
『Full Stride』は買い?実際にプレイした正直レビュー
2026年7月16日、界隈の競馬ゲームファンで開発時点から大きな話題を呼んでいた注目作『Full Stride(フルストライド)』がついに発売された。
本作はBlue Bullet Inc.が開発/販売を行う「ジョッキーアクションゲーム」となっており、@KunihitoAsanuma氏が一人で開発を手掛けたことが明かされている。
個人で借金して約2年でPS5とSteamのマルチでマルチプレイ付きのそこそこのボリュームのゲームを初めて使うゲームエンジンで一人でほぼ完成まで持ってけてるの自分でもかなり頑張ったなと思う
— Kunihito Asanuma (@KunihitoAsanuma) May 30, 2026
(最初の見積もりが1年ちょいだったのは内緒w)
▲1人で完成…ただただ脱帽
まず我々競馬ゲームファンが最初にするべきは、近年しぼんでいた「ジョッキーゲーム」界隈に、これだけのクオリティのゲームを誕生させた開発者へ最大限の敬意を表すことだろう。

インディー規模の開発ながら、本作のグラフィックは競馬ファンを満足させる一級品。
イクイノックスやキタサンブラックといった馬に自分で乗って、実際の競馬場を走る体験は、間違いなく本物だ。
気になっている方は是非この話題作を手に取って、実際にプレイしてみよう。
各ストアで詳細をチェック!

一方で、発売直後から賛否が分かれている作品であることも事実。
執筆時点(発売から約6日)でのSteam評価は約56%が好評と、「賛否両論」スタートとなった。
本記事は「本作のことが気になっているけど、賛否両論なのを聞いて購入を迷っている」「なぜ賛否が割れているのか、実際のところどんな感じなのか知りたい」という方に向けて贈りたい。

結論から言えば、筆者の意見は「競馬ファンなら迷わず買って遊んでほしい」のだが、ある程度人を選ぶ作りにもなっている。誤解なく遊べるよう、レビューを行う。
なお、本記事では必要以上の攻略情報やネタバレには踏み込まない。あくまでまっさらな状態で自分の一戦を味わってほしいからである。本稿の情報が購入の一助となれば幸いだ。
各ストアで詳細をチェック!
目次
※当記事のリンクはアフィリエイト広告を含みます。
多くの人が見守ってきた作品

本作は、大まかに説明すればプレイヤーが騎手(ジョッキー)になって馬上の視点で競馬勝負に挑むレースゲーム。
「ダビスタ」や「ウイポ」のような「経営・育成・繁殖」メインの作品とは方向性が違い、「自分で乗って走る」アクションがメインであることが最大の特徴だ。
この視点の競馬ゲームは近年減少気味で、新作を待っていた競馬ファンは多い。
ジョッキーレーシングゲーム
— Blue Bullet (@BlueBullet_Inc) December 18, 2025
『Full Stride』
プラットフォーム / Platforms (Coming Later)
PS5 / Steam (Switch2, VR, Xbox)
Steam:https://t.co/IMpxjdJ8u1
Patreon:https://t.co/15HNxvn2Q0
1st Trailer:https://t.co/3wm9jBNx9s#FullStride #フルストライド #競馬 #HorseRacing pic.twitter.com/LD52cqCgEd
▲2025年12月のお知らせ。1st Trailerが発表され、界隈は大いに盛り上がった
インディーゲームながら、発売前から大きく話題を呼び、注目されていた最新ジョッキーゲームだ。
なぜ賛否が分かれてる?
多くの期待を受けていたが、前述のとおり出だしのユーザー評価は半々。では、いったい何が理由で評価が分かれているのだろうか。
「否」側の評価として、一番目につくのは「チュートリアルがない、遊び始めのハードルの高さが不満」という点だ。

確かに、正直に言うと筆者も遊び始めて面食らった部分があった。
丁寧すぎるチュートリアルのゲームに慣れてしまったせいか、いきなり放り出されてメイン画面に飛んだ時は「間違えて最初の説明を全部スキップしてしまったか…?」と焦ったほど。
目の前の案内役らしき人から「ジョッキーの設定をしろ…」と言われた気がしたけど、会話ログを探しても見返せない。
(1回で人の話を聞けない私が悪い…)
まずこの時点で、ユーザーのうち何パーセントかは離脱してしまうのかもしれない。
ただ、これだけチュートリアルについての指摘が集まっている状況なので近いうちの改善は期待できるだろう。
そして、チュートリアルがないことは、その後プレイを進める上ではさほど問題ではないことも付け加えておく。
まずおすすめなのが「AI操作」モードを導入することだ。ジョッキー設定で「ルーキーの手綱」を買うと、操作をAIに任せられる。

