
「これは、凶悪な敵が登場したり、人類が存続の危機に陥るようなゲームではありません」
「パズルと物語を楽しむ、穏やかなアドベンチャーゲームです」
それが開発陣からのメッセージだった。
そのときは、その言葉を何の疑いもなく受け入れたのだが……。

▲多彩なパズルを収録。
筆者は、2026年4月16日(木)に開催された、とあるメディア向けのプレビューイベントに参加していた。それが、今回紹介する『D-トピア(D-topia)』である。
本作は、京都の開発スタジオMarumittu Gamesと、アメリカのパブリッシャーAnnapurna Interactiveがタッグを組んで手掛ける、パズル・アドベンチャーだ。発売は2026年7月14日(火)。
冒頭のメッセージは、このイベントで流された開発陣の紹介動画の一幕。

▲柔らかくて優しいキャラクターデザインが魅力的。
可愛くて柔らかいキャラクターたちと、白を基調とした爽やかなデザイン。優しさに満ちたゆったりとした台詞の数々。「幸せとは何か」を問うテーマ。どこをどう切り取っても、筆者には安心してのんびりプレイできるゲームに感じられた。
そのときまでは──
今回、筆者はデモ版をプレイする機会を頂いた。時間にして20〜30分で終了する短いデモだ。しかし、その短い試遊時間の中で、本作が単なるパズル・アドベンチャーではない「何か」を感じさせられた。
一言でいうなら「不穏」なのだ。
きれいでかわいい見た目の裏に、得体のしれない深淵が潜んでいそう……。今回は、そんな「気配」が見え隠れするプレイレポートをお届けする。
目次
D-topia
2026年7月14日 発売予定
各ストアで詳細をチェック!
AIが描く完璧な楽園に潜む、わずかな違和感

▲穏やかな生活が始まろうとしている……と、思ったのだが。
「最大多数の最大幸福を!」
これが、本作の舞台である「D-トピア」のスローガンだ。
人工知能に完全管理された、夢のような未来の居住区。プレイヤーは、「No.046」というIDを与えられた「シロー」を操作し、新任の「施設整備士(Facilitator)」となって、居住区内で発生する不具合を修正する、要するに人助けをしながら進めていく。
白を基調とした清潔で穏やかな世界観の中で、小型AI「ドロイド」の指示に従って生活するだけで住民は幸福を感じられるよう設計されている。

ゲームを開始すると、プレイヤーはこぎれいなホームのベッドで目覚める。テーブルには美味しそうな朝食が用意されていて至れり尽くせりだ。
トーストにベーコン、目玉焼き、サラダ、デザートのヨーグルトまである。とても美味しそうだ。しかし、筆者の違和感はここから始まる。なぜか、食材が全て真四角なのだ……。
ベーコンやフルーツ、野菜までもが見事に四角い。確かにデザインワークの可能性は捨てきれないけど、食べ物だけが妙に四角くデザインされているのは気になる。
食事はひとまず置いておいて、出勤するためにドアを開けようとすると、ホームドロイドに「その状態のまま 外出するのは あまり オススメしません」と、咎められる。どうやら、顔を洗って着替えないと外にすら出られないようだ。徹底的な行動管理の下で生活している様子がうかがえる。

▲どれだけ直そうとしても、なぜか倒れてしまう消火器。
ファクトリーに出勤する道中でも違和感は続く。
なぜか倒れている消火器を発見。正しい位置に戻そうとするのだが……いくらやっても、見えない何かに阻まれて、また倒れてしまう。筆者は50回くらいトライしたのだが、遂に元に戻すことはできなかった。筆者の頭の中は「???」である。
諦めて出勤の途に就く筆者。道すがら住民たちに話しかけると、口をそろえてD-トピアに暮らす素晴らしさを語っている。
確かに素晴らしい世界に見える。でも、何か違和感がある……。
こうして、筆者のD-トピアでの暮らしが始まった。
D-topia
2026年7月14日 発売予定
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つい、残業したくなる面白さ! ギミック満載のロジックパズル

▲ブロックを所定の位置まで動かすシンプルなパズル。しかし、なかなか手ごわい。
D-トピアの住人は全員、大人はファクトリーで労働し、子どもはスクールで勉学に励む。AIが管理するユートピア計画では、本来、働く必要はないのだが、D-トピアでは敢えて働くシステムを残しているのだという。
プレイヤーが取り組む仕事は「パズルを解く」こと。本作には様々なパズルが収録されていて、普段の労働や、街中で発生した機械の故障修理など、プレイヤーは「パズル」を解いて、これらの問題を解決する。
デモ版でプレイできたのは、複数のブロックを指定された場所まで運ぶというシンプルなパズル。誰でも直感的に楽しむことができる、楽しい論理パズルだ。

▲さまざまなパズルが多数収録される予定。
しかし、シンプルだからといって「簡単過ぎる」ことはない。パズルが進むにつれて「数値ブロック」や、特定の場所にブロックを置かないと解除されない「障害ブロック」、通過するとブロックに書かれた数字が加算される「足し算ライン」など、多彩なギミックが登場する。
こうしたギミックを組み合わせて、徐々に複雑なパズルへとグレードアップしていく。「あれがこうだから、これがこうなって……」と、普段は休みっぱなしの筆者の脳をいい感じでかき回してくれる。
規定数のパズルをクリアすると労働終了だ。D-トピアでは労働報酬を「Uポイント」と呼ばれる独自通貨で支払う。マップに点在するショップや自販機で使用でき、感謝のしるしとして他人に送ることもできるそうだ。

