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【先行プレイレビュー】『CASSETTE BOY(カセットボーイ)』 「見ていないものは存在しない」世界を書き換える快感。視点操作パズルRPGで頭脳戦・脳が震える「シュレディンガーシステム」
PC Switch PS5 PS4 Xbox
2026年1月15日 発売予定
レビュー
総合点
カジュアル
ゲーマー

【先行プレイレビュー】『CASSETTE BOY(カセットボーイ)』 「見ていないものは存在しない」世界を書き換える快感。視点操作パズルRPGで頭脳戦・脳が震える「シュレディンガーシステム」

最終更新 :
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CASSETTE BOY

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「見えない=無い」なら、隠して消せばいい。常識を覆す“視覚ハック”の冒険へ

ワンダーランドカザキリが開発を手掛け、Pocketpairが発売した『CASSETTE BOY(カセットボーイ)』は、私たちの視覚と「存在」の定義を根底から揺さぶる、極めて独創的なパズルアクションRPGだ。

2024年のBitSummit Driftや、東京ゲームショウ2024で既に話題となり、業界を賑わせている注目作がいよいよ発売される。

▲『CASSETTE BOY / カセットボーイ』 Steam発売日発表トレーラー

本作が提示するルールは至ってシンプルでありながら、同時に恐ろしく哲学的でもある。

それは「見ていないものは存在しない」というものだ。

プレイヤーはこの奇妙な理(ことわり)に支配された世界を舞台に、マップを自由に回転させ、視点を切り替えることで道を切り拓いていくことになる。

一見すれば温かみのある2Dドット絵の世界だが、その実態は精緻に構築された3D空間であり、視点を変えるたびに世界の在り様が劇的に変化する。

この体験は、私たちが普段当たり前だと思っている「物の実在」という概念を小気味よく破壊してくれるのだ。

目次

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観測が形作る世界:シュレディンガーシステムの衝撃

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本作の核心をなすのは、独自の「シュレディンガーシステム」である。

これは量子力学における「存在は観測者によって成立する」という概念に着想を得たもの。ゲーム内では、画面に映っていない物体は物理的な実体を失い、消滅したとみなされる。

例えば、目の前に進路を塞ぐ巨大な木箱があるとしよう。通常のゲームであれば、それを押して動かすか、破壊する手段を探すのが定石だ。しかし本作では、カメラを90度回転させ、その木箱を壁の裏側や画面外へと隠してしまえばいい

視界から完全に消え去った瞬間、その箱は「存在しないもの」となり、先ほどまでそこにあった物理的な衝突判定すら消失する。プレイヤーは何事もなかったかのように、かつて箱があった場所を通り抜けられるのだ。

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このシステムは単なる移動手段に留まらない。スイッチの上にブロックを置き、その状態を保ったまま視点からブロックを外せば、「スイッチは押されているが、道は開通している」という矛盾した状況を意図的に作り出すことも可能だ。

物理法則を視覚によってハックする感覚は、他のパズルゲームでは味わえない強烈な知的興奮をもたらしてくれる。

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孤高のクリエイター誉田潔の「設計思想」と「冒険のDNA」

このユニーク極まりない作品を生み出したのは、ワンダーランドカザキリの代表、誉田潔氏である。

氏は企画、プログラム、アート、サウンドといった制作のほぼ全工程を単独でこなす、いわば現代の職人的なクリエイターだ。彼の過去作を紐解けば、本作に流れる設計思想の源流がどこにあるのかが明確に見えてくる。

代表作の一つ『BQM ブロッククエスト・メーカー』は、プレイヤーがパズルダンジョンを構築し、世界中のユーザーと共有するタイトルだった。「空間を論理的なパズルとして再定義する」という同作の精神は、本作における視点操作を用いた精緻なギミック配置に受け継がれていると言っても良いだろう。

また、ボクセルグラフィックスのローグライクRPG『ダンジョンに立つ墓標』では、「1000回死ねる」と謳われたシビアな難易度と、探索のたびに姿を変えるダンジョンの楽しさを確立していた。

本作に漂う、一筋縄ではいかない手応えのある難易度や、マップの隅々まで調べたくなる探索意欲の喚起は、こうした過去作で培われた「冒険のDNA」が結実したものなのかもしれない。誉田氏は常に、プレイヤーの「思考」と「挑戦」を等価に扱うゲームデザインを追求し続けていると感じる。

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8ビットの郷愁と、夢から始まる未知なる物語

『カセットボーイ』の物語の幕開けは、深い静寂に包まれた暗闇の中から始まる。主人公が目を覚ますと、そこには謎の光る玉が浮遊しており、プレイヤーを誘うように先導していく。この正体不明の存在は、失われてしまった「月」を探し出すよう告げる。この導入部はいわばチュートリアルであり、プレイヤーはここで初めて「シュレディンガーシステム」の片鱗に触れることになる。

木箱を視界から消して道を作る、ボタンを踏んだままその存在を隠して効果だけを持続させる……。世界のルールを直感的に理解したところで夢は終わり、場面は一変して日常へと移る。

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主人公が自室のベッドで目覚めると、そこには初代ゲームボーイを彷彿とさせる、どこか懐かしい8ビットスタイルの世界が広がっている。

