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この記事でわかること
・「GOBBLE!」の文字とともに敵を平らげる捕食アクションの爽快感
・1枠しか持てない「特性」が生む取捨選択の面白さ
・キュートな見た目とダークな気配が同居する日本一ソフトウェアらしい物語

日本一ソフトウェアの完全新作2D横スクロールアクション『GOBBLE(ガブル)』が、2026年9月24日に発売される。対応プラットフォームはPS5,Switch,Switch2,PC(Steam/Windows)。
勇者にあこがれる少年・ルゥトと、自称・最強のモンスター「カマエル」。しゃべる鎌となったカマエルを振り回し、敵を喰らって能力を奪いながら地上を目指す、というのが本作の骨子だ。
本作が生まれたのは、日本一ソフトウェアの社内コンペ「日本一企画祭」。入社2年目の社員が立ち上げた企画が採用され、その社員自身が開発責任者とキャラクターデザインを兼任している。
『htoL#NiQ -ホタルノニッキ-』『夜廻』『嘘つき姫と盲目王子』といった個性的なタイトルを送り出してきた企画祭の系譜に、また1本が加わった形だ。

本記事では、発売に先駆けて製品版をプレイする機会をいただいたので、その手触りをお伝えしたい。
結論から書くと、倒して、喰らって、また走り出すサイクルが気持ちよく回る一本である。そして、その気持ちよさを支えているのが「特性は1つしか持てない」という、一見すると不自由な仕様だった。
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目次
GOBBLE
2026年9月24日 発売予定
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凸凹コンビの旅路と、目に見えるものが真実とは限らない物語

▲かつてこの世を手に入れようとしていた魔王を、勇者が討ち滅ぼしたという。
物語の始まりは、平和だったはずの村がモンスターに襲われる場面から。家族とはぐれてしまった少年・ルゥトは、逃げ込んだ地下で人の言葉を話すモンスター・カマエルと出会う。
「腹が減った」と喚くばかりのカマエルに嫌々従いながら、家族のもとへ帰るために地上を目指すルゥト。勇者にあこがれる少年と、自らの食欲に忠実なモンスター。この凸凹コンビのやりとりが、まず面白い。

演出はカートゥーン調でとにかくコミカルだ。キャラクターの動きに合わせて擬音が画面に飛び出し、ストーリーの要所ではコミックのコマ割りをそのまま動かしたような見せ方になる。

敵モンスターのデザインも可愛さとグロテスクさが同居した絶妙な塩梅で、「捕食」というシビアな行為をコミカルに包み込むバランスが見事。

見逃したくないのが、ステージ中の何気ない掛け合いである。初めて見るギミックに遭遇したときや特定のモンスターを捕食したときなど、ふたりはいちいちコメントを入れてくる。
捕食したモンスターの味に言及するカマエルと、それを冷たくあしらうルゥト。序盤はカマエルが一方的にまくし立てるばかりだったやり取りが、進行するにつれて対等な会話へと変わっていく。本筋ではないところで関係性の変化を見せる、この積み重ねが効いている。

そして物語のトーンには、日本一ソフトウェアらしさを強く感じた。目に見えるものと真実が異なる──同社作品ではおなじみの構造ではあるが、やはり引き込まれる。
きっとカマエルはいいバディになるのだろうな、という予感を抱えたまま進む時間が楽しい。ただ、一筋縄ではいかない、シビアな展開もあるだろう。結末がとにかく気になっている。
GOBBLE
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倒して、喰らう。「GOBBLE!」の一撃が爽快
基本のサイクルは単純だ。カマエルを振り回して敵を攻撃し、気絶したところを「捕食」する。倒した敵を喰らうことで体力を兼ねた捕食ハートが回復し、さらに特定の敵からは「特性」を奪える。
捕食そのものでも攻撃は可能だが、吹き飛ばすだけでダメージは与えられない。基本は気絶させてから喰らう、と覚えておけばいい。
▲「カウンター捕食」1回目は失敗、2回目は成功した例。
ここで効いてくるのが「カウンター捕食」だ。敵が攻撃を仕掛けてくるタイミングで光る黄色い円が出現し、そこに合わせて捕食を入力すると、相手の残り体力を無視して一撃で喰らえる。これが決まったときの快感は、本作随一と言っていい。
実際プレイしてみると、初見ではなかなか難しく、何度もタイミングを外した。ところが慣れてくると次々に成功するようになり、倒して、食べてのサイクルが一気に加速する。それぞれのアクションにかかる時間が短く、テンポを損なわない設計になっているのも大きい。

