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『超探偵事件簿 レインコード』発売。『ダンガンロンパ』との最大の違いは、名キャラ・死に神ちゃんの「ある貢献」だ
Switch PS5 PC Xbox
2023年6月30日 発売中
レビュー
総合点
カジュアル
ゲーマー

『超探偵事件簿 レインコード』発売。『ダンガンロンパ』との最大の違いは、名キャラ・死に神ちゃんの「ある貢献」だ

最終更新 :
超探偵事件簿 レインコード

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震えながら、ゆっくり扉を開けると――。

恐る恐る足を踏み入れたそこは殺人現場。じっとりとした、底冷えするような空気が這い寄ってくるのをあなたは感じる。

部屋の中央には、人のカタチをした「もの」が転がっている。それが生命としての活動をすでに終えてしまっていることは、周りにおびただしく流れているピンク色の血が証明していた――。

『超探偵事件簿 レインコード』発売。『ダンガンロンパ』からさらなる進化を遂げた…の画像

ピンク色の血……。ピ、ピンク色……?

こ、これは……『ダンガンロンパ』の血だ〜〜〜!!!

何の話かというと、本日6月30日に発売された『超探偵事件簿 レインコード』のこと。

『超探偵事件簿 レインコード』発売。『ダンガンロンパ』との最大の違いは、名キャラ・死に神ちゃんの「ある貢献」だの画像

2017年以来、6年越しに『ダンガンロンパ』のスタッフが集結して生み出した新作だ。同じスタッフが作っているだけあって、基本的なシステムや雰囲気、デザインには多くの共通点が見つけ出せる。

血の色もその一つで、ではなくショッキングピンクで描写される血が『ダンガンロンパ』のシビアながらもポップな世界観を強烈に印象づけているのだが、その世界観を受け継ぐ作品が現れたというわけだ。

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▲『ダンガンロンパ』の出血シーン(イメージ・筆者画)。これをまた見れるだけでも、「もう新作は出ない」と悲しみに暮れていたファンにとっては朗報だろう。

同時に、これは決して『ダンガンロンパ』の”続編”ではないということも言っておかなければいけない。単に時代が経ってUIやグラフィックが進化したという話ではなく、「ある理由」によって根本的に「面白さ」の質が変わっているのだ。

そんなわけでこの記事では、

  • ・『ダンガンロンパ』と共通する部分は何か
  • ・『ダンガンロンパ』から進化した部分は何か

をまとめてみた。『レインコード』の購入を迷っている人、『ダンガンロンパ』ファン、名前は聞いたことあるけどプレイしたことがない人、それぞれにわかりやすい文章を心がけたのでぜひご一読いただきたい。

『ダンガンロンパ』シリーズとは?

『超探偵事件簿 レインコード』発売。『ダンガンロンパ』からさらなる進化を遂げた…の画像

「閉じ込められた少年少女が、次々と起こってしまう殺人事件の犯人を暴き出す」という内容のハイスピード推理アクションシリーズ。これまでに本編としては3作(※)出ている。

犯人側も推理側も、負けたら”死”が待っているというのが共通のルール。アクが強いのに好きになってしまうキャラクター、怒涛のストーリー展開、アクションゲームのような独特の謎解きが特徴だ。

※『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』の3作。

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▲第1作『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』の主人公・苗木誠。

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▲シリーズを通じて登場するマスコットキャラクター兼悪役・モノクマ。

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▲メインは「学級裁判」と呼ばれる、議論によって事件の犯人を明らかにしていくゲーム。

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▲ゲームは「調査パート」と「学級裁判パート」に分かれており、調査で見つけた手がかりを学級裁判で活用していく。

目次

※以後、背景白の画像は『ダンガンロンパ』シリーズより。
※本記事はスパイク・チュンソフトの提供によりお届けしています。

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ファンをニヤリとさせる、『レインコード』と『ダンガンロンパ』の共通点

「調査」→「推理」という基礎がまず面白い

『レインコード』の大まかな流れは以下のようなもの。

①事件に遭遇する

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②事件について調査する

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③「謎迷宮」で事件の謎を解く

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謎迷宮とは主人公の相棒キャラ・死に神ちゃんが干渉できる、謎を解くためのナンデモアリ空間。現実とは異なる時空に行って事件の概要を整理し、現れる謎を一つずつ解いていくためのステージだ。

謎迷宮パートは、『ダンガンロンパ』で言えば学級裁判パートに当たる。つまり基本的なプレイの流れは「調査パート」→「推理パート」であり、『ダンガンロンパ』を踏襲していることがわかるだろう。

そして『レインコード』は、この調査→謎解きが『ダンガンロンパ』同様に破天荒に面白い

『超探偵事件簿 レインコード』発売。『ダンガンロンパ』との最大の違いは、名キャラ・死に神ちゃんの「ある貢献」だの画像

▲謎迷宮パートの最後に事件の全貌を整理する「超推理フィナーレ」などは、名称は違えど『ダンガンロンパ』でもよく見知ったシステム。

推理ゲームで、「調査パートの時点で犯人も殺害手口も目星がついてしまい、あとは主人公が追いつくのを待っている」という状況を体験したことはないだろうか。状況的に絶対◯◯が犯人なのに……と思いながら主人公に付き合ってあげる時間は、端的に言って退屈だ。

