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Knights Peakから、PlayStation5/ Xbox Series X|S/Switch/Steam/Epic Games Storeにて発売の2Dアクション『Mandragora: Whispers of the Witch Tree』。

本作は2.5Dの独特なグラフィックで彩られたダークファンタジーを舞台とするメトロイドヴァニア×ソウルライクのアクションゲームだ。
ソウルライクとは、高難易度で挑戦しがいのあるレベルデザインと、トライ&エラーを繰り返しながら攻略法を見つけ出す達成感を特徴とするアクションゲームのことだ。
昨今は2Dでも同ジャンルのゲームが増え、『Hollow Knight』や『ENDER LILIES』などのヒット作も産まれている。また、これらは3Dのソウルライクと比べ、テンポの早い戦闘が繰り広げられることが多い傾向にある。
しかし『Mandragora』は、上記とは異なるアプローチで独自の魅力を打ち出している。本作の面白さの核となるのは、攻めと守りの駆け引きが重要となる戦闘や、自由度の高いビルドシステムだ。これらの要素が、他作品とは一線を画す体験を提供している。
横スクロールの高難度アクションが多く存在する中、本作にはどのような魅力があるのか。数々のソウルライク作品を体験してきた筆者だからこその視点で語っていきたい。
目次
重厚な手応えと親切設計が共存する、遊びやすくも歯ごたえのある2Dアクション
前述の通り、 近年の2Dソウルライクではスピード感のある戦闘が多いように感じる。しかし、本作はそうではなく、比較的重厚なアクションとなっている。とはいっても「もっさり」としたストレスを感じさせるようなものでもない。ここが『Mandragora』だからこそのアクションのミソとなっている。まずはそこに焦点を当てていこう。
スタミナ管理が鍵となる、攻めと守りの駆け引きの妙
本作ではスタミナの概念があり、ダッシュ、ジャンプ、攻撃、ローリングといった行動は、基本的にスタミナを消費して行う。つまり、常に適切なスタミナ管理をしなければ、いざという時に攻撃を回避できずダメージを受けるといったことが頻発してしまう。
ソウルライクならあたりまえだと感じるかもしれないが、2Dアクションでは案外見られないシステムだ。
また、ひとつひとつのアクションにはある程度の硬直が発生する。当然大振りの剣を使ったときは大きなスキが生まれる。
敵にダメージを与えたいという欲から攻撃を続けると、そのスキを突かれてあっけなくやられてしまう……ということも少なくない。
敵との間合いをはかり、どのくらい積極的に攻撃するのか、守りに徹するタイミングはいつなのか。このバランスを見極めることが、攻略につながっていく。
チュートリアルと用語集による解説で、ソウルライク初心者も安心!
この手のゲームはハードルが高いと思われがちだ。理由として、その難易度の高さももちろんだが、ゲーム内で説明されない仕様や聞き慣れない専門用語なども、初心者を遠ざけている原因になっているのではないだろうか。
その点、本作ではところどころで丁寧なチュートリアルが入るので、基本操作、基本システムに関しては初心者でも十分理解が可能だ。

▲重要な箇所はゲームが一時停止して丁寧に解説。このようなチュートリアルが充実していないソウルライク作品は少なくない
更に、いつでもひらけるメニュー画面には「用語集」という機能が用意されており、ゲーム内に登場するあらゆるステータス値の説明から、アクションの仕様、そして「スタミナとは何か?」というような、多くのゲーマーなら勘で理解できそうな基礎的なものまで、丁寧に解説されている。
ハードコアなジャンルでありながら、不慣れなプレイヤーにも入門してもらえるよう、非常に親切に作られていると言えるだろう。

▲定番でありながら、あまりゲーム内で説明されない装備重量システムも、細かい数値つきで仕様が把握できる。
ハクスラMMO級の自由なビルドで、自分だけの戦い方を作り出せる!
本作の最も特徴的な部分は、その奥深いビルドシステムだ。
多岐にわたるその内容を、項目ごとに紹介していく。
個性豊かな6種のクラス。ゲーム開始の時点からビルド構築は始まっている。
ゲーム開始時、プレイヤーはキャラクタークリエイトを行った後、6つのクラスから1つを選ぶことになる。
たとえば、盾と剣による近接戦闘に特化したヴァンガード、魔法攻撃が得意なスペルバインダー、デバフを与えながら近接攻撃もできるヴィンディケーターなど、各々の特徴を持ったクラスが揃っている。

