
「戦略が戦術に潰されてたまるものか!」
『ブリガンダイン アビス』は、その言葉を体現したようなファンタジーSLGだ。
そんな本作を発売前にたっぷり遊べるメディア向け先行体験会に招待された筆者は、意気揚々と会場に乗り込んで、その面白さをたっぷりと味わってきた。

期待が高まり早すぎる会場入りをしてしまった筆者。実際にゲームを始める前にハピネットの担当さんに軽くインタビューする。
筆者:ゲームの総プレイ時間はどれくらいを想定してるんですか?
担当さん:すべての要素をやり込むと、最低でも200時間くらいはかかります。
筆者:ほぁ!?

▲戦闘と内政の両方が楽しめますからね。
いやいや、この体験会は最大6時間と聞いているけど……時間、足ります?
いきなり圧倒的な大ボリュームを見せつけられて焦る筆者。さらに、その後のゲームプレイでも、容赦なく敵にタコ殴りされたり、敗北の連続で国から追い出されたりと、一筋縄ではいかない展開。
しかし、試行錯誤の末に待っていたのは、戦略がビシッとハマった瞬間の快感だった! 今回は、そんな悲喜こもごもを、まるごと、真空パックでお届けするレポートなのである。

▲会場には豪華な特典が同梱される『Limited Edition』が展示されていた。
とはいえ、筆者の持ち込んだ機材を設置したり、ジュースを買いに行ったり、トイレに行ったりしているうちに、最初の1時間はあっという間に溶けてしまった。
ぬぬぬ……恐るべし『ブリガンダイン アビス』。
あ、これは、筆者の段取りが悪いせいか。
プレイヤーの戦略が問われる国盗りファンタジーSLG

▲見ているだけでワクワクしてくる全体マップ。街道が繋がる隣国に戦争を仕掛けて奪い取れ!
『ブリガンダイン アビス』は、Switch2,PS5,PC,Xbox Series X|S対応のファンタジーSLGで、ハピネットから2026年8月27日に発売予定。25の勢力が割拠する広大なメルティーテ大陸を舞台に、侵略を目論む悪の帝国「新生アビスローア帝国」に立ち向かう。
本作を一言で表すなら、ズバリ「シンプルな国盗りゲーム」である。
全体マップには国が点在し、それが街道で繋がっている。プレイヤーは街道を通じて隣接する国に戦争を仕掛け、勝利すると奪えて、負けると奪われる。
ゲームはフェイズ制で進行していく。拠点や部隊を強化する「編成フェイズ」と、他国へ侵攻して領土を広げる「攻撃フェイズ」があり、これをワンセットで「節」と呼ぶ。

▲出撃部隊を自由に編成して、戦場に3部隊まで送り込める。リーダーユニットがやられると部隊ごと消滅するので要注意。
特定の節にはイベントが用意されている。残念ながら筆者はこのイベントに到達できなかったが、こうしたイベントに備えて軍備や拠点の拡張を行いながら、ゲームを進めていく。
これは本作の「戦略」部分として機能している。あらかじめ予測されるイベントに備えるためにどう自国を強化していくのか、どの国と戦闘するのか、知略を巡らせているだけで滝のように時間が過ぎ去っていく。
……マジで200時間は掛かりそうだ。

▲高低差のあるジオラマのようなマップが美しい。
とはいっても今回は体験会。筆者に許された時間はあと5時間だ。とりあえずゲームを把握するため、どこでもいいから攻め込むことにする。いざ、脳筋プレイ開始!
戦闘はターン制だ。プレイ時間の大部分をこの戦闘に費やすことになるが、これがよくできている。
まずマップが秀逸。シリーズおなじみのヘックスマスで区切られた戦場に、今作から高低差が追加された。ジオラマのようなリアルで立体的なマップが美しい。
そこにユニットを配置すると、ボードゲームのコマを1マスずつ進ませているような手触りがあって好きだ。
しかし、その難易度はガチだった。
「ゴリ押しできません!」賢すぎるAIに叩きのめされる

▲ストーリーモードでは6つの国を選べる。それぞれ違う物語を楽しめる。
筆者はストーリーモードをプレイ。国はグラン・ドラグニカを選択。難易度はノーマルだ。
チュートリアルが明けた第2節からは、自由に隣接国を攻め立てることができる。時間に追われている筆者は適当に隣国のラルカシアンに侵攻した。
戦闘が始まるといきなり砂漠だ。3〜4ユニットからなる3部隊が間隔を空けて展開し、前方には複数の岩山が見える。敵も同様に各部隊が離れて配置されている。見たところ戦力は互角のようだ。

