ゲームレビュー
発売直前!仁王2プレイレビュー!
コーエーテクモゲームスより、2020年3月12日に発売予定の『仁王2』をGameWithのライターが一足先に遊ばせてもらったため、プレイしての衝撃や感想をネタバレなしで紹介するぞ。
仁王2
(株)コーエーテクモゲームス
各8,580円(税込)
闇を斬り裂く侍か、闇を纏いし妖(あやかし)か――
落命必須の高難度で人気を博す“戦国死にゲー”最新作がついに登場!
史実の名将や多種多様な妖怪たちが登場する、圧倒的緊張感のアクションRPG『仁王2』を体感せよ!
『仁王2』プレイレビュー
――多彩な戦闘システムで完成された“戦国死にゲー”の真骨頂
激動の戦国時代を描く大河ドラマに、日本古来の“妖怪”の伝承を取り入れたアクションRPG、『仁王』。
高難度なゲームバランスから“戦国死にゲー”とも称される同作は、今年の2月に全世界累計販売本数が300万本を突破するなど、ハードコアなゲーマーを中心に幅広い層への人気を獲得してきた。
――そして来たる3月12日、ついに同シリーズの最新作である『仁王2』が発売される。
戦国中期の“織豊時代”を舞台とする本作は、前作『仁王』をさらに50年ほどさかのぼった歴史を描く。
ゆえに主人公や登場人物も前作とは異なり、初代『仁王』の知識がないプレイヤーでも、全く問題なく楽しめる作品になっている。
しかし筆者が実際にプレイして抱く印象からすれば、その難易度は前作以上に“過激”なもので、“死にゲー”未経験者は勿論のこと、数多の死線をくぐり抜けてきた経験者でさえ大苦戦を強いられることになるだろう。
本記事ではそんな“戦国死にゲー”『仁王2』を先んじてプレイする機会に恵まれた筆者が、その魅力と醍醐味を紹介していきたい。
史実と伝承が入り交じる、戦国ダークファンタジー
さて、それではプレイレビューに入る前に、本作の舞台や世界観をザッと解説していこう。
本作の舞台は1555年。戦国中期の“織豊時代”。 血で血を洗う乱世を統一せんと、各国の武将とその配下たちは、戦や謀略に明け暮れていた。
そんな折、妖怪の力を身に宿す“半妖”の主人公と、商人「藤吉郎」が運命的な出会いを遂げる。 この後、2人は共に戦乱の世をのし上がっていくことになるのだが、彼らはまだそんなことを知る由もなかった。
そして主人公が“半妖”であることからも分かる通り、『仁王』シリーズには、日本古来の妖怪たちが登場する。
誰もが一度は名前を聞いたことがあるだろう「一本だたら」や「唐傘お化け」から、ちょっとマニアックな妖怪まで、その種類は非常に豊富だ。
そしてこれらの妖怪たちは、物語にも密接な関わりを持っている。
「藤吉郎」が売り歩く“霊石”という石も妖力を帯びており、どうやらこの霊石が二人の行く末に“大きな影”を落とすことになるらしい。
このように、“史実に基づく戦国時代”と“日本古来の妖怪の伝承”が入り交じる独自の世界観で形成される本作。
『三國志』『信長の野望』など、歴史モノの作品を数多く手がけてきたコーエーテクモゲームスのダークファンタジーとあって、その綿密な時代考証は至るところに感じられる。
自分で作り上げたキャラクターが、戦国の世を成り上がっていく
それではいよいよプレイレビューに入ろう。
まずはオープニングの後、プレイヤーは自分の分身となるキャラクターを作成していくことになる。
ここで作成した主人公はフィールドを動き回るだけでなく、ゲーム内のムービーシーンにも登場し、プレイヤーの没入感を高めてくれる。
だが『仁王2』のキャラクタークリエイトは決してそれだけでは終わらない。
『真・三國無双』『DEAD OR ALIVE』でも知られるコーエーテクモゲームス謹製の“美男美女”を作り出せるのである。
このように、初期プリセットの出来栄えだけでも凄まじい本作。
様々な種類があるので、もし造形が難しいようであればテンプレートを参考に手を加えていくのも一つの手だろう。
そんなわけで、人によっては丸一日を費やすことになるであろうキャラクリエイトが終了すると、いよいよゲーム本編の開幕である。
かなり高難度な“死にゲー”だが、「打開策」も無数に存在する
ではいよいよ、“死にゲー”たる本作の醍醐味である「ステージ攻略」と「戦闘」について語っていく。
まず前提として本作のメインミッションは、“ステージ+ボス”で構成されたマップを攻略していくステージクリア型のゲームシステムで進行する。
それぞれのステージには、「焼け落ちた村落」「荒廃したいにしえの神社」といったような特徴的なロケーションが用意されており、登場する妖怪やボスもそれぞれに違いがある。
そしてこういったステージの道中には、ザコ敵や中ボス格の敵、トラップといった様々なギミックが巧妙に配置されており、それらすべてがプレイヤーの“落命”を全力で狙いに来る。
ゆえにプレイヤーは、圧殺、衝死、溺死、斬殺、咬殺、叩殺、焼死、撲殺などなど、様々な死因でむごたらしく命を落とすことになる。
そしていずれは、どこかでとてつもない強敵に出会い、“詰み”を経験することにもなるだろう。
そしてここからが『仁王2』の醍醐味なのだが、本作には強敵での“詰み”を打開する戦闘の要素が無数に存在している。