▲右側にはクラスごとのパラメータや初期スキルが表示されている。
「いやいや、クラス選択なんて他のゲームでもよくあるじゃないか」と思った読者も多いのではないか。ところが、これは本作の奥深いビルド要素の最初の一歩に過ぎない。ここからが本題である。
複数の広大なスキルツリーが生み出す、無限の可能性!
スクリーンショットを見ていただければ分かる通り、アクションゲームではなかなかお目にかかれない巨大なスキルツリーを用いた育成が可能だ。内容は最初に選んだクラスに応じた専用のものになっている。
さらになんと、レベルが25に達すると他クラスのスキルツリーがアンロックされる。つまり、性質が全く異なる6種類のスキルツリーを駆使した育成が可能となるのだ。こうなると、戦略の幅は爆発的に広がっていく!

▲1クラス分のスキルツリーでこの量。圧倒されてしまう……
小一時間スキルツリーを研究した筆者が考えついたのは、魔法攻撃をメインとしつつも巨大な盾でガッチリと防御を固めるガン盾魔法使い、あるいは盾でガードして毒でジワジワ削るデバフ剣士、はたまた体力回復系の能力を積んで耐久能力を高めたゾンビビルドなどだ。
これらはあくまで一個人の発想であり、実践レベルで使えるビルドかは試さなければ分からないが、各プレイヤーの発想次第で無数の戦い方が編み出せる。
なお、パッと見では複雑そうな印象を受けるかもしれないが、ビルドに強く影響をおよぼすのは大きなノードで得られる能力なので、それらの中からお気に入りのものを探し、そこに向かって一直線という方法もとれる。複雑そうに見えるが、案外シンプルに育成することも可能なのだ。
これらのシステムを活用すれば、自分らしさを全面に発揮し、さまざまな攻略方法で楽しめることだろう。
作り上げたビルドと豊富な装備品を組み合わせ、理想のプレイ感を作り上げよう。
キャラクター画面では、右手武器と左手武器の組み合わせが2セット、防具が5部位、そしてアクセサリが4つまで装備でき、それぞれに防御力や重量、そしてステータス上昇などの効果が設定されている。
また、武器によってはステータスの値によって攻撃力が変化するものもある。スキルツリーで成長させたステータスと武器の相性を考えることも大事だ。

▲ソウルライクに慣れていればひと目でわかるおなじみのUI
ソウルライク・メトロイドヴァニアと呼ばれる作品は多くあれど、先述の膨大なスキルツリーと複数の装備品によってここまで細かいビルドを構築できるというのは、本作ならではの希少な魅力ではないだろうか。
メトロイドヴァニア×ソウルライクの特徴はしっかりと継承。探索と挑戦を重ねて強敵に立ち向かおう。
探索のしがいがある広大なマップと魅力的な報酬
メトロイドヴァニアには探索要素が欠かせない。もちろん本作でも、探索による恩恵がたくさん用意されている。マップ内には各種素材や消費アイテムなどが配置されており、その中には強力な装備品や、スキルツリーに使用できるポイントが入手できる仕掛けまで配置されている。
しかし、ただひたすら歩き回るだけで全てが手に入るわけではない。メトロイドヴァニアではお約束の「後から来ないと進めない場所」があったり、行き止まりかと思いきや壁を破壊した奥に小部屋が隠されていたりといった仕掛けも存在する。とはいえ、マップ構造は難しすぎずちょうどいい塩梅となっていたため、遊びやすい調整になっていると感じられるだろう。

▲左端に宝箱の光がわずかに見えているが、道がない。こういうところも、しっかり探索すればたどり着ける。
ボスも雑魚敵も歯ごたえのある強さで、プレイヤーの腕が試される。
本作は前述の通り、ソウルライクでもある。当然、道中の雑魚敵も一筋縄ではいかない。
弓矢を持った悪党、大盾を構えた巨漢、突然飛びかかってくる獣など、さまざまな敵が登場し、それらが複数体で攻めてくることも少なくない。敵の配置や特性を把握し、臨機応変に立ち回ることがカギになってくる。