▲ボス戦のラストは捕食で締める。
さらに捕食時には画面に「GOBBLE」の文字が大きく表示される。この演出とアクションが噛み合い、爽快感を何割か増しにしてくれる。
BGMも軽快で冒険感があり、走り抜けるテンポによく合う。プレイしていて気分が上がる音楽だ。
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特性は1枠のみ。その不自由さが面白い
本作でもっとも悩ましく、そしてもっとも面白いのが「特性」の仕様である。
特定の敵を捕食すると、その能力を奪って使えるようになる。ただし一度に持てるのは1つだけ。新しい特性を得るには、いま持っているものを手放さなければならない。

▲ちなみに特性を使用すると、捕食で得たハートを消費する。
今回のプレイで手にしたのは、炎の柱を広げる「フレイム」、敵を繭で固めて足場に変える「スティック」、氷塊を飛ばして攻撃する「フロスト」の3種。ほかにも雷を落とす「サンダー」、スイッチを作動させる「プラント」、一定時間飛べる「ジェット」などが存在する。
これらは戦闘だけでなく、ギミック攻略にも使う。木のブロックはフレイムで燃やし、届かない足場にはスティックで作った繭を踏んで登る。つまり、「ここを抜けるにはあの特性に切り替えるべきか」と、プレイヤーが考える場面も自然に生まれるわけだ。
いくつもストックできる仕様であれば、それぞれにボタンを割り振る必要が出てきて、操作は確実に複雑化していただろう。1枠という制限は、シンプルさと思考の余地を両立させるための選択だったと感じる。

▲3段階目まで威力が増したフレイム。
もうひとつ面白いのが、同じ特性を持つ敵を続けて捕食すると、特性そのものがレベルアップする点だ。
「フレイム」であれば立ち上がる火柱の数が増えるなど、威力や効果に目に見える変化が出る。同じ敵を狙って喰らう理由がここで生まれる。

加えて、ストーリーが進むとルゥトにできることが増えていく。2段ジャンプ、ツタに噛みついて跳ぶ「フックジャンプ」といった具合に、次はどんな動きが解禁されるのだろうというワクワク感が持続する。
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ボス戦は攻略の糸口を探す時間が楽しい

各エリアの最奥には、ボスが待ち構えている。ボスは体を守る「アーマー」を持ち、これを削り切らないとまともにダメージが通らない。
削る手段は2つ。カウンター捕食を叩き込んで一気に削るか、通常攻撃で着実に減らしていくか。どちらを選ぶかはプレイヤー次第という設計になっている。

カウンター捕食が決まればアーマーをガッツリ削れると分かってはいても、狙って成功させるにはトライ&エラーが必要だった。
初見のボス戦は、どうしても相手の動きを読み切るまでに時間がかかる。だが、その攻略の糸口を探している時間こそが面白い。
ボス戦には特定のギミックが用意されており、それを使用して攻略する場合もある。最初は苦戦しても、慣れてくれば難なく倒せる。この難度の落とし方が実に気持ちいい。
そしてボス戦のBGMが、また良い。通常の敵とは違うぞという強さと恐ろしさを突きつけてくる曲調で、これが勝利の瞬間の爽快感を一段引き上げてくれる。
何度やられても、その場ですぐリトライできる。挑戦する意欲を削がない配慮が行き届いている点も書き添えておきたい。
GOBBLE
2026年9月24日 発売予定
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宝探し感覚がクセになる収集要素

