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シブサワ・コウ氏が語る「三國志」シリーズ40年の歩み。日本と中国、城の違いから見る歴史シミュレーションの進化「お城EXPO 2025」レポート

シブサワ・コウ氏が語る「三國志」シリーズ40年の歩み。日本と中国、城の違いから見る歴史シミュレーションの進化「お城EXPO 2025」レポート

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お城EXPO 2025

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目次

シブサワ・コウ氏のトークライブが開催!

シブサワ・コウ氏、ゲーム一筋45年の原点

シブサワ・コウ氏はPC黎明期の1981年に『川中島の合戦』を制作。その後「信長の野望」「三國志」などシリーズ作品を立て続けにヒットさせ、歴史シミュレーションという新しいゲームジャンルを確立してきた。

また、大河ドラマ「真田丸」、そして「鎌倉殿の13人」に3Dマップ監修として制作に参加。「仁王」シリーズや『Rise of the Ronin』などをプロデュースするなど、精力的に活動している。

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▲「三國志」シリーズ、「信長の野望」シリーズのエグゼクティブプロデューサーであるシブサワ・コウ氏

そんな、シブサワ・コウ氏がパソコンを手にしたのは30歳のとき、今から45年前のことだ。「パソコンとの相性が良くて、プログラミングとの相性が良くて、ゲームとの相性が良くて、ずっとゲーム一筋でこの45年間だった」と振り返る同氏は、今も毎日自社のゲームだけでなく、最近ヒットしている様々なゲームをプレイしているという。

自分のゲーム感覚を研ぎ澄ますため、他社のゲームも積極的にプレイし続けているのだ。

その徹底ぶりは社内でも有名で、制作者が突然呼び出されることも日常茶飯事だという。褒めることもあれば尻を叩くこともあり、ときには「この武将はもうちょっと強くならないのか」といった具体的な要望を直接伝えることもある。

特に、アクションゲームでは、1秒間に60フレームある中の1~2フレームの違いで体感が大きく変わるため、そうした感覚的な部分でアドバイスを行っているという。

コーエー(現コーエーテクモゲームス)のルーツは、意外にもゲームとは無縁の場所にある。元々は、繊維産業が盛んだった栃木県足利市で、織物工場向けに染料や薬品を販売する問屋だった。シブサワ氏はその三代目になる予定だったが、家業は廃業を余儀なくされる。

「自分なりにチャレンジしてみよう」と決意したシブサワ氏は、1978年、27歳の時に山に囲まれた一軒家で「株式会社光栄」を創業する。しかし、当初の2年間は試行錯誤の連続で、なかなか軌道に乗らない悶々とした日々を過ごしていたという。

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ここで救いの手を差し伸べたのが、現在のコーエーテクモホールディングスの取締役名誉会長であり、妻の襟川恵子氏だった。高校時代から株式投資を行っていた彼女は、所有していた任天堂の株4,000株を売却。その資金でシャープの8ビットパソコン「MZ-80C」をシブサワ氏にプレゼントしたのである。

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パソコンを手に入れたシブサワ氏は、実際に社会に役立つという視点でプログラミングの仕事を請け、在庫管理、工程管理といった実用ソフトを制作し、取引先に納めていた。

同時に開発していたのが、「川中島の合戦」というゲームで、続く「信長の野望」がヒットを記録したことで、シブサワ氏は業務ソフトの開発を止め、ゲームソフト開発専業へと舵を切ることを決意した。

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当時の開発環境は、横浜の自宅の一部を改装したパソコンショップ。そこに集まる早稲田大学や慶應義塾大学の学生たちとゲーム談議や、プログラミング談議に花を咲かせ、優秀な学生をアルバイトとして雇い入れながら、少人数でのゲームづくりが進められていった。

