編集部レビュースコア
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コンテンツ量 4点
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自由度 3点
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ソーシャリティ 2点
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BGM 4点
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グラフィック 4点
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感情移入 5点
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ゲーム性 3点
総合点(最大10点) ゲームの奥深さ・面白さを軸に付けた総合得点。 |
コンテンツ量(最大5点) ゲーム内に用意されたコンテンツ量・要素の豊富さを基準とした点数。 |
自由度(最大5点) ゲーム内でできることの幅の広さ、プレイヤーごとの個性の出やすさを基準とした点数。 |
ソーシャリティ(最大5点) ゲームだけで新たな友人が作れる、コミュニケーションツールとして機能するかを基準とした点数。 |
BGM(最大5点) 年齢を問わず幅広く支持されるようなキャッチーさ、印象に残りやすいか否かを基準とした点数。 |
グラフィック(最大5点) ハードの性能を最大限活かした優れた映像技術であるかを基準とした点数。 |
感情移入(最大5点) 年齢を問わず誰が遊んでも強く感情が動かされるか、作品や登場人物に深い共感を持てるかを基準とした点数。 |
ゲーム性(最大5点) ゲームとしての奥が深く、プレイスキルを磨けば磨くほど楽しさが増していくかどうかを基準とした点数。 |
群像劇でありながら、リアルな心理描写を徹底したRPG
2022年3月4日(金)、スクウェア・エニックスが贈る完全新作のタクティクスRPG『トライアングルストラテジー』が発売した。
本稿では、ストーリーの根幹に関するネタバレは避けつつ、クリアした感想をお届けしていく。
なお、序盤3話までの基本的なゲームシステム等は以下の体験版レビューで紹介しているので、徹底してネタバレを避けてプレイしてみたい!という方はまずはこちらからチェックしてみてほしい。
「選択」と呼ぶには生ぬるい、「覚悟」だらけのストーリー分岐
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感情移入 5点
クリアまで遊んで最も心に刻まれたものといえば、やはり本作最大の特徴でもあるストーリー分岐の壮絶さだ。
筆者の周りでも本作をクリアした人は多いのだが、感想を聞いてみると以下のような言葉が聞けた。
「ストーリー分岐が心にくる」
「人として何かを失った気がする」
「第〇〇話がキツすぎて一回セーブして寝た」
個人差は当然あるだろうが、プレイヤーの心にガツンと訴えかけてくる選択肢が用意されているのは間違いない。
プレイヤーの選択でストーリーが分岐するシステムのゲームは他にもあるが、本作に関しては「選択」を超えてもはや「覚悟」に近い感覚の重大な選択を迫られる。
しかし、ただ辛く厳しいだけの物語ではない。
戦記物らしく、意外な計略で苦境を打破する展開もあり、思わず「おぉ…!」と唸ってしまうようなシナリオの面白さも感じられた。
1周目のクリア時間は30時間前後が目安
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コンテンツ量 4点
本作のクリア時間にも触れておくと、およそ30時間前後が目安。
筆者は約28時間でクリアしたが、40時間弱でクリアした編集部員も居る。
設定したバトル難易度によってかなりブレてくるところではあるが、平均して30時間前後に収まるだろう。
苦しいのに2周目も遊びたくなる。クリアしてからが本番…!?
