気付かないうちに、罪を犯していませんか?
こんにちは。
GameWith編集部のまめいるです。
昨今のゲームは、本当に色んなジャンルがありますよね。
例えばRPGひとつ取っても、アクションRPG、シミュレーションRPG、シューティングRPGなどなど……。
複数のジャンルが混ざってるものもあったりして、細分化が非常に進んでいます。
そんなことを考えながらゲームを遊んでいたら、ふと大多数のジャンルに共通する点を発見してしまいました。
皆さんも普段ゲームをしていて、こう感じたことはありませんか?
「ゲームの中って、犯罪行為だらけでは?」
例えば人の家のタンスを漁ってアイテムやお金をゲットしたり……
免許を持ってないのに運転したり……
現実だったら普通に捕まりますよね。
もはや無法地帯です。
ですが実際のところ、これらの犯罪行為はゲームならではの面白いポイントでもあります。
とはいえ、果たして本当に罪を犯す必要はあるのでしょうか?
そんな話をゲーム会社のオーイズミ・アミュージオさんとしていたところ、「ぜひ!」とオススメされたゲームがこちら。
中世ファンタジーでありながら、アウトローで自由すぎる世界観。
犯罪のにおいがします。
「ゲーム内で罪を犯す必要はあるのか?」という疑問に対し、真っ向勝負を挑んでくるかのようなゲームです。
そこで、あえて今回はこのゲームで「罪を犯さずゲームをクリアできるか」の縛りプレイに挑戦してみます。
しかし「民家のツボを割らずにラスボスを倒せばいいんでしょ」くらいの気持ちでいた筆者、ゲーム概要を見ているうちに、早くも心が折れそうになってきました。
このゲーム、あまりにも犯罪行為のオンパレードすぎます。
このままでは企画にならないことを危惧し、今回は強力な助っ人をお呼びしました。
逆転の発想で立ち向かう! 強力な助っ人を召喚
色々な策を考えてみましたが、最終的にたどり着いたのは“逆転の発想”です。
「罪を犯したくないなら、無罪にしてしまえばいい……!」
というわけで、今回ご協力いただくのはこちらのお方!
杉田 都乃 先生
アンダーソン・毛利・友常 法律事務所に所属。
企業に関する分野に明るく、主に会社同士の不当な競争を防ぐ、競争法などが専門。
1番好きな法律は独占禁止法。
弁護士を目指したきっかけは、小さい頃に火サスや土サスをよく観ていて、かっこいいなと思ったこと。
好きなアニメは『PSYCHO-PASS サイコパス』。
まめいる
現役弁護士の先生を呼んじゃいました。
これからやる行為を、何とかすべて無罪に持っていってもらえないでしょうか。
なかなか難しそうですが、お力になれるよう頑張ります!
杉田先生
ちなみに普段ゲームは遊ばれるんですか?
いえ、最近はあまり遊べていないです。
でも詳しくないからこそ、こういった経験が本業の勉強にもなりそうだなと思って。
杉田先生
(引き受けていただいた理由が真面目すぎる。申し訳なくなってきた)
ルールについて
オーイズミ・アミュージオさんとも協議し、今回ゲームを進めるうえでのルールは以下で決定。
第一の罪:ゲーム開始直後からモラルのモの字も無い。
というわけで、早速ゲームをプレイ。
こちらが本作の主人公「ガイ」。
村のど真ん中で酔っ払って寝ていた「ガイ」が、目覚めるところからゲームは始まります。
喉が乾いていたので、落ちてるボトルを拾って中身を飲み干しました。
どうやらその辺に落ちているものを飲んだり食べたりすると、体力が回復するらしいです。
ワイルドすぎる。
ひと通りの操作確認を終えたところで、まずは近くの街に向かうことに。
すると、早速最初のクエストが発生。
「盗んでこい」!? これは……。
いきなり雲行きが怪しいですね……。
杉田先生
しかしクエストが発生してしまった以上、進めなければなりません。
いやでもどうしよう……
普通に盗みました。
杉田先生の弁護を信じ、馬に乗って逃げ切ります。
人の馬を盗んでしまいました。弁護をお願いいたします。
いきなりですね……。
状況だけ見ると、シンプルに「窃盗罪」にあたるかと思います。
杉田先生
窃盗罪……。
情状酌量の余地はなさそうでしょうか?