そして、1985年には「三國志」が誕生する。人形劇や漫画、小説などで馴染みの深かった三國志の世界観は、シブサワ氏自身も深く没入していたジャンルだった。

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「日本の戦国時代と同様、君主が覇権を争い、英雄が個性を発揮してドラマを生む。お客様からのニーズも非常に高かった」と振り返る。先行して発売されていた『信長の野望』、そしてチンギス・ハンをテーマにした『蒼き狼と白き牝鹿』に「三國志」が加わり、1985年に「歴史三部作」が完成した。

シブサワ氏は「ゲームを遊ぶことも楽しいが、作ることはもっと楽しい。」と話す。40年前と違い、最近は作ったり遊んだりする以外にも、eスポーツを代表とする、神業的なプレイを見て楽しむこともできるようになった。そういった要素でもゲーム談義ができるのも幸せだとシブサワ・コウ氏は語った。

「三國志」シリーズ40年の進化――武将1000人の時代へ

続いて40周年を迎えた「三國志」シリーズを振り返るコーナーが設けられた。「信長の野望」シリーズプロデューサーの小笠原賢一氏と、『三國志VIIIリメイク』プロデューサーの越後谷和広氏が登壇。シブサワ・コウ氏とともに、40年にわたるシリーズの歴史を振り返った。

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▲「信長の野望」シリーズプロデューサーの小笠原賢一氏

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▲ 「三國志VIIIリメイク」プロデューサーの越後谷和広氏

初代『三國志』発売後、シリーズは急速な進化を遂げていく。1989年に『三國志II』、1992年に『III』、1994年に『IV』、そして1995年に『V』と、ハイペースでタイトルがリリースされた。

越後谷氏は当時を振り返り、「その頃は完全なプレイヤーで、『II』や『III』まではしっかり遊んでいた」と語る。毎回新しいシステムが導入され、『II』では新武将機能で自分自身をエディットして天下統一を目指せるようになり、『III』では国単位から都市単位へと変更された。

さらに、『V』では陣形システムが導入され、キャラクターの個性がより際立つようになっていった。着実にブラッシュアップを重ねていったのだ。

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越後谷氏が企画会議に参加したのは『三國志VII』から。「作る側ではなく、これを作っていいのかどうかの議論に参加していた」という同氏にとって、『VII』は特に記憶に残る作品だという。

「VII」最大の革新は、武将プレイの導入だった。それまで君主として遊んでいたシリーズに、一般武将や配下、軍師といった別の視点でのプレイが初めて可能になった。「『VI』まで作っていて、変化が必要じゃないかというのが企画会議でかなり議論されていた」と越後谷氏は当時を振り返る。

武将プレイでは、仕えている勢力を一度下野してから別の大名に仕えるといったプレイも可能になった。「言うことを聞かない君主を下から見ていて、「お前何やってくれてんの」と思うこともある。でもそれを逆に楽しむんですよね」と越後谷氏は笑う。

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シブサワ氏が特に記憶に残っているのは『三國志IX』だという。「1枚マップで中国全土を表現して、今のオープンワールドに繋がるようなゲームの設計をした。非常に人気が出たタイトルで、私もずいぶん遊びました」と振り返る。

構想がどんどん広がって、プロジェクトチームのアイデアや、お客様からの要望を元に「今まで表現できなかったことが、ハードの機能が上がることで実現でき、ゲームの中で花開く」とシブサワ氏は語る。

2004年の『X』、2006年の『11』、2012年の『12』、2016年の『13』と、この時期からリリース間隔が広がっていく。「毎年作っていたが、さすがに追いつかなくなった。それだけボリュームが一気に増えた時期」と越後谷氏は説明する。

越後谷氏は『13』のパワーアップキットで管理側として関わったが、「昔と規模が違うと正直感じた。本当に時間がかかるようになっているし、武将も増えた。歴史を経てデータが増えたのを実感した」という。

三國志の物語は諸葛亮が亡くなるところまでで一区切りとなるのが一般的だが、その後の時代黄巾の乱以前の設定なども追加され、幅も深さも大きくなっていった。

『X』では舌戦システムが導入された。「どうしても戦闘は一騎討ちがあるので、諸葛亮のように言い負かすようなシーンがゲームにはなかった。お客様からそういう戦いが欲しいという要望があり、Xで実現したのが舌戦」と越後谷氏は説明する。武力だけでなく、知略を駆使した戦いの表現が可能になったのだ。

