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最大規模のアップデート『Wake of the Water』が配信開始

『Enshrouded 〜霧の王国〜』はドイツのKeen Gamesが開発したオープンワールド型サバイバルRPG×クラフトゲームだ。プレイヤーは滅びかけた大地を旅しながら素材を集め、生き延びるために家を建設し、武器や道具を製作していく。
2025年11月10日に、これまでで最大規模の第7弾アップデート『Wake of the Water』が配信された。
戦闘システムの大幅なリニューアル、両手大剣の実装など、プレイヤーから強く求められていた要素が数多く追加され、新たに登場するトカゲのような新種モンスターを始めとする多様な野生生物や敵との遭遇が待っているという。
本稿では本作で体験できること、そして楽しさや魅力を改めてお伝えしていく。
濃霧が生み出す独自の世界観とシステム

▲しっかりとしたストーリーが用意されており、RPGという視点で見ても楽しめる作品になっている。
「アクションRPG×サバイバル×クラフト」というジャンルは作品数が多く、目新しさが薄いのは事実だ。正直に言えば、最初は「また同じようなタイプのゲームかもしれない」という不安があったし、レビューを書くうえでも少し構えていた。
しかし『Enshrouded 〜霧の王国〜』は、その心配を良い意味で裏切ってくれた。
それをまず感じたのは、ストーリーへの導線が丁寧で、ゲームシステムの理解が自然に進むという基本設計だ。その結果、ストーリーを楽しみながらゲームを進められる。この点は王道のアクションRPGらしさを持っている作品だと言える。
ユニークなのは、この世界を覆う「濃霧(Shroud)」という設定があることだ。この濃霧は単なる世界感設定ではなく、探索、クラフト、バトル、物語のすべてと密接に結びつき本作全体の軸になっており、同ジャンルのゲームとの差別化につながっている。
この世界の一部は、濃霧に侵食されており、一定時間しか滞在できなかったり、霧が濃くて進めなかったりする場所が存在する。
一方で霧の中にしか存在しない素材もある。また、ストーリーの進行上で霧の中を通る必要があったり、ボスがその先に存在したりする。
何もない世界を探索するのではなく、ところどころにそういったエッセンスが存在する。そこが他の同ジャンルのゲームと差別化されている要素の1つだ。

▲濃霧という概念があるのが本作の大きな特徴だ。
この設計のおかげで、冗長になりやすいオープンワールドの探索や、素材集め、ボスとの戦闘などにリスクを持たせ、リターンの気持ちよさを生み出している。
徐々に広がっていく世界が没入感が生む

ゲームを進めると、滅びた世界で生き残った生存者たちを救出して拠点に招くことができるようになる。彼らは作業台や生産設備を提供してくれ、新しいアイテムや建築物がアンロックされ、拠点がどんどん発展していく。この成長サイクルが非常に楽しい。
彼らの存在により、新しいクラフトや建築が可能になり遊びの幅が広がっていく。まったりとした生活が好きなプレイヤーには、徐々に広がっていく感覚から生まれる没入感がプレイヤーの時間を溶かしていくのだ。


▲ゲームが進むと徐々にクラフトで製作できるアイテムが増えていく。この広がっていく感覚が楽しいのだ。
ストーリー面では大まかな道筋を用意しており、指示に従って進めれば迷うことはない。もちろん、ストーリーを一切無視して探索や建築をすることもできる。
ストーリーを進めないとアンロックされない要素があるため、100%の時間を探索や建築に割くことはできないのは残念だが、完全に自由になると目的を見失う可能性もあるため、今のバランスがちょうどよいと感じた。
メインストーリーは方向性を示しつつも、その道中でいくらでも脇道に逸れていける自由度がある。プレイヤーが自分のペースでゲームを進められる環境が実現されているのである。