窃盗は量刑に幅があるので、なかなか難しいですね。
もしこの時代の馬が高級な車くらいの価値だとすると、重めの量刑になるかもしれません。
自転車くらいの価値であれば軽い量刑で済むんじゃないかな?とは思います。
杉田先生
馬=自転車でお願いします!
なんとなくサイズも近いし、免許要らなそうですし。
となると、初犯ということもありますし、罰金くらいで済みそうです。
杉田先生
罰金!
懲役刑じゃないのでセーフ!!
【弁護成功】
盗んじゃったけど馬=自転車なのでセーフ
(罰金は払うが懲役や禁錮にはならなそう)
もし最初に主人公が飲んでいたものがお酒だとすると、飲酒運転にも該当する可能性がありますが……。
杉田先生
水です。
水でお願いします。
第二の罪:聖杯をめぐる冒険譚(?)
今度は街の外を歩いてみることに。
街でも森でもロード時間が発生せず、シームレスなフィールド探索が気持ち良い。
広大なフィールドに点在するクエストは、どれも自由な順番で遊ぶことが可能。
続いて挑戦するクエストはこちら。
どうやら森のどこかに「聖杯」なるものが隠されているらしく、探してみることに。
「聖杯」というワードが出てテンションが上がりました。
まさに自分が最初に思い描いていた、中世ファンタジーの雰囲気。
意気揚々と森の中を探してみますが、ここでまさかの展開に巻き込まれます。
森の中を歩いていただけなのに、主人公と同じく「聖杯」を探している3人の男に襲われました。
返り討ちにしたいところですが、罪を犯すのが怖いので逃げまくります。
しかし、どうやら倒さないとクエストは進まない模様……。
……うぉぉぉぉぉおおお!!!!
この手を血で染めてしまいました……。
結構ショッキングなシーンでしたね。
杉田先生
違うんです先生、まさか襲われるとは思わなくて……仕方なく……。
……。
杉田先生
ですが今回の場合、「正当防衛」にあたるかと思います。
杉田先生
えっ!本当ですか?
思いっきり返り討ちにしてしまったので、正当防衛にしてはやりすぎなのかと思ってしまいました。
・3対1でこちらが人数不利
・相手も武器を持っている
・相手から襲ってきており、命の危険を感じる状況である
といった様子なので、相手の命を奪ってしまったものの、正当防衛として認められる可能性が高いです。
杉田先生
なるほど!
それなら無罪を主張できそうですね!
なんとか命拾いしました……。
とはいえ、犯情(※)によっては弁護側も難しくなってくるので、気を付けてください。
初犯よりも再犯の方が実刑判決が付きやすかったりもしますし、なるべく疑わしい行動は避けたいところですね。
杉田先生
※ 犯情 … 犯罪に至るまでの経緯や、犯罪を行った態様などといった状況のこと。
杉田先生のファインプレーにより、正当防衛で乗り切れました。
しかし、クエストはまだ続きます。
そのまま周囲を探索していると、ついに聖杯が隠された場所を発見!
このゲームの登場人物、気軽に命のやりとりしてきますね。
先程と同じく相手も武器を持っているので、一応正当防衛と言えなくはないかと思います。
杉田先生
きた!正当防衛!
やや怪しくなってきましたが……。
杉田先生
というわけで正当防衛に感謝しながら衛兵も倒し、ついに聖杯とご対面。
……のはずが……。
「聖杯」は幻想だったのか……なんて思っていると、なんと騎士たちが現れました。
とんでもない場面に巻き込まれてしまった。これは危ない予感……。
ここで主人公の「ガイ」が選んだ行動とは……!
なぜ。
ちょっとそんな気はしていました。
杉田先生
波乱万丈なシナリオ展開は、もはや本作の十八番。
聖杯をめぐるファンタジーから、ならず者ストーリーへと見事に化けました。
結局、摘発しようとした騎士を倒してしまいました。
この状況から弁護って可能なんでしょうか?
