
ここ数年「昭和」がナウい。
学校帰りに漂ってくる夕食のカレーの匂い、買い物帰りにお肉屋さんで母親と食べたコロッケの温かさ……。筆者を含め、みんなが思い描く昭和には人の温もりが感じられる。つまりエモいのだ。
筆者も昭和は大好物。ゲームでいうとファミコン全盛期。友だちに『ファミリートレーナー』を借りパクされたのもいい思い出だ。

▲現実と異界が隣り合わせの世界観が魅力的。
しかし、フリューがリリースする完全新作タイトル『アノマリス(ANOMALITH)』の描く昭和は、エモいというか、おぞましさを感じる。
ノスタルジックなんだけどなんか不気味。そんな身の毛もよだつ「異界」へと変貌した昭和を舞台にバリバリの銃撃戦を繰り広げる。

その手触りはまさにサバイバルTPS。没入感の高さは折り紙つき。TPSと聞くと難しそうに聞こえるが、実際のプレイフィールはめちゃくちゃ軽い。「敵を蜂の巣にして、ゲットした素材を山ほど持ち帰る」そんな荒くれプレイが心地いい。
その素材で武器やキャラクターを強化してさらに大暴れする……。そんな繰り返しプレイが止め時を見失う一本に仕上がっている。

▲本格的なTPSがお手軽な操作で楽しめる。
そんな本作の先行プレイの機会をいただいた。狂気の昭和とハクスラ的な爽快感が交錯する『アノマリス』のレビューを昭和生まれの筆者が昭和フレーズ満載でお届けしたい。
それでは、レッツラゴー!
目次
「昭和×リミナルスペース」の組み合わせがエモい

▲昭和すぎるネオン横丁を調査・探索する。
『アノマリス』は、昭和レトロの雰囲気が漂う日本を舞台に、突如発生した特殊空間「異界」を調査・探索するサバイバルTPS(サードパーソン・シューティング)だ。PC,PS5,Switch2向けに2026年10月29日の発売が予定されている。
プレイヤーは主人公の水無月 玲緒奈(みなつき・れおな)を操り、異界に飲み込まれた友人を探すため、ここを調査・探索する。
この異界ってのが怪しさ満点。独特の不気味さを漂わせている。本来あるべきところにあるものがない、リミナルスペース(※)的な「不在の恐怖」で、プレイヤーを物語に引きずり込む。
※リミナルスペース:本来は人が行き交う場所であるにもかかわらず、「誰もいない状態」になったことで、不気味さとノスタルジーを同時に感じさせる奇妙な空間。もともとは建築用語だがネットミームとして広がる。

▲リミナルスペースの魅力がたっぷり詰まったステージが目白押し。
最初に訪れるのはとあるビル。長い廊下、誰もいないロビー、湿ったカーペットのフロア……完全にリミナルスペースだ。
政府機関「特別危険区画対策室」の調査要員であるプレイヤーの任務は、この建物を調査・探索すること。
筆者はゲーム開始10秒で、ただならぬ手ごたえを感じた。まだ数メートル歩いただけである。敵を倒すどころか銃すら構えていない。でも、ほぼ確信に近い良作の手ごたえだ。
なぜかって、それは、ここまで一切、音楽がないから。
いや、正確に言うと、学校の音楽室から聞こえる微かなピアノの音のように、不穏な音程が耳の奥には届いている。しかし、それは音楽とは言えない旋律だ。
それよりも、歩くたびに響くブーツの音、装備品と服がすれる音など、プレイヤーの発する環境音が建物内に充満する。

▲緑の公衆電話がズラリ。さすが昭和である。
一方、敵が出現すると、リズムを伴った緊張感のある音楽にシームレスで切り替わる。この緩急のトランジションが素晴らしくて、初手から期待が膨らむ。臨場感は抜群。そして同時に不安が押し寄せる。
……何が潜んでいるのかわからない。
突入した他の隊員が敵に追い詰められバタバタと倒れていく。キリキリした緊張感のなか、プレイヤーは多数の敵を相手に激しい銃撃戦を繰り広げる。
ちょ、これ面白いじゃん(笑)。

▲本部と連絡を取りながら調査を進める。集めた素材はポータルを使って転送しよう。
これはまさか「昭和レトロ×リミナルスペース=得体のしれない和風TPS」という、予想の斜め上を行く方程式が完成しちゃった瞬間なのでは?
でも、少なくとも筆者が体験した昭和はこんなに不穏な世界じゃなかったんだけどな……。いや、令和のプレイヤーにとっては、昔過ぎる「昭和」はもはや異界みたいなものか!?
オカルト好きにはたまらないSCP的な設定