まずはじめに、『仁王』シリーズの大きな特徴である「構え」システム。こちらは上中下段の3つの構えで攻撃のモーションとスピードが変わるもので、隙の少ない敵にはスピードに勝る下段メインで、大きな隙がある敵には一撃の攻撃力が高い上段メインでといったように、武器を変えずとも3つの戦い方ができる。
近接系の武器9種それぞれに、3つの「構え」が存在するので、2つの武器種を扱うプレイヤーの場合なら2×3で6通りの戦い方が“選択肢”となる。
ここから強敵と最も相性が良い「構え」を選べば、必然的に戦闘を優位に進められるわけだ。
そして「スキルツリー」では、スキルポイントを消費していわゆる“コマンド技”にあたる「武技」を獲得できる。
それぞれの「構え」ごとに固有の「武技」が存在するので、いきなり覚えるのはなかなか苦労するのだが、ひとたび使い慣れてしまえば戦い方にバリエーションが出てくる。
このように武器種×構え×武技の組み合わせは、戦い方の可能性を無限大に広げてくれる。
すべての「武技」を器用に使いこなすのはなかなか難しいが、上手く刺さる使い方ができるようになってくると、爽快感もひとしおだ。
次に妖怪を倒すことで手に入る「魂代」を体に憑依させて発動する「妖怪技」についても解説していこう。
こちらは妖力ゲージという紫色のゲージを消費して使うもので、各妖怪の“代表的な技”をそっくりそのまま使用できる。
強力なものほど妖力ゲージを使用するので扱い方が難しいが、上手く戦闘に取り込めばビジュアル的にも映える戦い方ができるだろう。
続いて「妖怪化」。これは本作における“必殺技”のようなもので、自分の守護霊によって「猛」「迅」「幻」の3種の妖怪に変身できる。
妖怪化中は敵の攻撃を受けても体力が減らず、代わりに専用のゲージを消費する(攻撃を受けていなくても徐々にゲージは減少していく)。
ゲージがなくなるまでの間は“無敵”になれるので、攻撃だけでなく、ピンチの時の防衛策としても活用可能だ。
なおこの「妖怪化」時は、通常時とは比較にならないほどのスピード感や手数で、コーエーテクモゲームスの“無双シリーズ”のような爽快感が味わえるのだが、被弾が重なればすぐに終了してしまう。やはりそこは“死にゲー”らしく絶妙なバランス調整がなされていた。
そして最後にカウンター攻撃にあたる「特技」。敵が赤いオーラを放つ攻撃をしてくるタイミングで発動すると、その攻撃をキャンセルしつつ気力にダメージを与えることができる。
こちらも「猛」「迅」「幻」の3種の守護霊で技のパターンが変化するもので、カウンター攻撃にはお決まりの多少シビアな発動タイミングが求められる。
主にボス戦や強敵との戦いで多用することになるが、相手の攻撃を攻めの機会に転じられるのは大きな強みと言えるだろう。
このように『仁王2』には、強敵との戦闘を突破するための方法が“無数”に存在し、使い方をマスターすることによってプレイヤー側はどんどん有利になっていく。
ゲームの極悪な難易度をプレイヤー側が“多彩な選択肢”で攻略していくのが、本作の面白さの真骨頂と言えそうだ。
レア武器を集める“トレジャーハント”と“死にゲー”の相性の良さ
そして『仁王2』、ひいては『仁王』シリーズの魅力を語る上で、もう1つはずせないものが、レアな武器を収集する“トレジャーハント”要素の存在だ。
本作では敵を倒した時に武器や防具をザクザクとドロップするのだが、それらには“レアリティ”や“特殊効果”が存在する。
同じ武器種でもそれぞれに異なるパラメーターを持ち、3ついずれかの「構え」に相性が良いものがあったり、武技のダメージが増加したりなど、様々な効果が施されている。
またこれらの武器の中には稀に、いわゆる“妖刀村正”のような不吉ないわれを持つ「妖怪武器」というものが存在し、その武器で攻撃すると「妖念ゲージ」が貯まっていく。
そしてゲージをMAXにすると……なんと武器に宿る“妖怪らしき存在”がプレイヤーに話しかけてきたりする。
こういったロールプレイ的な要素を含め、日本各地に眠る名刀やいわくつきの妖刀を集めていくような感覚をもたらす“トレジャーハント”の要素はプレイしていて非常に魅力的だった。
まだ見ぬレアな装備や、妖怪の「魂代」を求めて、各地のサブミッションなどを放浪するのも楽しいに違いない。
仁王2を総括してみる
『仁王2』は、その高難度なゲームバランスを、プレイヤーに“多様な選択肢”を与えることで打開させる、進化した“戦国死にゲー”だ。
立体的で美しい景観が広がるステージも魅力的で、特に“美濃国 鷺山”の地下にある古びた神社のフィールドは今でも印象に残っている。
他にも本作には、種類が豊富な妖怪たちや、武器のトレジャーハント要素、ドラマチックなストーリーなど、ゲームを楽しめる要素が多面的に用意されていた。
序盤をひととおりプレイしただけでも、最後までプレイするに違いないと思わせるクオリティの高さが端々に感じられ、今後の展開への期待感は高まる一方だった。
また今回はオフラインだったためプレイできなかったが、各種オンライン要素にも期待したい。
他のプレイヤーと一緒にステージを攻略できる「まれびと招喚」や、オンラインでフレンドなどと最大3人でミッションを楽しめる「常世同行」など、協力要素もきっと楽しいことだろう。
「秀吉」の物語の決着、未知なる妖怪との対峙、まだ見ぬレア武器との邂逅など、気になることが山積みの『仁王2』。
初代『仁王』をプレイせずとも楽しめる作品となっているので、“死にゲー”未経験の人にこそ、ぜひプレイしてみてほしい。