
ローグライトとマッチ3パズルの融合が生む新感覚
『Dialoop(ダイヤループ) -パズルでローグはじめました-』は、バイキングが手がけるPC(Steam)向けのオリジナルタイトルで、ジャンルを分けるとすると「ローグライト×マッチ3パズル×デッキ構築」だ。
毎回条件が変わるローグライトの緊張感と、3つ以上ブロックをそろえて消すマッチ3パズルの直感的な気持ちよさが、1本のゲームにまとめられている。
プレイヤーはボクセル調のキャラクターたちと共にステージを進み、盤面のブロックを3つ以上そろえて消しながらポイントを稼いでいく。

▲かわいらしいキャラクター。能力がそれぞれ異なる。
連鎖がつながると一気に盤面が崩れ、思わぬポイントの大量獲得につながることも少なくない。ブロックの落ち方や購入できるレリック(アイテム)、ショップの品揃えには偶然性があり、プレイのたびに展開が変わるのが本作の大きな特徴だ。

▲さまざまな能力を持ったレリック。キャラやデッキとの相性が重要だ。
1プレイごとにキャラクターやデッキ構成、取得したレリックの組み合わせが変化し、自分なりの「型」を探す楽しさがある。
ゲームモードは2種類あり、ひとりでじっくりパズルを解きつつビルドを育てていく「ひとりでパズル」モードに加え、最大8人で競う「みんなでパズル」モードにも挑戦できる。
頭を使って盤面を読みつつも、多人数プレイによる偶然にも振り回される。その両方を味わえるモードなのだ。

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デッキとレリックで「自分の型」を作る

『ダイヤループ』のベースになっているのは、誰もが一度は触れたことがあるであろうマッチ3パズル。
盤面に敷き詰められたブロックを動かし、同じ種類のブロックを3つ以上そろえると消える、というわかりやすいルールだ。
そろえ方や消える順番によっては連鎖が発生し、連続してブロックが消えていく。条件に合う消し方をすると大きな連鎖も狙える「SPブロック」が出現して、それにより大きな塊を一気に消したり、連鎖できたときの爽快感は、マッチ3ならではのものだといえる。

ここにローグライトとデッキ構築の要素が加わることで、本作ならではの奥深さが生まれている。
プレイヤーは最初に使用キャラクターを選び、それぞれが持つ固有の初期デッキを土台にしてプレイを始める。
本作のデッキは盤面に落ちてくるブロックの種類を決める要素であり、「どの色を多めに入れるか」「どの特殊ブロックを組み込むか」といった方針によって、プレイ感ががらりと変化する仕組みになっている。

▲本作のデッキは、盤面に出現するブロックの組み合わせ。性質もさまざまだ。
ステージを進めていくと、ショップでレリックと呼ばれるアイテムを入手できる。
レリックは「特定の色を消したときの効果を強化する」「連鎖がつながるほどボーナスが増える」「コインを貯め込むほど強くなる」といったさまざまな効果を持ち、どれを取るかによって消し方の方向性が定まっていく。

単色寄りのデッキで一撃の威力を高めるのか、多色構成で柔軟に構えつつレリックで威力を底上げするのか。あるいはマイナス効果も抱え込む代わりに爆発力を得る「リスク型」に挑むのか。
基本ルールは「3つ以上そろえて消す」とシンプルだが、デッキとレリックの組み合わせによって、プレイヤーごとにまったく違うパズルになる。
1プレイごとに選択肢と偶然が積み重なり、「今回はこのレリックが出たから、この型で攻めてみよう」と自然に戦略を変えていく。その繰り返しが、本作の遊びの根幹となっている。
バトルロイヤル形式で進む「みんなでパズル」

本作のもうひとつの柱が「みんなでパズル」モード。こちらは最大8人が同時に参加するバトルロイヤル形式で、プレイごとに成績下位のプレイヤーから順に脱落していくルールになっている。
ひとり用で鍛えた自分の「型」が対人環境でどこまで通用するのかを試す場であり、スコアの伸びや盤面処理の速さがそのまま生存率に直結し、時間制限もあるためひとつひとつの手に自然と力が入る。
試合時間はそこまで長くなく、気軽に参加しやすいのも魅力だ。序盤から他プレイヤーのスコア表示に追い立てられ、ギリギリのところで連鎖をつなげて下位脱出に成功したときの「生き残った感」は、ひとり用とはまた違った種類の快感だ。

