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新たな船出を迎えたTango Gameworks
ゲームクリエイター・三上真司氏が2010年に設立したゲーム開発スタジオ「Tango Gameworks」。
2024年8月、韓国に拠点を置く「KRAFTON」がTango Gameworksの事業を継承すると発表。Tango Gameworksは、KRAFTON傘下のスタジオとして新たなスタートを切った。
移籍後の彼らがどのような進展を図っていくのか。今回、同社のコリン・マック氏、ジョン・ジョハナス氏、江頭 和明氏にインタビューを行った。
メンバー紹介
──まずは自己紹介をお願いします。
コリン・マック氏:
Tango Gameworksの代表を務めるコリン・マックと申します。スタジオの事業や経営、ならびに開発を統括するのが主な仕事です。
アメリカと日本のスタジオとパブリッシングを半々ずつ行き来しながら業界でのキャリアを積み重ね、2023年にTango Gameworksの代表に就任しました。
ジョン・ジョハナス氏:
ジョン・ジョハナスと申します。『サイコブレイク』のゲームデザイナーとしてTango Gameworksに入社し、現在はスタジオ全体のクリエイティブディレクターとして活動しています。
江頭 和明氏:
江頭 和明と申します。私は2020年1月からTango Gameworksに入社し、『Hi-Fi RUSH』チームのプロジェクトマネージャーを担当しました。
今はディベロップメントディレクターという形で、開発チームメンバーのマネジメントなどを担当しております。
KRAFTONへの移籍を決めた理由
──KRAFTONへの移籍の経緯についてお聞かせください。
コリン・マック氏:
さまざまなパブリッシャーとお話をさせていただき、一番相性が良かったのがKRAFTONだったのです。
KRAFTONはクリエイティブ性を重要視しているほか、オリジナルの作品を作っていきたいという想いが強い会社です。CEOのキム・チャンハン氏も開発の人間ですので、開発者の気持ちに共感を示してくれました。
長期にわたって良好なパートナーシップが築けるかもしれないと思い、移籍することになりました。
現在はIPの譲渡などに向けて準備を進めています。また、開発チームをイチから作り上げるべく採用活動も行っていきます。
江頭 和明氏:
KRAFTONのCEOは、クリエイティブの幅を広げていきたいというビジョンを持たれている方です。
弊社が解散してしまった時、偶然にも優れたパートナーに出会えて本当によかったと感じています。
──KRAFTONに移籍してから、開発環境に変化はありましたか?
江頭 和明氏:
リビルディング(再建)を進めている状況ではありますが、環境が大きく変わった印象はないです。
KRAFTONはクリエイターたちを尊重してくださっているので、移籍後は同社からサポートを受けながら開発を続けています。
綿密にコミュニケーションを図りながら業務を進められており、フットワークの軽さやスピード感をとても頼もしく感じています。
これからも“Tangoらしく”
──移籍後も、Tango Gameworksが大事にしているビジョンとは?
コリン・マック氏:
今までやってきたように「Tangoらしいゲームを、Tangoらしく作ること」を大事にしたいですよね。
KRAFTONの魅力は、自由度の高いクリエイティブ環境だと思います。スタジオ主導で優れたゲームを開発させてもらえるところが大きいですね。
Tango Gameworksは、オリジナリティを尊重しています。
これからも『Hi-Fi RUSH』という新規IPを大事にしていきたいと思っていますし、他のスタジオが作らないようなオリジナルゲームを開発していきたいです。
ジョン・ジョハナス氏:
KRAFTONとしては、我々の開発環境に期待しているのではないかと思っています。
なぜなら、我々であれば新しいIPを多く作ることもできますし、選択肢のひとつとして『Hi-Fi RUSH』のIPをもっと伸ばすこともできるからです。
情熱的なゲームを作りやすいので、クリエイターとしては素晴らしい環境だと思います。
──Tango Gameworksの開発体制について教えてください。
コリン・マック氏:
メインのプロジェクトを進めると同時に、小規模のチームを編成して新規IPのプロトタイプを作ってみるなど、アイディアを試すのが我々のやり方です。
最初から大人数で動くとビジョンがブレる恐れがあるので、最初は少人数で構想を固めるところから始めるようにしています。明確なビジョンが見えてきたらチームの規模を拡大していく、といった流れですね。
──Tango Gameworksらしさとは何でしょうか?常に新しいゲームを生み出している開発スタジオという印象があります。