ステージ中には、3種類の収集アイテムが散らばっている。
モンスターコア:あちこちに落ちている光の結晶。100個集めると一定時間無敵になり、攻撃力も上がる
モンスターミート:1ステージに3つ配置。使用するとキャラクターやモンスターの情報が読める
カギのかけら:通常と色の違う「ベリー色」のモンスターを捕食すると入手。一定数集めるとロックされたステージに挑めるようになる
収集要素として遊びごたえがあるのは、後者の2つ。とくにモンスターミートは、実にいやらしい場所に隠されている。ステージが進むほど隠し方の意地悪さは増していき、それを探し回る宝探し感覚がクセになる。まったく、いやらしい。もちろん褒め言葉である。

▲アーカイブでは、各キャラクター情報に隠された部分がある。獲得したミートを消費することでアンロックできる。
カギのかけらを集めて解放されるステージもあるので、コンプリートを狙う人はぜひ挑戦してほしい。
GOBBLE
2026年9月24日 発売予定
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初回生産限定特典は1箱にぎっしり

▲初回生産限定特典のパッケージ。
パッケージ版には、数量限定で初回生産限定特典が付属する。特製BOXにサウンドトラックCD、アートブック、ラバーキーホルダー、描き下ろしイラストのトラベルステッカー3種を封入して、価格は通常パッケージ版と同じだ。

ステッカーとラバーキーホルダーは、本作の世界観をそのまま切り取ったようなポップで可愛い仕上がり。アートブックには登場キャラクターや敵のアート情報が詰まっているが、ネタバレも含まれるのでクリアしてから開くことを強くおすすめする。
そしておなじみのサウンドトラック。本作は音楽がすばらしいので公式サントラの同梱はありがたい。すべて遊び終えたあとに、じっくり聴き込みたいと思っている。
なお、アートブックとサウンドトラックをデジタルで楽しめる『デジタルデラックスエディション』も用意されているので、そちらも要チェックだ。
GOBBLE
2026年9月24日 発売予定
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まとめ:慣れてからが本番。横スクロールアクション好きに勧めたい

本作を通して感じたのは、制限がそのまま面白さに転化しているということだ。特性は1枠しか持てず、ボスのアーマーは正面から殴っても削り切れない。その不自由さがプレイヤーに考えることを促し、噛み合った瞬間の爽快感を生んでいる。
アクション初心者は、カウンター捕食のタイミングに慣れるまで時間がかかるだろう。ただし慣れてからがめちゃくちゃ楽しい。何度やられてもボス戦であればその場で再挑戦できるので、投げ出す前に手が馴染むはずだ(エリア途中なら最初から、もしくはチェックポイントから再挑戦)。
逆にアクションが得意な人なら、スタイリッシュな動きで軽快に駆け抜けられる。

キュートな見た目と、その奥にちらつくダークな気配。このギャップが好きな人には深く刺さる。ちなみに筆者は大好物だ。1ステージの攻略にかかる時間も初見でおよそ5分と、短すぎず長すぎない。この手触りは、横スクロールアクション好きにこそ確かめてほしい。

購入前に感触を確かめたいなら、体験版が用意されている。収録はステージ1「空腹のモンスター」、ステージ2「ゆれる炎」、ステージ3「むさぼり回廊」の全3ステージで、ゲーム冒頭から最初のボス戦直前まで、およそ30分程度のボリュームだ。セーブデータは製品版に引き継げる。
GOBBLE
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【特別インタビュー】開発責任者に聞く『GOBBLE』のこだわり