しかし、部屋には最新の薄型テレビが置かれているなど、レトロとモダンが混ざり合った「最新のノスタルジー」が演出されているのが面白い。

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母との穏やかな会話を済ませ、一歩外に出れば、黒猫のルナとの出会いが待っている。この猫を追いかけることで、物語は本格的に動き出す。村の人々との交流は温かく、主人公が時折漏らす独り言からは、彼の優しい内面が滲み出ている。王道RPGのような始まり方でありながら、その裏側には常に「世界の不確かさ」という不穏な予感が漂っている。

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「ヘッドフォン」が解き放つ、8方向回転のパズルアクション

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村を抜け、高い崖の上に鎮座する伝説の剣をめぐる騒動を経て、主人公は森の奥深くに隠されたポータルへと足を踏み入れる。そこで手に入れるのが、本作のゲームプレイを一変させるキーアイテム「ヘッドフォン」だ。

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このヘッドフォンを装着することで、これまで固定されていた世界を8方向へと自由に回転させることが可能になる。これにより、探索の自由度は爆発的に向上する。

それまで平面にしか見えなかった森や村が、実は立体的な構造体であったことが判明し、カメラを回すたびに隠された通路やギミックが姿を現すのだ。

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また、その直後に手に入る「弓」などの装備品は、遠距離からのギミック起動や、近づくことが難しいターゲットへの攻撃を可能にする。パズル要素は凝りに凝っており、プレイヤーの観察力と実験精神を試してくる。

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例えば、柵を開けるためのスイッチがあるが、そこから離れると柵が閉じてしまう場面だ。近くにある箱を使って視線を遮ろうにも高さが足りない……といった状況に対し、いかにして「観測を断つか」を考え、正解にたどり着く過程は、まさにアハ体験の連続だ。

もちろん、操作を誤り手詰まりになることもあるが、画面外に出ればギミックがリセットされる親切設計により、ストレスなく試行錯誤に没頭できる。

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巨大なルナとの決戦:視点を武器に変える戦術

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物語序盤のクライマックスは、巨大な怪物へと変貌を遂げた黒猫ルナとのボス戦だ。ここでは単に剣を振るだけのアクションでは通用しない。本作ならではの「カメラ回転」そのものが、強力な攻撃手段へと昇華されている。

地面に刻まれた魔法の紋章を、カメラを高速回転させることで起動させ、敵に向けて魔法弾を放つ。敵の猛烈な攻撃を視点操作で物理的に無効化しつつ、一瞬の隙を突いてギミックを稼働させる。

このテクニカルな戦闘は、アクションの爽快感パズルの達成感が見事に融合したものだ。死闘の末に空から降り注ぐ「月のかけら」を手にしたとき、プレイヤーはこの壊れかけた世界を救うという使命感に、改めて強く突き動かされるはずだ。

ここから先の細かい描写はネタバレを控えるが、主人公のいる現実と幻想の境界が曖昧になり、物語はさらなる深淵へと進んでいくこととなる。

一度訪れた場所も、ヘッドフォンによる視点変更を駆使すれば、未発見の「古代のコイン」や隠し要素が次々と見つかるだろう。本編の合間に挑戦できる「祠」での高難度パズルも、プレイヤーの腕を磨く絶好の場となっている。

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その先、ドリアン博士の依頼で「迷いの森」を探索することとなるが、メモに残された方位と視点回転の組み合わせがややこしく、何度も頭を悩ませては工夫を凝らしている。しかし、その苦労すらも心地よい!本作の虜となる最大のポイントだ。

ワンダーランドカザキリの作品に共通するのは、規模の拡大に走るのではなく、たった一つの秀逸なアイディアを極限まで深掘りする誠実さと言えるかもしれない。個人開発に近い体制だからこそ実現できた、ビジュアル、システム、サウンドの完璧な調和。視点を変えるという単純な行為だけで、世界の理(ことわり)を書き換える。

知的で贅沢な冒険は、かつてのレトロゲームが持っていた未知へのワクワク感に、現代的な知性を吹き込んだ比類なき輝きを放っている。この傑作とは、しばらく付き合うことになりそうだ。

『カセットボーイ』は2026年1月15日(木)に正式リリース。気になった方は是非プレイしてみよう。

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『CASSETTE BOY(カセットボーイ)』とは?

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みてないモノは、存在しない。視点を変えて“存在”を操り月を探すパズルアクションRPG!

Pocketpair Publishingから発売(※)のPC,Switch,PS5,PS4,Xbox Series X|S対応ゲームソフト『CASSETTE BOY(カセットボーイ)』は量子力学に着想を得た「見えていないときは存在がなくなる世界」を冒険するパズルアクションRPG

真っ暗な世界で目を覚ました主人公は、光る玉に「君がみてなかったから月がなくなってしまった」と言われ、月を元に戻すための冒険へ出かけることとなる。

一見するとピクセルライクな2Dゲームに見えるが実際には3Dになっており、マップを回転させることで主人公の視点における“見えるものと見えないもの”が変化。「見えていないときは存在がなくなる世界」であるため、例えば道を塞ぐ障害物を見えなくしてしまうことで存在がなくなり、先に進めるようになるぞ。

マップ回転と視点を活用したパズルだけでなく、モンスターやボスとのバトルにも立ち向かう必要がある。

観測しなければ存在しなくなるミステリアスな世界で、“存在”を操り世界の謎を解き明かそう。

発売日など基本情報

発売日

2026年1月15日

会社

Pocketpair Publishing

ジャンル アクションRPG パズル
対応ハード PC / Switch / PS5 / PS4 / Xbox
価格
PC : 未定
Switch : 1,345円(税抜)
PS5 : 未定
PS4 : 未定
Xbox : 1,363円(税抜)
公式HP
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