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2020年の『三國志14』、そして2024年の『三國志8リメイク』へと続く。越後谷氏はこれらの作品でプロデューサーを務めた。

「『14』で武将がついに1000人に達した。そのデータを引き継いだまま、武将プレイの作品だったVIIIをリメイクしてみようとやってみた」と越後谷氏。

『14』は世界的に高評価を得ており、越後谷氏は「1枚マップの要素を引き継ぎ、個人的にやりたかった初代の色塗り、地図色塗りの要素を入れてみた。昔良かったものを入れてみたのが『14』だった」と理由を分析する。

興味深いのは、地域による人気の違いだ。『三國志VIIIリメイク』の武将プレイは韓国で特に人気が高いという。一方で、1枚マップの『IX』や『11』は中国で人気が高いという。「文化的なところや、その国でゲームが流行った時期と被っているのかもしれないが、結構地域差が出るものだと思っている」と越後谷氏は分析する。

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最後にシブサワ氏自身のプレイスタイルについても語られた。「諸葛孔明が好きなので、『蜀派』だという」。小説にしても、横山光輝の漫画などで人間味を描写されたキャラクターたちへの思い入れは深い。

「みんな志半ばで亡くなってしまっているので、やっぱりそこを自分がプレイヤーとしてなんとか持たせたい。そういう気持ちがあるのでどうしても力が入ってしまう。」と話す。

日本と中国、城の成り立ちと文化の違い

その後、日本と中国における城の違いについても興味深い議論が交わされた。「信長の野望」シリーズプロデューサーの小笠原賢一氏は、日本の城の変遷について詳しく解説した。

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現在、日本に残る馴染み深い城は、戦国時代から江戸時代を経て平城として発展した大規模な城郭である。しかし戦国初期、中世の日本の城は、主に山の上など防御に適した場所に兵を駐留させる砦的なものだった。

「戦国時代が進んで領国統治が進むと、より大きな領国を持つ戦国大名が現れるようになった。経済的に発展させるため、領地を統治する職務の重要性が増してきたので、より町に近いところに広がった方が統治しやすくなった」と小笠原氏は説明する。

多くの人を動員できるようになり、大規模な工事が可能になったことも大きい。高い山の上でなくとも、小高い場所で縄張りをしっかり取れば、防御力の高い城が作れるようになった。徐々に城の位置が平地へと下がっていき、城下町への様々な施策も効率的に実施できるようになったのである。

最終的には完全に平地に降り、街道沿いに広い城下町を取れるようになった。城の中により多くの兵を駐留させ、より多くの兵糧を蓄えられる平城という形が、最も効率的なものとして確立された。熊本城、江戸城、大阪城、名古屋城など、石垣の技術や動員できる人数が大規模になり、今日我々が馴染み深い立派な城郭が生まれていった。

『信長の野望』では、城と武将が戦国時代を象徴する二大要素となっている。「城をどれだけ魅力的に、城好きの方々にも面白そうに見ていただけるか。再現性には非常にこだわって毎作取り組んでいる」と小笠原氏は語る。ハードの性能向上により表現の幅が広がり、よりリアルな形で「当時はこうだった」という世界を提供できるようになっているという。

小笠原氏は城について「戦だけでなく、地域や領国を代表するシンボル。平城になって天守閣を設けるというのは、誇りのような存在だったのではないか」と語る。

特に安土城については「織田信長の城作りに対する集大成。再現できるとしたら、現代に生きる我々も圧倒される建造物だったのではないか。叶わぬ夢ですが、実物を見てみたいと思う」と憧憬の念を示した。

ちなみに最強に守れる城として、小笠原氏は武田ファンであることから岩櫃城を挙げた。「真田が築いた山城。岩櫃に勝頼が入ってくれたら武田が残ったかもしれないという希望も込めて」という個人的な思い入れを語った。