なぜこうなってしまうのかというと、推理ゲームというジャンルにおいて「難易度設定」が至難の業だからだろう。子どもからお年寄りまで、頭の回転も経験も異なるプレイヤーたちを等しく楽しませるのは、決して容易ではない。

『超探偵事件簿 レインコード』発売。『ダンガンロンパ』との最大の違いは、名キャラ・死に神ちゃんの「ある貢献」だの画像

『ダンガンロンパ』そして『レインコード』はこれを、あるバランス感覚によって解決している。それは、「調査パート時点では万人に難しくしておいて、謎解きパートで懇切丁寧に正解に導く」というものだ。

調査パートだけでは、どんなにミステリ慣れしている人でも事件の全貌はなかなか見えてこない。しかしひとたび謎解きパートに入り一つひとつの問いに答えていけば、誰もが犯人や真相にたどり着き、謎を解く快感を味わえるようになっているのだ。

これは、推理ゲームファンも初心者も同様に楽しめる良質なバランスの取り方。『ダンガンロンパ』から引き継がれた美点だと言えるだろう。

ブラックユーモアと美的センス

『ダンガンロンパ』シリーズといえば、ちょっぴりお下劣だったりちょっぴり悪意があったりするシナリオ・演出のセンスもファンを引き付けてやまない。

上に載せた死に神ちゃんの嘔吐シーン口からアイテムを出してくれているシーンを見るだけでもわかりそうだが、『レインコード』にもそのセンスはしっかり受け継がれている

『超探偵事件簿 レインコード』発売。『ダンガンロンパ』との最大の違いは、名キャラ・死に神ちゃんの「ある貢献」だの画像

▲『ダンガンロンパ』の「ちょっぴり悪意のあるキャラ」代表格、『ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期』より王馬小吉。

もっとも、そのブラックさは(人によって感じ方は違うだろうが)決して不愉快ではない。むしろ痛快だったり笑いを誘ったりして、シナリオにおけるよきアクセントとなっている。

キャラクターにしても善人・悪人どちらも魅力的で、「クリアしたあとにはなんだかんだ全員好きになってしまった」というのもよくあること。『レインコード』においてもクセスゴオモロキャラの数々があなたを待ち受けていることだろう。

▲『レインコード』キャラクタートレーラー 世界探偵機構編①。この時点でどのキャラももう面白い。

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『レインコード』と『ダンガンロンパ』の相違点

「本筋」に進化したアクション要素

雨が降りしきる舞台設定や直感的に進化したUIなど、もちろん『レインコード』には『ダンガンロンパ』と異なる点が多数ある。しかしここでは、その中でももっとも大きな違いを取り上げたい。

それは、「死に神ちゃん」というキャラがいることだ。

『超探偵事件簿 レインコード』発売。『ダンガンロンパ』との最大の違いは、名キャラ・死に神ちゃんの「ある貢献」だの画像

▲見よ、この神々しい輝きを!!

……か、かわいいキャラが一人いるだけの話かよ!とツッコむのはちょっと待ってほしい。まぁ「死に神ちゃん」はもちろんかわいいのだが、言いたいのはそういうことではない。

死に神ちゃんはそのありあまるかわいさ以外にも、このゲームを一段上の楽しさに持っていってくれるある「貢献」をしているのだ。

『超探偵事件簿 レインコード』発売。『ダンガンロンパ』との最大の違いは、名キャラ・死に神ちゃんの「ある貢献」だの画像

▲言うまでもないが、『ダンガンロンパ』でもかわいいキャラはめちゃくちゃいる(一説によると全キャラかわいい)。画像は『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』の舞園さやか。

あくまでサブ要素だった『ダンガンロンパ』のミニゲーム

『超探偵事件簿 レインコード』発売。『ダンガンロンパ』との最大の違いは、名キャラ・死に神ちゃんの「ある貢献」だの画像

▲『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園 』のミニゲーム、「閃きアナグラム(改)」。たとえばキーワードが「ナイフ」なら、画面上を流れる文字から「ナ」「イ」「フ」の順に文字を選べばクリアとなる。

『ダンガンロンパ』の学級裁判パートには、アクション要素のある謎解きミニゲームが登場する。たとえば「動く文字を狙撃してキーワードを作り上げる」「ボードに乗って正しいコース=謎に対する正しい分岐を選ぶ」といったもの。このアクション要素が、『ダンガンロンパ』独自の面白さを形成している。

ただ、ミニゲーム一つひとつはシンプルで、アクション要素はあくまでサブ扱いだった。せっかく「推理×アクション」の見せ場なのだから、もうちょっと派手な演出やアクション性がここにあってもいいのでは? と思うプレイヤーもいただろう。

