
変わる楽しさと変わらない楽しさが詰まった『デス・ストランディング2』は超正統進化の作品!

2025年6月26日、小島秀夫監督率いるコジマプロダクションの最新作『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』が発売された。
前作『DEATH STRANDING』は全世界累計プレイヤー数が2000万人を記録(※)し、その待望の続編となる本作も海外レビュー集積サイト「metacritic」でメタスコア90点を獲得しているなど、非常に好評となっている。
(※2025年3月31日時点でのデータ。各プラットフォーム版、各種サブスクリプションサービスを含む。)

本記事では、前作プレイ済みである先輩配達人の筆者が実際にプレイした感想をお伝えしながら、今作から始める人に向けて『デススト2』の遊び方を紹介していく。
ストーリー展開や楽しみが損なわれるネタバレなどはないので安心して読み進めてほしい。
目次
『デススト2』から始めてもいいの?

『デス・ストランディング2』は前作から11ヶ月後の世界で、オーストラリア大陸が舞台。人類を救うため主人公「サム」の新たな旅が始まる。
ナンバリングタイトルで気になるのが今作から始めても大丈夫なのかというところ。その点については、ゲーム開始画面の「Story of DEATH STRANDING1」から前作の大まかな流れが確認できるので全く問題ない。

また、ゲーム内データベース「コーパス」でも細かな用語や人物の解説の閲覧が可能。このことから、製作側の新規ユーザーにも遊んでほしいという意図が汲み取れる。
本作はシステム面においても、詳細は後述するがより快適で遊びやすくなっているので、前作でクリアまで続けられなかった人も再度プレイしてみてはいかがだろうか。
演出へのこだわりがすごい!

小島監督作品の話をするうえで、絶対に触れなくてはならないものは演出へのこだわり。『デススト2』においても単に映像美としてではなく、演出そのものが映画的で美しい。
カメラワークや話者以外の目線の置き方、レンズフレアなど映画のエッセンスがふんだんに盛り込まれている。

火災が起きた場面では逃げなければいけない危機的状況にもかかわらず、その美しさに息を呑んだ。
詳しくはわからなくても、様々な技法を用いた演出がプレイヤーが感じる「すごい」に直結しているのだろう。

筆者が大事な要素だと思っている音楽についても、選曲もさることながらかかるタイミングも絶妙。「レイニー」の演出も相まって、BJトーマスが歌う「Raindrops Keep Fallin' on My Head」が印象に残っている。
タイトルにピンとこなくても、誰しも1度はどこかで聴いたことがある曲ではないだろうか。
余談だが、外出しようとすると雨が降り、行くのを止めたとたんに雨が止むほどの雨男である筆者は「レイニー」に共感できるところもあり、すぐに好きなキャラとなった。なお、私は洗車をすると9割がた雨が降ることにもいまだに悩まされている。

映像が素晴らしいゲームほどカットシーンが多めになりがちだが、コントローラーを置いている時間は長くなくゲームプレイとのバランスは良い。
もう少し見たいと思わせるような"丁度いい塩梅"で、それゆえにゲームの推進力にも寄与していると思う。
あの人もこの人も登場!主要キャラ以外にも注目!
前作では三浦大知がシェルターに1人で住むプレッパーズとして登場したが、今作では星野源やVTuberの兎田ぺこらなどが登場する。
ぺこらだけでなくサムもぺこぺこ言っているし、星野源がショットガン軽量化の話をしているのは面白すぎる。

▲サムより強そう。
さらに、押井守監督やマ・ドンソクの兄貴までも登場。もうこれだけでゲームをする価値があるのでは。本人の希望により実現した押井守(cv.千葉繁)の字面の強さにも驚いた。
マ・ドンソクの日本版のボイスはcv.小山力也となっており、映画「犯罪都市」でもボイスを担当されている声優を起用。吹替のイメージが付いている俳優も多いので、小さいことだがありがたい。
紹介した以外にもまだ登場する人がいるので、ぜひ自分の目で確かめてほしい。
コラボで現実世界との距離が近くなる?
演出のところでお話しした「Raindrops Keep Fallin' on My Head」や三浦大知、星野源などの楽曲はゲーム内のミュージックプレイヤーで聴くことができる。
本作からは移動中でも再生可能になり、これで配送中の作業感も感じにくくなるはず。それどころか気分によって曲を変えてドライブを楽しんだり配送が捗るようになった。
実在する運輸サービス「クロネコヤマト」ともコラボしており、コンテナや配送車が登場するほか、道に設置できる看板が使用可能。
この看板を通ると「クロネコヤマトの宅急便」という耳馴染みのある音楽が流れる。
キャラクターや音楽、企業といった現実世界のものが出てくることで、この世界が現実と地続きになっているような気がしてきて、得も言われぬ没入感が感じられるはずだ。
変わること、変わらないことの良さが遊びやすさに!

