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・1998年の渋谷を再現したサイコサスペンスの魅力
・謎の美少女との共同生活と多彩なミニゲーム要素
・開発者が明かす今後の展開と体験版の全貌
この記事を書いた人
映画『タイタニック』の大ヒット、Windows 98の発売、2000年問題、そしてノストラダムスの大予言。これらはすべて、1998年〜1999年にかけての出来事だ。
あなたはこのとき、どこで何をしていましたか? 覚えている人も、まだ生まれていなかった人もいるかもしれない。
そうか、あれからもう30年近くも経つのか……。

渋谷に拠点を置くスタジオ、C#4R4CT3R(キャラクター)が手掛ける『Rain98』は、そんな90年代末のレトロで不穏な空気感をリアルに体感できるPC対応のサイコサスペンスアドベンチャーゲーム。
BitSummitや東京ゲームショウへプレイアブル出展された際には、ヒロインの雨原玲奈(CV:土屋李央)の得体の知れない佇まいが、メディアで話題を集めた。

このたびGameWithでは、本作の最新体験版を試遊する機会をいただいた。本稿では、体験版のインプレッションや開発陣へのインタビューをお届けする。
さらには、試遊会場となった「UKIYO GAME BAR & CAFE」についても紹介する。
目次
退廃的な美少女と共同生活をしながら1998年の渋谷を満喫
『Rain98』の舞台は、1998年の東京・渋谷。プレイヤーは、現代からタイムスリップした主人公となり、謎の少女・雨原玲奈(あめはら・れいな)のアパートに居候して奇妙な共同生活を送ることになる。

本作はシンプルな「ポイント&クリック」のシステムを採用していて、調べる箇所が強調されているため、直感的に操作できる。いつのまにか1998年の渋谷に連れ去られてしまう没入感の高さが魅力だ。
一方で、要所で突きつけられる選択肢には大いに悩まされる。意味深な選択肢が多く、往年のサウンドノベルでおなじみの「一発ゲームオーバー」まで仕込まれている。
筆者も早々にその洗礼を受け「あ、そうくるのね」と思わずニヤリ。こうしたギミック探しや本編とは一見関係のない分岐に、作品の奥行きと遊び心を感じた。

プレイしていて圧倒されるのは、画面全体に漂う空気感だ。アパートに置かれた小物、渋谷という舞台、玲奈の服装に至るまで、あらゆるものが1998年のノスタルジーをまとっている。
時代考証が正確なだけでなく、チョイスも絶妙。大流行した携帯ゲーム、しゃべる人形など、どれもこれも「あったあった!」と言いたくなる。
ビジュアル面へのこだわりも半端ない。アニメーションカットを1500枚以上用意して、さまざまな角度から玲奈の気怠さを描き出す。ドット絵のデフォルメ版まで用意する尋常ならざる徹底ぶりで、狂気すら感じる。

こうしたナラティブ要素に加え、本作の面白さを加速させているのが「玲奈との共同生活シミュレーション」要素だ。
プレイヤーは生活力ゼロの玲奈を支えるため、「カプセル詰め」や「ビーズ細工」、携帯ゲーム機のペット育成など、約100種類(予定)のミニゲームをこなして生活費を稼がなければいけない。「なぜ!?」とは思いつつも、背に腹は代えられない。
なお、ミニゲームの中には「コインランドリーで玲奈にルーズソックスを履かせる」という、うれし……いやけしからんモノも収録されているらしい(!)。
この部分は体験版でプレイできるとのことなので、皆さんもぜひ自宅でじっくり生活指導していただきたい。
【開発者インタビュー】世界は滅亡するのか!? その先のストーリーが気になる
体験版のプレイを終えて、本作のディレクター兼シナリオ執筆を務めるShoon T氏に、開発の経緯や作品に込めた思いを伺った。
――開発はどのようなきっかけで始まったのでしょうか。
Shoon T氏:最初は僕を含む3人の雑談から始まったんです。「自分たちでも作れそうなノベルゲームならいけるんじゃないか」「90年代の渋谷を『ぼくのなつやすみ』みたいに歩けたらいいよね」といった話からスタートしました。
――コンシューマーやPC向けのパッケージゲーム開発は初めてですか?
Shoon T氏:ソーシャルゲームの開発経験はありますが、パッケージゲームはこれが初めてです。2025年4月に初めてPVを公開したところ予想以上の反響があり、そこからチームを10人ほどに拡大して本格開発に乗り出しました。

