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2023年11月2日(木)、スクウェア・エニックスよりPS5,PS4,Switch対応ソフト『STAR OCEAN THE SECOND STORY R(SO2R)』が発売。本作は過去に発売された『スターオーシャン セカンドストーリー2(SO2)』のリメイク版。
SO2オリジナル版は25年前の作品となり、当時小学生だった筆者にとっては、思い入れ深い作品である。親にブレーカー落とされても諦めず、SO2オリジナルを3回は周回プレイしたのも良い?思い出だ。
そんな本作のリメイク要素は果たして良作となっているかどうかを、筆者が『SO2オリジナル』をやり込んだ経験を思い出しつつ、本音レビューしていこう。
GameWith編集者情報
FPSを愛し、FPSに愛されなかった男。FPS好きなのに得意なゲームは麻雀とパズルなどのテーブルゲーム。 その他アクションゲームやRPGも嗜み、アプリゲームとコンソール・PCゲームを同時にプレイするマルチタスクも可能。 建築家志望の大学時代を過ごし、元々ラーメン屋を経営していたが、一転してSEOのディレクションに従事。異色(カオス)な職歴を持つ。 |
リメイクって実際何が変わったのか
SO2を語る上で、まずこの25年の歴史を振り返ろう。
『スターオーシャンシリーズ』はスーパーファミコンで販売された『スターオーシャン』(1996年発売)から始まり、『スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE』(2022年販売)までの計6作品が存在。(※外伝などは省く)
イメージ | 作品名 | 発売日 | プレイが可能な機種 |
---|---|---|---|
スターオーシャン | 1996年7月19日 | SFC | |
スターオーシャン セカンドストーリー | 1998年7月30日 | PS | |
スターオーシャン Till the End of Time | 2003年2月27日 | PS2 | |
スターオーシャン4 -THE LAST HOPE- | 2009年2月19日 | X360 | |
スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness- | 2009年2月19日 | PS4、PS3 | |
スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE | 2022年10月27日 | PS4、PS5、XboxOne、XSX/S、Win |
※リマスター版、ディレクターズカットなどは除く
その作品群の中で、SO2は人気作としてリマスター化され『スターオーシャン2 Second Evolution(SO2SE)』が2008年4月2日に発売。また2015年にはPS3、PS4、PSVita版も販売された。
リマスター版では、キャラ追加やキャラビジュアル・CVの変更、一部イベント追加となっていたが、『SO2R』は完全リメイクとして様々な要素が追加・変更となっている。
特に注目したいのは、『原作をリスペクトし、刷新されたゲームビジュアル』、『戦闘・キャンプ画面でのシステム変更』などだ。
「単に名作を移植しただけ」などの作品が存在する中で、『SO2R』はアタリなのか、ハズレなのか。忖度なく詳細を解説していこう。
SO2オリジナルへのリスペクトが垣間見えるビジュアルへのこだわり
本作でまず目を引くのがビジュアルだろう。
『SO2R』のコンセプトは"3D×2D"REMAKEと銘打っており、フィールドやバトルでのビジュアルがそれを体現している。
『SO2オリジナル』をプレイ済みの方であれば同意できると思うが、3D背景にオリジナル版のままのキャラが自然に馴染んでおり、原作リスペクトをする制作陣のこだわりがひしひしと伝わってくる。
建造物やフィールドなども過度に行き過ぎたビジュアルにしてしまえば、2Dキャラが浮足立ってしまう。どこに3Dの美麗さが感じられるのかというと、「光」や「影」、「反射」に仕掛けがあるだろう。
2Dキャラと3D背景のマッチングに違和感は?
