「まず基礎ができるようになろう」石渡太輔氏インタビュー。最新作『DAMON and BABY』開発の意図とこれからのアークシステムワークスについて訊く
Switch PS5 PS4 PC
2026年3月26日 発売中
レビュー
総合点
カジュアル
ゲーマー

「まず基礎ができるようになろう」石渡太輔氏インタビュー。最新作『DAMON and BABY』開発の意図とこれからのアークシステムワークスについて訊く

最終更新 :

※当記事のリンクはアフィリエイト広告を含みます。

DAMON and BABY

DAMON and BABY

Switch
PS5
PS4
PC

2026年3月26日 発売中

各ストアで詳細をチェック!

『GUILTY GEAR』シリーズを生み出した石渡太輔氏にインタビュー!

アークシステムワークスは、2026年3月26日(木)にSwitch/PS5/PS4/Steam向け見下ろし型ガンアクションアドベンチャー『DAMON and BABY(デイモン&ベイビー)』を発売予定だ。

本作は、“不思議な子ども”と離れられなくなってしまった魔王「デイモン」が、呪いを解く冒険に繰り出していくツインスティックシューター。広大な世界を舞台に、魔王と子どもの心温まる物語が描かれていく。

▲『DAMON and BABY (デイモン&ベイビー)』プレオーダートレーラー

現在ゲームの体験版が配信中の本作だが、3月19日(金)〜22日(日)まで韓国で開催されている「ARC WORLD TOUR 2025-2026 FINALS」現地会場では、本作のゲームデザイン/エグゼクティブディレクターを務める石渡太輔氏に、『DAMON and BABY』への意気込みや開発意図を伺うことができた。

『GUILTY GEAR』シリーズを生み出した同社の名物ゲームクリエイターが、なぜ「格闘ゲーム」ではなく、「アクションアドベンチャー」を作り出したのか。本稿では開発の経緯からIPとしての位置付け、さらに『GUILTY GEAR』シリーズ、『BLAZBLUE』シリーズとの関連性についてなど、石渡氏へのインタビューを通してお届けしていく。

▲『DAMON and BABY』ゲームデザイン/エグゼクティブディレクター・石渡太輔氏

DAMON and BABY

DAMON and BABY

Switch
PS5
PS4
PC

2026年3月26日 発売中

各ストアで詳細をチェック!

遊び終えたあとに残したいのは、「面白かった」と“人間賛歌”の余韻

──本日はよろしくお願いします。まず、『DAMON and BABY(デイモン&ベイビー)』は“心温まる子連れ魔王の冒険活劇”といった打ち出し方ですが、石渡さん自身としては、この作品を遊び終えたあと、プレイヤーにどんな感情でいてほしいでしょうか?

石渡氏
まずはゲームとして「いろいろあって面白かった」と思ってもらえたら嬉しいです。バラエティ豊かな内容を目指して作っていますから、そこは素直にそう感じてもらいたいですね。

一方で、ストーリー面ではハートフルな話でありながら、テーマとしては『GUILTY GEAR』と同じく“人間賛歌”になっています。魔王という、人間ではない存在を通して人間を見ることで、「人間の何が尊いのか」を少しでも感じてもらえたら嬉しいです。何か心に残るものがあれば、それがいちばんです。

──本作では「魔王」と「子ども」という組み合わせがまず目を引きます。石渡さんとしては、この2人の関係性のどんなところが魅力になると考えていますか?

石渡氏
人間ではない存在の視点から人間を尊ぶ気持ちや、自分と遊んでくれた人の素晴らしさみたいなものに気付いてくれると嬉しいなと思います。

実は本作は、もともと“絵本”で描きたかった世界観だったんですよ。そのためのプロットを描いている中、ゲーム制作が新しく決まったときに、「ちょうどいいからこのゲームで先にやろうかな」というところがありました。

ちょっと細かい話になってしまうんですけれど、そのときは絵本で想定していたので、最初は絵本が動いているかのような見た目の“油絵シェーダー”を作って適用していました。ですが、処理が重くなってしまい、Nintendo Switchでは60fpsが出せないという事情もあって諦めた経緯があります。絵本というのは、やっぱり幼い子も含めて楽しめるものなので、そうした世界観で考えていました。

──Switch版にこだわったのはそうした、幼いプレイヤーでも楽しめる意図があったということでしょうか?

