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『夜廻』のスタッフが作る生活シミュレーション――その一文を素直に信じられる人が、いったいどれだけいるだろう。
『ほの暮しの庭』は、日本一ソフトウェアより2026年7月30日に発売予定の田舎暮らし生活シミュレーションだ。対応機種はNintendo Switch 2/Nintendo Switch/PS5/PC(Steam、Windows)。
郷愁あふれる小さな村「彼ヶ津村(かがつむら)」を舞台に、農作や畜産、釣りや狩り、村人との交流を楽しむ……という、字面だけ見ればこの上なくのどかな1本である。
ただし、手がけるのはあの夜道探索アクション『夜廻』シリーズのスタッフ。CEROレーティングは、ほのぼの路線にはおよそ似つかわしくない「C(15歳以上対象)」。ネット上でも「どう見ても何かが潜んでいる」「絶対にただの田舎暮らしでは終わらない」と、不穏な噂は尽きない。
GameWithは、そんな本作の先行体験会に参加する機会を得た。本記事では、その"実態"をお届けしていく。
ほの暮しの庭
2026年7月30日 発売予定
各ストアで詳細をチェック!
「本当に生活シミュなんです」――いや、信じられるわけがない

試遊の前に、開発スタッフからひと通りの説明があった。
要約すると、こうだ。
「弊社からはホラーとしての側面ばかりがピックアップされてしまっているが、本作はあくまで生活シミュレーションとして、嘘偽りなく作り込んでいる。今日は限られた時間だが、ぜひその"生活"の手触りを確かめてほしい」。
ご丁寧に、本作ならではのユニークな機能をまとめた「おすすめ機能リスト」まで手渡される。
自由に編集できる「メモ機能」、作物や村人・家畜の状態を細かく確認できる「注視」、水やりや連続収穫がはかどる「長押し操作」、竿いらずで6か所以上を巡れる「釣り」、罠や狩猟による「狩り要素」――。
なるほど、力の入れようは伝わってくる。が、こちらとしては素直に頷くわけにはいかない。何しろ相手は『夜廻』のスタッフだ。
ここまで真顔で「生活シミュです」と念押しされると、かえって身構えてしまう。いやいや、そんなの信じないぞ。きっと油断したころに、何かが来る。そう警戒しながら、コントローラーを握った。
ほの暮しの庭
2026年7月30日 発売予定
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朝、庭に出る。すると――あれ、これめちゃくちゃ"暮らし"だ

▲拠点となる荒れた場所を開拓していく。
山あいにひっそりと佇む彼ヶ津村。主人公に与えられるのは、村はずれの古びた小屋と、草ぼうぼうに荒れ果てた庭だけ。まずはここを耕すところから、新しい生活が始まる。
道具をクラフトし、土を耕し、種をまく。水をやり、実ったところで収穫し、それを売って日銭を稼ぐ。

▲少しずつ、だけども着実に開拓していくのが面白い。
鶏や牛といった家畜を飼えば卵やミルクが手に入り、花を育てれば庭が彩られていく。生活に役立つものを作れば作るほど、暮らしは目に見えて便利に、快適になっていく。
……あれ? これ、結構ちゃんとしてる……?

警戒していたのが拍子抜けするほど、生活シミュとしての作りが堅実なのだ。
村には雑貨店があり、各所に釣りスポットが点在し、石切場へ向かえば鉱石を掘れる。やれることは数えきれないほど多く、それでいて一気に押し付けてはこない。


コツコツと、ゆる~く、いつまでも遊んでいられる。この"間延びしない密度"が、なんとも心地よい。

細部のこだわりも光る。たとえば口笛システム。特定の旋律を奏でると、その曲に合った動物が呼び寄せられる。飼い犬を呼べば一瞬で拠点の自宅に移動できるなど、なかなかに便利な機能だ。
注視を使えば作物の収穫まであと何日かが分かり、家畜が「なでられたか」「餌を食べたか」「畜産物を産んだか」まで一目で把握できる。

鍬を構えて長押しすれば畑をまとめて耕せるし、同じ場所で長押しすれば実った作物を自動でどんどん収穫してくれる。見下ろし型ゆえの位置調整のクセはあるものの、こういった機能を使いこなせば手のひらの上で村がころころと回り出す。


