ!
ここでさらなる悲劇がメイを襲う。なんと、探索中にハオが死んでしまったのだ。ゾンビだらけの世界で、メイはついに独りぼっちになってしまった。
筆者にとっても、ワンオペで奮闘していたハオを失ったのは痛すぎる……だって「トンポーロー」、まだ作ってもらってないし!
しかし立ち止まってはいられない。心を鬼にして、メイに初の廃墟探索を命じる。

▲ドアの隙間から中の様子を確認するクリアリングが超重要。
本作の探索は、ゾンビゲームではちょっと珍しい2.5Dの横スクロールアクションだ。
これが非常によくできている。奥行きがないぶん移動が限られているかと思いきや、あんなところを降りたり、こんなところを登ったり、ルートファインディングがめちゃくちゃ楽しい。
徒手空拳でゾンビをぶっ倒していたハオとは違い、メイはステルス戦が基本となる。白い円の「カバーポイント」に張り付いてゾンビをやり過ごしたり、音が出る物を投げて注意を惹きつけたり、巡回ルートを見極めて部屋に閉じ込めたりと、さまざまな方法でゾンビを出し抜いていく。

▲早まるなメイ、その高さからどうやって下に降りる!?
本作で一番厄介なのは、音だ。派手にやればやるほどゾンビが寄ってくる。銃声なんて鳴らしたら、もうお祭り騒ぎになる。
さらに、生存者を見つけた瞬間に絶叫して仲間を呼ぶゾンビには要注意。ゲームは一瞬で鬼ごっこに変わる。走る、隠れる、息を止める。一瞬のミスが死に繋がる、最高にヒリつく死の鬼ごっこだ。
でも、この絶体絶命を切り抜ける手段もちゃんとある。武器を素早く持ち替えたり、ドアを体当たりで強行突破して逃げたり……追い詰められたときに選択肢があるだけで、わずかばかりだが生きて帰れる希望を抱いてしまう。
物陰に潜んでいたゾンビに襲われたり、床が抜けてゾンビの群れの中に叩き落とされたり、1体と戦っていたら次々と別のゾンビがリンクして参戦するなど、予想がつかない出来事が連発して、プレイヤーを飽きさせない工夫が随所に施されているのも、本作の見どころだ。
しかも廃墟には、運が良ければ別の生存者が隠れている。見つけられれば仲間にできるし、緊張の糸が少しだけ緩む瞬間でもある。

▲最愛の兄を失くし、胃の調子まで悪いメイ。なぜか「恋人を亡くして悲しんでいる」とある……は、まさか!?
大切な家族を失い、仲間を失い、満身創痍で脱出を目指すメイはこの後どうなってしまうのだろうか?
それはもちろん、プレイヤーである筆者の手に委ねられている。 結論から言うと、高い確率でメイは死ぬと思うんだけど(笑)。
でも、本作では何が起こるかわからない。ひょっとしたら、死んだ兄、ハオが大復活してメイの元に現れるかもしれない。 もちろん、ゾンビとしてね。
それもまた、本作の醍醐味なのだ。
まとめ:本当のアンデッドは開発陣

じつは本作、アーリーアクセス開始当初は評価が割れていた。しかしその後、開発陣がアップデートを積み重ねた結果、執筆時(2026年2月)のSteamストアページでは7000件以上のレビューに対し「非常に好評(88%)」と、V字回復している。
当初の評価が低調でも、アップデートを繰り返し、最終的に高評価を得るタイトルがたまにある。本作はその典型だと思う。こうしたゲームはかなり強いし、面白い。

▲たまには良いことも起きるが……回数が少なすぎる。
しかも、ゲーム自体が絶望から這い上がったにも関わらず、なおも進化を止めていない。なんかもう、不屈の生存者は、じつはゾンビでもプレイヤーでもなく、作品そのものだったと思えるくらい。
「EA Update #8」では、日本人ユーザー待望の日本語にも対応。今後のロードマップもしっかりしていて、おおむねスケジュール通りにコンテンツが追加されている。これはもう、開発陣のマネジメントが超優秀な証だろう。

本作は、生存者たちが「全滅」する過程をエンタメにしたゲームだ。
さまざまなルートと脱出計画、そしてエンディングが用意されてはいるが、それは、悲劇的すぎる一連のドラマを体験したプレイヤーだけに許された、極上のご褒美みたいなものだと思う。
ぜひ、あなた自身で、その芳醇さを味わってみてほしい。
© 2022 Prodigy Design Limited. Into the Dead and PikPok are trademarks of Prodigy Design Limited. All rights reserved.
GameWith編集者情報

| フリーランス物書き。ドーナツ食べながら子どもとゲームするのが至高。好きなジャンルはインディーズとFPS/TPS。ゲームの腕前は皆無のポテトゲーマー。ジャンルやタイトルに捕らわれずゲーム業界全体に興味があります。ゲーム以外にはアウトドア系やローカルニュースなどを執筆中。普段は塾講師、ときどきラジオパーソナリティ。 |
発売日など基本情報
| 発売日 |
2025年4月10日 |
|---|---|
| 会社 |
PikPok |
| ジャンル | その他 |
| 対応ハード | PC |
| タグ | |
| 価格 |
PC : 2,545円(税抜)
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| 最大プレイ人数 |
1人
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| 公式HP | |
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