みなさん、ごきげんよう。
そして、

『Backpack Hero』というローグライクRPGについて、今日はお話しさせてください。
※本題へ入る前にちょっとした前置きが続きますが、どうかお気になさらず
お忙しい方向けの抜け道▶(目次へファストトラベル)
RPGに登場する勇者たちに、なくてはならないものって何だと思いますか?
守りたいもの、人への“想い”…要するに冒険のモチベーションがまず1つ。
世界を破滅へと導く脅威に立ち向かう“力”…強靭な肉体もしくは、未完成ながらも鍛錬に耐えうる器を持っていることが1つ。
そして、仲間や師匠の存在、伝家の宝刀など、さまざまな人・もの・精神の掛け合わせによって初めて勇者が生まれるのかもしれません。
はい、イメージしている勇者はだいたいこんな感じです。

突然ですが、ボス戦前の勇者さんにインタビューしてみましょう。
編集: 戦闘の対策はどのように?
勇者: ――ドラゴンは火を噴くので、護身用にアイスポーションと薬草を用意してきました。 それから、予備の盾と脱出用の羽袋、集中力を高めるコーヒー豆、まぶしいときに使う遮光版…
編集: (かなりの重装備…) たくさんアイテムを持たれているようですが?
勇者: ――ええ、これらは必需ですからね。ガサゴソ…(まだなにか探っている様子)、あぁ、これは関係ないけれど直前に見つけた鉄鉱石、大きいでしょう! あと民家でいただいた鍋のふたや骨董も大事に持っています。森の探索で見つけたキノコとかもあr(ry
世界を救う勇者が偉大なことは間違いありません。ただ、私たちには見落としている部分があります。
それは、 カバンです。
カバンです。

そう、
カバンです。

勇者はすごい。でも実は、勇者の持ち物もすごい。持ち物、質はさておき量が半端ない。
ということはもしかして…カバンはすごい?
で!も!
し!か!し!!!

正直に言いなさい。
カバンって、冒険の中であまり描かれてない気がします。
ゲーマーの皆さんは、通学・通勤時、夜のリラックスタイム…思考に隙が生まれたとき、 一度くらいは、「勇者になりたいなー」とか、「冒険したい」「世界を救いたい」と考えたことがあるのではないでしょうか。
そこでもし仮に、カバンがすごいのだとしたら。 カバンを持っただけで、実質ヒーローになったも過言ではないですよね!
どうして急にカバンについて熱弁しているかというと、 その仮定の裏付け※となるようなゲーム『Backpack Hero』を見つけてしまったからです。
※あくまでも筆者の見解
本記事では、インベントリ管理をメインのゲームシステムに置いたローグライクRPG『Backpack Hero』について、 面白さや深堀りしたいことを好きに語らせてもらったので、よろしければ、ぜひ最後までお付き合いください。
飛んできた結果、何を言っている!?と心配になった方もご安心ください(元の位置に再ワープできます)。
『Backpack Hero』ってどんなゲーム?

本作は、マス目状のカバンをデッキに見立ててアイテムを配置しつつ、ダンジョンを探索するローグライクRPG。 強制徴募を狙いとした国王軍からの襲撃でボロボロになった村「ハバーサック・ヒル」が舞台です。
襲撃の件以降、行方が分からない母親をさがしていたネズミ「パース」は、 ある時、形が自由に変化する不思議なバックパックを偶然手に入れました。
プレイヤーはパースを操作し、ダンジョンで母の所在に関する手がかりを追いつつ、資材やレリックを持ち帰って村の再建を目指していきます。
本作を遊んで驚きだったのは、アイテムを敷き詰めたカバンを使う戦闘スタイルでした。
デッキ構築にもたらした革命

本作を触ったきっかけは、何かゲームを遊びたいときに見かけて、「ドット絵が可愛いインディーのRPGだ!」と、何となく手に取ったことから。 ゲームの雰囲気から、シンプルなコマンドバトルをイメージして遊び始めたのですが、最高にいい意味で裏切られました。
バトルとカバンの関係性がユニークなんです。
(カバンを振り回して敵を叩くのかな?とか思っていましたが…フフッ、そんな単純ではなかったよ)

プレイヤーは、伝説のバックパックを持ったコレクターとなりました。 ダンジョンには大量のアイテム(お宝)が散らばっています。
バックパックは、自身のターンで自由に使ってください。 敵を倒すと、コインとアイテムがもらえます。宝箱もありますし、お店もあります。
もうやることは分かりましたね?
ご飯おいしいなぁ、手裏剣も楽しい、鎧は着ないでカバンにコレクションしています(なん…だと…)。

カバンに入ればなんでもOKなので、極端な話、手袋10枚重ねでも戦えます。
このダンジョン、とにかく供給がすごい。でもそれではすぐにバッグが一杯になってしまうって? 心配いりません。
カバンはもっと大きくなります。しかも、なんと好きな形に成形していけるのです。
野菜詰め放題で例えると、ある程度詰めた段階で、「ニンジンを横向きにできればもっと入るかな」「あのジャガイモが小さければ…」みたいなときってありますよね。
本作もまさにそうで、アイテムはいろいろな形(マス数)があり、向き・隣接・列・配置場所・使用順によって、キャラクターの攻撃防御などが大きく変わります。

まったり遊べるパズルという意味合いでは『スイカゲーム』に近い面白さがあるのだと思います。
戦闘は、毎ターン3付与される「エナジー」というポイントを使って行います。敵の次回行動パターンは見ることができるので、そこから攻めと防御のバランスを考えます。

デッキと言いましたが、本作はアイテムとカバンの世界なので、同時に“重力”のことを考えなくてはいけません。もし重たいレンガがあったとして、カバンの一番上に入れることは難しいですよね?

