
※当記事のリンクはアフィリエイト広告を含みます。
一世を風靡する「脱出シューター」その圧倒的な魅力に迫る。
2025年11月15日、リアルFPS『Escape from Tarkov(タルコフ)』待望の製品版が発売される。「脱出シューター」というゲームジャンルの始祖とされるタイトルだ。
▲Escape from Tarkov - Official Announcement Trailer
その「脱出シューター」が、今、かなり流行している。先に挙げた『タルコフ』のほか、直近では『ARC Raiders』や『エスケープ フロム ダッコフ』といったタイトルが名乗りを上げた。後述するがいずれもかなり勢いがある。
好評配信中のタイトルには『Dark and Darker』『Delta Force』『Arena Breakout: Infinite』など、そして発売を控えたタイトルには『Marathon』『EXOBORNE』などが名を連ねる。



▲目移りしちゃう……。
このように枚挙に暇がなく、今業界で最もアツいゲームジャンルと言っても過言ではない。今回はそんな「脱出シューター」がなぜ流行しているのか、人気の3作品を紹介しながら考察していこうと思う。

目次
脱出シューターの金字塔『Escape from Tarkov』
「ハードコア」脱出シューターの世界へようこそ

『Escape from Tarkov(エスケープ フロム タルコフ)』といえばズバリ、リアルで高難易度なFPSの代表格だろう。紛争で封鎖されたロシアの架空都市「タルコフ」を舞台に、明日を生きるため武装を強化しながら都市からの脱出を目指す脱出シューターだ。
ベータ版が2017年に公開され、その後2020~2022年にかけて口コミでじわじわと浸透。非常に多くのユーザーにプレイされているベータ版は実に8年の歳月をかけて練り上げられ、コミュニティと共に着々と作り上げられてきた。
筆者も流行の兆しがあった2021年にプレイを開始した。(※1)
※1 当時の流行は、FPSがApex LegendsからValorantに、配信サイトもYouTubeからTwitchに移行し始めていた雰囲気の時期で、偶然Twitchストリーマーの配信を拝見して本作を知った。



▲閑散とした景色の中を探索していく。
当時の感想としては、
「なんだこの何もかも不親切なゲームは!?」
に尽きる。最初、すっごく難しかった。本当に。

アイテム何百種類もあって謎すぎるし、

出撃したら屋内は真っ暗で、



死んだら装備を全て失う。冗談じゃねえ(泣)
ただ、そのネガティブなイメージを圧倒的に上回る魅力があった。リアルでタクティカルなFPS要素、広いマップで他プレイヤーと遭遇するバトロワっぽい要素、アイテムを収集していくサバイバルクラフトっぽい要素などがあって、既存のゲーム要素を混ぜた感じ……に見えるのだが、そのどれにも該当しない。タルコフは当時新ジャンルのゲームだったのだ。



▲武器カスタム、銃撃戦、拠点拡張など、地道な知識の積み重ねが「リアル」を感じさせる。
現在では『タルコフ』が脱出シューターというジャンルを作った、と言われている。(Steamストアページを参照)
脱出シューターに共通する面白さの「核」

『タルコフ』では、アイテムが増える楽しさと、全て失うかもしれないリスクが比例して増え続ける。
これは全ての脱出シューターに共通していることだが、より美味しい思いをしたければリスクは常に付いて回るという仕組みだ。

▲強力なボスを倒すと強力な装備が手に入る。無事に帰還できれば、の話だが。
また「PvPvE」を冠する通り、他プレイヤーから物資を奪うこともゲームサイクルに組み込まれている。倒せれば敵の物資は全て自分のものだが、他プレイヤーも当然全力で応戦してくる。リターンは大きいがそれ相応にハイリスクだということだ。
このマインドは「自分と相手、どちらがより撃ち合いや立ち回りが上手いか」を競う対人FPSの要素が強いため、人によっては好き嫌いがハッキリ分かれるゲームと言えるかもしれない。
しかし、ひとたび面白さに気がついてしまうと、後には引けない中毒性を秘めている非常に奥深いゲームなのだ。

