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装着するだけでバーチャルとリアルをさらに融合させる――5月14日に日本XREALは、ARグラス「XREAL One」のアクセサリーデバイス「XREAL Eye」(エックスリアル アイ)の予約販売を開始した。販売開始は6月下旬を予定。
これは、XREAL Oneに装着する小型カメラだ。ARグラスに後付けできることも驚きだが、ゲーム好きなユーザーにとって恩恵の大きいデバイスでもある。発売にさきがけ、XREAL Eye実機について詳しく聞きつつ、実機に触れる機会を得た。

▲XREAL Oneに装着されたXREAL Eye
■XREAL One
■XREAL Eye
公式ストアで詳細を見る目次
「XREAL Eye」とは?
XREAL Eyeは、2025年1月に発売された「XREAL X1」チップ搭載のXREAL Oneに取り付けて利用する小型カメラだ。

▲XREAL Eye
本体の質量は1.35gで、サイズは12(幅)×8(奥行き)×15(高さ)mmと非常に小さい。日本XREALでは「人の多い場所や撮影禁止区域では必ずXREAL OneからXREAL Eyeを外してください」とアナウンスしている。一定の着脱が発生することが前提の機器のため、なくさないよう注意が必要だ。

▲小指の先ほどのサイズ
XREAL Oneとの接続は、両目の間に搭載されているポゴピン部分に挿すだけ。

▲XREAL EyeとXREAL Oneのポゴピン

▲装着は簡単でデザインも馴染んでいる
日本XREALプロダクトマネージャー 高 天夫氏によれば、「XREAL Oneには開発当初からアクセサリーを装着することを想定してポゴピンを搭載していた。普段はシリコンキャップをはめてあるので目立ちにくい」と解説してくれた。
機能①:カメラで手元や周囲を撮影できる
XREAL Eyeは、一人称視点の写真や動画を撮影するのに便利だ。XREAL Oneに装着後、端末や電源と接続してからショートカットボタンを1度押しで静止画撮影、長押しで動画撮影を行える。
静止画の記録画素数は2016×1512ピクセル、動画では1600×1200ピクセルとなり、それぞれの保存ファイル形式はJPEGとMP4となっている。
保存先はXREAL One本体内の2GBストレージで、動画は最大60秒撮影可能だ。動画のフレームレートは30fpsまたは60fpsをメニューから設定できる。
撮影中はカメラレンズの左右にあるLEDライトが白く光り、周囲へ注意を促す。またシャッター音が鳴るため、まわりに撮影していることがわかるような仕様になっている。

▲取り付けただけの状態(左)と撮影時の状態(右)。レンズ左右の内蔵LEDライトが点灯して注意を促す
機能②:MR(ミックスリアリティ)を実現
XREAL Eye+XREAL Oneに、アクセサリーデバイス「XREAL Beam Pro」シリーズを加えると、空間コンピューティング機能を付与できる。ミックスリアリティ(※)の写真や動画を撮影して保存可能になるのだ。
※:現実世界の映像に仮想のオブジェクトを表示できる技術

▲XREAL Beam Proを使えば、背景を現実世界にして画面上にアイコンなどが浮かぶ映像を撮影して保存できる
XREAL Beam Proは、6.5型ディスプレイと5000万画素のデュアルカメラを備えたスマートフォンのようなデバイスだ。Android 14をベースに開発したNebulaOSを搭載しており、Google Playでのアプリ購入に対応している。
XREALシリーズと接続すれば、電力の供給、動画などのコンテンツ表示、リモート操作などを行える。また、Steam LinkやXbox Game Passを利用したゲームプレイも行える。
ここにXREAL Eyeを加わることで、ゲーム画面とその背景に見えている現実世界を同時にキャプチャし、友人と共有できるようになるのだ。

▲VRデバイスでMRを体験できるものは増えてきているが、ARグラスで手軽にMRを実現している点が新しい
機能③:6DoF機能にも対応
XREAL Eyeはカメラ機能をXREAL Oneに付与するだけではない。3DoFにのみ対応しているXREAL Oneを6DoF対応ARグラスへと進歩させるのだ。

▲6DoFはAR・VRデバイスでは上位モデルに採用されることが多い
この点は非常に大きな進化なので、少し詳しく説明したい。
まず、XREAL Oneには「追従モード」と「空間固定モード」の2つの表示方法がある。前者は顔を傾ければ表示も傾き、左右へ首を振れば、常に画面が目の前にくるように移動する。簡単に言えば、常に顔の正面に画面がある状態だ。
一方、後者の空間固定モードは、空間にディスプレイが浮いているような状態で固定される。首を右に振れば映像は左の視線の端に、左に振れば右の視線の端に移動するように見える。うつむけば、端末からの映像は上方に表示される。
しかし、空間固定モードでも前後・上下の「移動」には非対応。どんなに映像に近づこうと前方へ上半身を動かしても、映像は同じ距離を保ちつつ表示される。
XREAL Eyeを接続し、6DoFになるとこれが解決する。画面に顔や体を近づけるとディスプレイとの距離も近づく。文章にすると些細な進化のように思えるが、これによって現実と差異のない体験が可能になる。このあと触れていくゲーム体験も快適になるのだ。