江頭 和明氏:
いわば、「楽しくてユニークでユーザーに刺さるゲーム」を作り続けるというところに重きを置いています。
ただ、ユーザーを意識せずに開発してしまうと、クリエイターが好きなものだけを作るという、独りよがりな作品になってしまいがちです。なので、良い作品だったとしても「誰に届けるのか」を大事にする組織であってほしいです。
コリン・マック氏:
「そこまで細かくやる必要があるか?」と思われるかもしれませんが、喜んでくれるユーザーのため、作りこむのがTango Gameworksらしさだと思いますね。
懐かしいと思ってもらいつつ、独自の新しさを提示することも大事だと思います。
ユーザーの皆さんに「こういうゲームがあって良かった!」とか「こういうゲームが欲しかった!」と思っていただければ嬉しいです。
ジョン・ジョハナス氏:
Tangoのクリエイターはゲーマーが多くて、開発している作品に対して強いこだわりを持っているんですよ。
だから、既視感のあるものではなく、とにかく新しいものを作りたい方が多いと思います。
個人的には、王道の面白さにちょっとした捻りを加えたものがTangoらしいゲームだと思っています。
例えば、「従来のアクションゲームに音楽に組み合わせたらどうなのか?」といった素朴なアイディアから生まれたのが『Hi-Fi RUSH』。思いついたら即実践するところもまたTangoらしさだと思います。
江頭 和明氏:
たとえ違うジャンルといっても、「あ、Tangoっぽい」と思っていただけるようなゲームを作っていきたいですね。
Tangoが求める人材とは?
──今後の人材募集について詳しく教えてください。また、どういう人材を求めていますか?
江頭 和明氏:
獲得したいポジションはある程度決まっているので、今後はKRAFTONと協力しながら募集をかけていきます。
すべてのクリエイターの方々に、弊社が目指していることや募集要項の情報を見ていただき、最終的には「一緒に面白いことをやりたい」と思ってくれればと思います。
職種については、プログラマーやシステムアプリケーションのほかに、キャラクターデザインのアーティストや環境のアーティストなど。幅広く優秀な人材を確保していきたいです。
あとは、Tangoの作り方や文化に興味を持ってもらえる方であれば、こちらとしてもとてもウェルカムですね。
コリン・マック氏:
Tangoは最初からクリエイター中心のスタジオなので、与えられたタスクを忠実にこなす環境ではなく、チームのみんながアイディアを出し合う環境を取り入れています。
「こういうゲームを作りたいので、チームみんなで一緒に考えましょう」というやり方です。「こういう遊びがあったら面白いな」というアイディアを気軽に提案できる方は合うと思いますね。
ジョン・ジョハナス氏:
私としては、チームメンバーとのコラボレーションで作ることを念頭に置いています。なので、ゲームに対する意見はなんでもOKですよ!
個人的に大事にしているのは、自分が作っているものを「自分の持ち物」とか「子供」と思いながら開発することですね。
たくさんの愛を注いで自分の子どもを育てていく感覚に近いかもしれません。僕がTangoに入社した時からそういうマインドでした。
自由度が高い環境でゲームを作ってみたい方はとにかく大歓迎ですね。
ファンへのメッセージ
──ファンや人材募集に興味を持っている方にメッセージをお願いいたします
コリン・マック氏:
これからもTango Gameworksに期待してください。今まで以上にTangoらしいゲームを作っていきたいですし、そんなTangoに新しい仲間が入っていただけると思うと、とても嬉しく思います。
Tango Gameworksのゲームが好きで、かつクリエイターとして成長したい方は、ぜひ弊社に入社してみてください。
ジョン・ジョハナス氏:
新たな場所でこれからもTangoらしいゲームを作り続けていきますので、次の新作に期待していてください。
江頭 和明氏:
Tangoの文化に興味を持ってくれて、一緒にこの船に乗りたい方はぜひ弊社に応募してみてください。
ものづくりに対してインパクトのあるお仕事ができる自信がありますし、文化そのものも弊社の強みだと思っています。興味のある方は、ぜひ一緒にゲームを作りましょう!
また、ユーザーの皆様からいただく応援のメッセージは、開発側の励みになっています。
いつも応援いただきありがとうございます。そのご恩をゲームでお返しするという形で今後も開発を続けてまいります。
引き続き、Tango Gameworksにご期待いただければ幸いです。
──ありがとうございました。
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