同接70万超!勢い止まらぬ『ARC Raiders』
「高速サイクルPvPvE」にみんな病みつき

一方『ARC Raiders(アークレイダーズ)』は2025年10月30日にリリースされた新進気鋭のTPS脱出シューター。
売上400万本、全プラットフォームの同時接続者数が70万人を突破し、執筆時点で今なお人気爆発中のタイトルだ。(Steam同接はSteamDB調べ)
プレイヤーはならず者「レイダー」の一人として、謎の機械「ARC(アーク)」に制圧され荒廃した地上を舞台に、より良い地下暮らしを目指して今日も奔走する。



▲最大3人の協力プレイもできる。
「ARC」の存在によって、脱出シューターが独自の進化を遂げた

▲でっけぇのもいます。
『タルコフ』と同ジャンルだが、PvPvEの「E(エネミー)」にあたるARCが非常に強いのが特徴で、並大抵の装備では返り討ちに遭ってしまうことも多い。他のFPSで腕に自信のあるプレイヤーも、ARCと対峙する際は十分な装備で挑んだ方がいいだろう。


▲ARCさんたちはマジで硬すぎ。全然壊れない。

▲しかも攻撃が強い。すぐシールド無くなって……!

▲こうだ。ARCにソロキルされることなんてザラにある。
というわけで、本作の地上は非常に危険。人同士で争っている場合ではないので、自然とPvEに注力するようなゲームサイクルになる。
これまでのPvPvEゲームと異なり、ARCと戦闘中敵プレイヤーと手を組んで共闘するという特別な体験も、ヒットの一因だろう。
ただ、本作も「PvPvE」の名を冠する以上、プレイヤー同士の戦いに重きを置いている人もいるし、中には騙し討ち上等なプレイスタイルの人も存在する。
そのため、リリースから約半年が経った現在もPvP要素を廃止したPvEモードの実装などについて様々な議論が交わされている。今後も運営方針やアップデートに注目したい。

期待のゆるかわシューター『エスケープ フロム ダッコフ』
カジュアル×ローグライト×脱出シューター=神ゲー

最後に紹介するのは『エスケープ フロム ダッコフ』だ。こちらも2025年10月にリリースされ、僅か3週間ほどで売上300万本を達成。同接30万人を記録したヒット作である。(SteamDB調べ)
こちらはほかと比べて、最もカジュアルでチルい脱出シューターだ。前述の2タイトルは「PvPvE」だが、本作は完全なる「PvE」。ギスギスする要素が一切ない、自分だけのペースで遊べる作品なのだ。
操作性からジャンル分けするなら「ツインスティックシューター」「ローグライトアクション」とも言えるだろう。
出発地点に戻れば帰宅できる、見下ろし型で視認性が高い、操作やUIも簡単……と、数々の「楽さ」がヒットの要因だ。



▲拠点すぐ近くに「支援箱」が。入手→売却を繰り返せば資金難に陥ることはないだろう。
しかしながら「アイテムが増える楽しさと失うことのリスクが比例的に増え続ける」という、脱出シューターの核は健在。気軽に遊べて、しっかりドキドキワクワクできる素敵なゲームに仕上がっている。



▲いくらカジュアルな見た目だからって……

▲グワーッと倒されたら、装備は全て置いてきちゃう。
「脱出シューター」を知らない、またはハードルが高いと感じていたユーザーにリーチし、ジャンルそのものの裾野を広げたのは大きな功績だろう。
本作の奥深さは以下のプレイレポでも紹介しているので、ぜひ目を通してほしい。