▲独特なデザインのアノマリー。間違いなく話が通じなさそうなお姿。
本作の世界を大混乱に陥れている張本人が「アノマリー」である。これはもう、本当に得体が知れない。デザインも独特で唯一無二の存在感を放っている。
おかしいな、昭和の敵といえば「妖怪」か「ヤンキー」と相場は決まっているのに、こいつらはそのどちらにも当てはまらない……。

▲探索中はレーダーを使ってアイテムをゲットしていこう。
それもそのはず。本作の世界観はネット文化が産み出した「SCP」を彷彿とさせる設定だ。
「SCP」は、インターネット上の共同創作コンテンツ。「アノマリー」と呼ばれる怪異を調査・研究する架空の組織「SCP財団」の設定をもとに、世界中の人が「架空の報告書」を投稿している。
昭和的に解釈すると「妖怪大図鑑」みたいなものか。
本作の「特別危険区画対策室」は、このSCP財団がモデルなのだろう。昭和ノスタルジーに令和な怪異管理組織を混ぜるという設定。もうこれだけで筆者のワクワク感は止まらない。

▲調査ファイルでアノマリーの生態などを確認できる。フレーバーテキストが興味深すぎる。
「アノマリー」は、プレイヤーに襲い掛かる未知の怪異の総称で、こいつらをぶっ倒すことで「調査報告書」が次々とファイリングされていく。
集めた情報はオプションからいつでも閲覧可能。サイドミッションで出会った登場人物の背景など、フレーバーテキストの雰囲気もバッチグー。
単に敵を倒すだけでなく、ヤバい奴らの情報を収集・記録していくあたり、開発陣は本気でオカルト好きのハートを鷲掴みにするつもりだ。
プレイヤーは、この対策室の本部を拠点に、異界を行き来しながら世界を侵食する怪異の謎に迫っていく。
シューターなのにパリィする!?タイマン勝負の爽快アクション

▲昼でも余裕で不気味そうな「霧島総合病院」のたたずまい。
次にプレイしたステージは「霧島総合病院」。病院なんて昼間に来ても怖いくらいなのに、なぜか夜中の出動だ。ここでも探索・調査・ドンパチを繰り広げる。
本作の戦闘はズバリ「爽快シューティング」。初心者はモチのロン、経験者にもしっかり歯ごたえがある。
たとえば、アノマリーの腹部など大きな部位には強力なオートエイムが効いていて、容易に全弾をぶち込むことができて気持ちいい。

▲敵の中心を狙って弾丸を叩きこもう。オートエイムがバッチリ有効。
一方で、ヘッドショットを狙おうとすると途端にオートエイムが弱くなって、弾丸を発射した時の銃の反動、いわゆるリコイルコントロールをしないと標的から外れてしまう。
それでも、ヘッドショットを決めたときの大ダメージと爽快感は格別だ。敵に与えたダメージがRPGのように敵の頭上に表示されるのも、マンモスうれピー。
ヘッドショットの威力を目の当たりにできて、TPS経験者なら必ず狙いたくなるだろう。
初心者にとっても、敵に遭遇したらすかさずしゃがんで、リコイルを最小限に抑えながら撃ち込むという、「シューターの基本」を自然に習得できる親切設計だ。

▲パリィで攻撃を防いで反撃に転じるアクションが爽快。
それほど残弾を気にせずに撃ちまくれるのもグッド。開発陣が「よほどのことがない限り弾切れしない」と語るほど、フィールドで豊富に手に入る。
有象無象のアノマリーに恐怖しつつも、鉛弾をしこたまぶち込んで敵をハチの巣にするカタルシスがたまらない。

▲体の一部を異形化してアノマリーに大ダメージを与える。
さらに、シューターには珍しく、敵の物理攻撃をパリィではじいてピヨらせることもできる。ピヨりから、攻防一体の「異形化スキル」で強力な近接攻撃を叩き込むのが、マジで「カ・イ・カ・ン」。ソウルライクばりの豪快なパリィが醍醐味のひとつだ。
シューターにありがちな、カバーアクションやドッジロールをあえて排除して、銃撃とパリィで真正面からボコり合う、燃える闘魂のようなストロングスタイルに、筆者はもうメロメロなのであった。
お気に入りのコスチュームで巡る沼すぎる周回プレイ