石渡氏
やっぱり、任天堂さんの作品ってどんなちっちゃい子でも遊べるんですよね。あれって不思議なことだと思います。

僕の娘が、3歳か4歳のときに『ピクミン4』をクリアしたんです。それも文字を読んでいないんですよ。で、「これは本当にすごいゲームだな!」って。娘はその後も任天堂さんのゲームをほとんどクリアしていまして。

僕もゲームクリエイターとして、最終的にはそういうところまで行けたらいいなとは思っているんですけれど、ゲームバランスを整えるスキルがないので、まだまだその域には……。ただ、そこを目指すつもりで開発していました。現場では正直、ゲーマー向けの路線かもしれませんが(笑)。

──確かに任天堂の作品は遊びやすいですよね。そんなバランスを目指した本作ですが、もし石渡さんの名前を伏せていたとして、自分らしさが『DAMON and BABY』に出ていると感じる部分はあるでしょうか?

石渡氏
石渡氏:ストーリーやセリフ回し、キャラクターデザインは、いかにも自分が考えそうだなと自分でも思います(笑)。

──(笑)。石渡さんのファンにもバレてしまうでしょうか。

石渡氏
さすがに名前を隠していてもすぐバレる、というほどではないと思いますが、書いていると「やっぱり自分が書くとこうなるな」という感覚はありましたね。音楽はひょっとしたらバレるかもしれません。今回はオープニングテーマぐらいしか作っていないので。

──ありがとうございます。メイキング動画では“ボスがかわいい”という話もありました。登場するボスは、どんな意味で「かわいい」のでしょうか?

石渡氏
“かわいい”というのは、見た目だけではないんです。ボスに限らず、キャラクター全般に「ちょっと愛せる隙」があるように作っています。このキャラ、何か面白いことを言いそうだな、と思える余白を残しているんです。

本作には「デモペディア」という要素があって、敵を一度発見すると攻略情報だけでなく、そいつの私生活まで見られるんですよ。見た目はジェイソンみたいでも、「普段は交通整理をしている」みたいなことが書かれていたりする(笑)。どこかに必ず“普通のいいやつ”のような、愛せる要素を入れたかったんです。

ただ、ボスに限って言えば、見た目や印象がかなり怖いものもいます。絵本の話に繋がってくるのですが、僕が子どもの頃、「内容は覚えてないのに怖い」という記憶だけが残る絵本がいくつかあったんです。そうした感覚をゲームでも表現したくて、「何だかわからないけど、あのボス怖かったな」と思ってもらえたら、それも狙いのうちです。

──作中には多数のキャラクターが登場しますよね。バリエーションを作るために苦労したことはあるのでしょうか?

石渡氏
そう書いてくれる方は結構いますが、僕からすると全然多くないんです。参考にしているものもあるんです。

最初は『悪魔城ドラキュラ』のようなサイドビューの「メトロイドヴァニア」を想定していて、マップサイズやキャラクター数もいろいろ参考にしながら、“ここまでは頑張りたい”というラインで作っていました。多いというより、感覚としては平均くらいではないかなと思っています。

──なるほど。キャラクターデザインについてもお聞かせください。カートゥーン的な可愛らしいイラストが、良い意味で「アークらしからぬキャラデザ」だと思いました。そこにも苦労はなかったのでしょうか?

石渡氏
むしろ格闘ゲームより苦労はなかったですね(笑)。

僕は基本的に愛せる部分ばかりをイメージして描いているので、結構スラスラといけちゃうところがあるっていうのがあります。

脱線気味な話にはなりますが、今回の企画は“とにかくスピーディーに作ってゲームの中身を練る時間を確保しよう”というコンセプトもあったので、キャラクターの三面図とかを描いていないんです。あくまでイラストが1枚あるだけで、それを「外注さんに3Dにしてくれ」と。

「わからないところがあったらそれで作ってくれて構わない」「リテイクもしない」という形で作ったので、その分早く素材を突っ込んで、ゲームを作る方式を取りました。

これは何故かというと、三面図を描くのに時間を掛けてリテイクが発生したり、外注して戻ってきたものにまたリテイクしてしまうと、1キャラクター完成するまでにすごく時間がかかってしまいます。

インディーゲームの規模感に近いゲーム内容なのに対し、インディーゲームに近い値段で出せないことがどうしても起きてしまうんです。それを避けたかったので、「素材が全部ある状態にしたい」と言って、こうした手法を取ることになりました。

だからキャラクターは正直1枚ラフ絵が描いてあるだけで、描くのがすごくラクだし楽しかったっていうところがあります(笑)。

──やはりアークにとっても新しい試みだったのでしょうか?

