
アニメやゲームファンが集う、中国最大級の動画共有サイト「Bilibili(ビリビリ)」が主催する「bilibili FIRST LOOK: GAME」が、2026年6月12日から16日まで中国・上海で開催された。


新作ゲームの体験会や情報公開を独占的に取り扱うプロモーションイベントで、同サイトで活動するインフルエンサー「UP主」たちが招待され、開発スタッフによるプレゼンテーションや試遊が行われるのが大きな特徴。後日、「UP主」が手掛ける映像コンテンツとして、参加タイトルが紹介される。

今回は以下の6タイトルが参加。世界から注目を集めていたり、まったくの新作だったりと、多彩なラインアップとなった。
- Beast of Reincarnation
- Hundred Nights: DIFU
- Monster Fantasy
- Sonic Racing: CrossWorlds
- Stranger Than Heaven
- Sword Sage: Awakening
GameWithは本イベントに参加する機会を得た。ここでは上記のタイトルのうち、『Hundred Nights: DIFU』について、試遊と開発スタッフインタビューをもとにレビューをお届けしていこう。
冥界の経営では死者の魂が客であり住人でもある

『Hundred Nights: DIFU』は、PixelsCove Gamesが開発するPC向けの経営・箱庭シミュレーション(コンソール機でも展開予定)。タイトルにある「DIFU」は、中国語で冥界を意味する。
舞台は文字通り、中国の死後の世界をモチーフにした冥界だ。プレイヤーは荒廃した冥界の新任管理者となり、施設を整えて「裁きの場」を構築し、冥界に辿り着いた死者たちの魂を裁き、転生へ導く。いわば「死後の世界を経営する」のだ。

▲浮遊島が連なった冥界。島同士をつなぐ鎖や各所の施設から、平面ではなく立体空間を扱う箱庭シムであることが伝わる。
本作の基本は、彷徨う魂たちを冥界の施設から施設へと誘導していくことだ。
魂はまず、島に設置した冥界の入り口からやってきて、裁きを受ける。その後、生前の行いに応じた罰を受け、最後に前世の記憶を消されて転生へ向かう。
試遊版では、「裁きの場」を作るところから流れを学べた。範囲を指定し、机などの必要な施設を置き、裁きを担当する冥界スタッフを雇う。

▲魂たちが列を作っている。冥界は罰を受ける場所であると同時に、魂がしばらく過ごす場所でもある。
ここでおもしろいのは、魂が単なる処理対象に留まらないことだ。罰を受けたあとすぐ転生する魂もいれば、まだ「冥界で過ごす時間」が残っていて、しばらく滞在する魂もいる。
滞在する魂は、罰を受けたあと生活エリアで暮らすことになる。開発チームは「生活エリアでは、魂の行動は処罰の流れではなく、自分の欲求で動く」と話していた。食事、睡眠、娯楽、故郷や生前への思いといった欲求が沸き上がり、魂はそれを満たす施設へ向かう。
施設を置いて数値を上げるだけではなく、そこに住む魂が動き、必要な場所を使う。冥界が「生活空間」へ変わるのだ。
冥界らしい施設が経営の悩みに変わる

施設には、魂の不満を抑えたり、稼働効率を上げたりするパラメータが設定されている。冥界らしさを感じさせる灯りや石像などの装飾を置くことで、それらの数値が上がる。
装飾は単なる見た目の楽しさや雰囲気づくりとともに、効率化を担っている。箱庭的な配置遊びの楽しさも増してくる。

魂を待たせ続けると不満が溜まり、やがて怨霊のような存在になる。怨霊は施設を壊し、冥界の流れを乱す存在だ。開発チームは「行列が長くなったり、魂の願いが満たされなかったりすると不満が溜まる」と説明していた。
箱庭シムとして見れば、これは来客の不満や施設故障に近い要素と言える。

高低差が箱庭作りにも経営にも影響する

本作の地形カスタマイズは、円形に近い浮遊島を増やし、高さや位置を調整しながら、自分なりの冥界を作っていくというもの。
離れた島同士は、鎖などでつなげられる。ただし、移動が不便だと魂の不満が上がる。つまり、交通網は景観だけの要素ではなく、 行列や要求の管理に直結する。
開発チームは、この地形カスタマイズの自由度について「角度や位置を少しだけ調整したいプレイヤーを縛りたくない」と語っていた。建築や景観づくりを楽しむプレイヤーにとっては、腕の見せ所になるだろう。

高低差については、景観だけで終わらない点にも注目したい。開発チームは「すべてを大きな平面にしてしまうと、物理的な施設を効率よく使えない」と説明している。
たとえば、火鉢を置くと銅柱が熱を帯びる。熱や風は上へ流れるため、将来的には蒸気や高温を発する場所の上に足場を作り、そこに熱を必要とする施設を置く、といった使い方が想定されている。

今後は鎖だけでなく、船やからくり装置のような交通手段も構想にあるという。プレイヤーは、どの島にどの施設を置くか、魂がどの順番で移動するか、移動の負担がどこに出るかを見ながら冥界を整えることになる。
試遊版ではまだ完成形は見えていないが、3D空間で浮遊島や足場を組み合わせるという要素は、通常の箱庭シムとは違う手触りにつながりそうだ。
冥界の経営とビジュアル的な楽しさを担う施設のスタッフたち

冥界の経営を回すのは、プレイヤーひとりではない。施設で働く冥界スタッフを雇い、各施設に配置する必要がある。
現時点では、スタッフの育成要素はまだ限定的だった。しかし、開発チームは「スタッフの管理と育成は重要なシステム」と話している。
例として挙がったのが、転生前に飲ませるスープを作るスタッフだ。スキルが低いスタッフは、作業中に失敗したり、はしごから落ちたりすることがあるという。

これは単なるコミカルな演出では終わらなさそうだ。 給料の安いスタッフを雇えばコストは下がるが、作業の安定性には課題が出る。高い能力を求めれば、今度は雇う人数に悩むことになりそうだ。
今後は、スタッフの昇進や昇給の希望、スタミナ、休憩、スキル習得などの要素が入る予定とのこと。施設の連なりだけでなく、その施設で働く者の状態も見る必要があるのだ。
まとめ:コミカルでカジュアルな「手をかけたくなる箱庭」

魂を審判して罰し、転生へ導く箱庭作り。怨霊化を防ぐ導線の設計。冥界スタッフの育成。立体的な地形づくり。これらを中国の冥界という題材の中でつなげようとしているのが、本作『Hundred Nights: DIFU』といえる。
コミカルでくすっと笑えて、ずっと眺めていたくなる世界観も魅力だ。

開発チームが語った「お金稼ぎばかりを考えるゲームではなく、カジュアルな経営シムとして成立するように調整していきます」、さらに「デジタル盆栽」という言葉も、この方向性をよく表している。自分の手で少しずつ整え、動きを眺めて楽しむゲームということだろう。
短時間の試遊でも、目指すところは十分に伝わってきた。一風変わった箱庭ゲームや経営シムを好むのであれば、今後の進化を見守っていきたいタイトルだ。

発売日など基本情報
| 発売日 |
近日中 |
|---|---|
| 販売元 |
PixelsCove Games |
| ジャンル | シミュレーション ストラテジー その他シミュレーション |
| 対応ハード | PC |
| タグ | |
| 価格 |
PC : 未定
|
| 最大プレイ人数 |
1人
|
| 公式X |
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