▲単体で3DoFに対応するものの、XREAL Oneには画像にあるような要望が寄せられていた
例えば、表示しているゲーム画面を空間に固定しておき、歩いてその裏側に回り、左右反転した映像を見る、ということが可能になる。キャラクターの“裏”が見えるわけではないのだが、ちょっとおもしろい体験ができるだろう。もっと身近な例でいえば、大好きなキャラクターに超接近するなんて使い方も可能だ。
■XREAL One
■XREAL Eye
公式ストアで詳細を見るゲームとの相性を試してみた
ここからはゲーム系デバイスと接続し、XREAL Eyeと取り付けた状態でゲームをプレイしてみる。
なお、今回取り上げたデバイスはDisplayPort Alternate Mode対応USB端子に対応。ホストとなるデバイスとXREAL OneをTypeCケーブルで接続するだけで映像を投影できるため、手軽に遊べるのが特徴だ。

▲左上から時計回りにSteam Deck OLED、AYANEO SLIDE(Windows PC)、Galaxy、AYANEO Pocket S(Android)
Steam Deckでは操作の手間が減った!
「Steam Deck OLED」は、1280×800ピクセル解像度の7.4型ディスプレイを搭載するSteam OS搭載のポータブルゲーム機だ。DisplayPort Alternate Mode対応USB 3.0 Gen 2を搭載しているので、XREAL Oneをつなぐだけでゲームを大画面で楽しめる。
筆者がハマっているのがDevcatsの「An Arcade Full of Cats」や「A Castle Full of Cats」、「A Tower Full of Cats」など、細かい線画の中から猫を探し出すタイプのゲーム。7.4型ディスプレイでは小さくて目が辛い。R1ボタンを押せば拡大できるのだが、戻すのがやや手間なところがある。
しかし、6DoFに対応したXREAL Oneで画面を空間に固定し、仮想ディスプレイに向かって前傾すれば、R1ボタンを押さなくても画面に近づくことが可能。細かいところまで探すことができる。戻るときは姿勢を戻せば良い。
リアルな外部ディスプレイがあるのと同じ自然な動作で画面に近づいたり画面から離れたりできる。これは予想していた以上に快適であった。
ちなみに、「8番出口」で遊んだ時は同じ画面を斜め横や裏から見ることができ、普段は気付けない“異変”を見つけることができた。「探す」「見つける」が多いゲームで活躍する印象だ。

▲Steam Deckのライブラリ。XREAL Oneにはこのように表示されている

▲6DoFを利用して裏側に回ってみた。文字が反転しているのがわかるだろうか
小さめディスプレイのポータブルゲーミングPC「AYANEO SLIDE」も快適
ポータブルゲーミングPCではどうか。「AYANEO SLIDE」でも、前項で挙げたSteamプラットフォームのゲームをプレイ。安定した接続を行えた。同機はディスプレイサイズが6型と小さめ。PC向けタイトルはUIが細かいケースもあるので、XREAL Oneで大画面表示できるのはありがたい。
AYANEO Pocket Sは没入感が段違い
Androidデバイスではどうだろうか。Android搭載ポータブルゲーム機「AYANEO Pocket S」は1920×1080ピクセル解像度の6型ディスプレイを搭載。表示は美しいのだが、画面サイズが小さいため、普段のプレイではゲーム世界への没入感は控えめだ。
しかし、XREAL Eyeを装着したXREAL Oneと接続すれば、目の前に美しい大画面が広がり高い没入感を得られる。近年のスマホタイトルは細部の表現にこだわったリッチな作品も多い。「鳴潮」、「崩壊:スターレイル」などの世界を、6DoFがあることで、ディスプレイに近づいて描写の隅々まで堪能できる。
Galaxy S25でも試してみる
もう1つ、スマートフォン代表としてGalaxy S25でも試遊。同機は、外部ディスプレイを接続することでPCのように使える「DeXモード」を搭載している。
このDeXモードでもゲーム画面を表示できる。今回は「ゼンレスゾーンゼロ」をプレイしてみたが、やはり没入感は圧倒的。主人公たちの経営するビデオ屋の中をつぶさに見ることができるのは楽しい。
結論としては、いずれのデバイスでもXREAL Oneは外部ディスプレイ的に使うことができ、大画面でのプレイが可能になる。ここにXREAL Eyeを追加すると、自然な身体の動きも伴えるので、操作が快適になることがわかった。
“目”を得たXREAL Oneがおもしろい
正直なところ、取材前は「カメラ機能を追加するだけでしょう?」と考えていたのだが、取材をし、実際に使ってみることで、一人称視点での撮影の他、ミックスリアリティの撮影と共有、6DoFへのネイティブ対応など、“目”を追加するだけでARグラスはここまで自由になれるのか、という感想を得るまでになった。
XREALのARグラスは、グローバルでの市場占有率がナンバーワンだという。実際、X1チップを搭載したXREAL Oneも3カ月近く、品薄状態が続いていた。
ゲームへの没入感を得るべくVR HMDを買ったものの、その重さに苦労している読者であれば、XREAL Eyeを装着したXREAL Oneは、きっと気に入る製品になるであろう。
なお、XREALが提供するAPIにより、XREAL Eyeを使ったサードパーティ製コンテンツが登場する予定だ。今から楽しみである。
■XREAL One
■XREAL Eye
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今後発売の注目作をピックアップ!
2025/5/30 発売

/Xbox
ELDEN RING NIGHTREIGN
5,200円(税抜) 2
2025/6/5 発売

龍の国 ルーンファクトリー
6,980円(税抜) 3
2025/5/22 発売

/PC/Xbox
ファンタジーライフi グルグルの竜と時をぬすむ少女
6,980円(税抜)