発売に先駆けて、本作の開発責任者である日本一ソフトウェア・鈴木萌氏に話を聞くことができた。企画の出発点から「カウンター捕食」の調整まで、作り手の意図をお届けする。
――本作は「日本一企画祭」発のタイトルで、鈴木萌さんが開発責任者とキャラクターデザインを兼任されています。企画を通すにあたって、最初に「これだけは譲れない」と考えていた核はどこにあったのでしょうか。
鈴木萌氏(以下、鈴木):「捕食」の仕様と、キャラクターのモーションの数です。カートゥーンのようにたくさん動かしたかったので、モーションはできる限り増やしました。
――「敵を喰らって能力を奪う」というアイデアは、企画の出発点だったのでしょうか。それとも「少年としゃべる鎌のバディもの」という関係性が先にあり、そこから捕食システムに行き着いたのでしょうか。
鈴木:「価値観の合わない人間と人外のバディもの」というところから出発しました。そこから「少年と、モンスターを捕食するモンスターのバディもの」となり、後に「能力を奪う」捕食システムの形になっていきました。
――「カウンター捕食」は残り体力を無視して一撃で捕食できる、かなり強力なアクションです。爽快感と難度のバランスを取るうえで、受付時間や光の演出はどのように調整していったのでしょうか。
鈴木:はじめはモンスターのモーションに合わせる形で受付時間を設定していきました。調整は、「難しすぎるから伸ばそう」「このタイミングは当てにくいからズラそう」など、実際のゲームとデータを行き来して行っています。
当初は光の演出も控え目でしたが、テストプレイを重ねる中で「わかりにくい」という意見が多く、今の形になりました。
――「特性」を1つしか保持できない仕様は、プレイヤーに取捨選択を強いる設計です。複数所持や付け替え自由といった案もあったなかで、あえて1つに絞ったのはなぜですか。
鈴木:操作を単純にしたかったからです。足を止めずに進められるゲームを目指していたため、考える時間をなるべく減らし、最小限の操作で攻略できるようにしました。
取捨選択は必須ですが、来た道を戻ってみると案外簡単に必要な特性が手に入って、収集アイテムが手に入るようなステージもあります。
――キャラクターの動きに合わせて描かれるポップな表現や、ストーリー要所のコミック風演出は本作の大きな特徴です。手描きアニメーション的な物量になったかと思いますが、制作上もっとも苦労したカットや演出はどれでしょうか。
鈴木:もっとも苦労したのは、捕食時やアーマー破壊時の演出などです。もともとステージ内でもにぎやかに表現していたので、特別感を出しつつ、頻繁に出て鬱陶しくならない塩梅を見極めるのが大変でした。
逆にコミック風演出は、シナリオが先に決まっており、やりたい演出が明確にあったため、比較的スムーズに作成できました。
――ルゥトとカマエルは、旅のなかで衝突を繰り返す関係として描かれています。「ポップでダーク」という本作のトーンにおいて、物語の落としどころで最も気を配った点はどこでしょうか。
鈴木:企画段階ではもっとダーク寄りでしたが、ポップな方向へ調整しました。これは『GOBBLE』らしいコミカルさを出しつつ、2人の成長を描いていくうえで、必要な調整だったと思います。物語が重く、湿度の高い内容にならないようには気を付けました。
――今回、初回生産限定特典付きの通常版を頂戴しました。特製BOXにサウンドトラックCD、アートブック、ラバーキーホルダーと描き下ろしイラストのトラベルステッカー3種が収められた、所有欲を満たしてくれる内容です。同梱物の構成は、どのような狙いで決まったのでしょうか。また、描き下ろしイラストのモチーフ選びで「ここを見てほしい」という部分があれば教えてください。
鈴木:イラストをしっかり見せつつ、できる限りたくさんのアイテムを同梱したい、という希望で今のような形になりました。
『GOBBLE』はモンスターも好評だったため、描き下ろしイラストにも様々なモンスターがいます。キャラクターを含め、モンスターたちの表情やポーズもじっくり見ていただけると嬉しいです。
――体験版もすでに配信されていますが、製品版をプレイするうえで「まずはここまで遊んでほしい」というポイントがあれば教えてください。あわせて、発売を待つ読者へメッセージをお願いします。
鈴木:体験版範囲の次にある、最初のボス戦を楽しんでいただきたいです。ボスには専用BGMがついているのですが、曲も見た目も少しだけ気の抜けた、でもしっかり手強いボスとなっています。
もちろんボス戦だけではなく、その後のルゥトとカマエルのストーリーもお楽しみいただけると幸いです。