シミュレーションRPGで30時間というとそこまでボリュームが多くないように思えるが、いくつものストーリー分岐をはじめ、2周目以降も遊びやすく設計されているのが本作のポイントでもある。
2周目では、1周目で見えなかった「信念」のパラメータや、解放できなかった仲間キャラクターの加入条件が可視化される。
さらにスゴいのは、ストーリーの分岐すらチャート形式で確認できるようになるのだ。
ただしストーリー全てのあらすじが見えるわけではなく、未踏破のルートを進んだらどのようなシナリオ展開が待っているかはプレイしてのお楽しみ。
(筆者も自力でコンプしたい気持ちはあったが、ストーリー分岐系のゲームは自力で挑むとめちゃくちゃ時間がかかるので、正直このシステムはかなりありがたい…)
ちなみに筆者は1周目では誇りある主人公となり、最も誠実だと思う選択肢を選ぶようにしたが、逆に2周目では誇り度外視で真逆の選択肢を選び進めている。初回であっさり死んだはずの敵が今回は重要な味方になったりと、実質的に2周目の方が楽しめているかもしれない。
「難しい…」と「面白い…!」がせめぎ合う、手応え抜群のバトル
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自由度 3点
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ゲーム性 3点
ハッキリ言って、本作のバトルはなかなか手応えがある。
難易度Normalであっても、油断するとすぐ仲間がやられてしまうくらいには手強い。
(ちなみに一度倒れた仲間は二度と戻ってこない、ということは無いので安心してほしい)
もちろん難易度を下げれば早い話ではあるのだが、そこはシミュレーションRPGらしく、しっかりと戦略を組み立てたりキャラクターの能力を上手く使いこなすことで、有利にバトルを進めることが可能だ。
バトルに手応えがある分、自分の考えた戦略がバッチリ決まって圧倒できたときの気持ち良さもスゴい。
魔法を組み合わせて、有利な戦場を作り上げる
本作で使える魔法には炎や氷など、様々な属性がある。
これらが面白いのは、撃った場所にその属性の効果が残り続けるということ。
そして、別属性の魔法をぶつけることで新たな効果を生み出すことも可能だ。
氷属性の魔法で凍らせたマスに炎属性の魔法を放つと、そこには水たまりが残る。
さらに水たまりが残ったマスに雷属性の魔法を撃つと、水たまりの上に居る敵に雷属性のダメージが伝わるのだ。
しかし、このあたりは使いこなせれば面白いシステムである反面、やや複雑なので難しく感じることもある。
結局この仕様を気にせずゴリ押せてしまうこともあったので、そうなると良くも悪くもオーソドックスなシミュレーションバトルとなってしまい、新鮮さはあまり感じられないかもしれない。
どのキャラクターも使用感が違って楽しい。「跳躍」が高いキャラクターは強力
本作ではメインストーリーに関わってくるキャラクター以外にも、様々なキャラクターが仲間になる。
どのキャラクターも全く異なる特性や能力を持っており、同じ使用感のキャラクターが居ないのには驚かされた。
「転職システムが無い代わりに、キャラクターごとに異なる職業(ジョブ)が用意されている」といった感覚に近いかもしれない。
おかげで尖った性能のキャラクターが多く、使いどころを考えるのはとても楽しかった。
しかし中盤あたりから、一部のパーティメンバーが固定化されてしまう場面もあった。
というのも、このゲームは地形の高低差が激しいステージがかなり多く、「跳躍」のステータスが低いと段差を越えられないこともあり、かなり扱いにくいのだ。
もちろん、跳躍が低いキャラクターを起用することでバトルに勝てなくなるということは無い。
が、やはり跳躍の高いキャラクターは使っていて便利かつ強力だと感じることが多かった。
感想まとめ。心をグチャグチャにされながらも面白いと思える名作
1点気になったポイントとしては、人間vs人間の戦いがほとんどのため、どの敵もあまりサイズ感に差が無かったこと。
例えば9マス分くらいある巨大なモンスターや空を飛ぶ敵など、もっとバトルにバリエーションがあっても良かったのではないかと思う。
とはいえ、やや難しめのレベルデザインではあるもののバトルの面白さも充分感じられ、シミュレーションRPG好きの人には間違いなくおすすめできるタイトルだ。
シミュレーションRPGをあまりプレイしない人でも、シリアスで心揺さぶられるストーリーが楽しみたい人は体験版から触れてみてはいかがだろうか。
「覚悟」の先に待つストーリーの結末を、ぜひ自分の目で見届けてみてほしい。
GameWith編集者情報
Webサイト運営を約4年経験した後、GameWithへ。小さい頃からRPGが大好物で、特技はストーリーを読んで涙腺を崩壊させること。人生に影響を与えたゲームは「ドラクエ3」「ファイナルファンタジー8」「グランディア」。また、ゲームと同じくらい音楽も大好きで、バンド活動から合唱曲の作編曲まで、ジャンル問わず何でも挑戦するタイプ。趣味は、綺麗なホットケーキの焼き方の研究。 |