まとめ:「リスクとリターンのドキドキ」は原初の時代から続いている説
ジャンルの核「リスクとリターン」の相互作用

ここまで、脱出シューターブームを牽引する『タルコフ』『ARC Raiders』『ダッコフ』の3作をご覧いただいたが、いかがだったろう。
ジャンルの楽しさの「核」は、やはり「アイテムが増える楽しさと、失うかも知れないリスクが同時に増え続ける」……すなわち「リスクとリターンの相互作用」にあるといえる。
そしてこのワクワクをキープする工夫として、どのタイトルもランダム要素やスキル育成といった強力な「やりこみ要素」を持っている。マップのランダム性や、永続的なキャラ/拠点強化要素が「飽きさせない工夫」となって、プレイヤーを何度も戦場へと駆り立てるのだ。
「リスクとリターン」ってもしかして遺伝子に刻まれた「原初のドキドキ」なのでは?

楽しさの中心にあるものを考えた時、ふと「リスクがあるからこそ入れ込んでしまう」という結論にたどり着いた。これは何もゲームに限った話ではない。釣りだって、農業だってそうだ。
アイテム収集、レベルアップ、そして全てを失う恐怖や喪失感……。この感情の起伏はもしかすると、私たち人類が狩猟採集時代に「獲物を狩るか、死ぬか」の緊張状態から得ていた「原初のドキドキ」に最も近いのではないだろうか。
きっと脱出シューターは、人の根底にあるドキドキワクワクを、現代の娯楽で最も擬似的に、かつ安全に体験できるコンテンツなのだ。気持ちがたかぶるのも頷ける。
あなたはどの「脱出」に挑む?
この脱出シューターブームは、制作陣とプレイヤーがゲームの持つ本質的な楽しさを追い求めた結果だろう。
だが、ひとくちに「脱出シューター」といっても、3作品(ひいてはもっとたくさん)の個性は大きく異なる。

▲『Escape from Tarkov』:「リアルな緊張感」を極めたい、ハードコア好き(でちょっとM気質)なプレイヤーへ。

▲『ARC Raiders』:「PvPvEにおける共闘体験」と「高速ゲームサイクル」を求めるプレイヤーへ。

▲『エスケープ フロム ダッコフ』:「カジュアルで超お手軽な遊びやすさ」と「ローグライト的中毒性」を楽しみたいプレイヤーへ。
それぞれの個性が多岐に渡るユーザーのニーズに広く応えたからこそ、脱出シューターは連鎖的に空前の大ブームを巻き起こしている。今後も新たなタイトルが飛び出すであろうこのジャンルから目が離せない。
あなたなら、どう戦う?
発売日など基本情報
『Escape from Tarkov』

『ARC Raiders』

| 発売日 |
2025年10月30日 |
|---|---|
| 会社 |
Embark Studios |
| ジャンル | RPG シューティング アドベンチャー |
| 対応ハード | PS5 / PC / Xbox |
| 価格 |
PS5 : 5,400円(税抜)
PC : 5,454円(税抜)
Xbox : 5,454円(税抜)
|
| 公式HP | |
| 公式Twitter |
『エスケープ フロム ダッコフ』

ARC RAIDERS © 2021-2025 Embark Studios AB. ARC RAIDERS and EMBARK trademarks and logos are trademarks or registered trademarks of Embark Studios AB. NEXON trademark and logo are trademarks or registered trademarks of NXC Corporation.
©bilibili Game
GameWith編集者情報

| 「ゲームする為に生きてる」と公言していたら、いつしか本物のライターになっていた。 所持ゲーム800本以上、特に好きなのは4000時間遊んでいるEscape From Tarkov! BATTLEFIELD、街づくり系、モンハン、ロケットリーグ、あとインディーゲームも大好き。 |
今後発売の注目作をピックアップ!
2026/01/29 発売
CODE VEIN II
5,272円(税抜) 2
2025/12/04 発売
/PC/PS5/Xbox
オクトパストラベラー0
6,980円(税抜) 3
2025/11/14発売
/Xbox
Call of Duty: Black Ops 7
8,909円(税抜)