その後、筆者はとりあえず一通りのジョッキー設定をして、初期で持っているポイントで「サトノラーゼン」を購入した。

▲初期の所持ポイントは3万だ

▲適正距離をはじめ各種ステータスを確認しながら購入できる


▲ジョッキーの細かい設定も一通り可能だ
ただ、本当に最初は馬の購入も不要で、騎乗依頼がきているレースを受けているだけでも良い。


馬を買ったりあれこれ触る前に、まずは来ている騎乗依頼を受けてレースに出る。
手綱は最初はAI(ルーキーの手綱を設定)に任せる。これが一番シンプルな入口だ。

数レースも回せば「レースがどう進むのか」を理解できてくる。
自分で操作することが本質のジョッキーゲームではあるものの、まずは全体の流れを掴んでから手綱を握った方が楽しい。

▲レースをする⇒順位に応じてポイントがもらえる⇒ポイントを使って買える馬や、やれることが増える流れ
いきなり自分で操作して負け続けても、なぜ負けたのか、なにが足りなかったのかのフィードバックが自分の中にない限り負けが繰り返される。
(○○を改善しよう、といった操作面の指摘もほぼ入らない)
もしかしたらそこも「否」のポイントとなっているかもしれないので序盤攻略的に詳しく説明しよう。
どう勝てば良いか分からなくなったら、Xに投稿している操作ガイドと、ゲーム内に用意されているレースの進め方を参照しよう。




執筆時点では、PS5版ではコントローラーの操作説明が審査中とのことで記載がないため、プレイガイドとしてXのポストを見ることとなる。

※@BlueBullet_Inc投稿より
これも、インディーゲーム慣れしていないユーザーにとっては驚きかもしれないが、近日中に修正されることは間違いない。
これだけを理由にプレイをやめてしまうのはあまりにももったいない。
このあたりのつまずきポイント攻略を最初に知っているかどうかで、序盤の印象は大きく変わる。
逆に言えば、最初に丁寧に教えてくれないまま進んでいくのが今の課題だ。
そして、何も分からないまま負けまくり、ナンダコレと投げ出してしまうユーザーが多いのも理解できるし、これが賛否の「否」の正体の大部分だと感じる。
ある程度の競馬知識は前提
本作では競馬のそこそこの知識がかなり前提になっている。

例えば、見せ鞭といった専門用語や、1レースで打てる鞭の回数は5回といった概念。
騎乗依頼で他人の馬に乗るのと、自分が保有している馬でレースに出る仕組みの違い。


▲ゲーム内の説明もいくつかあるが、競馬の基本要素は知っている前提だ
このあたりが説明なく進んでいくので、ジョッキーゲーム経験orリアル競馬知識はある程度必要だ。
そのため、競馬知識はほぼゼロだけどゲーム慣れしているインディーゲーマーと、ゲーム自体にはあまり慣れていないが競馬知識はあるファンならば、後者に強くオススメしたい。
差しや先行といった脚質、見せ鞭が何か、等々を説明しなくとも知っている競馬ファンには是非遊んでもらいたいタイトルだ。
各ストアで詳細をチェック!
「わからない」が「発見」に変わる瞬間

本作を遊んでいて気づくことは、このゲームが教えてくれないことが、そのまま面白さになっている瞬間があるという点。
筆者は最初、スピードをある程度抑えて(左上で緑ゲージに合わせるのが目印)スタミナを残し、後方から差して抜いていく勝ち方しか分からなかった。
(得てして差し系の脚質が有利に働くのは競馬ゲームあるあるでもある)
ところが「ルーキーの手綱」でAIに操作を任せて観ていたら、AIが先行策から大逃げを打って、「ここでスプリントを使って、ここで足を貯めて先行逃げ切りもできるのか!」という仕掛けどころを見せてくれた。

▲トンデモナイ大逃げのお手本を見せてくれた。先輩ジョッキーから見て学ぶようなものか
言われたことをやるだけではなく、レースを観て、乗って、自分でトライアンドエラーを繰り返して体で覚えていく。

コース取り、スタミナの残し方、スプリントを切るタイミング――最適解を自分で発見していくプロセスそのものが楽しい。
これを「不親切なゲーム」と感じるか「リアルなジョッキーとしての発見の連続」と感じるかで、本作の評価は大きく変わるだろう。
自分で方法を見つけていきたいタイプの人には、この手探りこそがご馳走だ。
体験してほしい。この映像であの競馬場を走る感動

いくつかハードルの話をしたうえで、「思ったほど悪くなさそうだな」と感じた方には是非プレイしてもらいたいが、「これなら買わないかも…」と思った方にもなお強く言いたい。
このゲーム、映像部分は文句なしだ。

何度もレースを見て、現地で涙した中山競馬場(負けまくったから?)。
その舞台に、今度は自分が「馬上の人」として騎乗している。

▲ひたすらスクショを撮りたくなる。そういうときにも一時的なAI騎乗が便利だ
あの名馬を、あのレースで操作している。
この体験は、競馬ファンにとって何物にも代えがたい。
馬体の質感、光、コースの空気感は、インディー規模で作ったとは思えない一級品だ。

