
Housemarqueが放つ新作は、「倒れても前に進める」3Dアクション

Housemarqueが開発する『SAROS』は、PS5向けに2026年4月30日の発売が予定されているシングルプレイの3Dアクションだ。
舞台となるのは、不吉な日蝕に支配された異星カルコサ。プレイヤーは執行者アルジュン・デヴラジとなり、変化し続ける世界で戦いを重ねていく。

このたびGameWithでは、本作の試遊イベントに参加する機会をいただいた。触れてまず感じたのは、本作がエイムと銃撃を軸にした3Dアクションでありながら、派手な敵弾をかいくぐって前へ出る感覚に強く惹かれる作品だということ。
探索や寄り道もあるが、基本は移動して、交戦して、波状攻撃をさばき、先へ進む。その流れが非常にテンポよく回っていく。
射撃、ダッシュ、防御。シンプルな操作の組み合わせが気持ちいい

操作の第一印象はシンプルだ。銃で狙って撃つ、ジャンプする、ダッシュで弾を抜ける、近づいて近接攻撃を叩き込む。ひとつひとつの挙動に大きなクセはなく、手に取ってすぐ動かしやすい。
エイムも比較的アバウトに合わせれば補正が入り、射撃アクションに苦手意識がある人でも入りやすい作りになっていた。一方で、しっかり狙えるほど火力は高まるため、操作の間口を広げつつ、上達の余地もしっかり残している印象だ。

印象に残ったのは、防御の存在だ。ワンボタンでバリアを張り、敵弾を防ぎながらエネルギーを溜め、それを強力な一撃として返していく。
単に危険をしのぐための防御ではなく、攻撃へつなぐための起点になっている。弾幕を避けるだけでなく、弾に向かっていける戦い方ができるのが面白い。

さらに、ダッシュで弾を抜け、地上の敵には高威力の近接攻撃を叩き込み、状況によってはジャンプで足元の攻撃を飛び越える。今回の試遊ではパリィを深く試す余裕はなかったが、防御、近接攻撃、パリィまで噛み合ったときに見える景色が変わる感触は確かにあった。
触りやすいのに、理解が進むほどやれることが増えていく。この段階的な手応えが、本作のアクションを強く印象づけている。
ボス戦では、本作の面白さがより濃く出る。敵の派手な遠隔攻撃を見極め、ダッシュで抜け、防御で受け、隙を見て撃ち返す。操作自体は複雑すぎないのに、瞬間ごとの判断には熱がある。
普段ならクセになった操作で75点くらいの対応で済ませてしまう場面でも、ここぞで100点の切り返しができた瞬間、一気にヒーロー感が出る。目と手が直結したような感覚で危険地帯を突破できたときの気持ちよさは、本作ならではのものだろう。
恒久的な成長が、毎回の挑戦をきちんと前進に変えてくれる

ステージではモノリスのようなポイントから武器や資源を得ていく。ショットガンやアサルトライフルといった武器種があり、ランダム性もある。
加えて、通常武器やパワーウェポンを底上げする強化、アーティファクト系の強化も存在しており、ローグライク的な変化を毎回のプレイに持ち込んでいる。
もちろん、倒されればラン中に得た強化は失われる。ただし『SAROS』は、そこで終わらない。ステージで得た資源を使ってスキルツリーを伸ばし、アーマーやシールドといった要素を恒久的に強化できるからだ。

つまり、その場の武器運や一時強化だけでなく、積み上がった育成が次の挑戦を支えてくれる。プレイヤー自身の上達と、システム上の成長。その両方が推進力として積み重なる設計なのだ。
このおかげで、やられても気持ちが切れにくい。むしろ「次はもっと上手く立ち回れる」という感覚が自然に残った。失敗したのにやめどきにならず、「もう1回」が始まってしまう。この感覚が『SAROS』の中毒性の正体だ。
アクションファンの「あと1回」を引き出す