逆に、よいビルドが組めているのに一瞬の判断ミスで連鎖を逃し、そのまま脱落してしまうといった悔しさも味わうことになるが、その悔しさがそのまま「今度こそ勝つ」というモチベーションに変わる。
「ひとりでパズル」で培った経験やビルドを対戦で試し、対戦での失敗を踏まえてビルドを見直す。この往復が、本作を長く遊び続けたくなる大きな要因になるだろう。
ローグライトの戦略性、マッチ3パズルの爽快感、デッキ構築の自由度。そして、8人で争う「みんなでパズル」のはらはら感。
これらの要素がバラバラに並んでいるのではなく、互いに作用し合って「自分だけの一手」を探す楽しさにつながっているところが、『ダイヤループ』というゲームの核だ。
まとめ/簡単すぎないパズルを求める人に
『ダイヤループ』はマッチ3パズルのわかりやすさと、ローグライト&デッキ構築の奥深さを同時に味わえるタイトルだ。
毎回異なる展開の中でレリックとデッキを組み合わせ、自分のプレイスタイルに合った「型」を探していく過程には、ほかのパズルゲームにはない中毒性がある。
ボクセルキャラクターが繰り広げるコミカルで少し過激な演出も、プレイ体験を印象づけるスパイスになっている。

ゲーム初心者に向けては、「まずはひとり用モードで、ブロックを3つ以上そろえて消す気持ちよさを味わってほしい」とアドバイスしたい。
チュートリアルや初心者向けキャラクターが用意されているので、難しいことを考えずに遊び始めても問題ない。遊んでいるうちに自然と「この色を残しておくと強い」、「このレリックを取ると一気に楽になる」といった感覚が身についていくはずだ。
一方、ローグライト好きには「マッチ3パズルならではのシナジーとビルドの「型」を見つける楽しさが詰まった作品」として推したい。
毎回異なるレリックとデッキの組み合わせからビルドを組み上げる快感は、本作ならではだ。ひとりでじっくりビルドを詰めたい人も、8人対戦の「みんなでパズル」で腕試しをしたい人も、どちらの欲求も満たしてくれる。

「簡単すぎるパズルには飽きたが、ただ難しいだけのゲームも違う」。そんなプレイヤーにこそ、一度触れてみてほしい。
開発スタッフインタビュー
ローグライト×デッキ構築×マッチ3パズルという、ありそうでなかった組み合わせに挑む本作。開発を手掛ける株式会社バイキングの大竹秀人氏と庄子高広氏に、本作の遊び方やレリック設計の裏側、ビジュアル表現の狙いまで話を聞いた。

▲ディレクターの大竹秀人氏(左)とプランナーの庄子高広氏(右)。
「ブロックを消す気持ちよさ」をシンプルに楽しんでほしい
――初めて遊ぶプレイヤーに向けて、気持ちよく遊ぶコツや意識してほしいポイントを教えてください。
大竹氏:コツというほど大げさなものではないのですが、まずは「根気よく続けること」ですね。サポート機能を充実させているので、パズルが得意ではない初心者の方でも楽しめるつくりになっていると思います。
世界観もボクセル調のキャラクターやオブジェクトを使ったキャッチーなものにしていて、「宝探し」をテーマにした要素も盛り込んでいます。まずはこの世界観を好きになってもらえたらうれしいですね。
――ゲーム初心者には、どのような遊び方をしてほしいですか。
大竹氏:本作にはちゃんとストーリーもありますので、まずはそちらを楽しみながら進めてもらうのがいいと思います。初心者向けのキャラクターも用意していて、そのキャラを選べば、序盤からパズルの爽快感を味わいやすくなっています。
最初からデッキを細かくカスタマイズしていくのは、パズルに慣れていない方にはハードルが高いと思うので、まずは「ブロックを消す気持ちよさ」をシンプルに楽しんでもらって、慣れてきたらデッキやショップで買うレリックをどう組み合わせるか悩み始める……そのくらいのステップ感を意識しています。