個性豊かな村人たちの存在も大きい。可愛くデフォルメされたキャラクターはどれも愛らしく、それぞれに好きなもの・嫌いなものが設定されている。
好物を贈れば好感度が上がり、誰と親しくなるかはプレイヤーの自由。仲を深めた先に何が待っているのかは、この日の試遊では確かめきれなかったが、交流のしがいは十分に感じられた。


四季があるのもうれしい。季節が巡れば育てられる野菜や花が移ろい、村や自然の見た目までもが表情を変える。眺めているだけで飽きがこない。
このコツコツ具合は本物だ。
朝に起き、日が沈む前に我が家へ戻って眠る――そんなじつに健康的な毎日が、ここには広がっている。

何をするのも自由な、悠々自適のスローライフ。スタッフが胸を張って「生活シミュです」と言い切った理由が、プレイすればするほど腹に落ちてくる。


ちなみに、村の片隅にある祠を調べると、いわゆるスキルツリーが現れる。特定のアイテムを奉納することで、新しい物の作り方を覚えたり、便利なバフ効果を得られたりする仕組みだ。生活をぐっと快適にしてくれる、見逃せない要素である。
ただし、その"特定のアイテム"というのが、なぜか昼の間はどう探しても手に入らない。
昼の間は。
ほの暮しの庭
2026年7月30日 発売予定
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そして、夜が来る

……まあ、当然それだけでは終わらない。
夜になると、何者かが部屋のドアをノックする音が聞こえてくる。村のルールなのか、どうやら夜は外に出てはいけないらしい。けれど、こちらの好奇心はそんなルールでは止められない。意を決して外へ出てみる――が、そこには何もいない。
はい、始まった。


そのまま周辺を散策していると、暗闇の奥から得体の知れない声が漏れ聞こえてくる。
『夜廻』でおなじみの心音も、次第に速さを増していく。「え、なに!? なに!?」と焦っているうちに画面はブラックアウトし、気づけば次の朝。なぜか屋外に倒れている主人公の姿があった。

……なるほどね。

翌晩、今度は懐中電灯を手に歩いてみる。すると、いろいろと理解してしまった。なんというか……はっきりと"いる"のだ。そのナニカに捕まると主人公は強制的に気絶させられ、その日はそこで強制終了してしまう仕組みだ。
また、突然鳥が飛び立ったり、足元に血溜まりができたり、演出のひとつひとつがこちらの心臓に悪い。ほんと、もう、やめてくれんかな!
ならばいっそ、夜は家に閉じこもっていればいい。それも一つの正解だろう。

……だが、ここで思い出してほしい。昼間どうしても手に入らなかった、あのスキルツリー解放アイテム。あれが落ちているのは、ほかでもない、深夜の村の道端なのである。
なんでそんなことすんの。
つまり本作は、生活を快適にしたければ、いやでも夜の闇に足を踏み入れざるを得ない設計になっているわけだ。


ほかにも夜の村に点在する本のアイテムを拾い、図書館に納めて読み解けば、村のバックボーンや、時にはナニカの"攻略法"までもが見えてくる仕掛けもある。
安全に引きこもらせてはくれない。じつにいやらしい。そして、じつによくできている。
驚かされてばかりの夜時間だが、それがめっぽう面白いのもまた事実だ。

不気味な空気の作り方がとにかく巧みで、『夜廻』で培ったノウハウが余すところなく注ぎ込まれている。昼の多幸感が大きいぶん、夜の落差が際立つ。この温度差こそが、本作の核なのだろう。
ほの暮しの庭
2026年7月30日 発売予定
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結論:生活シミュに、ホラーを"添えた"唯一無二の1本

2時間ほど触れてみた感想を率直にまとめよう。
まず、生活シミュレーションとしては掛け値なしにガチだ。これは間違いない。
ホラーを前面に押し出した作品というより、あくまで丁寧に作り込まれた田舎暮らしに、ホラー要素をそっと"添えた"――そんな構造のゲームだった。スタッフの「生活シミュがメインです」という言葉は、決して誇張ではなかったわけである。