▲住人の困りごとやドロイドの故障もパズルで解決。
プレイヤーは任意で「追加の就労」をすることで、さらにボーナスを受け取れる。筆者は別にボーナスはいらなかったが、パズルやりたさに残業し、ひたすら頭の体操を楽しんでしまった。
仕事がパズルを解くことなら、「ここに住むのも悪くないな」と、軽く思ってしまうくらいパズルは面白かった。他にも様々なパズルが収録されていると考えると、パズルゲームとしてのポテンシャルは十分に期待できると感じた。
正直、パズル中は違和感などすっかり忘れていた。
D-topia
2026年7月14日 発売予定
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これは本当に穏やかなゲームなのか? 突然の不穏「ブロックサイド」

▲穏やかでクリーンな世界の裏側には……
D-トピアの労働は基本的に午前中だけで、午後からは自由時間だそうだ……。
うおお、マジっすか! 今すぐ引っ越ししたいんですがどうしたらいいですか!?
などと怠惰なことを考えながら、──っていうか筆者はいつも怠惰に暮らす方法を考えていますが──中央ホールをプラプラと散策していると、いよいよ筆者の感じていた違和感が現実味を帯びてきた。
それが「ブロックサイド」だ。これこそが、本作最大の「違和感」であり、本作に感じた「不穏さ」の核心に迫る裏側の世界なのだ。しかも、施設整備士である主人公のシローにしか見えない世界でもある。

▲薄暗く不穏な世界が隠されていた!
プレイヤーは、とあるショップで故障したショップドロイドと遭遇する。トットという住人から、その修理を依頼され、店内の「視覚システム」のスイッチを押した途端、景色は一変する。
それまで、白く清潔だった表の世界が消え、ダークグレーとブルーのネオン色を基調とした無機質で殺風景な舞台裏が突如現れるのだ。
そこは、絶えず工場のような騒音が流れる暗い場所だ。壁面いっぱいに陳列された商品は消え、浮いているはずのドロイドを支える柱が現れる。そして、しゃべる白いネズミが、陳列棚の上で哲学的なことを話している。
完璧に思えたシステムの不気味な裏側。これこそが、ゲーム開始当初から筆者が感じていた違和感か!

▲筆者のお気に入り、哲学白ネズミ。愛らしくて可愛くて、頭がいいのだ。
その後、筆者はショップドロイドをパズルで修理し、視覚システムのスイッチを押して、上っ面の白い世界へ戻るわけだが、これは一体、何を意味するのだろうか……。残念ながら、全ての謎を内包したまま、デモはここで終了する。
おおい、急にどうした? これは本当に、「凶悪な敵が登場しない、パズルと物語を楽しむ、穏やかなアドベンチャーゲーム」なのか!? いたるところに「不穏」の種がばらまかれているように感じるのは筆者だけですか。
考えても仕方がないから、また残業パズルでもプレイしてこよーっと。
D-topia
2026年7月14日 発売予定
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可愛い見た目に騙されるな。意味深すぎるADV

▲シローの物語はどこへ向かうのか……。
さらに、デモの終わりに、断片的なメッセージが表示される。筆者は、その最後の一文に最大の不穏さを感じてしまった。それは、こんなテキストだった。
Resident compatibility confirmed as Type D.
No problems or defects.
居住者適性はDタイプと確認されました。
問題も「欠陥」もありません。
違和感は「defects(欠陥)」という単語。これ、人に対して使うには、ちょっと冷たい印象がある。機械や製品検査に使うような言い回しだからだ。

▲様々な住人が登場するナラティブドリブンなゲーム性。
表向きは完璧なユートピアを謳いながら、その裏では「適性分類・職能配分・品質管理」で人選が成り立っている……?
そう考えると、そもそもタイトルの『D-トピア』自体が、「Dystopia(ディストピア)」を示唆しているのではないか?と勘繰りたくもなる。
大多数の人が楽園と呼ぶ場所で、プレイヤーは果たして何を見るのか。そしてそれは、人々を喜びに導くのか、それとも絶望へ向かわせるのか。

▲プレイヤーは何か大きな決断を下すことになるという。
この謎の答えは、7月14日(火)まで待つしかない。
D-topia
2026年7月14日 発売予定
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発売日など基本情報
| 発売日 |
2026年7月14日 |
|---|---|
| 販売元 |
Annapurna Interactive |
| ジャンル | パズル アドベンチャー |
| 対応ハード | PC / PS5 / Switch / Switch2 / Xbox |
| タグ | |
| 価格 |
PC : 未定
PS5 : 未定
Switch : 未定
Switch2 : 未定
Xbox : 未定
|
| 最大プレイ人数 |
1人
|
| 公式HP | |
| 公式X |
D-topia
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GameWith編集者情報

| フリーランス物書き。ドーナツ食べながら子どもとゲームするのが至高。好きなジャンルはインディーズとFPS/TPS。ゲームの腕前は皆無のポテトゲーマー。ジャンルやタイトルにとらわれずゲーム業界全体に興味があります。ゲーム以外にはアウトドア系やローカルニュースなどを執筆中。普段は塾講師、ときどきラジオパーソナリティ。 |
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