▲「デウスエクス GAMEPLAY TRAILER」より引用
本作の開発チームリーダーJaspel氏は、米メディア「The Escapist」にて行われたインタビューで『Deus Ex』というゲームの、マス目になっているインベントリシステムから影響を受けて本作を制作したと回答しています。
そんなインベントリ管理をメインテーマに置いたゲームとしては、『Backpack Hero』が先駆けの存在と言えるでしょう。 将来、“バックパック”ライクなゲームの概念がもっと広がってくれたら嬉しいなぁと思います。
また、本作はアイテム獲得のたびにインベントリ整理を行うのですが、うっかりカバンに戻し忘れたアイテムはなくなってしまいます。 このシステムについてJaspel氏は、一つ一つ選択していく行動に戦略性を持たせ、本作にローグライクな面白さを感じさせる狙いがあったようです。

アイテムを次から次へと拾い、戦闘では都度気に入ったルーティンを見つけつつ、ほどよいテンポ感をもってダンジョンを進めるのが本作の魅力ですが、 時にプレイヤーはミスをすることもあり、1クリックの重みを感じることもありました。
心地よいペースで遊べるけれど、時々集中して画面とにらめっこできるようなゲームシステム/バランスになっているからこそ、 「インベントリ管理」がここまで奥深くて面白いゲームになったのではないでしょうか。
どこを切り取ってもたっぷり濃厚カバン

最初にしたご挨拶は、もう覚えてくれましたか? 「ハバーサック・ヒル」は本作の舞台となる村ですが、カバンの名前が元ネタになっているようです。
本作に登場するキャラクターや要素は、よく見ると多くがカバン関係の名前になっていて、 ファッションに疎い 筆者 ゲーマーにとっては豆知識になると思うので、主要なキャラクターからピックアップしてご紹介します。
パース(ネズミ)

英語で「財布」「小物入れ」などを指す言葉のようです。
ゲームタイトル画面のパースを見ていると、全然小物っていう感じに見えないくらいカバンがパンパンに膨らんでいます。 もともと彼女はコレクターだったみたいなので、熟練のカバンさばきによるものでしょう。

サッチェル(鳥)

イギリスで昔からある学生用カバン(スクールバッグ)のようです。

トート(カエル)

はい先生私分かります! トートバッグのことですね。 ですがここで問題。トートバッグは元々何を運ぶカバンだったでしょう?
なんと、氷を運んでいたそうです。 それと関係あるかわかりませんが、敵キャラに氷漬けになったカエルがおり、 もし「トート」と関連付けているのだとしたら面白いなと思います。

ポシェット(ヤドカリの家族に育てられた女の子?)

フランス語で「小さなポケット」を表す言葉のようです。
キャラとしてのポシェットは、ペットを召喚して戦うのが特徴なのですが、 ポシェット(小さなカバン)にペットを入れて一緒に移動している様子を想像すると、 抱っこ紐で犬とお散歩しているみたいでほっこりします。

CR-8(ロボット)

ロボットはロボットでしょう。そう思って念のため調査したところ、ひっくり返りました。 なんと、ゴルフ用のキャディバッグでそういった名称のものがあるみたいです。

ブランドカバン?

そのほか、村の住民などでカバンに関係ありそうなネームがいくつもありました。
この世界は一体どこまでカバンで出来ているのだろうか…。 ヒントになりそうな画像をいくつか載せているので、気になる方はぜひ検索してみてください。

バックパック・マスターになったら

ここまでカバン濃度がだいぶ高めのお話にお付き合いくださり、ありがとうございました。
バックパックのある生活は、最高です。ゲームの中も、現実世界でも、カバンは私たちの心を優しく包み込んでくれます。
さいごに、本作を遊んで以来身の回りに起きた変化と、面白かったアイテムをご紹介してお別れにしましょう。 本作が気になった方は、ぜひバックパックを持って、冒険に出かけてみてください!
日常の変化
◆補助線
本作を遊びまくっていると、自然と現実のカバンに四角いラインが見えてきます。
上に積むときも、パズルのように脳内で思い描いた図形を物で組めるようになります。
某シンプル・無装飾を売りにした雑貨チェーンに売っていそうなマス目状の仕切りをカバンに突っ込み、本編さながらの3D運びをしてみたいなぁとか妄想しています。
アイテム
◆ドリンク樽

このアイテムは、コインを払ってカバン内にコップ入りの飲み物をどんどん生産していけます。
すごく便利~!と思いきや、カバンの中にフタなしで大量生成するのってマズいんじゃないですか。フードデリバリーの配達員さんもギョッとするようなアイテムですね。
◆バッグインバッグ(ポーチ)


バッグインバッグって、現実世界では敷居が高いアイテムだと思いませんか? 整理整頓のプロしか使いこなせないような雰囲気がありますから。
そこで、『Backpack Hero』の出番です。仮想世界で練習したら、抵抗を取り払えるかもしれません。
本作には、カバンの中に入れられるカバン「ポーチ」というアイテムがあります。少しインベントリを増やせるのですが、中に入れたものは即時使用できない仕様となっています。それなら“今使わない”アイテムを固めて入れますよね。
100点満点です。この経験は現実世界に活かせると思います。おそらく統一感がカギで、同じカテゴリーのアイテムを入れれば、入れた場所を覚えやすく、1箇所で一連の動きが出来てしまえばなお良いと思います。