▲こう見ると広さを感じないかもしれないが、実際にユニットを動かすとじつは距離があることがわかる。
1時間のロスで焦っていた筆者は、「防衛ラインが広すぎて考えていては時間が足りない!」と早々に思考を放棄。細かい地形効果やユニットの相性は完全に無視し、手持ちの部隊をひたすら前進させ、敵軍の全滅を狙うゴリ押し戦法を全軍に発令する。
しかし、本作のAIはそんな甘い戦術を許してはくれなかった。各個撃破を狙い、ターゲットしたユニットを執拗にタコ殴りしてくる狡猾さがニクい。
あわてて態勢を立て直そうとするが、もはや手遅れ。戦線は崩壊し、全方位から集中砲火を受けたこちらの部隊はあっけなく轟沈してしまった。
ぬぬぬ……これはマズいぞ。

▲遠距離攻撃ユニットを高所に配置して、敵に集中砲火を浴びせる。
5時間を費やして一度も勝利できないなんてことになったら……。無料のジュースを飲んだ以外、大した成果を挙げられないまま終わってしまう。非常にピンチだ。
ついに重い腰を上げた筆者は、戦術をガラリと変えることにした。こちらから無策に攻め込むから隙ができる。ならば、自陣の防衛ライン付近で強固な陣形を固め、向かってくる敵を迎え撃つ待ちの戦法でいこう。
これ完璧じゃない?
……そう思っていた時期が筆者にもありました。
まさかの、待ち戦法も通じない!?膠着戦で見えた本作の奥深さ

▲ギリギリまで接敵しても敵ユニットは初期配置から微動だにしない。
敵ユニットの攻撃範囲を見極め、ギリギリ届かないところに前線を構築する。たまらずにフラフラと誘き出された敵を、ここぞとばかりに撃滅。これこそが待ちの真髄だ。
さあ来い、いつでも来やがれ、さあ……あれ、ねえ、ちょっと近づいてきてよ!
いや、もう全然、敵が動かない。敵部隊は一定の距離を保ったまま、なかなか都合よくこちらの射程圏内に飛び込んできてくれない。最近のAIは賢いと聞くが、ついにゲームのAIまで筆者の頭脳を完全に凌駕したようだ。

▲リーダーが持つ上限コストの範囲で、さまざまなユニットを部隊に入れることができる。
膠着状態が続くなか、じりじりとターン数だけが経過していく。攻撃側の筆者にターン数制限がないのがせめてもの救いだ。
試しに1ユニットを射程内に前進させると、あっという間に取り囲まれて、またしてもタコ殴りだ。慌てて援軍を向かわせるも、結局、多勢に無勢で撃沈させられてしまった。
つまり、ゴリ押しも、待ちも、本作には通用しないということである。本作の絶妙でシビアなバランスに唸らされた。
いや、そんな悠長なことを言っている場合じゃない。追い打ちを掛けるように、別の国を占領していた別部隊が防衛戦に負け、本国へ敗走してくる始末。いよいよ大ピンチだ。

▲リーダーやモンスターはお金を支払って雇うことができる。戦場で倒れてもここで復活可能だ。
そこで筆者は、グミを食べながら考える。そして、キュピーンと気づいてしまった。戦場が広いということは、逆にそれを利用すればいいのだ。
つまり、敵の3部隊が横一列に離れて展開しているのなら、最右翼に自分の全軍を集結させて攻撃すれば、3対1の数的優位を作れるというわけだ。
射程外で移動すれば敵は動かないから集結は簡単。戦場の広さが仇となって左翼部隊が到着するころには勝敗はついている。逆に、こちらはずっと数的優位を維持できるという寸法だ。
いや、今度こそ、これ完璧じゃない?
数的優位を作って反転攻勢!戦略が噛み合う最高のカタルシス

▲東西に走る街道上で挟み撃ちにされる部隊。画面上の部隊が実は1部隊であることがわかる。チャンスだ。
マップを変えて、この戦術を実行してみると……狙いは見事に的中した。
戦場は海に面した丘陵地帯。街道が東西に伸び、中央の小高い丘には灯台がある。敵部隊は東の街道出口に1部隊、西の街道出口に2部隊が展開している。自軍は街道の中央に2部隊、敵に挟まれて展開する。少し離れた南に援軍が1部隊向かっている状況だ。
普通に考えたらこちらが不利な状況だが、ポイントは東街道出口に陣取っている敵1部隊。自軍は2部隊なので、こちらが有利だ。後続の敵部隊が追いついてしまうと形勢逆転なので、その前に一気に叩き潰しに行く。

▲スキルには地形に影響を与えるものもある。上手く使えば戦況を優位にできる。
指定したヘックスに血の雨を降らせる「ブラッディ・レイニー」などのスキルを駆使して、足止めしつつ戦っていると、南の援軍が続々と到着。作戦通り殲滅に成功した。幸い敵の部隊が到着するまでには、まだ数ターン掛かりそうだった。
ここで転進して、全軍で西に攻勢を仕掛ける。遠距離や魔法ユニットは灯台のある高台に陣取って攻撃の命中率を高め、街道の部隊はタンク役のユニットを中心に迎え撃つ。