『SAROS』は、銃撃主体の3Dアクションとしてのわかりやすさを持ちながら、防御や近接攻撃を織り交ぜた攻防の気持ちよさ、ローグライク的なランごとの変化、そして倒されても積み上がる恒久的な成長を楽しめる作品だ。
シンプルに触れて楽しく、理解が進むほど深くなる。そのうえで、失敗が次の挑戦の燃料になるから、自然と再挑戦したくなる。

とくに、アクションゲームで「自分がうまくなった」と感じる瞬間が好きな人には、かなり相性がよさそうだ。ダッシュで抜ける、防御でしのぐ、強力な一撃を叩き込む。その一連の流れが噛み合ったときの手応えは明快で、そこに育成による後押しも加わる。
歯ごたえがあり、倒されても前に進みたくなるSF弾幕アクションとして注目しておきたい1本だ。
【インタビュー】歯ごたえはそのままに、より広いプレイヤー層へ届けるために
試遊が行われた後日、オンラインでの合同インタビューが行われた。試遊バージョンで触れられた難易度設計、シールドを軸にしたアクションの考え方、異星カルコサを形作るアートの思想、「日蝕」を中心に据えた音楽や世界表現などについて開発陣に話を聞いた。


(左)Gregory Louden(クリエイティブディレクター)
(右)Simone Silvestri(アートディレクター)
難しさは意図通り。ただし『SAROS』には「乗り越え方」が複数用意されている
Q:イベントで体験した難易度は狙い通りのものだったのでしょうか。
A:はい。難易度はこちらが意図した通りのものです。今回のプレビューでは、ゲームの序盤から触れていただく形にしていました。
本作が『Returnal』と大きく異なるのは、永続的な成長システムを持っていることです。キャラクターの基本能力を強化できるほか、倒されても復活する能力もあります。
次の挑戦でより強く戻ってこられる。これは本作の掲げる「Come Back Stronger」という考え方そのものです。
今回のバージョンでは触れられなかった重要な要素として、プレイヤーごとにチャレンジ体験を調整できる仕組みがあります。製品版ではそうした要素にも早い段階でアクセスできるようになりますが、それを除けば、今回遊んでいただいたものは開発が想定した通りの難易度でした。

最初に覚えてほしいのはシールド。弾を避けるだけではない戦い方を学べる
Q:本作は操作そのものは入りやすい一方で、防御やパリィまで使いこなせるようになると、戦い方が大きく変わる印象がありました。まずプレイヤーに習得してほしいアクションや、その面白さについて教えてください。
A: 最初にぜひ覚えてほしいのは、やはりシールドです。 『Returnal』では、飛んでくる弾幕を避けることが中心でした。いわば障害物をかわしていくような感覚です。ですが『SAROS』では、シールドを張って、自分から弾に向かっていくという新しい関わり方ができます。受けたエネルギーはパワーウェポンに変換され、そのまま強力な一撃として解放できる。この流れがとても重要です。
シールドを使いこなせるようになると、「すべての弾を避けなくてもいい」と理解できるようになります。嵐のような攻撃の中でも主導権を握れるようになる、という感覚ですね。そこを理解したうえで、さらに応用的なテクニックへ進んでいけるようになります。
本作では、誰でも手に取りやすく、それでいて習熟するほど奥深さが見えてくる作りを目指しました。入りやすいけれど、極めるのは難しい。その過程で「難所を乗り越えた達成感」が生まれるように設計しています。

プレイヤーの腕前と恒久的な成長、その両方で前進できるようにしたかった
Q:『SAROS』はプレイヤー自身の上達と、倒されても積み上がる恒久的な成長の両方で前に進める構造になっています。この設計にはどのような狙いがあったのでしょうか。
A:『Returnal』で私たちは、Housemarqueらしい「弾幕アクション」や、ミステリアスで多層的な物語、ビジュアル表現など、多くの要素を形にすることができました。そして『SAROS』では、その体験をもっと幅広いプレイヤーに届けたいと考えました。
ただし、大事だったのはチャレンジそのものを失わないことです。そこで本作では、難しさを保ちながら、それを乗り越えるための道筋を複数用意しています。
プレイヤー自身の腕前の上達に加えて、恒久的な成長によっても前進できる。そうすることで、『Returnal』で築いた体験の芯は保ちつつ、より多くの人に『SAROS』のゲーム体験へと入ってもらえるようにしたかったのです。