ローグライト×マッチ3をどう融合させたのか
――『ダイヤループ』は、ローグライク要素とデッキ構築、マッチ3パズルが同居しているタイトルです。これらの要素をどう組み合わせ、どんな体験を届けようと考えたのでしょうか。
庄子氏:まず、パズルがそこまで得意ではないけれどローグライクが好き、という方には、レリックによる「インフレ感」を楽しんでほしいと思っています。レリックの組み合わせ次第で、途中から一気に巻き返せる余地を残しているので、チャレンジしがいがあるはずです。
逆にパズルが得意な人は、自分のパズルの実力だけでどこまで行けるかを試してもらえるようにしてあります。そこにローグライクらしい「インフレ」をうまく組み合わせることで、点数が跳ね上がるような展開も狙えるようにしました。
パズル好き、ローグ好き、それぞれのプレイヤーが自分なりの楽しさを見つけられるよう、要素を散りばめたつもりです。

プレイスタイルから逆算してレリックを設計
――レリックは50種類以上あると伺いました。効果や性能を考えるのは大変な作業だと思うのですが、どのようにアイデアを出していったのでしょうか。
庄子氏:「パズルの消し方のスタイル」から逆算して考えていきました。たとえば、デッキに入れる色を絞って、落ちてきたブロックで連鎖を狙うスタイル。逆に、色の数は絞らず、自力で大きな塊を作って一気に消すスタイル。コインをあまり使わずに貯めておくことで強くなっていくスタイル……といった具合に、いろいろなビルドが考えられます。
そのうえでプレイヤーに「こんなパズルの消し方がありますよ」と提示したうえで、「じゃあ、このスタイルを選んだら、こういうレリックが強いですよ」という形で設計していきました。
――プレイスタイルに合わせて“ハマる”レリックを用意していった、と。
庄子氏:そうですね。ただ、プレイヤーの前に必ずしも狙い通りのレリックが並ぶとは限りません。「このスタイルで行こうとビルドしていたのに、途中で別のスタイル向けの強そうなレリックが出てきた。じゃあ、思い切って乗り換えるか?」といった悩みも含めて、ローグライクの楽しさだと思っています。
異なるスタイル向けのレリック同士が組み合わさって、想定以上のとんでもないシナジーが生まれるケースもある。その偶然も、面白さの一部として残しています。

――バランス面はいかがですか。ユーザーが想定外のビルドを見つけてしまう可能性もあると思うのですが。
庄子氏:現時点では「理論上は大丈夫なはず」というラインで調整しています(笑)。おかしなことにはならないはず、という想定のもとで組んでいますが、プレイヤーの皆さんがそれを超えてくるケースもあるでしょうし、むしろそういうビルドは「いい意味で壊してくれた」と捉えたいですね。
少しぐらい壊れたバランスのほうが、ゲームとしては面白いと思っています。毎回狙って再現できるほどではないけれど、たまにとんでもない組み合わせが引ける。その偶然性が「もう一回遊ぼう」という気持ちにつながると考えています。

単色型、多色型、連鎖型、コイン型、リスク型――あなたは何型?
――プレイスタイルは、どのくらいの種類に大別できると見ていますか。
庄子氏:ざっくりですが、まず大きく「単色型」と「多色型」に分かれます。そこに加えて、数は少ないものの「連鎖型」と呼べるタイプ、ローグライクならではの「コイン型」、さらにマイナス効果をあえて取り込む「リスク型」などがあるので、4〜5種類くらいの「型」があるイメージですね。
さらにキャラクターとの相性もありますし、「このビルドならこのステージ構成に強い」といった部分もあって、組み合わせでいくらでも変化します。
チームメンバーのプレイを見ていると、本当に人によって消し方が違っていて、ロケットを大量に作って消す人もいれば、ロケットをほとんど作らず、とにかく大量にそろえて消す人もいます。「この人のこの消し方なら、このレリックを取っていくと強いだろうな」と想像しながら調整していました。
――ちなみに、おふたりは何型ですか。
庄子氏:自分は「バランス型」ですね。多色寄りで、あまり色を絞らないほうです。そろえるのは大変ですが、その分レリックで強くしていくイメージで遊んでいます。
大竹氏:僕は「ロケット型」です(笑)。ロケットを作っては組み合わせて、一気にドカンとやるのが好きですね。
――消し方そのものが人によって違う、というのは面白いですね。パズルの“負け筋”が見える人はそれを避けるスタイルを取ればいいし、見えない人は見えないなりにレリックでカバーしていく道もある。自分のパズル力と相談しながら遊べるのが、本作らしさだと感じました。

