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ストーリー分岐で心が迷いまくる。こんなRPG待ってました
2022年3月4日(金)に発売を控えるタクティクスRPG『TRIANGLE STRATEGY(トライアングルストラテジー)』。
本作の体験版が、2月10日(木)より配信されている。
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▲「ニンテンドーダイレクト2022.2.10」で配信が告知された体験版。昨年に配信された体験版とは違い、序盤の第3話までプレイ可能。
早速プレイしてみたが、あの『オウガ』シリーズを彷彿とさせる重厚なストーリーが、HD-2Dを駆使した最新のUIで蘇ったかのような期待感を彷彿とさせる内容だった。
令和初期にして最大のストラテジー作品となり得る本作を、購入を少しでも検討される方は是非発売日までにプレイしてみてほしい。
なお、第3話終了まではおおよそ4~5時間ほどのボリュームとなっており、セーブデータを製品版に引き継ぐことも可能だ。
『トライアングルストラテジー(体験版)』のポイント!
第3話まで遊べる、というより第3話まで遊んでほしい。
まず「スゴい!」と思ったのは、第1話から壮大さがめちゃくちゃ伝わってくる点。
登場する国や人物も特徴的で分かりやすく、第1話〜第3話まであっという間にプレイしてしまった。
ここではそんな本作の世界観について簡単に紹介しておこう。
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物語の舞台は、「グリンブルク王国」「エスフロスト公国」「聖ハイサンド大教国」の三国が隣り合うノゼリア大陸。
各国は貴重な資源である「塩」と「鉄」を求め、常に争っていた。
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▲「塩鉄大戦」と呼ばれる大戦争も起きるほど、この世界における塩と鉄の価値はヤバい。
しかしやがて三国とも疲弊し停戦。互いに塩と鉄を売買する協定が結ばれ、現在はなんとか平和が訪れている。
そんな中、グリンブルク王国の名家の嫡男「セレノア」のもとへ、エスフロスト公国の公女「フレデリカ」が嫁いでくる。
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▲本作の主人公「セレノア・ウォルフォート」。グリンブルク王国の名家「ウォルフォート家」の嫡男。領民想いで誠実、めちゃくちゃ好感が持てるカッコいい主人公。
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▲エスフロスト公国公女であり、セレノアの婚約者「フレデリカ・エスフロスト」。自らの血筋のことで不遇な扱いを受けながら生きてきたが、挫けることのない強い心を持っている。
今は平和とはいえ、かつて争っていた国をまたいでの婚姻。
何かが起きそうな予感がプンプンする…。
そしてストーリーはプレイヤーの選択により分岐していくのだが、この「分岐」こそ本作最大の魅力となっている。
「どっちを選べばいいんだ…」と思ったら仲間が選んでくれる。が、悩ましさもスゴい
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選択肢でストーリーが分岐するタイプのゲームをプレイしているとき、こんな経験は無いだろうか。
「どっちを選べばいいんだ…」
「こんなの決められないよ…」
もちろん、こういった選択で頭を抱えるのも醍醐味ではあるのだが、本作では第3話から出てくる「信念の天秤」がそんな悩みを解決してしまう。
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ストーリー上で大きな選択を迫られた際、なんと仲間の「投票」でどちらを選択するか決められるのだ。
仲間の声に耳を傾けることを忘れない、主人公セレノアの性格を表しているシステムとも言える。
しかし一方で、「仲間の意見も大事だけど、やっぱり自分で決めたいよ」と思うプレイヤーも居るだろう。
そんな時には投票の前に仲間を「説得」することも可能だ。
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そしてこの「説得」も独特の面白さがある。
あくまで説得なので意見を変えてくれないキャラクターも居れば、なんだかキャラクターの話を聞いているうちに「なるほど、そういう考えもあるのか…」と思わされることもある。
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▲「母の故郷が見てみたい」なんて言われたら…。ないがしろに出来ない。
プレイヤーの意思でコントロールできる範囲と、仲間が持つ想いのバランスが絶妙なシステムといえるだろう。
また、主人公セレノアが持つ「信念」のパラメータによって加入する仲間も変わってくるので、ストーリーが進むにつれて予想外の展開に巻き込まれることもあるかもしれない。
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▲信念は「Moral」「Benefit」「Freedom」の3種類。どの信念に寄るかは、会話の中の選択肢やプレイヤーの行動で変化していく。
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▲いきなり敵国のお偉いさんから政治的な質問をされることも。一歩間違えたら戦争になるかもしれない緊張感、心臓がキュッとなる…。
本作を購入するか迷っている人は、ぜひ第3話まで一度やってみて頭を悩ませてみてほしい。
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▲第3話では、雪国「エスフロスト」と砂漠の国「ハイサンド」のどちらに進むかで物語が分岐する。今後のストーリーや仲間キャラも大きく変わる、重要な選択肢だ。
やっぱりHD-2Dって素晴らしい。地形を利用した立体的なバトルも手応えバッチリ
「HD-2D」による2Dと3Dが共存したグラフィックは、ついつい視点を360度グリグリ動かして細部まで堪能したくなるような魅力がある。
そしてこの独特な立体感を感じるフィールドは、バトルにもしっかりと活かされていた。
高低差で有利に戦う!バトル中も視点操作が気持ちいい
本作のバトルは、マス目で区切られたフィールドでキャラクターを動かして戦うターン制の戦略シミュレーションだ。
そして、高い場所から低い位置に居る敵を攻撃するとダメージが増えるという特徴がある。
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▲攻撃する位置が高ければ高いほど、ダメージ補正も増加する。少しの段差であれば気にならないことも多いが、地形次第では敵の強さが激変する。
こういった段差や地形を把握する際に大切なのが、視点(カメラ)を回すこと。
見つけにくい段差や建物のスキマに気づけることもあるので、バトルを有利に進めるうえでとても重要だと感じた。
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▲視点を主人公の真後ろに回してみると、桟橋の両側に隠れた段差を発見。低い段差なので、ここに敵をおびき寄せるのもアリかもしれない。
そもそもバトル中にも関わらずいつでも視点を回せる時点でかなり気持ちいいのだが、HD-2Dの良さが戦略面にも盛り込まれているあたりは流石といったところだ。
また、他にもXボタンでいつでもキャラ情報が見れたり、バトルスピードの高速化も可能で、遊んでいて快適に感じるポイントが多かった。
感想まとめ。とにかく発売が待ち遠しくなる濃密なプロローグ
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たった3話だが、大作を期待させるには充分すぎるほどの面白さが詰まった体験版だった。
「古き良き」と「新しさ」の両方が感じられ、戦略シミュレーションやRPGが好きな人にはブッ刺さるゲームの予感がしてならない。
この記事を読んでみて少しでも興味を持った人は、ぜひ体験版から触ってみてはいかがだろうか。
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GameWith編集者情報
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Webサイト運営を約4年経験した後、GameWithへ。小さい頃からRPGが大好物で、特技はストーリーを読んで涙腺を崩壊させること。人生に影響を与えたゲームは「ドラクエ3」「ファイナルファンタジー8」「グランディア」。また、ゲームと同じくらい音楽も大好きで、バンド活動から合唱曲の作編曲まで、ジャンル問わず何でも挑戦するタイプ。趣味は、綺麗なホットケーキの焼き方の研究。 |