街での散策時に何気なく見る風景であるが、窓の反射や、キャラの輪郭に当たる光の強さ・向きによって、違和感のない立ち絵がそこに存在している。
等身を変え、キャラのデフォルメなどを変更してしまえば、それは「リメイクじゃなくて良くね?」という評価をもらいそうなだけに、絶妙なデザインと再現に力を注いだ結果だろう。
キャラへのリスペクトも見逃せない
原作リスペクトはステータス画面でも垣間見れる。メニュー画面の要素で気づかない人も多いかもしれないが(筆者プレイ20時間目にして気づく)、各キャラクターのステータス表示中にデザインの変更が可能だ。
『SO2R』のキャラデザは水彩画タッチのファンタジー要素が盛り込まれた繊細なタッチ。『SO2SE』はアニメ調の彩度が高いデザイン。『SO2オリジナル』は懐かしさ感じるまさしくゲームキャラ調。
ちなみ『SO2オリジナル』のキャラ絵は「スッ」と登場する。(元ネタわかる人は同士)
坂本太郎氏のマンガがネタの「スッ」が見れるとは
オプション画面で各キャラごとの声優も新旧(リマスター版・オリジナル版)で変更可能なので、お気に入りの組み合わせで戦闘やイベント、プライベートアクションを楽しめる。
『SO2』の醍醐味の一つでもあるボイスコレクションも健在している。本作では、一度仲間にしたキャラクターはボイスを確認できる仕様だ。『SO2オリジナル』では収集したボイス数に応じて追加要素などがあった。
25年も昔の記憶だが、一番耳に残っているのはクロードのレベルアップボイス「力だ」
各キャラクターボイス:声優一覧
イメージ | キャラクター | リマスター版の 担当声優 | オリジナル版の 担当声優 |
---|---|---|---|
クロード・C・ケニー | 浪川大輔 | うえだゆうじ | |
レナ・ランフォード | 水樹奈々 | 久川綾 | |
セリーヌ・ジュレス | 中島沙樹 | 甲斐田ゆき | |
アシュトン・アンカース | 石田彰 | 阪口大助 | |
ディアス・フラック | 杉田智和 | 堀川りょう | |
プリシス・F・ノイマン | 釘宮理恵 | 住友優子 | |
ボーマン・ジーン | 藤原啓治 | 堀川りょう | |
レオン・D・S・ゲーステ | 小林由美子 | 甲斐田ゆき | |
オペラ・ペクトラ | 田中敦子 | 永島由子 | |
エルネスト・レヴィート | 東地宏樹 | 東地宏樹 | |
ノエル・チャンドラー | 水島大宙 | 阪口大助 | |
チサト・マディソン | 大浦冬華 | 笠原留美 | |
ウェルチ・ビンヤード | 半場友恵 | なし(リマスター版から登場) |
一つ言えることは、レナがかわいい。
「無駄な時間が無くなる」快適さが加わった丁寧なゲーム性に脱帽
リメイクから追加・改良された様々なシステムにも注目したい。
『SO2R』のゲーム性を一言で表すなら、「スクエニが培ってきたRPGにおける技術や知識を盛り込みまくったリメイク」だ。
語彙力無く言えば、めっちゃいいリメイク。
ストレスなく進行できる制作陣の配慮
何をそんなに褒めるのかというと、ゲームを進める上でストレスが無く、スムーズに進行できるようになっているのがとても大きい改変だ。
まずひとつは、エンカウントの方式がランダムエンカウントからシンボルエンカウント方式に変更された点。これにより自分の好きなタイミングでバトルに挑めるようになっている。
オリジナル版ではエンカウント率が高く、また入り組んだ迷路のような構造のダンジョンも多く同じ道を繰り返し移動する場面などが多々あり、戦闘が重なってアイテムやHP/MPの減りがストレスになりやすかった。
レベル差のある弱い敵は緑、強敵は赤、適正レベルの敵は青と見た目で判断が可能
加えて「特技」システムの「音楽」や「スカウト」などを利用することで、レベル上げ、お金稼ぎ、アイテム収集などを効率的に行うことが可能となっている。
新旧のシステムの良いところをマッチングさせ、より良いものに昇華できているゲーム性にはかなりの驚きがある。
そしてワールドマップ上の移動もファストトラベルシステムが導入されており、移動時間が極端に減少した。
街ごと、キャラごとに用意されているサブイベント「プライベートアクション(PA)」などを行う際には、仲間が増える毎に街を行ったり来たりするものだが、ファストトラベルで移動の時間短縮が可能だ。
オリジナル版では、「カモンバーニィ」を多用して、山超え、川越え(海は超えない)街を行ったり来たりしたのはいい思い出だ。
カモンバーニィでワールドマップを探索するのはデフォです。
バトルシステムの新要素と絶妙な難易度調整
『SO2R』に限らず、RPGの醍醐味である戦闘面のリメイクシステムはどのようになっているか?
画像はSO2SEの公式PV
まず前提として、『SO2オリジナル』の時から、バトルシステムはかなり完成度の高いものだと個人的には思っている。
エンカウントすると3Dフィールド内に敵味方が配置され、縦横無尽に動きながら通常攻撃+必殺技・紋章術を駆使して敵を駆逐するアクション要素の高いバトル。
中盤以降は敵味方含め派手な演出の技や紋章術が頻発するので、何が起こっているのか分からない(気づいたら操作キャラ死んでることが多々)という爽快?さが持ち味である。
敵もハメ技してきて、開始10秒即死は余裕でしたね、ガブリエル(裏ボス)。とあるランキングではPS史上TOP5に入る強敵。
バトルシステムの新要素としては、「ブレイクシステム」と「アサルトシステム」「隊列効果」が目立った追加要素だろう。
■ブレイクシステム
敵対キャラにシールドが新たに与えられて、シールドを削り切るとブレイクするというシステムが新たに導入されている。
シールド要素が加わったことにより、ボス戦での立ち回り方に工夫が必要な場面が生まれたようにも感じた。
レベルを上げて物理で殴れば解決できなくもないが、味方キャラの必殺技に「ブレイクタイプ」が加わっているので、必殺技の使い分けなどをうまくできればよりスムーズに戦闘ができるだろう。