「ひとりでパズル」と「みんなでパズル」の2本柱
――ゲームモードについて伺います。「ひとりでパズル」と「みんなでパズル」が柱になるとのことですが、それぞれどのように遊んでほしいですか。
庄子氏:メインは「ひとりでパズル」です。ここでじっくりビルドを組んだり、パズルの基本的な消し方を体に覚えてもらったりするイメージですね。
そのうえで「みんなでパズル」はひとり用に慣れてきた方が、腕試しや気分転換として遊んでもらえると嬉しいですね。
――実際に遊ばせていただきましたが、1試合あたりの時間もそこまで長くなく、気軽に参加しやすい印象でした。ひとり用でじっくり遊んだあと、「ちょっと対戦やってみようかな」という気持ちで入りやすいと感じます。
庄子氏:そう言っていただけるとうれしいです。短い時間でサクッと遊べますし、「みんなでパズル」から「ひとりでパズル」に戻る、という流れもあると思っています。自信がついたらランクマッチ的な遊び方も……という話もしているので、今後の展開にも期待してもらえればと。

ボクセル表現を採用した理由と、フェイタリティ演出
――ビジュアル面では、ボクセル調のキャラクターが印象的です。まず、この表現を採用した理由から教えてください。
庄子氏:こちらはデザイナーからの提案がきっかけでした。本作のパズルは「縦横に列を動かす」という少し特殊な操作をするのですが、初期段階では「画面を見ただけでは、どう動かせばいいのかピンと来ない」という問題がありました。
そこで、直角や直線といった要素をプレイヤーに直感的にイメージしてもらえるよう、「画面全体に角ばったものを増やしていこう」ということになったんです。そのひとつの答えとして「ボクセルキャラクターを置いてみよう」という提案が出て、採用に至りました。

――ゲーム性と紐付けた「意識付け」のためのボクセルだったわけですね。そこから勝利時の「フェイタリティ演出」にも発展していったのでしょうか。
庄子氏:そうですね、フェイタリティの発想はその後です。オリジナルタイトルで注目を集めるのは簡単ではないので、「何かインパクトのある要素が欲しい」という話が出たのが始まりでした。海外マーケットまで視野に入れると、少し過激だったり、パンチのある演出が受け入れられやすい傾向もあって、「それならボクセルでやってみよう」と。

――ボスごとに違うフェイタリティが用意されていると聞きました。
庄子氏:はい。ボスごとに「倒し方・倒され方」が複数パターン存在していて、その中からランダムで再生される形になっています。今後、新しいボスやステージが増えれば、その分フェイタリティも増えていくことになりますし、ものによってはかなり過激な演出もあるので、そういったところも楽しんでもらいたいです。
インディー系のイベントに出展した際も、海外のプレイヤーの方が思わず声を上げてリアクションしてくれていたので、「やはりその層には刺さっているのかな」という手応えはありました。
大竹氏:今まで、ここまでボス戦の演出に振り切ったパズルゲームはあまりなかったと思うので、「これはこれで面白いよね」というノリで進んでいきました。
――では最後に、読者へのメッセージをお願いします。
大竹氏:バイキングとしては久しぶりのオリジナルタイトルで、僕の提案から始まったプロジェクトでもあります。少人数のチームですが、一生懸命作ってきました。
海外のイベントにも積極的に出展して露出を増やしているところですので、ぜひ世界中のプレイヤーのみなさんに遊んでもらえたらと思っています。まずはひとりでじっくり楽しんでもらって、慣れてきたら世界中のプレイヤーとの対戦も味わってほしいですね。
庄子氏:ちょっと骨太なパズルゲームをやりたい方や、「簡単なパズルゲームにはもう飽きてしまった」という方に、ぜひ触っていただきたい作品です。どこか懐かしさも感じられるゲームですので、そういった方のツボにもハマるのではないかと思っています。

『Dialoop(ダイヤループ)』の基本情報
| 発売日 |
PC: 2025年12月9日 Switch: 未定 |
|---|---|
| 会社 |
Byking Inc. |
| ジャンル | パズル |
| 対応ハード | PC / Switch |
| 価格 |
PC : 890円(税抜)
Switch : 未定
|
| 公式HP | |
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