――時代設定を1998年にした理由を教えてください。
Shoon T氏:1998年当時、僕は7歳の小学生で世紀末などとくに意識していませんでした。大人になってから90年代のアニメや映画を通じて、世紀末の雰囲気に強く影響を受けました。
そういった経験をして思い至ったのが「ノストラダムスの大予言」なんです。だから本作は、1998年から「人類滅亡の日」とされた1999年7月までの「最後の1年間」を描いています。
当時の若者文化の中心地かつ、僕たちのスタジオもあるので、舞台を渋谷にしました。今の人が頭の中で想像する90年代の空気感を精密に作り込むことを意識して開発しています。

――物語は今後どのような展開になっていくのでしょうか。
Shoon T氏:徐々にサイコホラーテイストが強くなっていきます。すごく予想しづらい展開だと思います。体験版の終盤あたりから「あ、こういう風になっていくんだ……」と感じてもらえるはずです。
――いま体験版で内職(ミニゲーム)を始めたところなのですが、進捗としては終盤でしょうか?
Shoon T氏:今回の体験版全体を100とすると、だいたい30%くらいですね。
――ええ!? 私、もう2時間くらいプレイしていますよ(驚)。

Shoon T氏:体験版では製品版で予定する全7章のうち、第2章の途中までプレイできます。最初はアパートの周辺へしか移動できませんが、第2章に入ると渋谷全体へと一気に行動範囲が広がります。
製品版の総プレイ時間は15時間程度を想定していますが、マルチエンディングなのでもう少し伸びるかもしれません。
――ミニゲームが面白くてついつい繰り返し遊んでしまいました(笑)。
Shoon T氏:勢いで「ミニゲームを100個作ろう」という計画を立てて制作していますから(笑)。もう少し進めると、噂の「ルーズソックスを履かせる」シーンも出てきますよ。体験版にも入っていますので、ぜひご自宅でダウンロードしてお楽しみください。



――最後に、プレイヤーや読者へのメッセージをお願いします。
Shoon T氏:体験版だからと妥協せず、自分たちで自信のあるビルドをしっかりお見せしたくて制作しました。感想はぜひDiscordでお聞かせください。
まとめ:「滅亡」か「希望」か。玲奈との共同生活の先にある未来とは
Shoon T氏がインタビューで語った「今の人が頭の中で想像する90年代」という言葉。これこそが本作を象徴する言葉だと思う。単なる記録の再現ではなく、未来を知る現代の視点だからこそ描ける、ノスタルジーと不穏さが見事に同居している世界だ。

この渋谷で描かれる物語は、世紀末を迎えようとしているのに、「滅亡」よりも「希望」という言葉のほうがずっとしっくりくる。
なぜなら筆者の耳には、玲奈の「世界を滅亡させよう」という台詞が、「今の窮屈な世界を壊し、新しく始めよう」という痛切な願いに聞こえるからだ。
退廃的な玲奈や絶望を抱えた主人公が、終末というタイムリミットの中で不器用に寄り添う。その刹那的な日常の尊さがあるからこそ、予想のつかない不気味な展開の中にも、筆者は妙な希望を感じてしまうのだ。

それに、2人の共同生活の先に救いのない真の滅亡が待っているのなら、「玲奈のルーズソックスを履かせる」なんて煩悩の詰まったミニゲームをわざわざ仕込むはずがない。
世界の終わりより、美少女のソックスのたるみ加減に執念を燃やす開発陣の愛すべき遊び心に、2人の希望に満ちた未来を託したい。これが体験版のプレイを終えてファンになった筆者の正直な願いである。
【特別レポート】インディーゲーマーのパラダイス「UKIYO GAME BAR & CAFE」