▲高台から弓部隊が矢の雨を降らせる。勝利は目前だ。
狙いは的中した。今度は筆者が敵をタコ殴りにする番である。全軍で囲んでボコスカぶん殴る。むはははは、我が親衛隊の道を塞ぐものは何もない。
このままアルデンヌの森を迂回して、パリまで一気に電撃突撃するんやぁぁぁ!!……あ、しまった。本作は第二次世界大戦のゲームじゃなくて、ファンタジーSLGだったわ(笑)。
しかし、思わず史実の電撃戦と重ね合わせて熱狂してしまうほど、本作には「ちゃんとした戦略性」が存在するのだ。広大なヘックスマップを舞台に、部隊をどう機動させ、どこで局地的な数的有利を作るか。
それがピタリとハマり、迫り来る中央部隊を鮮やかに迎え撃った瞬間のカタルシスは、まさに戦略SLGの醍醐味そのものだ。まさか今日、ドイツ電撃戦を体感するなんて思いもよらなかった。
まとめ

▲ミッションモードでは25の国から1国を選択。それぞれの国で異なる目標が設定されていてバラエティ豊か。
と、ようやく勝利の道筋が見えたところで、すでに試遊会の終了が、あと1時間に迫っていた。 筆者はあわてて「ミッションモード」に挑戦。使用した国は妖精たちの国「ピュリファーノ」。目標は「99節以内に、拠点をレベル3にすること」だった。
面白いのは、これをどう達成するのかは、プレイヤーの自由だってこと。まったく戦争せずに探索で資源を集めてもいいし、逆に隣国に戦争を仕掛けて資源をかき集めてもいい。悩む間もなく、筆者は迷わず「略奪」を選んだ。

▲戦闘では地形効果も重要。水は命中率が下がるため、渡河中のユニットは狙われやすい。
シリアスな大河群像劇が描かれるストーリーモードとはまったく異なる、多彩な遊びの幅と自由度の高さには本当に驚かされた。プロデューサーが語っていた「最低200時間は遊べる」という圧倒的ボリュームはマジだなと確信した。
本作から導入された新システム「支援」と「展開」もユニーク。要するに現代戦SLGの輸送と、スキル合成を融合させたようなシステムだ。部隊モンスターのスキルをリーダーが取り込んだうえで、別の場所に展開して再度ユニットとして使用できる。
前作と違い、モンスターが「雇用」制になったのもいい。気軽に色々なモンスターと契約して、さまざまなスキルを使いこなせば、あるいは強力なコンボで敵軍をボコれるかもしれない。
筆者の対応をしてくれた担当さんも「できるだけたくさんのモンスターを発見して、愛着を持って育ててほしい」という熱い思いを話してくれた。

▲豪華特装版『Limited Edition』には、日本の伝統的なボードゲーム「16むさし -ABYSS edition-」が同梱。実際にゲームとして遊べるうえに、盤面はマウスパッドとしても使える。
『ブリガンダイン アビス』は、深い戦略と戦術を両方楽しめる、骨太でお得なファンタジーSLGに仕上がっている。
これだけの大ボリュームだと、6時間の体験会では伝えきれていないことも多々あると思う。それは、2026年8月27日の発売後に、実際に楽しんでもらうってことで、お許しいただきたい。
GameWith編集者情報

| フリーランス物書き。ドーナツ食べながら子どもとゲームするのが至高。好きなジャンルはインディーズとFPS/TPS。ゲームの腕前は皆無のポテトゲーマー。ジャンルやタイトルにとらわれずゲーム業界全体に興味があります。ゲーム以外にはアウトドア系やローカルニュースなどを執筆中。普段は塾講師、ときどきラジオパーソナリティ。 |
発売日など基本情報
| 発売日 |
2026年8月27日 |
|---|---|
| 会社 |
Happinet |
| ジャンル | シミュレーションRPG |
| 対応ハード | Switch2 / PS5 / PC / Xbox |
| タグ | |
| 価格 |
Switch2 : 8,200円(税抜)
PS5 : 8,200円(税抜)
PC : 8,200円(税抜)
Xbox : 8,200円(税抜)
|
| 最大プレイ人数 |
1人
|
| 公式HP | |
| 公式X |
その他の新作ゲームもチェック!
今後発売の注目作をピックアップ!
2026/07/16 発売
/PC/PS5
亰都ザナドゥ -桜花幻舞-
7,200円(税抜) 2
2026/06/18発売
/PC/Xbox
冒険家エリオットの千年物語
6,800円(税抜) 3
2026/07/09 発売
/PS5/PS4
GRANBLUE FANTASY: Relink - Endless Ragnarok
6,300円(税抜)