『SO2R』は難易度が3段階(プレイ中にいつでも変更が可能)用意されており、高難易度低レベルクリアなどの縛りプレイ好きには重要な要素となりそうだ。
■アサルトシステム・アサルトアクション(AA)
戦闘中、十字キーに割り当てたキャラクターを任意のタイミングで呼び寄せることが可能だ。
戦闘メンバー以外のパーティーキャラを割り当てられるので、待機メンバーを活躍させるシーンが作れる。
より強力なAAが必要であれば、待機メンバーのレベル上げも重要になってくるので、ベンチ温めてもらっているわけにもいかなくなるだろう。
また、世界の各地で入手できる、「ジュエル」があれば、AAで歴代のスターオーシャンの主人公を召喚が可能だ。
■隊列効果
『SO2オリジナル』では、戦闘開始位置の設定ができるのみだった隊列編成だが、『SO2R』では戦闘中に貯めることが可能なボーナスゲージによって、隊列毎に設定されている「ボーナス効果」の恩恵が発動する。
ATKが10%上がったり、経験値ボーナスをもらったりなど。隊列はイベントやミッションなどをクリアすれば入手できるので、状況に合わせて隊列を組み替えよう。
バトルシステムまとめ
他にもジャストカウンターやエネミーリンクなど、リメイク要素はふんだんに盛り込まれている。
元々の完成度高いバトルシステムに、スクエア・エニックスが培ってきた様々なゲームの要素をクロスさせた印象で、完成度高く昇華されていると思える。
ブレイクシステムはあれど、強敵は相変わらず強敵なので、飽きずにプレイできるとまとめておこう。
やばい。新要素多すぎて説明しきれない。とりあえず、盛りだくさんの要素を使いこなすまでが大変かも。
あなたは誰推し?私はレナ推し
『スターオーシャンシリーズ』の魅力の一つは、個性豊かな味方キャラクターの存在である。特に『SO2オリジナル』では、進むルートによって味方にできるキャラクターが異なり、「全て」のキャラクターを同時にパーティにはできない。
ゲーム開始時に「クロード」か「レナ」を選択するが、その時点で、「レオン」か「ディアス」どちらかしか正式な仲間に入れられないのだ。(レオンなどはゲストキャラとして一時的に加わる)
そんな中どのようにパーティ編成をするか迷うところだろうが、強さだけを追い求めるだろうか。
否、個人的には「一緒に旅をして楽しめる仲間」でパーティを組むべきだと考えている。
どのキャラクターも一長一短があるし、使えないダメキャラは『SO2R』にはいないと思える。まぁ、パーティのバランス次第だが。
仲間を決める一番の決め手は「好みのキャラクター」「癖に刺さるキャラクター」で選ぼう。
筆者は大真面目に言うが「レナ」推しである。
声、仕草がかわいい。とてもいい。性格などには言及しない。
ここまでこの記事に目を通している方はどうぞ、自分の推しが誰か答えてみてもらいたい。
オペラお姉さんの魅力も捨てがたいし、セリーヌ嬢の色気もいい。釘宮理恵さん演じるプリシスの幼女っぷりは何かに刺さりそうだし、レオンの生意気なショタ感は保護欲をそそる。
イケオジ、イケメン、幼馴染、美女。あらゆる属性に刺さるキャラクターのなか、アタナは誰を選ぶだろうか?
レナが醸し出す「サラマンダーより、ずっとはやい!!※」感がトラウマを引き起こしそうだが、好感度システムもあるので、エンディングに誰を選ぶかは選択できる。
※『バハムートラグーン』のヨヨ姫の迷言
結論:時間が吹っ飛ぶ神ゲーです。
個人的な主観満載でつらつらと語ってしまったが、『SO2R』に関しての本音レビューの総括をしよう。
購入して損なし!!時間がある限りやり込んでしまうだろう。
『SO2オリジナル』をクリア済みの方で『SO2R』を未プレイであれば、プレイしてみてから批判する所見つけてみて欲しい。真面目にダメなところが見つからない。
『SO2』を未プレイの方は置いてけぼり感があったかもしれないが、当時神ゲーと認定されたゲームのリメイクを、懐古しているおっさんが満足できる出来栄えを一度は体験してみるのはいかがだろうか。
公式Xで公開された制作陣からのメッセージ
クリア前ですが、クリア後&2週目からが本編だと思う
ダメなところがないと言ったが、一つ訂正しよう。本作は満足行くまで遊ぶにはかなりの時間を要するタイトルだ。
寄り道をほぼせずにスムーズにクリアするまで約40時間くらいが目安。(ストーリー進行2/3で30時間ほどプレイ)周回プレイや、クリア後のエクストラダンジョン、裏ボスに挑むとなると80~100時間のやりこみ要素があるだろう。
クリア後の特典や周回時点のリメイク要素などまだ未確認な部分も多いので、ハッキリと伝えられないのが残念だ。原作のプレイの記憶を思い出すに、本編クリアが序章になることだろう。
発売日など基本情報
発売日 |
Switch: 2023年11月2日 PS5: 2023年11月2日 PS4: 2023年11月2日 PC: 2023年11月3日 |
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会社 |
SQUARE ENIX |
ジャンル | アクションRPG |
対応ハード | Switch / PS5 / PS4 / PC |
タグ | |
価格 |
Switch : 5,980円(税抜)
PS5 : 5,980円(税抜)
PS4 : 5,980円(税抜)
PC : 5,980円(税抜)
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最大プレイ人数 |
1人
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公式HP | |
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