ボスへ急ぐか探索して備えるか。ランの進め方そのものも選べる
Q:日蝕後の探索をある程度省略して、ボスへ直行するような遊び方もできるのでしょうか。
A:はい、それは意図した仕様です。
『SAROS』には、各ランの中で得る一時的な成長と、ランをまたいで残る永続的な成長の2種類があります。探索をしっかりこなせば、そのランの中でより多くの強化を得た状態でボスに挑めます。
一方で、日蝕デバイスを起動したあとにショートカットしてボスへ向かえば、短いセッションで遊ぶこともできますが、そのぶん準備は少ない状態になります。
つまり、探索を重ねて万全の状態で挑むか、あえて短いプレイで素早くボスへ向かうか、そのリスクとリターンをプレイヤーに委ねているわけです。

異星の建築をどう作るか。新古典主義とイタリア未来派の「衝突」で形にしたカルコサ
Q:最初のエリアでは歩いて眺め回りたくなるような感覚がありました。本作のアートについて開発側はこれまで、新古典主義とイタリア未来派を組み合わせた方向性について触れていますが、その考え方をもう少し詳しく教えてください。
A:本作では、独自の文化を築き上げた異星文明を本気で描きたいと考えていました。ただ、むやみに奇抜なビジュアルへ寄せてしまうと、私たちが大事にしている「ゲームプレイファースト」の理念から外れてしまいます。まずはプレイヤーが足場を持てる、地に足のついた土台が必要でした。
そこで出発点にしたのが新古典主義です。私自身がローマ出身で、その様式をよく理解していることも大きかったですね。新古典主義の建築には、大きな形状や丸みを帯びた家屋が多く、柔らかく穏やかな印象があります。

一方で、それだけでは『SAROS』に必要な鋭さや危うさが足りませんでした。そこで、新古典主義への反動として生まれたイタリア未来派の要素も取り入れました。この2つはきれいに溶け合うというより、むしろぶつかり合うんです。その摩擦にこそ魅力があると感じました。
その結果として、リズミカルで躍動感のあるデザインが生まれました。そこには暴力性や鋭さも宿っています。そしてそれは、本作のスピード感あるゲームプレイとも噛み合っていました。
たとえば、プレイヤーキャラクターがフェラーリのように無数のアーチの下を高速で駆け抜けると、建築そのものが疾走感を強める要素として機能します。
私たちが目指したのは、異星的でありながら暴力的な美しさを持ち、なおかつ高速アクションとも強く結びつく世界です。面白いアイデアというのは、こうしたコントラストや衝突、対立する要素のぶつかり合いから生まれるものだと思っています。

オレンジ色の日蝕は「不気味な存在」として設計された
Q:『SAROS』では『Returnal』に比べて、暖色系のビビッドな色使い、特にオレンジ色の弾幕が印象に残りました。色彩設計にはどんな意図があったのでしょうか。
A:『Returnal』には、孤独感を強く印象づける独特の空気がありました。その精神性は『SAROS』にも受け継がれていますが、本作にはそれとは別の大きな要素として「日蝕」があります。
この日蝕は、空に浮かび続ける、決して無視できない不気味な存在でなければなりません。常にプレイヤーが意識し続けるべきものであり、そこへ向かって進んでいく感覚を生み出したかった。そのため、世界全体にオレンジの色味や暖かさを帯びさせることが重要でした。
ただし、そのぶん色彩設計は複雑になります。各バイオームごとの色だけを考えればいいのではなく、常に「この上に日蝕が重なる」前提で組み立てる必要があるからです。色の設計そのものが、これまでとは変わりました。