『超探偵事件簿 レインコード』発売。『ダンガンロンパ』との最大の違いは、名キャラ・死に神ちゃんの「ある貢献」だの画像

▲スノボを模したレースゲーム形式で正しい選択肢を選ぶ「ロジカルダイブ」。コースには加速ポイント・ジャンプポイントが散在する。

しかし、『ダンガンロンパ』は基本的に「議論」のゲーム。議論そのものに、切った張ったのアクションが存在するわけではない。

だからミニゲームは「ちょっとだけ」非現実的な演出を加えるのだが、この演出が行き過ぎると「あれ、いま裁判中じゃなかったっけ……?」とプレイヤーを混乱させてしまう。

『超探偵事件簿 レインコード』発売。『ダンガンロンパ』との最大の違いは、名キャラ・死に神ちゃんの「ある貢献」だの画像

▲あくまで本筋は議論。アクション要素が目立ちすぎると、議論を邪魔してしまいかねない。

ここに『ダンガンロンパ』のジレンマがあったのではないか、と推察できる。つまり「推理×アクション」を組み合わせていくらでも面白くできるのに、設定的にはっちゃけすぎてしまうと違和感が生じ、プレイヤーが乗り切れなくなってしまうということだ。

これはあくまで個人の推測に過ぎないが、もしかすると『ダンガンロンパ』は、アクション要素をこれ以上盛りたくても盛れなかったのではないだろうか?

謎迷宮という「発明」

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▲「閃きアナグラム(改)」と同様に文字を入れていくゲームだが、なんと死に神ちゃんが標的の黒ひげ危機一発になっている。

では『レインコード』はどうか? 『レインコード』には、死に神ちゃんがいる。死に神ちゃんはその不思議なチカラで、謎迷宮に干渉できる。これこそが死に神ちゃんが果たしているどデカい貢献だ。

謎迷宮という発明で、『ダンガンロンパ』が抱えていたジレンマは見事に解消される。そこは現実ではないのだから、どんな場面になっても構わないしどんな敵が出てきても矛盾しない。そこに事件現場を再現して、じっくり手がかりを探してみてもいい。

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▲敵の主張が攻撃として飛んでくるので、それを剣でたたっ斬る。裁判中にこんなことをしていたら「?」となってしまうが、ここは謎迷宮なのでまったく問題ない。

アクション要素RPG要素も遠慮せずに入れられるし、非現実的な演出だってブレーキを効かせる必要はない。敵は怪人にしてしまえばいいし、謎は岩石として降りかかってくればいい。

「謎」に「アクション」で立ち向かうゲームとして、これほどすばらしい設定があるだろうか。そして、派手なこと好きで発想力が高く、ヘンなことを考えさせたら一級品のこの制作陣にぴったりな設定があるだろうか。「謎迷宮」はまさに、生まれるべくして生まれた発明なのだ。

なぜそこまでして「アクション」が必要なのか

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人によっては、『ダンガンロンパ』も『レインコード』も推理ゲームなんだから、アクション要素はいらないのでは? と思うかもしれない。

それはそれで好みの問題でもあるし、一つの意見としては正しい。だが、実際に『レインコード』をプレイすればきっとそんな疑問は吹き飛ぶだろう。

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『ダンガンロンパ』が発見し、『レインコード』が昇華した事実はこうだ。「推理とアクションは相性がいい」。より正確に言うと、「正解する快感」「ものをぶっ壊す快感」が融合したとき、これまで他のゲームでは味わったことがないシビれる感覚を体験できるのだ。

こればかりは実際にプレイしてもらわないことには伝えきれない。だから「面白いのかどうか…」「買うべきかどうか…」などと迷っている人がいるのならこう言ってあげよう。

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悪いこと言わないから今のうちに買っとけ!!!!

悩んでるうちにネットでネタバレ踏んでも知らんぞ!!!!

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『レインコード』の基本情報

発売日

Switch: 2023年6月30日

PS5: 2024年7月18日

PC: 2024年7月18日

Xbox: 2024年7月18日

会社

Spike-Chunsoft

ジャンル アドベンチャー
対応ハード Switch / PS5 / PC / Xbox
タグ
価格
Switch : 6,345円(税抜)
PS5 : 6,350円(税抜)
PC : 6,350円(税抜)
Xbox : 6,350円(税抜)
最大プレイ人数
1人
公式HP
公式Twitter

©Spike Chunsoft Co., Ltd. All Rights Reserved.

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GameWith編集者情報

サイートのプロフィール
サイート
考察厨。好きなジャンルはRPG、アドベンチャー、謎解き。ゲームのシナリオや構造のことであーでもないこーでもないと考えるのが好き。
幼少期から好きなソフトを周回しまくる習性があり、「ドラゴンクエストⅤ」「ドラゴンクエストⅥ」の通算クリア回数はそれぞれ30回を超えている。

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