うーん……。
相当難しいですが、騎士の人たちも剣を持っていたので、「剣で攻撃されるかと思ったから、こちらもとっさに剣を振ったら当たっちゃった」みたいな理由を付けるしかないですかね……。
杉田先生
武器を持っているかどうかが正当防衛の分かれ目なんでしょうか?
というよりも、「身を守るために仕方なかったと言えるかどうか」が重要なポイントですね。
自分の命を守るための行動は、正当防衛として認められるので。
杉田先生
なるほど、勉強になります。
ただし、今回の犯情からすると無罪では済まない可能性が高いです。
なるべく刑を軽くする方向で弁護して、執行猶予付きの判決に抑えてもらうしかないと思います。
杉田先生
【弁護成功(?)】
ギリギリ執行猶予で済むかもしれない
(なんとか言い訳すれば無罪の可能性あり)
杉田先生
窃盗の前科なども加味すると、かなり厳しいですが……。
第三の罪:誰かのために行う悪
なんだか街の付近は危険な気がしてきたので、はじめの村に戻ってみることに。
落ち着くために、のどかな村の空気を吸いに行きます。
しかし、この村にこそ、とんでもないクエストが潜んでいたのです……。
こちらは墓掘りのおじいさん。
どうやら墓を掘る仕事が減ってきて、困っている様子。
困っている人を助けるというシチュエーションは、いかにもクエストの定番っぽい。
……?
仕事を手伝ってあげる流れでしょうか?
……!?
何人か殺す(0/15)!?
これは……。
杉田先生
しかしクエストを引き受けてしまった以上、やるしかない。
今回のクエストは制限時間があるので、妙に緊張感もあります。
とりあえずその辺に居る人たちを倒しはじめましたが、2人目を倒したあたりで状況が一変。
主人公の「お尋ね者レベル」が上がってしまい、次々に強い騎士たちが集まってきました。
まるで急に高難度のアクションゲームに変わったような印象。
しかし、まさかクエスト失敗のまま逃げるわけにはいけないので再チャレンジ。
困ったときは「スキル強化」で乗り越える!
この手強いクエストをクリアするための鍵となったのが、「スキル強化」。
ぶっ飛んだストーリーの面白さだけでなく、RPGのような成長要素をしっかりと兼ね備えているのも、本作の面白いポイント。
何も信じられないゲームかと思いましたが、ついに信じられるものを見つけました。
スキルの力を信じて、いざリベンジ!
そして死闘の末に……
いや〜、なんとかクリアできました!
達成感がありますね。
見ていてハラハラしました、面白かったです!
とはいえ、今回の行為は明らかに「殺人」になります。
杉田先生
そうですか……。
ただそこは杉田先生!いつもの感じで弁護お願いします!
15人という人数から見ても、「死刑」もしくは「無期懲役」などの重い量刑になりそうです。
杉田先生
からの……無罪になるためには!
無理ですね。
あまりこういうことは言いたくありませんが、情状酌量の余地はないと思います。
杉田先生
えっ……
判決:死刑または無期懲役
(企画失敗)
まとめ 〜想像以上に何でもアリなゲーム〜
弁護士の先生でも弁護しきれない、何でもアリな要素が満載のゲームでした。
今回紹介したクエスト以外にも、死神の衣裳に身を包んで人を脅かしたり、女装したり、とにかくユニークで予想外なゲームでした。
残念ながら最後は有罪となってしまいましたが、今回参加してみていかがだったでしょうか?
普段ゲームをこういった切り口で見たことが無かったので、新鮮でした。
杉田先生
ちなみに、実際にこの主人公みたいな人が弁護を依頼してきたらどうしますか?
辞退させていただきます……。
杉田先生
ですよね。
アウトローでぶっ飛んだアクションを楽しんでみたい人は、是非とも本作を触れてみてはいかがでしょうか。
中世という時代を舞台に、思いつく限りの悪行が許されるのは、『ラスラー』だけ!
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