石渡氏
素材を最初の方に突っ込んで全部入れておきたいというのは、本当に新しい試みでしたし、リスクもすごくありました。

「仕上がってきたものを本当にリテイクしなかったらどんなものになっちゃうんだろう?」と。ですが、最終的にどうしてもダメなところだけは、社内で全部調整していく形で進めていました。

──ほかにも変わった試みはあるのでしょうか?

石渡氏
先ほどの素材を早く作るところの話で実は言っていなかったことがあります。ゲーム内の背景グラフィックってあるじゃないですか。実はあの背景、テクスチャを描いていないんですよ

──と、言いますと……?

石渡氏
直接色を指定してマテリアルで色をつけるという方法をとっています。これも時間を早めるための一つの工夫ですね。

テクスチャを描き込む時間がもったいないというか……捻出できなかったので、とにかく形を作って、あとは色をマテリアルで割り当ててすぐに反映させてしまう。だから、同じものでもその場ですぐに色を変えられるようにできてるんです。ゲームは荒削りですが、そういう技術的なこだわりもいろいろとやっています。

DAMON and BABY

DAMON and BABY

Switch
PS5
PS4
PC

2026年3月26日 発売中

各ストアで詳細をチェック!

「ラグナ」はなぜここにいるのか?―― 『GUILTY GEAR』と『BLAZBLUE』が交差するアークユニバースの第一歩

──公式サイトを見たところ、アーク作品を知っているとニヤリとするキャラクターがいました。あれはシリーズファンが“つながり”を考察してよいものなのか、それともあくまで遊び心として受け取るべきものなのか、どのくらいの温度感で見ればいいのでしょうか?

石渡氏
えーっとですね……。バッチリ考察していただいて構いません。

現時点では100%『GUILTY GEAR -STRIVE-』のストーリーにおける「次のステップ」です。なので、お話もいろいろと繋がっていきます。

具体的に明かすと、『GUILTY GEAR』ってストーリーの中に2つの時間軸がある設定です。「あり得る過去」と「あり得た未来」があって、今までは「あり得た未来」を描いてきました。物語の中ではもう片方(「あり得る過去」)もあるとされていたのですが、まさにそのもう片方です。なのでカメオ出演はいないです

──その辺りは最初から意図されていたと?

石渡氏
そうですね。だから、実はその伏線が『GUILTY GEAR -STRIVE-』の時点から張ってあります。

──それに付随する形で少し話は外れますが、『BLAZBLUE』シリーズは完結していますが、『DAMON and BABY』公式サイトを見ていると「見知った顔」がいますよね?それは『BLAZBLUE』シリーズの新しい展開みたいなところに期待して良いのでしょうか?

石渡氏
結論から言うと……結論から言いにくいな(笑)。

一同:(笑)。

石渡氏
石渡氏:あれは本当に『BLAZBLUE』のラグナなんです。

『BLAZBLUE』では最後にラグナが自分の存在を消すんですね。それで『BLAZBLUE』の世界というのは『GUILTY GEAR』の時間軸から見ると、存在としてはあり得るけど「観測されていない世界」なんですよ。

例えるなら、アニメーションとして撮影されたセル画と、撮影されずに置かれているセル画みたいな感じです。そして『BLAZBLUE』は撮影されてないセル画として捉えられています。

しかし、そこでラグナが自分の存在を消してしまったことにより、“ちょっとしたメカニズムが発生”して、こっち側(『DAMON and BABY』)に来ている状態なんです。

▲ブラッドエッジ卿|『DAMON and BABY』公式サイトより

だから、自分の昔の記憶っていうのがあまり残っていない状態でして。じゃあ「彼は今ここで何をしているのか」っていうところまでは、まだちょっと描いていないのですが、ガッツリ関わっていく重要なキャラクターです。ですから、まさに“アークユニバースの第一歩”として捉えていただけると思います。

