
殴り合った後はお茶会へ。かわいい魔女たちを力尽くで「説得」
韓国のインディー開発チームTeam Tapasが送り出した『魔女の庭』は、かわいらしいアニメ調の世界で遊ぶ見下ろし型アクションローグライトだ。約1年の早期アクセス期間を経て、ついにバージョン1.0として完成された姿を現した。

もちもちとした温かみのある見た目とは裏腹に、プレイヤーの判断力と操作スキルをじっくりと試す本格的なアクションゲームであり、一歩足を踏み入れれば、底なしの心地よさに誰もが引き込まれるだろう。
目次

インディゲーム100選!
わがままな魔女たちをブチのめして「説得」

舞台となるのは、現実世界とは別の「夢の魔女」たちが夢の中に創り出した理想世界「庭(ガーデン)」だ。この庭を維持する鍵となるのが、毎年開かれる魔女たちのティーパーティーである。魔女たちを集め、お茶会を成立させることが、崩壊を止めるための儀式のような役割を果たしている。
しかし、魔女たちは自由奔放で気まぐれだ。それぞれ固有の領域に閉じこもり、素直にお茶会へ出席しようとしない。

そこで立ち上がるのが、本作の主人公である糸の魔女「シル」だ。しっかり者ながら苦労人の気配が漂うシルは、巨大なハサミと魔法を手に、わがままな魔女たちを力尽くで「説得」――つまりブチのめしに行く旅へと出る。

シルが説得する魔女たちは、誰もが強烈すぎる個性の持ち主だ。美しい温室で泥酔し、悪夢にうなされている花園の魔女フィエナを皮切りに、広大な農地に立てこもり、巨大なカマを振り回すかぼちゃの魔女アビゲイル。不気味で豪華なお屋敷を構え、シルのおいしそうな血肉を奪おうとする双子の魔女リムズとベリー、そして生真面目で頑なな本と蝋燭の魔女クロエなど、実に多彩な顔ぶれが揃っている。

彼女たちは敵というわけではなく、ただ単に正気を失っていたり、お茶会に出るのが面倒くさかったりするだけだ。だからこそ、叩きのめし……いや説得した後の会話はコミカルでとても楽しい。「殴り合ったらマブダチ」というより、「マブダチだから殴り合っている」といった感じである。

この魅力的な世界をさらに豊かに彩るのが、バージョン1.0で実装された待望の日本語キャラクターボイスだ。主人公シルを演じる長谷川育美は、クールでありながら包容力と芯の強さを感じさせる演技で、シルの魅力を十二分に引き出している。氷青、本田乃愛、小白川愛菜、首藤志奈、杉山里穂、白砂沙帆らも、個性豊かな魔女たちの愛らしさをいっそう際立たせる。
敵の予備動作を見切るスピード感あるバトル

戦闘の軸となるのは、ハサミを振り回す近接攻撃と、各種の魔法や特殊スキルだ。敵の行動を見ながら攻撃と回避を繰り返す、スピード感のあるアクションが基本となる。
敵の一部の攻撃は、発動前に攻撃範囲が赤く表示されるため、ある程度は予測できる。ただし攻撃までのタイミングはまちまちで、とくにボスが繰り出す「一面が真っ赤に染まる」「画面中をくまなくじゅうたん爆撃」といった攻撃には戸惑いやすい。

そのため、敵が行動前に取るしぐさや、武器や魔法の発光をよく観察し、攻撃パターンをつかむことが攻略のカギとなる。
特筆すべきは、バージョン1.0で戦闘と成長の仕組みが大きく見直されたことだ。アーリーアクセス版では、道中でスキルや強化を拾い、属性相性やルーンの組み合わせによって即興でビルドを作る比重が大きかった。
それが正式版では、出発前に武器庫でハサミと魔法を選び、その戦法を軸に攻略する形へと寄せられている。ランダムでぶっ壊れビルドを引き当てる楽しさは薄れた一方、使いたい武器や魔法を毎回確実に試せるようになり、操作と立ち回りの比重が高まっている。
武器と魔法、特性の組み合わせで戦い方が激変

各装備には、チャージや連撃、持続発動など固有の操作が用意されている。たとえばハサミは連撃の締めに強力な一撃を放ち、火炎球はボタンを長押しするほど威力が上がる。高速移動も、敵に糸をつないで引き寄せる攻防一体の技として使える。
さらに、道中で得られる特性や魔道具によって、スキルの挙動そのものが劇的に変化する。たとえば、一発の巨大な火球を無数の小さな火の雨へと変えたり、「血の玉」が出なくなる代わりに武器のダメージを底上げしたりといったカスタマイズが可能だ。

出発時に選んだ武器や魔法を軸としながら、刻印によって戦い方を変化させていく仕組みとなっているわけだ。
負けても成長は残る。挑戦するほどシルが強くなる

たとえ魔女たちの説得に失敗して返り討ちにされても、拠点である家に戻されるだけで、何度でもやり直せる。

敵を倒すことでレベルが上がり、それによって獲得したコインを使えば、最大体力や基礎的な攻撃力、移動速度、さらには命綱であるダッシュのクールタイム(再使用までの時間)短縮などを恒久的に底上げできる。
これにより、挑戦を重ねるたびにシル自身が着実に、そして強力に成長していく。アクションが苦手なプレイヤーでも、努力が確実に報われる優しい仕様だ。さっきまで苦戦していた敵の体力がみるみる減り、溶けるように消えていく様は痛快でさえある。

そして、お茶会は毎年開かれる。魔女たち全員を“説得”した後にも周回プレイが待っており、敵の体力や攻撃力が強化されるほか、新しいザコ敵も登場する。
ボスにも新たな攻撃モーションや挙動が追加され、さらには「体力ゲージを削りきっても復活」といった変化まで用意されている。前の周回では「部下の巨大メイドを戦わせるだけ」で傍観していた魔女が自ら加勢してきたり、しばらく反撃できず一方的に逃げ回るターンが登場したりと、常にサプライズが用意されているのだ。
第5章の先にも続く物語と新たな戦い

本作の物語は、メインストーリーの第5章をもって、お茶会の開催とともに一応の区切りを迎える。しかし、お楽しみはそこだけでは終わらない。

その後には3部構成のエピローグへと進み、不思議な種を育てる先輩魔女メイデルや、悲しき鏡の魔女メリーが物語の中心へと躍り出る。新たな武器や魔法、成長システムもアンロックされ、さらに奥深い戦闘スタイルと、少し切なくも温かい物語が楽しめるのだ。

世にある多くのローグライトゲームが何十時間、あるいは何百時間もかかるなか、本作の完全クリアにはそこまでの時間を要さず、密度の濃い冒険が待っている。かわいらしい魔女たちの激闘を交えたお茶会を、休日に楽しむのもいいだろう。
発売日など基本情報
| 発売日 |
2026年8月28日 |
|---|---|
| 販売元 |
Team Tapas |
| ジャンル | アクション |
| 対応ハード | PC |
| タグ | |
| 価格 |
PC : 2,000円(税抜)
|
| 最大プレイ人数 |
1人
|
| 公式HP | |
| 公式X |
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