『デス・ストランディング2』のシステムについては基本的に前作と変わらないところが多い。これはネガティブな意見ではなく、個人的にはむしろ好印象だ。
その理由の1つが前作の完成度の高さ。この時点ですでにシステムが確立されていたので大きく変更する必要がないのは当然だろう。

とはいえ何も変わっていないわけではなく、基本的なことはそのままに遊びやすくなるよう全体的にブラッシュアップされており、「正統進化」という言葉がぴったり当てはまるシステムだった。
ここからは進化したシステムをみていきながら、本作から遊ぼうと考えている人に向けてどんなゲームなのか、そしてその遊び方をお伝えしていく。
時雨(あめ)の日も、風の日も、ひたすら運べ!

本作の大きな目標は「世界を繋ぐ」ことだが、プレイヤーは具体的に何をするのか。それは「依頼された荷物を受取人まで届ける」ことだ。
ひとくちに荷物と言ってもその"荷物"はものだけでなく、時には人を運ぶこともある。
▲ボタン1つで荷物の積み方を最適化してくれるので毎回細かく考える必要はない。
荷物にはそれぞれ重量が設定されており、積みすぎると動きが鈍くなったりスタミナ消費が早くなる。
また荷物の「バランス」も重要で、例えば重いものが上にあるとか左右どちらかに偏っていたりするとバランスを崩し転倒するリスクもある。
たくさん運べばその分の報酬も大きいが以上のようなリスクもあり、何をどのくらい持っていくのか考えていく配送シミュレーターのような感覚が味わえるのも「デススト」の醍醐味だ。

配送ルートも事前にシミュレーション可能。
このあたりはプレイヤーの性格が顕著に表れるところだと思っていて、しっかりルートを決めてきっちり効率良くいくのか、筆者のように行き当たりばったりで不測の事態を楽しむということも面白い。
事前準備をするに越したことはないが、物語を進めていくとアドリブで配送する技術を求められることもあるため、慣れておくことも大事だろう。

配送中にもリスクは存在する。本作では「時雨(タイムフォール)」という雨が降ることがあり、触れたものの時間を経過させてしまう。
人間の方は対策済みだが、荷物は劣化してしまうため注意が必要。
そして時雨が降る場所に出現するのが、幽霊のような見た目をした「BT」だ。わかりやすく言えば敵である。見つかると容赦無く襲ってくる。

集団で行動する人間の敵も脅威となる。プレイヤーを見つけるとBT同様に襲ってくるのだが、様々な武器を使ってくるのでこいつらも厄介。

当たり前のように明るい時と暗い時の画像を載せていて忘れそうになるが、昼と夜の概念が追加されたのは今作から。
夜は視界が悪くなるぶん自身も敵から見つかりにくくなるメリットがある。危険がない配送であれば、昼におこなうことで視界がひらけるので安全だ。
インフラ整備や機材を使って快適な配送を
『デススト2』でも、前作から引き続きインフラ整備ができる。「国道」を復旧させれば車両などが通りやすくなったり、今作から登場した「モノレール」はで車両や大量の荷物を一気に運ぶことが可能となった。
車両も進化しており、バイク型「トライクルーザー」であれば車両に乗りながらでも落ちているアイテムを拾えるようになった。細かいことと思うかもしれないが、何十時間もプレイしていると小さなことでもストレスとなり得るので、結果的に大きな改善といえる。

他にも梯子やロープといった機材を使えば、崖を降りたり川を安全に渡ることが可能。
梯子は2つ組み合わせられるように進化。今まではできなかったことができるようになり配送先へのアプローチの幅が広がった。
▲「ジャンプ台」の効果で荷物は無事。これが意外と安全かつスピーディーな方法だったりする。
組み合わせや発想次第では動画のようなエクストリーム配送だってできてしまう。ただ道を移動するのではなく、自らが考えたルートで上手く配達できた時は最高に気持ちいい。
これがクセになり筆者は配送依存症に。ストーリーも気になるが配送もやめられない。
「逃げる」から「戦う」選択肢も