とはいえ、だ。その"添えた"はずのホラーがなかなかに衝撃的なので、「いやこれホラーでしょ」と言われても、こちらとしては強く否定はできない。
この絶妙な配分こそが、ほかのどこにもない手触りを生んでいる。
ほのぼのと、ほの暗さ。相反する二つが同じ村に同居しているという一点だけで、本作は唯一無二の存在になっている。
噂は本当だったのか。半分は本当で、半分は誤解――というのが、仮移住してきた身からの報告である。確かめに行って、よかった。
ほの暮しの庭
2026年7月30日 発売予定
各ストアで詳細をチェック!
開発者インタビュー|溝上侑×勝又美桜
試遊会場で本作のプロデューサーを務める溝上侑氏 と、開発責任者の勝又美桜氏 に、開発の裏側をうかがった。
――そもそもの話ですが、『夜廻』シリーズを手がけたスタッフが、なぜ生活シミュレーションに挑もうと思ったのでしょうか。
溝上:
やっぱり、明るいゲームを作りたくて。
勝又:
本当に雑談ベースから始まった企画なんです。よくふたりで喫茶店に行くんですけど、その場で「『夜廻』のテイストって、皆さん好んでくださるよね」という話になって。それをうまく活かした、まったく違うゲームが作れないかな、と。そこからこの着想にたどり着いた感じです。
溝上:
ファームゲームというのが、いろいろと都合がよかったんですよ。『夜廻』のクオータービューのフォーマットがそのまま使えますし、このジャンルと組み合わせたときのギャップも面白いんじゃないかと。それで「これで行こう」と動き出しました。
――「ほのぼの」と「ほの暗さ」のバランス調整は、やはり苦労されましたか。
勝又:
しましたね。ファームゲームが好きな方にも手に取ってほしい気持ちはもちろんあって。でも、そういう方は怖いのが苦手だったりもする。かといって怖さを抜いてしまうと、今作ならではの良さが出てこない。もう、ひたすら試行錯誤でした。
溝上:
ちょうどいい塩梅が、必ずどこかにあると思っていて。そこをパターゴルフのように、ピンポイントで狙い続ける作業でしたね。
――ときにはホラー側に寄りすぎてしまうことも?
溝上:
もちろんあります。私がシナリオを書いているんですが、「これはさすがにやりすぎ」という判断は、相棒である勝又がしてくれていて。
勝又:
私はどちらかというとファームゲームが大好きなタイプなんです。なので、「ファームゲームユーザーとして、ここまでされたら引く」というラインを、私が見極める役割でした。
溝上:
たとえば私が「住人を殺していい?」とか「家畜を殺していい?」と聞くわけです(笑)。
――なんて物騒な相談を。
勝又:
それは、ちょっと……と。せっかく好感度を上げた住人が死んでしまったり、手塩にかけて育てた家畜を失わせたりするのは、プレイヤーさんがかけた労力を無にしてしまう。そこはやめよう、と判断しました。
溝上:
私はもう、大切であればあるほど、なくしたくなってしまうタイプで(笑)。プレイヤーが大切に思っているものをパッとやってしまうのが、すごく好きなんですよね。だからこそ、ここは引き止めてもらう必要がありました。
――具体的にこれを止めた、というのはありますか?
勝又:
じつは当初は、家畜を解体するのもプレイヤー自身が行う案だったんです。
溝上:
さすがにやりすぎかも、ということで、そこは丸くしました。
勝又:
今は家畜は"売却"できるだけで、その家畜がどうなったかは描かれません。売ると、翌日にお礼が返ってくる仕組みです。
溝上:
邪悪なことは、何ひとつ言っていないんですよ。けれど、なぜかその事実だけがそこに存在している。その不穏さでまとめていく――というのが、今作の方向性になりました。
――農作、畜産、釣り、狩り、工作……数ある要素の中で、とくにこだわった、あるいは苦労したシステムは。
溝上:
どれも苦労しているのですが、お客様が一番注目されるのは、やはり畑の部分かなと。飽きが来ないように、できるだけ特徴的な作物を入れています。水田を作ってお米を育てられたり、大豆ともやしのように収穫のタイミングを変えると採れるものが変わったり。そのあたりは結構な手間をかけました。
勝又:
ファームゲーム好きとして、「徐々に便利になっていく感覚」を大事にしました。道具をレベルアップさせるために石切場をどう攻略していくか、といった部分のバランスは、かなり気を使いましたね。
溝上:
要素が多いジャンルなので、プレイヤーさんが覚えられる速度で出していって、ちょうど飽きが来そうなタイミングで次を出す。それをシナリオの進行と歩調を合わせてやっていきました。物語の牽引と、新しい遊びの牽引。その両輪で最後まで回していく感覚です。
勝又:
日本一ソフトウェアが生活シミュレーションを作るのは初めてだったので、ほかの類似タイトルもかなり研究しました。作っている最中に「ここで飽きが来そうだ」というタイミングが必ずあるので、じゃあここに何か入れよう、と開発しながら足していく。それを頻繁に繰り返した結果……。
溝上:
とんでもない物量になってしまいました(笑)。
勝又:
そこは意識した部分でもあります。ファームゲームが好きな方にも、ちゃんと満足していただけるボリュームに。『夜廻』の部分だけでなく、生活シミュレーションとしても満足してもらえるように、と。
――ビジュアルや音楽が生む空気感に、『夜廻』らしさを感じます。サウンドや演出で意識された点は。
溝上:
全体としてはファームゲームなので、逆に「『夜廻』として、ここは押さえておかなければ」という部分があると思っていて。シナリオの雰囲気、会話のテイスト、起きるイベントの内容。そこは私が書けば自然と『夜廻』になるという安心感があったので、『夜廻』ユーザーにもちゃんと楽しんでいただける。ただ、今作のラインに収まるよう、やりすぎないことは心がけました。私自身はジャンプスケアが大好きなんですけど(笑)、それは今作では控えめに、と。
溝上:
音楽は高須(高須和也氏)が担当しています。彼もチーム夜廻なので、押さえるべきポイントが蓄積されている。ただ今作は農場がメインなので、「夜廻のようなBGMではなく、ほっこりした空気の中に温度差を出してほしい」というオーダーで、メインテーマなどを作ってもらいました。生活の邪魔をしない音楽、というイメージですね。あまりにぎやかすぎると、疲れてしまいますから。
――説明会で「信じてもらえない」とおっしゃっていたのが印象的でした。
勝又:
本当に、信じてもらえないんです(笑)。ちゃんとファームゲームとして作っているはずなのに、「そんなわけないでしょ」と思われてしまう。
溝上:
実際のところ、プレイ時間の大半は農場での生活なんですよ。シナリオが進むにつれて、夜も歩けるようになっていく、という構成で。