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続いて越後谷和広氏が、中国の城について解説した。「完全に日本と考え方、文化の成り立ちが違う」と前置きした越後谷氏は、中国の城の特徴を説明する。

中国ではほぼ平城しか残っていないという。最大の特徴は「城郭都市」という概念で、壁の内側に都市が区画整備されてできているのが、中国の城郭都市の特徴だ。

「左右対称で、南に南大門と呼ばれる大きい門がある。皇帝の住む宮殿や市場などが整備されているのが中国の城の特徴」と越後谷氏。日本の平城京や平安京も、同じ都城方式を真似て作られたものではないかと話す。

ただし日本と中国では、城壁の発達理由が異なる。日本の場合、外敵は国内にしかいないが、中国の場合は異民族の襲来が常にあった。それから守る意味でも城郭、特に城壁が高く発達したのである。

「日本の場合、城関係者以外の平民が襲われることはなかったが、中国ではそれも含めて守る必要があった」と越後谷氏は指摘する。中国は面積が大きく馬での移動が当たり前で、異民族も襲ってくる。民衆も普通に襲われてさらわれていったと考えられるため、都市ごと人を守らなければならず、こうして発展していったのではないかと話す。

三国時代は、興味深いことに「一番異民族が来なかった時代」でもあるという。そのため城はそれほど深くは発展していなかったが、代わりに文化が三国時代の後期から育ってきた。「そういう意味でも賑わってはいた」と越後谷氏は分析する。

ただし、中国の城の再現には大きな困難がある。日本の城以上に、見た目などの資料が乏しく、想像の部分が非常に多いのだ。「ほぼ想像」と越後谷氏は率直に語る。現存する城址しか残っておらず、今ある城壁も大体明の時代に復興されたものである。そのまま残っているものはほぼない。イメージで「こんな感じじゃないか」と作っていくしかないのだ。

日本と中国では、城の成り立ちが全く異なる。防御拠点から領国統治の中心へと変化した日本の城、そして異民族からの防衛と都市機能を兼ね備えた中国の城郭都市――両シリーズのゲームを通じて、こうした文化的差異を体感できることも、歴史シミュレーションゲームならではの醍醐味だ。

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「覇道」シリーズが描く攻城戦――日中それぞれのアプローチ

『信長の野望 覇道』の攻城戦は、日本の城の構造を忠実に再現したシステムとなっている。寄せ手と守り手に分かれ、最大30人対30人の大規模な戦いが繰り広げられる。

寄せ手は複数の箇所からスタートし、まず門を破って場内に侵入する。守り手は城内を自由に行き来して防衛できる。寄せ手は郭を順次落として進み、最終的に本丸を制圧すれば勝利となる。

「日本の城は郭で分かれている形になっているので、だいたいどこにどのくらいのプレイヤーが集まってくるかが分かる」と小笠原賢一氏は説明する。

守り手は重要な場所に多くの武将を集め、士気が大きく変動するような拠点を死守する戦略が求められる。各郭には破壊力や攻撃力を上げる施設も用意されており、どこを守りどこを割り切るか、兵の配置と施設の攻防で戦況が変化していく。

「本丸まで詰められると攻撃側の士気が非常に高くなり、ダメージも大きくなる。そこまでならないよう、事前に外周で守るかという戦い方になる」と小笠原氏は攻城戦の駆け引きを語る。

シブサワ・コウ氏は『信長の野望 覇道』を、独特の方法でプレイしている。無課金・微課金・中課金・廃課金という4人のキャラクターを作り、4台の携帯で同時にプレイしているのだ。

「朝から忙しいんですよ。無課金で楽しく遊べるか、廃課金で楽しく遊べるか、実際に自分でやってみないと分からないので」とシブサワ氏。その結果、「廃課金よりもお金がかかっている状態」という驚きの事実も明かされた。

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『三國志 覇道』の攻城戦は、『信長の野望 覇道』とは大きく異なる設計となっている。視点が城壁の外側にあり、最大50人ずつが参加する大規模戦闘が特徴だ。