前の作品では戦う機会はあまりなく、そもそも隠れたり逃げることが主体ということもあり武器の種類は少なめ。だが本作はスナイパーライフルや麻酔弾のハンドガンといった武器が増えたことで「攻撃を仕掛ける」という選択肢が増えた。
とはいってもこの世界ではある事情から殺傷武器は使えないため、相手を無力化させるもののみとなる。
▲敵の動きが遅くなるのでスナイパーライフルとの相性がいい。
スナイパーライフルがとにかく優秀で、この武器のおかげでステルス行動が大幅にしやすくなった。
武器の話が出たので関連する小技を紹介。敵に見つかったり敵を無力化させると一定時間スローモーションになる。この時間を上手く利用すると敵をまとめて無力化できるので覚えておこう。
サムの熟練度やスキルツリーのような「APASエンハンスメント」が追加され、育成ができるようになったのも大きな変化。
熟練度は戦闘以外に配送にも影響するものがあり、特定の行動、または武器の使用で熟練度が上がっていく。「APASエンハンスメント」はいつでも付け替えできるのが便利だ。
普段の行動が経験値となり成長を感じられるRPGのような側面も出てきて、育成をしっかりすることで依頼が達成しやすくなるのは特に初心者に嬉しい部分ではないだろうか。
他のプレイヤーとの繋がり

▲1人じゃないと思える安心感。
『デススト2』はソロプレイのゲームだが、他者と繋がれるゲームでもある。
配送をしていると至る所に看板があり、ここを真っ直ぐ進んだ方がいいとかこの辺りは危険など、他の世界のプレイヤーから情報がもらえたりする。
それ以外にも「行ってらっしゃい」「お疲れ様」「暑さに負けるな」など簡単なコミュニケーションが取れ、辛い場面で何度も励まされた。

▲殺伐とした世界に溢れる「いいね!」だけが救い。
設置した機材や建設物、アイテムなども共有されることがあり、自分の建てた橋が役に立ったりピンチに他の人のアイテムをいただくこともできる。加えて、「いいね!」をすることで相手にお礼というか反応も送れる。
ただ、任意のプレイヤーと意図的に協力できるわけではなく、誰と共有されるかはあくまでもランダム。一期一会にロマンを感じつついいねを押しまくろう。
筆者は誰かのために配送環境を良くして貢献するというプレイスタイルも好きで、クリア後でもまだまだ遊べるのでおすすめ。
動画やフォトモードで世界を撮る!
▲世◯の車窓から。まぁ窓とかないんだけど。
映像美が際立つ小島監督作品と動画やフォトモードの相性が非常に良い。
様々な角度から世界をみてほしいという意図だろうか、例えばモノレールに乗っている時はカメラを切り替え主観視点で景色が見られ、映像の美しさを最大限生かす仕組みがなされている。
フォトモードも昨今の進化に遅れをとっておらず、一眼レフで撮影しているような細かな設定や、主流となりつつあるライトを当てて光を調整できる本格的なものになっていた。
設定をいじるのが苦手であっても、ただ瞬間を切り取るだけで絵になる。本当にどこを撮っても綺麗。
エフェクトやフレームもあるのでふざけた写真も撮れる。
次はあれをこうして…と凝り始めると数時間が一瞬で溶けていく。息抜きのつもりが本編と同じくらい楽しんでしまっていた。
まとめ

まだまだ紹介しきれないほど進化した点が多い反面、なぜ前からなかったのだろうと思うこともあったが、小島監督ならば1作目でのサム(プレイヤー)の経験や活躍が反映され、2作目に結果が進化という目で見える形で表れる構想もしていそう…と考えるのは言い過ぎだろうか。
どちらにしても「あれ?前からなかったっけ?」と思うくらい自然な進化を遂げていたのは確かだ。
ネタバレ防止で触れなかったストーリーについては、前作の設定があるのでかなりわかりやすく夢中になるまで時間はかからないはず。気になったら今からでも遅くない、配送の旅に出かけよう。
発売日など基本情報
発売日 |
2025年6月26日 |
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会社 |
Sony Interactive Entertainment |
ジャンル | アクション アドベンチャー |
対応ハード | PS5 |
価格 |
PS5 : 8,163円(税抜)
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公式HP |
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