▲ストーリーに沿って進めるだけでも十分楽しめる。
深みを感じさせる戦闘・育成の要素

戦闘・育成要素については、シンプルなRPGとして見ても深みを感じさせる。例えば、スキルツリーでプレイスタイルを分岐させたり、武器の種類によって立ち回り方が大きく変わったりと、キャラクター成長の奥深さもある。
ボスバトルは相応に難度が高く、回復アイテムを用意することも含めてしっかりと準備が必要な印象を受けた。その準備はもちろんクラフト要素と密接に関係している。
素材を集める、クラフトをする、それを実際の戦闘や冒険に活かす。そうして新たな素材が入手できたり、新たなアイテムがクラフトできるようになったりする。そういったキレイな流れが完成されているのも好印象だった。

▲本作のスキルツリー。さまざま役割を楽しむことができる。
難易度は柔軟に変えられ、ゲームを始めた後も変更できる。難易度を変えると敵の数や強さが変化するため、建築やクラフトなどに専念したければ難易度を下げれば良いし、アクションRPGとしてヒリヒリとした緊張感を求めるなら難易度を上げればいい。これも遊びやすさを生むポイントだ。
まとめ

▲画面奥に見えるのが筆者が建てた家だ。それほど立派な建物ではないが、これだけでもかなり楽しかった。
ストーリーを進め、素材を集め、拠点を整え、世界を探索する、こうした一連の活動全体が「この世界で暮らしている」という疑似体験になっているのが、本作の最大の魅力ではないだろうか。
さらに、世界観は王道的なファンタジー世界観で、非常に入りこみやすい。落ち着いた景観もポジティブな要素だ。
建築システムも比較的簡単で、ちょっとした家くらいなら比較的すぐに建てられる。筆者は簡単な家を建てたが、その建築のプロセスは楽しかったし、できた家を見るのも楽しかった。

▲いくつかのパーツを組み合わせて家を作っていく。この機能のおかげで配置場所や向きを調整すれば簡単に建築できるのだ。
もちろんゲームプレイ上のメリットにも繋がっているので、そこも嬉しいポイントだ。個人的には、ほかのゲームも含めて大きな建物や凝った建物を建てるのが苦手なので、この点は非常にありがたかった。
本作はソロプレイでも十分楽しめるが、マルチプレイにも対応している。友人と協力しながら拠点を発展させるといった遊び方も可能だ。
今回のレビューはソロプレイでの体験だったが、複数人であれば、誰かが素材を集めてきて、誰かが建築をするといった役割分担も楽しいだろう。

▲プレーヤーがホストになるか、専用サーバーに接続すればマルチプレイが可能だ。専用サーバーのレンタルサービスもあるので、24時間サーバーを解放することもできる。
もちろん、協力してモンスターと戦闘したり、強力なボスに挑むこともできる。仲が良いフレンドと世界を共有してこの世界での生活を楽しむ。それは本作で楽しめる体験の1つだ。
アップデートも継続して行われており、その進化は止まっていない。アーリーアクセスの現時点でもすでに十分なコンテンツ量になっており、自分や友人のペースで長期的に遊べる作品だ。
そのうえで、今後の正式な完成に向けてさらにコンテンツが追加されていくと考えると、その期待値は上がっていくばかりだ。
強いてネガティブな点を上げるとすれば、建築に探索と時間が溶ける要素が多いことだろうか。今回のレビューも軽い気持ちで引き受けたのだが、意外なボリュームと楽しさ、そして奥深さに惹かれ、想定以上にじっくりと遊んでしまった。
もちろん、まだまだ先をプレイしたくなるポテンシャルも感じている。
本作は、アクションRPGやクラフト、そして建築が好きなプレイヤーには素直にオススメしたい1本だ。筆者も、引き続きストーリーを追いつつ、探索と建築をじっくり進めていく予定だ。じっくりとこの世界での暮らしを楽しんでいきたいと思う。
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発売日など基本情報
| 発売日 |
2024年1月24日 |
|---|---|
| 会社 |
Keen Games GmbH |
| ジャンル | アクションRPG |
| 対応ハード | PC |
| 価格 |
PC : 3,090円(税抜)
|
| 公式HP |
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