越後谷和広氏は「城そのものの建造物というよりは、その周りで行われる攻防戦を描いている」と説明する。これは先に語られた通り、日本と中国の城の役割の違いが反映されているためだ。

最新の『三國志 覇道』では、井闌車と呼ばれる城壁の高さに匹敵する攻城兵器が登場する。「描きたかった城壁攻防戦を巡る争いの方法を、視覚的に再現できた形になっている」と越後谷氏は語る。

函谷関のような難攻不落の城壁も再現されている。「実際にどれくらいの高さかは分からないが、イメージ的には当時の人たちにはそびえ立つ壁だったと思うので、こうなっていてほしいというのも含めてビジュアル化している」と越後谷氏。

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『信長の野望 出陣』は「いざ全国へ出かけよう」をキャッチフレーズに、位置情報を活用したウォークゲームである。実際の地図とリンクした戦国世界で、行った先で操作することで領地を広げていくシステムだ。

小笠原氏は「実際の城のあるところに行けば、その城を訪問したことが記録になる。例えば小田原城に実際に行って小田原城をタッチすることで、北条氏康が配下武将として使えるようになる」と説明する。お出かけと戦国時代の領地拡大、家臣団の充実がリンクしたゲームデザインとなっている。

日本城郭協会の日本100名城続日本100名城とコラボレーションしており、合計200城のリアルな城がゲーム内で発見できる。さらに、実在の城を舞台にした攻城戦イベントも実装されている。

「公園などに城が配置されていて、実際に出かけたり自転車で行ったりして、誰も取っていなかったら自分がその城に入れる。他の人が入っている城があれば、その人と戦って城を取る」という仕組みだ。大名勢力に分かれ、どの勢力がより多くの城を取れるかを競う遊び方もできる。

「実際の地図とリンクしたゲームなので、城巡りのお供に間違いなく楽しんでいただける」と小笠原氏は自信を見せる。ちなみに小笠原氏は、ゲーム内の横浜駅城の城主も務めているという。「会社が近いので、コテンパンにやっつけてください」と笑いながら、「会社としては死守したいですね」と対抗心を燃やすのだった。

2026年、NHK大河ドラマが久しぶりに戦国時代を題材にすることとなった。扱われるのは豊臣秀吉と羽柴秀長の兄弟である。彼らが城主として居城にしていた城々は、「信長の野望」シリーズにも数多く登場している。

小笠原賢一氏は「戦国時代の城をしっかりと網羅して、リアリティをブラッシュアップして皆さんにお楽しみいただけるようにしていきたい」と語る。『信長の野望・新生』をはじめとするシリーズ作品では、秀吉や秀長ゆかりの城が詳細に再現されているのだ。

2026年の大河ドラマ、城の新たな楽しみ方

話題となった「天空の城」竹田城も、秀吉兄弟と深い関わりがある。秀吉が姫路城を居城としていた時期、但馬を統治するため秀長が任され、居城としたのが竹田城だった。

小笠原氏は「実際にこういう戦国時代を好きな方々は、戦国時代のものとしても楽しめるし、こういった素晴らしい景色やロケーション、その地域の魅力を味わうということでも、城のプレゼンスは今後ますます高まっていく。すごく楽しみ」と期待を語る。

秀長が竹田城の城主であったという史実から、大河ドラマではどのような表現がなされるのか。秀吉や秀長が暮らし、城主であった城々が、ドラマの中でどう描かれていくのか――城を視点とした新たな楽しみ方が生まれそうだ。

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トークイベントの締めくくりとして、登壇者それぞれから感謝の言葉が述べられた。

小笠原賢一氏は「楽しい時間を一緒に過ごさせていただきありがとうございました。今後もこういう城、そして戦国時代を通じて皆様と盛り上がりを作り、より城・戦国というところが多くの人に楽しまれるように頑張っていきたい」と語り、会場に詰めかけたファンへの感謝を示した。