──これ、ネタバレとか大丈夫でしょうか。

石渡氏
ネタバレではあるんですけど、重要な話ではないですね。あれ、実は“13人のラグナが重なっている”ラグナなんですよ。

──そこも書いていいのかどうか……(笑)。

石渡氏
むしろ書かれなかったらどこで言えばいいんだろうみたいな。重要な設定じゃないので。ただの設定なので(笑)。お話として、どう関わってくるかっていうのはまた別の話ですから(笑)

──先ほどゲームバランスのお話にもありましたが、見た目の親しみやすさに対して、アクション部分はしっかり歯ごたえがありそうでした。本作は“誰でも触れやすい作品”と“やり応えのある作品”のどちらをより強く目指したのでしょうか。

石渡氏
正直に言えば、誰でも楽しめる作品を目指していたけれど、そこまではできなかった、というのが実感です。自分たちは格闘ゲームというマニアックな世界に長くいたので、その知識をベースにして何かを作ろうとすると、どうしてもマニアックでシビアな方向に寄ってしまいます。それを自分たちでも理解できた、という段階ですね。

目標としているのは、もっと多くの人が遊べる作品です。ただ、それは簡単だからできることでもないし、難しいからできないことでもありません。任天堂さんの作品は、うちの娘でもクリアできる難易度なのに、誰も“ぬるい”とは言わないんですよ。そのバランス感覚は本当にすごいと思っていて、日々勉強しています。

一方で、本作は難易度が高いと言われている1つの大きな要因が「手動セーブ」です。今では珍しい、少し古風な仕組みですが、これは先ほどの任天堂さんの話とは別で、自分たちなりの哲学としてあえてそうしているところがあります。

面倒なやり方ではあるけれど、セーブポイントを見つけたときの達成感のようなものを成立させるには必要でした。もちろん、今のプレイヤーにとってストレスになり得ることも理解したうえで、その形を選んでいます。

──『DAMON and BABY』のユーモラスな空気は、最初から狙っていたものなのでしょうか。それとも作っていく中で自然に定まっていったものなのでしょうか?

石渡氏
最初からですね。とにかく、憎いとか怖いとか、そういう感情を向けるキャラクターは出したくなくて。敵であっても、どこか好きになれる要素とかそういうものを作りたいっていうのはありました。

例えば『ドラゴンクエスト』には、スライムのように長年愛されるモンスターたちがいますよね。自分たちも、そういう“長い目で愛される存在”を作りたいと思っていました。ですので、そういう意味でもぜひ、デモペディアの説明を読んでいただければと思います(笑)。

──完全新作を作るうえで、“どういうゲームなのか”イメージを伝える難しさもあったかと思います。『DAMON and BABY』のプロジェクトが立ち上がったとき、ぶっちゃけ社内の反応はどうでしたか?

石渡氏
このプロジェクトは、立ち上がる前から僕がある程度話をしていたので、スタッフも了承したうえで始まっていたと思います。最初に掲げていたのはAAA、AA、Aという具合にゲームの並びがあるとしたら、「Aクラスの作品で信頼を得られるクオリティを作れるようになろう」ということです。

他社では当たり前にできていることが、ウチではまだ当たり前にできないので、まずそこをできるようにしよう、と始まっているんですね。冒頭でもお伝えしましたが、最初は「メトロイドヴァニア」として始まったんです。

横視点のシューティングで、レティクルを動かして部位を狙う要素もありましたが、そこにオリジナリティを足しすぎてしまって、面白いけれどかなりマニアックな内容になってしまって……。アクションとしては面白いけれど、普通のモノを作ろうとしていないというか(笑)。まずは基礎を学ばなきゃいけない段階なんだから、基礎的なところができなきゃなと。

さらに言うと「これは誰もが遊べるゲームにはなってませんよね」って話で、開発期間4年の途中くらいで今の形に変わったんです。ここが一番のターニングポイントだったし、みんなにとっても嫌な思い出が残るところじゃないかな……(笑)。

──苦渋の決断と言いますか。ただ、その話を聞く限りですと、横スクロールバージョンも遊んでみたい人はいそうですね。

石渡氏
目指した方向性としては「コレ、ひょっとしたら面白くなるんじゃないか?」みたいなところはありました。

横スクロールなんだけれども、レティクルを動かして敵を狙えるし、敵の距離と方向で狙うポーズが全て変わるんです。一撃必中で倒していくタイプのゲームで、できるだけヘッドショットの形でバンバン倒して自分が気持ち良くなれるゲームだったんです。

