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セミ、トンボ、ハチ、チョウ、カブトムシ。
日本の夏は昆虫天国だ。
外にも、家にも、ペットショップにも、夏になったら虫で溢れかえるのが夏の風物詩。「キモイ」とか言ってはいけないのだ。
ところが海外では虫を飼うなんてあり得ないことらしい。日本ではお宝クラスのカブトムシやクワガタも、海外ではゴキブリと同レベル。見た瞬間に殺虫スプレーで処分される…なんて不憫な。

▲マップをくまなく探索。アイテムや通路を発見して道を切り開くド直球の2Dアクション。
しかしいま、その虫が大活躍するゲームが世界中で話題となっている。その破壊力は、なんとリリースわずか3日でSteamの同時接続者数が40万人を突破するほど。
今回は、虫の世界を探索する2Dアクションの最高峰『ホロウナイト:シルクソング(Hollow Knight: Silksong)』を大紹介。
気持ち良すぎる操作と、ごん太な難易度がアメとムチとなって、プレイヤーに交互に襲い掛かる「ムズキ・モチイイ」ゲームの筆頭だ。
目次

インディゲーム100選!

Hollow Knight: Silksong
■「キモイ」どころか気持ちよすぎる虫アクション
『ホロウナイト:シルクソング』は、崩壊した虫の王国”ファールーム”を舞台にした探索型のアクションゲーム。プレイヤーは女戦士ホーネットとなり、この世界の頂点であるシタデルを目指して旅をする。
広大なマップを探索し、ボスを倒し、アイテムやスキルを発見することで得た能力を使ってさらなる奥地へと進んでいく。

▲絵画のように美しい世界。プリントして額に入れて部屋に飾りたいくらいだ
本作の魅力は爽快感たっぷりの操作性に尽きる。斬る、避ける、ジャンプするといった基本操作がとにかくスムーズなのだ。まるで自分が画面の中を駆け回っているかのような感覚で操作ができる。
ただの移動が妙に楽しくて無性に剣を振り回したり、ジャンプしたりしたくなって、ブンブンぴょんぴょんやってしまう。本作のマップには、破壊可能なオブジェクトがあちこちに置かれていて、武器を振り回すとなにかが壊れたり吹き飛んだり、アクションの気持ちよさは一級品。

▲クイックレスポンスで自由自在に操作できるアクションが魅力
そんなルンルン気分で序盤に臨んだ筆者。しかし早々に強敵の洗礼を受けることになる。そう、本作は試行錯誤を重ねて学ぶ骨太な難易度を誇る作品でもあるのだ。
その一例として、筆者の前に立ちはだかった名前も知らない中ボス──プレイ中、筆者は単に”あのムシ”と呼んでいた──との1時間に渡る死闘をお伝えしよう。

Hollow Knight: Silksong
■こいつをぶっ倒すまではやめられない
”あのムシ”はおもむろに現れた。
とある通路に陣取って筆者を待ち構えていたのだ。すでにストーリーに関係するボスとは一戦を交えて勝利した後。筆者には、あのムシの先にあるものがそれほど重要ではないと気づいてはいた。
しかし、本作は探索を常とする「メトロイドヴァニア」だ。あのムシの先になにがあるのか──見たい見たい見たいどーしても見た~い!のである。

▲ふてぶてしい態度の”あのムシ”。デカいうえに素早いのだ。
降りかかる火の粉は払うしかない。秒で倒すつもりで戦いに挑む筆者。はたして秒殺されたのはこちらであった。
幸いセーブポイントのベンチは近い。再戦するのも楽ちんでストレスがない。とにかく再戦を繰り返し攻略の糸口を探す。
「いやいや、あのムシ、マジで強いよ」
通常攻撃のモーションを確認したら近づいて、ジャンプからの下方攻撃で連続ヒットすることはわかった。これを足がかりに攻略したいところだが、たまに空中へ追撃してくるから侮れない。

▲冗談抜きで数百回はゲームオーバーにさせられた強敵。何度も敗北を繰り返し、少しずつ勝利の糸を手繰り寄せる。
ここまでで既に30分は経過している。いっそのこと握っているコントローラーを、あのムシ、いや画面目がけて…。というくらい気持ちが乱れる!
「マジでこいつだけは許さん」
「勝つまでは絶対にやめられん」
完全に意味不明なテンションに突入した筆者。
散々ブチ切れているのになぜかプレイだけは止めずに挑み続ける。
その足元には、筆者の骸(むくろ)が山となって築かれていた。

▲ゲームオーバーになると所持金をドロップしてしまう。残されたシルクを破壊することで所持金を回収できる。

Hollow Knight: Silksong
■ついに”あのムシ”との死闘に終止符を打つ
さらに15分が経過。
「死んで覚える」とはよく言ったもの。本作はゲームオーバーを繰り返すたびに、なにかしらの手応えがある。ぼんやりとしていた光明が次第にはっきりしていく絶妙さ。筆者はすっかりやめ時を見失っていた。

▲相変わらず猛威を振るい続けるあのムシ。チクショー!大振りの癖になぜか避けられない攻撃がニクイ。
「明日からはきちんと家の手伝いするから、もうクリアーさせて」
「指が痛い、もう体がボロボロなんです!!」
「この世界には慈悲はないのか!?」
もう泣き落としなのか神頼みなのか、わけがわからない。プレイ中にあらゆる感情の波が押し寄せている模様。体というか心の方が心配になるくらいだ。
ゲームに人間性が出るってこういうことなのか?