越後谷和広氏は「中国、古代の城のご紹介しかできなかったが、私自身、日本の戦国の城も大好き」と前置きし、自身の生まれ故郷である秋田県横手市の桧山城址近くで育った経験を明かした。

「昔から城に興味があって育ってきたので、この後、城エキスポ自体を見て回ろうかと思っている」と、プロデューサー自身も一ファンとして城への情熱を持ち続けていることを示した。

最後にシブサワ・コウ氏が、コーエーテクモゲームスの今後の展望を語った。

「コーエーテクモと言いますと、歴史に関係するゲームを作っている会社という風に皆様お思いだと思うが、その通り」とシブサワ氏。

「歴史の面白さ、文化の素晴らしさ、こういった要素をゲームの中にこれからもどんどん取り入れて、世界のゲームファン向けに面白い歴史のゲームを発信していきたい」と力強く宣言した。

「信長の野望」シリーズの展開も多様化している。シミュレーション、アクション、「出陣」のようなウォークゲーム、さらには「ポケモン+ノブナガの野望」のようなロールプレイングゲームまで、様々なジャンルで歴史を楽しむゲームが生み出されている。

城を通じて歴史と文化を楽しむ――このトークイベントは、ゲームが単なる娯楽を超えて、歴史や文化への興味を深める入口となり得ることを改めて示す機会となった。40年の歴史を刻んできた「三國志」シリーズ、そして「信長の野望」シリーズは、これからも新たな形で歴史の魅力を伝え続けていくだろう。

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お城EXPOの展示の様子を紹介

「コーエー」ブースでは中国と日本の城の違いを紹介

お城EXPOではコーエーテクモゲームスもブースを出展している。

三国時代の中国の「城」と、戦国時代の日本の「城」との違いを解説するパネルが展示されていた。

多くの城のファンが訪れるイベントだけあり、多くの来場者が興味深そうにパネルを見ていた。

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アンケートに答えると抽選でグッズがもらえるコーナーと、モバイルゲームの「信長の野望 出陣」のキャンペーンが展開されていた。

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▲アンケートに答えるとオリジナルグッズがもらえる

お城EXPO 2025
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▲「信長の野望 出陣」のグッズも配られていた

また、ブースには甲冑も展示されていた。こういった要素がお城EXPOを訪れた歴史ファンを魅了するのだろう。

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▲ 甲冑も展示されていた

ゆるキャラや月間ムーの展示も

ご当地のゆるキャラも会場を訪れお城のアピールをしている様子も見られた。

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甲冑を着た甲冑武者もお城のアピール。

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企画展示では「月刊ムー」とのコラボレーション展示もあった。ムーらしく、呪術や信仰などのアプローチで考察・解説されており、来場者は興味深く展示を見ていた。

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伊達家の甲冑の展示も。多くの甲冑が1ヶ所で展示されており、ギュッとまとめて見られる機会ということもあり、多くの来場者が足を止めていた。また、甲冑の着付け体験もあり、大人から子供までこの貴重な機会を楽しんでいた。

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まとめ

お城EXPOでは、ゲームの展示だけでなく、甲冑の着付け体験や各地のゆるキャラによるPR、さらには「月刊ムー」とのコラボ展示まで、多彩な切り口城の魅力が発信されていた。

シブサワ・コウ氏が45年前にパソコンを手にしてから今日まで、歴史シミュレーションゲームは進化を続けてきた。そして今、ゲームは単なる娯楽を超え、歴史や文化への入口として、より多くの人々を魅了している。

実際の城を訪れ、その歴史に触れ、ゲームで追体験する――そんな新しい歴史の楽しみ方が、これからも広がっていくだろう。

GameWith編集者情報

咲文でんこのプロフィール
咲文でんこ
ゲーム全般を中心に、メタバースやAI分野まで幅広く執筆しているライター。
VTuberとしても活動しつつ、メタバース内ではラジオパーソナリティやDJとしても"声"を届けています。バーチャルとリアルを行き来しながら、「いま一番面白い遊びのかたち」を探し続けています。

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