▲目の前には剣士、奥には魔法使い、高台からは弓矢。さてどうしようか……
ボスに関しても、盗賊の精鋭、獰猛なネズミの群れ、背丈が倍以上の巨人まで、大小さまざまの個性的な強敵が登場する。
また、個性的なのは見た目だけではない。ダメージエリアを設置してきたり、手下の雑魚敵を召喚してきたり、瞬間移動で間合いを詰めてきたりと、それぞれの特徴的な行動に対応する必要がある。

▲巨体のボスに掴まれた瞬間。この後頭を食いちぎられることになる……
トライアンドエラーを繰り返す中で行動を見極め、対策を練り、根気よく挑む必要がある。苦労の末撃破したときの喜びは、ソウルライクに欠かせない至高の魅力だ。
海外の名作ファンタジー小説を読んでいるかのような没入感!
本作の舞台は、まるで硬派なファンタジー小説を読んでいるかのような気分になれる、本格的ダークファンタジーの世界だ。以下ではその魅力を演出してくれる要素について紹介しよう。
絶望的状況から始まるストーリーと、深みのある独特な「2.5D」グラフィック
ゲームを開始した時点で、なんと既に人類は怪物たちとの戦いに敗北している。その結果として、人々は壁に囲まれた限られた領域での生活を余儀なくされているのだ。ダークファンタジーとはいえども、かなり鬱々とした展開からのスタートだ。

物語を進めるうえでは選択肢を迫られることもある。自分ならではの決断を下し、数々の苦難を乗り越えた先に何が待ち受けているのか、ぜひプレイして確かめてみて欲しい。
そんな暗くも魅力的な世界観を描くのは、横スクロールでありながらキャラクターや背景が3Dで配置されている、公式では「2.5D」と呼称しているグラフィックだ。PVを見るだけでも、2Dでは決して味わえない奥行きのある空間が感じ取れるだろう。
刺さる人には刺さる、多くのマニアックなテキスト群
インベントリなどでアイテムにカーソルを合わせると、その性能や見た目が表示されるが、実はここで左スティックを押し込むと、そのアイテムに応じたテキスト、いわゆるフレーバーテキストというものが用意されている。

▲「ルートウォヴン・レリック」のフレーバーテキスト。アイテム名だけでは何もわからないが、右下の文章を読めば出自が分かる。
ソウルライクファンの中には、このフレーバーテキストを読みあさるのが好きだというプレイヤーも多いことだろう。世界観の深堀りや考察が好きだという方は、こういった部分もチェックしておくと、隅々まで余すことなく楽しめそうだ。
まとめ
ソウルライク×メトロイドヴァニアという組み合わせは今でこそ市民権を得てきたものの、依然としてハードルは高いままだ。その点、『Mandragora: Whispers of the Witch Tree』は間口を広く設けた上で、独自性をしっかりと主張できている作品だと感じた。
横スクロールではなかなか見られない重厚感のあるアクションが新鮮な体験を産み、適度な広さのマップが探索の楽しみも提供している、両ジャンルのいいとこ取りである。
なにより、膨大なスキルツリーと多数の装備品による無限大のビルド要素が本作最大の魅力と言っていいだろう。
総評として、高難度アクションに挑戦したい気持ちがあるのならば、初心者から上級者まで、挑戦する価値はありそうだ。
ぜひ自分の手で触り、自分ならではのプレイ体験を作り出してほしい。
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発売日など基本情報
発売日 |
PC: 2025年4月17日 Switch: 2025年9月4日 PS5: 2025年9月4日 Xbox: 2025年9月4日 |
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会社 |
Knights Peak |
ジャンル | アクションRPG |
対応ハード | PC / Switch / PS5 / Xbox |
価格 |
PC : 4,500円(税抜)
Switch : 5,400円(税抜)
PS5 : 5,400円(税抜)
Xbox : 5,400円(税抜)
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