私たちが大事にしていたのは、プレイヤーが遊び終えたあとにもなお、日蝕のことを思い出してしまうことです。少し押しつけがましいくらいに、その存在感を刻みつけたかった。一方で、各バイオーム固有の個性も失いたくはありませんでした。
特に最初のバイオームは、カルコサという世界への入り口なので、危険さを残しつつも、ある程度は受け入れやすい色調にしています。そこから先は、進むにつれて徐々に狂気が強まっていく。プレイを進めるほど、色彩の面でも世界が変質していくように作っています。

世界の細部には「二度目で気づく」仕掛けがある。音も物語も、見直すことで意味が変わる
Q:世界観を構成する要素の中で、特に注目してほしいポイントはありますか。
A:ひとつの要素だけを挙げるなら、表面だけで終わらず、ぜひ深く潜ってほしいということです。 本作の世界には多くのレイヤーがあります。
サウンドデザインにも細かな秘密がありますし、エンディングも一度見て終わりではなく、見返すことで新しい意味が立ち上がるように作っています。物語にも一貫した伏線が張られていて、初回プレイでは見えなかったことが、二度目に気づけるような構造になっています。
私たちが目指したのは、ミステリアスで、何層にも重なった作品です。チーム全体が細部までかなり意識して作り込んでいるので、ぜひ一歩踏み込んで、繰り返し見直しながら味わってもらえたらうれしいです。ゲームの中には、見つけてもらうのを待っているものがたくさんあります。

日蝕は音楽も変える。ドローンメタルで描く主人公アルジュンの内面
Q:まだあまり語られていない点で、日本のプレイヤーに知ってほしいことはありますか。
A:あまり話題に上っていない点としては、音楽の使い方があります。
『SAROS』では、日蝕は映像だけでなく、ゲームプレイ全体をエスカレートさせる存在です。そして私たちは、そこに音の変化も組み込みました。日蝕が訪れると、カルコサ全体を覆うようにドローンメタルのギターが鳴り響き、音楽そのものが変質します。
ゲームはインタラクティブな媒体なので、音楽もまたインタラクティブであるべきだと考えています。世界が変わるなら、音も変わるべきですし、その変化がプレイ体験の一部になるべきです。
ドローンメタルのような重く抑圧的な音楽を用いたのは、主人公アルジュンの内面的な葛藤を表現するためでもあります。日蝕が世界を覆っていくのと同時に、彼の精神的な揺らぎや圧迫感も感じ取ってもらえればと思っています。

もうひとつ、日本のプレイヤーに向けてお伝えしたいのは、弾幕そのもののアートディレクションです。
じつは私たちは、弾の軌跡やまとまり方、パターンの作り方にあたって、日本のアニメからかなり影響を受けています。YouTubeでいわゆる「作画」のコンピレーション動画などを見ながら、動きのつながりや線の気持ちよさ、画面の中でどう流れを作るかを研究していました。
日本のコミックや建築表現からも刺激を受けています。そうした日本の表現文化は、我々の持つアートスタイルや感性とも相性がよく、今回の『SAROS』にも確かに活きています。
好奇心のままに世界を見て、アクションの中に飛び込んでほしい
Q:最後に、日本のプレイヤーへメッセージをお願いします。
A:好奇心の赴くままに、周囲を見回しながら、アクションのただ中に飛び込んで楽しんでほしいです。『SAROS』は、私たちにとって情熱を注ぎ込んだ作品です。
このタイトルでは、とても大胆で、新しいことに挑戦しました。私たちにとってはドリームチームで作り上げたドリームプロジェクトでもあります。ゲームという表現の可能性をさらに押し広げるような、特別な作品を目指してきました。
ぜひ、私たちの情熱と、細部にまで込めたこだわりを感じ取っていただければうれしいです。
発売日など基本情報
| 発売日 |
2026年4月30日 |
|---|---|
| 販売元 |
Housemarque |
| ジャンル | シューティング |
| 対応ハード | PS5 |
| タグ | |
| 価格 |
PS5 : 8,163円(税抜)
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| 最大プレイ人数 |