祈ることしかできなかったあの直線を、今度は自分が追い出す。
はじめて自操作で勝った瞬間は、思わず声が出た。
そしてPS5で遊ぶなら、DualSenseコントローラーが体験を一段引き上げてくれる。

振動が、馬が地面を蹴るその瞬間と連動しているので、手のひらで蹄の一歩一歩を感じながら、まさに人馬一体で駆け抜けていく感覚がある。
ぜひ体感してほしい。
なお、2025年12月時点での開発者の案内によると、現状はSteam版よりPlayStation 5版の方が安定しているとのこと。
後述のとおり頻繁なアプデが入っているため状況は変わる可能性も大きいが、どちらで買うか迷っているなら、この点も判断材料としていただければと思う。
各ストアで詳細をチェック!
課題はあるが、アプデの早さにも驚愕
一方で、チュートリアル以外にも未完成な箇所は正直まだある。
例えば、音回り。現状BGMのパターンが少なく、レースの局面が動いても景色ほどには盛り上がってくれない。
観客のどよめきや歓声、実況といった「ユーザーが期待する競馬場の音」が今以上に増えたら、この臨場感はさらに化けると思う。
さらに、大レースへの道のり、ストーリー性やドラマチックな演出がいまのところ軽い。

▲重賞に勝利していない段階の馬でもすんなり有馬に出場できた
有馬記念のようなビッグレースにも意外とすんなり出られてしまい、「ついにこのレース…!」的な重みはやや薄めだ。
例えば「ロイヤルファミリー」のような馬と人の歳月が絡み合う物語を期待すると、現状そこは無い。
本作はあくまで「ジョッキーゲーム」であり、物語は自分のレースの中に自分で見出すタイプの作品だと割り切っておくのが正しい距離感だ。

▲1年ごとに年末表彰が発表されるので、ランクインへのモチベーションが高められる
このあたりを含め、今後のアップデートには大いに期待したい。
一方で、開発者がこういったユーザーの声や不具合をいち早く拾い、信じられないスピードでアップデートをかけていることも紹介しておきたい。
発売直後から、修正・改善のアップデート告知が連日のように案内されていて、開発者の本気度が伺える。
本日夜になるかと思いますが次回アップデートでは主に以下の修正・調整を予定しています!
— Blue Bullet (@BlueBullet_Inc) July 20, 2026
・音量設定のバグ修正
・天候の出現割合を調整
・急減速の挙動を調整
・一部競馬場で坂の計算が正しく機能していなかった問題を修正
引き続き、より快適に遊べるよう改善を進めていきます
公式X(@BlueBullet_Inc)では、ユーザーの声にひとつひとつ真摯に応えている様子が見て取れる。
本作は、開発中からYouTubeやXで進捗が公開され、普段はインディーゲームをあまり遊ばないような層も「一緒に開発を見守る」体験をしてきた珍しいゲームだ。
そして発売後のいま、その「応援」は第2章に入っている。
小規模の開発でこのクオリティのゲームを作り上げ、なおアプデで走り続けている開発者には、あらためて素直に敬意を表したい。
オンラインマッチも盛り上がりを見せる

▲10勝でマルチプレイタブが選択可能となる
本作では、プレイ後10勝の壁を突破するとオンラインマッチが解放される。
最大4人のオンラインマルチに対応しており、NPC相手だけでは味わえない駆け引きを楽しむことが可能。
現状、マッチングしたプレイヤー同士でのプレイのみだが、将来的にはフレンドとの対戦といった機能にも期待したいところだ。
結論、こんな人は「買い」

自信を持って本作を「買い」と勧められる人は、あの馬に自分で乗りたい競馬ファン、乗って・観て・発見しながら上手くなるプロセスを楽しめる人、実際の競馬場であの舞台を内側から味わいたい人。
そして、個人・少人数規模開発のゲームを、育てながら見守るのが好きな人だ。
チュートリアル無しでスタートし、賛否が割れているのは事実だが、それでも自分の馬で中山の直線を追い出したあの瞬間、細かい不満は気にならなくなった。
発売から見守ってきた人も、これから乗る人も、一緒にこのゲームが育っていくのを見届けたい作品だ。
発売日など基本情報
| 発売日 |
2026年7月16日 |
|---|---|
| 販売元 |
Blue Bullet Inc. |
| ジャンル | シミュレーション スポーツ レース |
| 対応ハード | PC / PS5 |
| 価格 |
PC : 4,527円(税抜)
PS5 : 4,500円(税抜)
|
| 公式HP | |
| 公式X |
GameWith編集者情報

| フットサル・野球観戦に明け暮れ、帰れば寝る間を惜しんでゲームするイン&アウトドア派。 スポーツ系はシミュレーション型も含めて遊び、王道STGからCatanUniverseといったボドゲ系まで守備範囲は広く浅い。 アクションの才能がないことは自覚しており、戦略でごまかすタイプ。 |