今回の『Rain98』先行プレイは、東京・有楽町にプレオープンしたばかりの「UKIYO GAME BAR & CAFE」で行われた。JR有楽町駅から徒歩3分という抜群のアクセス。窓の外を休みなく行き交う新幹線や電車が間近に眺められる好立地にある常設のインディーゲームバーだ。
店名の通り、同店はオーストラリアと日本を拠点に、世界中のインディーゲームのイベント出展支援やプロモーションを手がける「Ukiyo Studios」がプロデュースしている。

店舗は3階と4階の2フロア構成で、それぞれ異なる魅力が詰め込まれている。3階のバーフロアには試遊PCが設置されていて、常時約70タイトルの最新インディーゲームや未発売デモをプレイ可能。
展示タイトルは約1ヵ月ごとに総入れ替えされるため、訪れるたびに新たなゲームとの出会いが待っている。まさにゲーマーの理想郷ともいえる環境だ。

ソフトドリンクやアルコールも提供していて、世界各地のウイスキーやクラフトジン、作品の生まれた国や世界観に合わせたさまざまなコラボドリンクが楽しめる。
取材時は『Rain98』のコラボカクテル「メランコリーブルー」を注文することができた。さっそく筆者はノンアルコールでオーダー。

玲奈をイメージした鮮やかなブルーがとても印象的。ほんのりとした甘さと、ふいに訪れる酸味がメランコリックな気分を掻き立てる……どこか青春みたいな味がした。
【インタビュー】350日以上ゲームで遊べるリアル拠点を目指して

最後に、同店を案内していただいた、Ukiyo Studiosの高橋温(たかはし・おん)氏に、お話を伺った。
――お店のオープン時期や立ち上げの経緯について教えてください。
高橋氏:約1ヵ月前にプレオープンしました。僕たちはもともとゲームのプロモーション会社で、世界中の展示会での出展支援を手がけてきました。
ただ、こういった展示会が数日で終わってしまうのはもったいないとも感じていました。そこで「年間を通していつでもリアルな場所でゲームが遊べる拠点」として、年間350日以上オープンするこのお店を作りました。

――カフェ&バーというスタイルを選ばれた理由は何ですか?
高橋氏:朝10時から夜22時まで営業していてカフェ利用もできますが、バー形式にしたのは僕と相方のデイビッドがお酒好きだからです(笑)。
海外のイベントに行くたびに現地で珍しいウイスキーなどを買い込んできていたので、世界中のインディーゲームとお酒や文化を一緒に楽しんでもらいたいと考えました。

――どのような方が来店して、どのように楽しんでいますか?
高橋氏:一般の方から、SNSを見たファンの方、業界関係者やクリエーター本人まで幅広く来店されます。店内には開発元の許諾を得た70タイトル以上のインディーゲームがPCに導入されていて、お酒を飲みながら楽しめます。
作品が生まれた国や地域の文化に合わせて、オーストラリアのゲームに現地のジンを合わせるようなペアリング提案も行っています。

――4階フロアの体験型展示や活用法について教えてください。
高橋氏:4階には自作の『Buckshot Roulette』(バックショットルーレット)テーブルを常設しています。おもちゃのショットガンや怪しげなアイテムを使ってデスゲームを体験することもできます。「k4sen Con」でも出展したもので、現在は予約制ですが、将来的には予約なしのウォークインでも遊べるようにしたいと思っています。
テーブルを片付ければトークイベントや配信、開発者同士の交流会などにマルチに活用できるスペースになりますよ。

――今後の展望について教えてください。
高橋氏:年明け頃に、3階と4階の窓面に特殊な薄型LEDパネルを設置予定です。店内からは外が見えますが、外を走る電車の乗客からはインディーゲームの広告やPVが見える仕組みになります。
今後はイベントで余ったノベルティのガチャガチャ還元や配信環境の提供、海外の優れたタイトルと日本のパブリッシャーを繋ぐマッチングの場としても活用していきたいと考えています。
発売日など基本情報
| 発売日 |
2026年 |
|---|---|
| 販売元 |
C#4R4CT3R |
| ジャンル | アドベンチャー |
| 対応ハード | PC |
| タグ | |
| 価格 |
PC : 未定
|
| 最大プレイ人数 |
1人
|
| 公式X |
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