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11月13日から11月17日まで、韓国で開催されていた韓国最大級のゲーム展示会「G-STAR 2024」。
多くの国内外のゲーム会社やクリエイターが集まる、非常に注目度の高いイベントだ。
今回、GameWithは「デジタルハーツソウル」とともにG-STARに出展した。熱気あふれる会場の様子を取材してきたので、その模様をお伝えする。
G-STARとはどんなイベント?
韓国最大級のゲーム展示会
G-STARは、毎年11月に開催される韓国最大級のゲーム展示会である。今年で20周年を迎えた。VIPO(映像産業振興機構)によると、2023年の来場者数は19.7万人だったとのことだ。
主催は、韓国ゲーム産業協会(K-GAMES)で、会場は釜山の海雲台にあるBEXCO (Busan Exhibition & Convention Center)。
韓国ゲーム市場の中心的存在
G-STARは、韓国のゲーム業界においても中心的な存在だ。韓国の大手ゲーム会社が新作を発表したり、試遊を初めて実施したりすることが多い。
今回も、NEXONの『幻世酔虎伝オンライン』、KRAFTONの『Dinkum Mobile』『Project ARC』や、Netmarbleの『MONGIL: STAR DIVE』などが初お披露目となった。
多様なイベントが開催
G-STARでは、さまざまなイベントが開催される。例えば、韓国で最も権威あるゲームアワード「Korea Game Awards」の授賞式や、世界でもトップレベルの選手が集うeスポーツ大会、ゲームコスプレアワードなどが開催された。
ほかにも、グローバルゲームカンファレンス「G-CON」では、さまざまなゲーム会社の講演が行われる。
コーエーテクモゲームス会長のシブサワ・コウ氏や、スクウェア・エニックスの北瀬佳範氏と浜口直樹氏、Neople代表取締役のユン・ミョンジン氏など、今年も豪華な顔ぶれが並んだ。
(引用元:G-STAR公式サイト)
商談・ビジネス交流の場
G-STARの会場には、一般の方向けのBTCエリアとは別に、企業同士が商談を行うBTBエリアもある。
BTBエリアでは、企業が協力関係を築いたり、海外市場に進出するための話し合いが盛んに行われる。
特に、小規模なゲーム開発会社やパブリッシャーにとっては、ビジネスを成長させるチャンスとなっている。
今回、GameWithは初めてG-STARに出展した。実はフロアマップ上では、ブースにGameWithの表記はなかったので「GameWithも出展してたんだ」と思われた方も少なくなかったようだ。
各企業のブースをご紹介!
みなさんお待ちかねのブース紹介のコーナー。注目度の高い企業は、出展ブースがとにかく広い。「他社よりもより目立つように自社ゲームをアピールしたい」という、G-STARに向けた各企業の熱量の大きさが見て取れる。
会場を周ってさまざまなブースの写真を撮影してきたので、いくつか紹介していこう。
大きなブースは、展示物も巨大。非日常感もあり、イベントとしての魅力を底上げする重要なポイントだったと言える。
KRAFTONブースでは、『inZoI』と、『Project ARC』の2タイトルを試遊。また、『inZoI』ではプロデューサーインタビューも行っているので、ご覧いただけたらうれしい。
Netmarbleブースでは、『MONGIL: STAR DIVE』と『Game of Thrones Kings Road』の2タイトルを試遊した。
Pearl Abyssブースでは、『紅の砂漠』を試遊した。
全体的に試遊台の数が多く、ズラッと並んでいる様は圧巻だった。試遊台やステージの見せ方も、各社それぞれ非常に凝っていた。
日本のゲームショウと同様に、多くのブースではゲームキャラクターのコスプレをしたブースコンパニオンが華を添えていた。
会場に入ってきた来訪客の目をガッとつかむかのように、巨大モニターに美少女アニメーション映像を流していたのはWEBZENの『TERBIS』。「おっ」となったのは、映像とともに流れていたテーマソングが日本語だったことだ。
海外でも日本の声優やアーティストの人気が高いことは、読者のみなさんもご存知であろうが、海外でのプロモーション先行でも日本語で起用して作品化するケースがあるというのは、珍しく特徴的な傾向ではないかと感じた。
会場で気になったのは、若い来場者が多かったことだ。現地スタッフに聞いた話では、11月14日に「大学修学能力試験」(日本における大学入学共通テストのようなもの)が行われたらしく、それを終えた学生が集まるらしい。
たしかに、観光バスのような車両も多く、団体で来ているところが多く見受けられた気がする。
インディーゲームブースも活況。韓国では国からゲーム開発者への支援を行っていることもあり、そういった意味でも今後期待のできる領域だ。
ブースではないが、『ブルアカ』のカフェも大人気。常に行列ができていた。
こちらもブース情報ではないが、とても印象に残ったのでお伝えしたい。会場内のRestroomの鏡にもデカデカと『SUPERVIVE』のキャラクターのイラストが貼られていた。日本国内のイベントでは会場のこういったところまでの装飾は見ないので、かなり意外性のある展示(?)であった。
まとめ
初めてG-STARに参加してみて、イベントの盛況ぶりには驚かされた。特に、一般向けエリアは日本の東京ゲームショウとは違った印象を受けた。
特に一般向けエリアは、日本の東京ゲームショウとは異なる独特の雰囲気を感じた。最も顕著な違いは、「試遊に時間制限がない場合が多く、ユーザーがゲームをクリアするまでじっくりと遊べること」と「試遊台数の圧倒的な多さ」だ。
これは、回転率を重視するのではなく、できるだけ多くの試遊台を設置することで、来場者一人ひとりの満足度を高めるという戦略なのだろう。
以前から感じていたことだが、多くの関係者やユーザーとの対話を通じて、日本と韓国のユーザーでは、ゲームへの時間やお金の使い方が文化的に異なっている。
この違いを理解し、それぞれの市場に適したアプローチをすることが、グローバルなゲームビジネス展開には欠かせない。韓国のゲーム市場が持つ強みや独自性を再認識するとともに、さらなるグローバル展開の機会を探っていくことが必要だと考えている。
少し気が早いかもしれないが、また来年もG-STARに参加して、さらなる発見と学びを得られることを楽しみにしている。もちろん、新作ゲームタイトルの試遊も楽しみである。