▲見たことのない告知。
勝又:
そこをきちんとお伝えしないといけないんですけど……つい「犬は死にません」みたいなことを言いたくなってしまうのが、私たちの性分というか(笑)。
溝上:
前科がありますからね(笑)。言えば言うほど信用されない。
勝又:
本当に怖いものは、「あんしん暮しモード」では絶対に出さないようにしようと徹底して決めていて。だから本当に安全なんです。なのに、これって言えば言うほど信じてもらえない。
溝上:
それでもお伝えしたいのは、本作は生活シミュレーションとしても、ほかよりかゆいところに手が届く作りを目指している、ということ。自分たちがほかのタイトルで気になっていた点も直して入れています。なので、「あんしん暮しモード」単体でも、十分に楽しんでいただけるはずです。
――発売後のユーザーの反応が楽しみですね。ありがとうございました!
ほの暮しの庭
2026年7月30日 発売予定
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ホラーが苦手でも大丈夫。「あんしん暮しモード」も用意

最後に補足を。
本作には、怖い出来事がいっさい起きず、純粋に生活シミュレーションだけを満喫できる「あんしん暮しモード」が用意されている。
ゲーム開始時に選択でき、ホラーが苦手な人でも、彼ヶ津村でのスローライフを安心して楽しめる。「犬は死にません」――その言葉は、どうやら本当のようだ。
ほのぼのと、ほの暗さ。両方をまるごと味わうもよし、ひたすら穏やかに庭を耕すもよし。どう過ごすかは、あなた次第である。
発売日など基本情報
| 発売日 |
2026年7月30日 |
|---|---|
| 販売元 |
日本一ソフトウェア |
| ジャンル | シミュレーション |
| 対応ハード | Switch2 / Switch / PS5 / PC |
| 価格 |
Switch2 : 8,200円(税抜)
Switch : 7,200円(税抜)
PS5 : 8,200円(税抜)
PC : 8,200円(税抜)
|
| 公式X |
ほの暮しの庭
2026年7月30日 発売予定
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その他の新作ゲームもチェック!
今後発売の注目作をピックアップ!
2026/07/16 発売
/PC/PS5
亰都ザナドゥ -桜花幻舞-
7,200円(税抜) 2
2026/06/18発売
/PC/Xbox
冒険家エリオットの千年物語
6,800円(税抜) 3
2026/07/09 発売
/PS5/PS4
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6,300円(税抜)




