

インディゲーム100選!
灰色のディストピアを駆け抜けろ。1000円で浸れる高速パルクール
Nathan Grange、Léonard Lemaitre、Niels Tiercelinが開発した『VHOLUME』は、荒廃したディストピア都市を一人称視点で疾走するパルクール・アドベンチャーだ。

舞台となるのは、全能の「省庁」が支配するアフロ・ユーラシアの首都である。主人公ロバートは、家族の命をつなぐ食糧配給券を取り戻すため、役所へと向かう。たかが書類1枚を受け取るだけの日常的な用事のはずが、この街では非人間的な手続きに翻弄され、いつしか都市全体を縦横無尽に駆けめぐる壮大な旅へと変わっていく。

主人公の前に広がるのは、灰色のコンクリートが天高くそびえ立つ、冷徹で陰鬱な都市だ。そこには生活感がほとんどなく、まるで他人の奇妙な夢の中に迷い込んだかのような、静謐な寂しさが漂っている。
「慣性」をつないで加速するパルクール

プレイの中心となるのは戦闘ではなく、あくまで「移動」だ。走る、跳ぶ、壁をよじ登る、スライディングするといったアクションは、どれも直感的に繰り出せる。そのなかで肝となるのが、移動中の勢いを殺さず、次の動きへとつなげる「慣性」の制御である。
壁を蹴り、足場を渡り、着地の瞬間に滑り込みながら再び跳ぶ。こうした動きが途切れることなく連続すれば、まるで滑空するかのように、信じられないほどの速度へと達する。失敗してもチェックポイントから瞬時にやり直せるため、思い切ったアクロバティックな動きにも何度でも挑戦できる。

最初は迷路のような都市構造に惑わされ、行く手を見失うこともあるかもしれない。だが、本作には世界中のライバルとタイムを競ったり、他プレイヤーの記録を再現する「分身(ゴースト)」と並走したりする仕組みがある。
彼らの走りを観察することで、「ここに足場があったのか」「こんな場所を通れるのか」と、新たなルートが次々に見えてくる。そうした発見がプレイの最適化につながり、タイム短縮という目に見える成果となって返ってくるのだ。
最速ルートを外れた先に待つ「寄り道」の楽しさ

一方で、一秒を削るストイックな走りとは真逆の「寄り道」への誘惑も、本作を奥深いものにしている。普通なら届かないようなビルの高所や、怪しげな暗がりに足を踏み入れてみると、思わぬ収穫が待っている。
また、暗闇にひっそりと佇む住民たちと出会えるのも楽しい。話しかければ気さくに返事をしてくれる彼らの存在は、無機質で孤独な都市でのプレイに、わずかな温もりを与えてくれる。
迷うことさえ楽しい、不条理な都市探索

一人称視点で高速に動き回るため、慣れないうちは画面の揺れに戸惑いやすい。しかし、豊富なオプションで視野角やカメラ設定を自分好みに調整すれば、快適さは格段に向上する。また、道に迷うこと自体も、この不条理な都市を探索する楽しさの一部として機能している。
定価1000円という非常に手頃な価格も含め、孤独な情景に浸りたい人や、自分だけの走行ラインを追い求めたい人にはお勧めしたい作品だ。
また、本作は体験版(VHOLUME Demo)が無料で配信されている。購入を迷っている方は、まずは体験してみるのも手だろう。
発売日など基本情報
| 発売日 |
2026年8月22日 |
|---|---|
| 販売元 |
IronEqual |
| ジャンル | アクション アドベンチャー |
| 対応ハード | PC |
| タグ | |
| 価格 |
PC : 909円(税抜)
|
| 最大プレイ人数 |
1人
マルチプレイ対応
|
| 公式X |
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