それを達成できるとやっぱりちょっと面白い。けど、経験値を稼ぐ要素とはちょっと乖離していました。誰でもできるようになるまでのハードルが高すぎるっていう(笑)。

「【なぜ今、アークがアクションを作るのか?】『DAMON and BABY (デイモン&ベイビー)』スタジオメイキングビデオ」より

──慣れるまでに時間はかかるし、アクションが苦手な人だとやっぱりその辺が厳しくなるからですね。

石渡氏
そうですね。やっぱり「アクションRPG」のいいところって、そのアクションが苦手でも、時間をかけてステータスを上げることさえできれば、結構ラクに進むことができるところだと思うんですよね。

この形式だと、操作をしっかりできるようにならないと、先に進めないところがあります。「これはダメだ!」って。ポーズとかは全部作ってあったんですけれど……。

──やはりちょっともったいない感じがしますね。もし、世に出ることがあればそれはそれで遊んでみたいです(笑)。

石渡氏
それでやってみたいですけどね。自分的にも(笑)。

DAMON and BABY

DAMON and BABY

Switch
PS5
PS4
PC

2026年3月26日 発売中

各ストアで詳細をチェック!

若いクリエイターが夢を持てる開発ラインを作りたい。これからのアークが目指す新しい広がりとは

──ゲームの発売後、ユーザーからどのような反応が返ってきたらこの挑戦は成功だったと思うでしょうか。

石渡氏
視点はいくつかありますが、このプロジェクトは単に『DAMON and BABY』という1本を作るだけではなく、こういうAクラスの作品を短いサイクルで安定して供給し、新しいIPを生み出せる体制を作ることに意味がありました。そういう意味では、会社に対する説得材料にもなりますから、やっぱり売れてくれるのが一番嬉しいですね。

ゲーム業界を目指す若い人が「いずれ自分のゲームを出したい」と思っていても、今の国内の大手ゲームメーカーはAAAタイトルが中心ですよね。そこに対して自分の夢を持ち続けられるかというところで、道筋が遠すぎるとは思うんです。

ですが、もしこのクラスのプロジェクトを安定して出せるようになれば、若いクリエイターたちも「この世界だったら僕もゲーム作りができるかもしれない」、あるいはうちの若い社員たちが同じ夢を持てるかもしれないとか、非常に意味のあることだと考えています。ですのでシンプルに売れてほしい(笑)。

──なるほど。そのような意味合いが込められていたのですね。

石渡氏
ただ、自分たちも初めてのことばかりで、「完成度が高いからみんな遊んでくれ」と大きな声で言えるゲームではありません。それは自分たちも自覚しています。決して手を抜いているわけではなく、単純に未熟なだけなのですが、そのうえで一生懸命作っているので、それを応援してもらえたら嬉しいですね。

僕としてはもともと絵本で描きたかった世界をゲームに落とし込んだ作品でもあるので、思い入れ自体はすごく強いゲームです。この世界観だけでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

──今後も本作のような「新しいアーク作品」を送り出す……という構想なのでしょうか。それとも本作自体が新たなIPの柱になるのでしょうか?

石渡氏
『DAMON and BABY』は、僕の中ではすでに3部作まで構想があります(笑)。これは会社が許してくれるなら、シリーズとして完結まで持っていきたいという気持ちがありますが、それは僕自身の夢でしかありません。

それとは別に、「じゃあ当たり前のところまでアクションゲームが作れるのか?」っていうと、やはり答えは“NO”だと思っているんですね。

同じ値段の優れたインディーゲームと比較したら、まだクオリティやボリュームで足りていない部分があります。ですから、これをまずはちゃんと整えて、みんなが安心できる製品が作れるようになりたい。そのために、リリースしたものに対してユーザーの意見をしっかり取り入れ、フィードバックしていくことはしばらく続けたいと思います。

同時にせっかく作ったエディターやツール、アセットを活かして、次の若いクリエイターたちが自分の作品を作ってほしいと思っています。そのラインを継続的に出せるようになってくると「格闘ゲーム」1本に頼らなくても済むところがありますから。

経済的な面でもそうですし、夢を目指すクリエイターにとっても、いい循環になると僕は信じているので、それを実現させられたらと思います。

──石渡さんといえばやはり多彩さみたいなところがあるかなと考えています。今後、挑戦してみたいゲームジャンルだったり、あるいは仕事の領域だったり、仕事と関係なしに始めてみたい趣味があればお聞かせください。