▲昔懐かしい昭和レトロを堪能できる。
最後にプレイしたのは商店街。このステージこそ「ザ☆昭和」以外の何物でもない。買い物帰りに母親とお肉屋さんのコロッケを一緒に食べた、あの懐かしい商店街だ。
しかし、跋扈(ばっこ)するのは近所のおばちゃんじゃなくて、異形のアノマリーどもだ。レトロなのかリミナルなのか、わけわかめな商店街を突き進むと、そこにはボスが待ち受けていた。
結論から言うと、筆者はボスを倒すことができなかった。難しいということではなくて、筆者が妙にパリィにこだわっていたからだ。
というのも、初ボスだからか、動きが見切れそうだったのだ。モーションを数え、ここぞのタイミングで攻撃をはじく。そんな華麗な戦闘をしようとしていたのだが、返り討ちにあった格好だ。

▲銃火器は細かなカスタマイズが可能。カラーリングの変更もできる。
おかげで、ボスの動きをまじまじと見られたので、特定の部位に攻撃を当てると「アーティファクト」というアイテムをランダムでドロップするとわかった。これは、本部に持ち帰ってキャラクターのステータスを強化できるアイテムのようだ。
武器のカスタマイズやキャラクタービルドは、本作一番の「沼」要素だ。

▲操作中はインベントリの管理も重要。持ち帰る素材や武器の取捨選択が悩ましい。
異界から持ち帰った素材を使って、マズルやストック、スコープなど、タクティカルTPS顔負けの本格的な銃器のカスタマイズを楽しむことができる。
銃器だけでなく、ステータスの底上げやスキルツリーを使ったキャラクタービルドなど、ハクスラ的な魅力もある。自分の戦闘スタイルに合わせて、装備やスキルを最適化していくのは、一度ハマるとやめ時を見失う面白さなのだ。

▲ハクスラなどでおなじみのスキルツリー。キャラクタービルドがはかどる。
筆者のおススメは「着せ替え」だ。衣装は頭や胴体など全9部位に細かく分かれていて、それぞれにステータスが設定されている。装備がキャラクターの見た目に細かく反映されるのがうれしい。
装備の性能を維持したまま外見のみ変更することもできる。開発陣に聞いたところ、コスチュームを「死ぬほど作った」そうだ。メイド服や、学校の制服など種類は豊富。予約特典には『遺失物統轄機構』のコラボ衣装やスキンもあって、文字通り死ぬほどバリエーションがある。

▲メイドに機関銃もいいかも。チェーン付きのメガネがナイス。
筆者の注目は断然「セーラー服」。主人公に機関銃を持たせて、アノマリーに乱射してやりたい。武器にヨーヨーがあったら昭和要素としては完璧だろう。
冗談はさておき、自分好みの姿にカスタマイズして戦場に繰り出せるのは純粋にうれしい。ますます周回プレイがはかどるというものだ。
まとめ:懐かしいのに新しい『アノマリス』の世界

▲さまざまなタイプのアノマリーを相手に武器を使い分けよう。
「昭和レトロ×リミナルスペース」という不気味な世界観は超魅力的。ただフィールドを歩いているだけで、筆者は楽しさを覚えてしまった。
プレイフィールも軽く、素材集めとビルド構築が止まらない爽快なハクスラアクションとしても手触りの良い作品に仕上がっている。 いまから10月29日の発売日が待ち遠しい限りだ。
GameWith編集者情報

| フリーランス物書き。ドーナツ食べながら子どもとゲームするのが至高。好きなジャンルはインディーズとFPS/TPS。ゲームの腕前は皆無のポテトゲーマー。ジャンルやタイトルに捕らわれずゲーム業界全体に興味があります。ゲーム以外にはアウトドア系やローカルニュースなどを執筆中。普段は塾講師、ときどきラジオパーソナリティ。 |
発売日など基本情報
| 発売日 |
2026年10月29日 |
|---|---|
| 会社 |
FURYU |
| ジャンル | アクション シューティング |
| 対応ハード | PS5 / Switch2 / PC |
| タグ | |
| 価格 |
PS5 : 7,800円(税抜)
Switch2 : 7,800円(税抜)
PC : 7,800円(税抜)
|
| 最大プレイ人数 |
1人
|
| 公式HP | |
| 公式X |
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