▲探索中に偶然見つけた「ダッシュ」能力。これさえあれば勝てる!
ここで筆者は目先を変えることに。あのムシは忘れて探索を再開する。しかし、これが功を奏した。道中で「ダッシュ」のスキルを取得。これで敵との間合いを一気に詰めることができる。これなら──
満を持してあのムシと再戦。敵の攻撃が終わるタイミングでダッシュして懐に飛び込み、一撃を加えて離脱する。このヒット&アウェイをひたすら繰り返す。
すると…あっさりと討伐できてしまった。筆者は遂に、1時間以上に及ぶ”あのムシ”との激戦を制し、狂喜乱舞した。

▲激戦のすえ遂にあのムシの巨体が大地を揺るがす。マジできつかった…。
散々辛酸を舐めさせられた強敵も、探索で得られたスキルであっさり撃破できる。さらに数百回と同じボス戦を繰り返したおかげで、相手の挙動を指がすっかり覚えている。再度、同じ敵と戦ってもさほど脅威に感じないから不思議。
死んで、死んで、死にまくった者だけが、ようやくその先にぶら下がるクモの糸を享受できる。「もーやりたくない」と感じながらなぜかプレイし続けてしまう…そんな破滅的な快楽が本作にはある。

Hollow Knight: Silksong
■インディーの常識を超えたクオリティー。世界中が待ちわびた続編
本作は、2017年にリリースされた『ホロウナイト』の正統続編だ。
200種類以上の敵、40種類以上の強力なボス、広大なマップにやりごたえのあるギミックの数々にエンドコンテンツまで──インディーゲームの常識を越えたクオリティーとボリュームは圧巻である。

▲各地にあるベンチがセーブポイント。ゲームオーバー時は最終チェックベンチから再開となる。
前作は、執筆時(2025年9月)のSteamで約42万件あるレビューのうち、約92%から好評を付けた「圧倒的に好評」の人気作。
『ホロウナイト:シルクソング』は2019年に続編として発表され、大きな話題となった。発売は2023年を予定していたが「可能な限りいいゲームにしたい」と延期を繰り返し、一部のファンからは発売を危ぶむ声も聞かれた。
ところが今年8月に「今年中に発売する」と正式にアナウンスされ、1カ月を待たずして9月4日にリリースするという展開を見せた。



▲多彩な敵やギミックの数々がプレイヤーを待ち受ける。ボリュームがありすぎて飽きるということが全くない。
待ちわびていたファンの熱狂っぷりは凄まじかった。
かくいう筆者もその一人。なぜなら前作は、育児でしばらくゲームから離れていた筆者を再び引き戻すきっかけになった作品だったからだ。
これまでのインディーゲームでは考えられない質と量で、あっという間に筆者を虜にしてしまった。
ゲームを構成する全てが、残酷で、脆く、儚く、そして美しかった。筆者の足元にあるミクロの世界で、虫たちがこんな大冒険を繰り広げているのかと想像するだけで、わくわくが止まらなかった。
その続編に期待しないワケがない。

Hollow Knight: Silksong
■海を越えたあの頃の名作──「メトロイドヴァニア」とは
本作のように探索に主眼を置いた2Dアクションを「メトロイドヴァニア」と呼ぶ。特に海外では絶大に支持されているジャンルだ。
これは日本が誇る名作『メトロイド』と『キャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラの海外タイトル)』を合わせた造語だ。『メトロイド』といったら筆者も子どもの頃、難しくて悲鳴をあげながら遊んだ思い出深いゲーム。

▲国産の「メトロイドヴァニア」も盛んに開発されている。今後が楽しみなジャンルのひとつ。
そんなゲームたちが遠く海を渡った国々でプレイされて人気を博し、現代に「メトロイドヴァニア」として復活する。なんだかとてもドラマチックでエモい気がするのは、筆者だけではないと思う。
『ホロウナイト:シルクソング』は、またあの頃みたいにゲームに熱中したい、と思うアナタにジャストフィットすること間違いなしの作品だ。

Hollow Knight: Silksong
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発売日など基本情報
発売日 |
2025年9月4日 |
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会社 |
Team Cherry |
ジャンル | アクション |
対応ハード | Switch2 / Switch / PS5 / PS4 / PC / Xbox |
価格 |
Switch2 : 2,090円(税抜)
Switch : 2,090円(税抜)
PS5 : 2,090円(税抜)
PS4 : 2,090円(税抜)
PC : 2,090円(税抜)
Xbox : 2,090円(税抜)
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