石渡氏
僕はですね、多分「趣味」「仕事」は切り分けられない人で、趣味が仕事になってないと多分生きていけない人なんです(笑)。

趣味っていうとイコール仕事にはなると思うんですけど、先ほども言ったように「絵本」は実はすごくやってみたいっていうところがあります。

優れた絵本ってやっぱり世界中の子どもたちに影響を与えることが可能じゃないですか。それができるできないとかではなく、挑戦してみたい気持ちっていうのはありました。

それとは別に単純に『GUILTY GEAR』みたいな格闘ゲームをさらに進化させると、「こういうことになるんじゃないか?」みたいな妄想とか、『DAMON and BABY』よりももっと小さなゲームの“一発ネタ”みたいなのとかもすごく貯めてあるんですよ。いつかどこかのタイミングでいろいろやりたいなとは思っていますけど。

──やりたいことが多すぎてどこから始めれば良いのかみたいな……感じですね(笑)。

石渡氏
そうなんですよ。だから僕は周りにいつも「寿命は400年ないとダメ」って話をしてるんですけど(笑)。

──ありがとうございます(笑)。最後に、これまでのアークとこれからのアークについて、目指している方向性の違いや将来的な展望について、アークファンやゲーマーにメッセージをお願いします。

石渡氏
石渡氏:今のアークを好きでいてくれる人たちは、その多くが格闘ゲームをきっかけに興味を持ってくださった方だと思います。僕たちゲームメーカーとしては、格闘ゲームの方はもう十分にラインが揃っている手応えを感じているので、それ以外の領域にも挑戦してみようという段階にあります。

それ以外の挑戦というのは、今回の『DAMON and BABY』のような期間やバジェットのものから始めています。これがすごく重要な開発ラインであって、今後も続けていくにしろ、やはり「この次のステップ」というところにもビジョンがあります。「A」が成長したら「AA」。「AA」ができたら「AAA」みたいな、かなり長いスパンの話になってしまうのですが、夢としてしっかり構想を持っています。

その中で「格闘ゲームのキャラクターは好きだけど格闘ゲームが苦手」、あるいは「格闘ゲームもキャラクターも好きだけど、たまには違うことがやりたい」といったときに他のゲームも遊んでもらえるような世界の広がりを将来的に目指していきたいと思いますので、ぜひ応援いただければと思います!

──本日はありがとうございました!

DAMON and BABY

DAMON and BABY

Switch
PS5
PS4
PC

2026年3月26日 発売中

各ストアで詳細をチェック!

その他の新作ゲームもチェック!

発売日など基本情報

発売日

PS4: 2021年6月11日

PS5: 2021年6月11日

PC: 2021年6月11日

Switch: 2025年1月23日

Xbox: 2023年3月7日

会社

ARC SYSTEM WORKS

ジャンル 格闘ゲーム
対応ハード PS4 / PS5 / PC / Switch / Xbox
価格
PS4 : 3,628円(税抜)
PS5 : 3,628円(税抜)
PC : 3,628円(税抜)
Switch : 5,400円(税抜)
Xbox : 3,628円(税抜)
公式HP
DAMON and BABY

DAMON and BABY

Switch
PS5
PS4
PC

2026年3月26日 発売中

各ストアで詳細をチェック!

GameWith編集者情報

そりすのプロフィール
そりす
東京都福生市生まれのゲームライター。そしてお酒と革靴が好物でソロキャンプが趣味のミニマリスト気質おじさん。サ終ゲームのヒロインをAIで復活させてニヤニヤしたり、国語辞典を持ち歩いて山中フラフラしたりしています。ULキャンプに傾倒しているためSNSは大体キャンプの話題が多め。
Amazon売れ筋ランキング

いま注目のAmazonベストセラー!

Amazon売れ筋ランキングはこちら

「ゲーム検索」で新しいゲームを見つける

関連記事

掲示板

DAMON and BABYに関する雑談をする際にお使いください。簡単な質問もこちらでどうぞ。

500文字以内

利用規約に同意の上、書き込むボタンを押してください。
※悪質なユーザーの書き込みは制限します。
※荒らし対策のため初回訪問から24時間以内は書き込みができません。

閉じる
このゲームについて書き込もう

このゲームが好きなあなたに

×
コラボジャック_オーバーレイ