
『Spirit of the North』の続編!待望の新作がさらに進化して登場
▲【Spirit of the North 2】ローンチトレーラー
Silver Lining Interactiveがら発売された『Spirit of the North 2』は、2019年に登場した前作『Spirit of the North』 の続編にあたる、オープンワールドアクションアドベンチャー。
1作目は、キツネになって美しい世界を旅するという幻想的な世界観が人気を博し、Steam版ではレビュー件数が4500件を超え「非常に好評」を獲得するなど、多くの支持を集めた作品だ。
そんな待望の続編である本作は、チャプター式だった前作とは異なり、広大なフィールドを自由に探索できるオープンワールド形式へと進化。リリース直後ながら、Steamのフォロワー数は5000人を超え、レビューも「非常に好評」と、ファンの期待をしっかりと受け止めている。

そして、Unreal Engine 5で描かれる美麗グラフィックと、キツネのモフモフ感を存分に楽しめる作品となっているのが特徴的だ。
前作未プレイの筆者だが、オープンワールド&アクションADV…そしてかわいいキツネが操作できる!ということで今回プレイする機会をいただいた。
本稿では、アクションが得意とはいいがたい筆者目線で、その魅力を語っていきたい。

目次
「美しい」だけじゃない、北欧神話の世界観

『Spirit of the North 2』の舞台となるのは、「牡鹿」「大ガラス」「陽狼」「キツネ」「月狼」「雄羊」「熊」の7つの部族とガーディアンが共存していた美しい世界。
しかし、部族間の和平は熊の部族のシャーマン「グリムニール」がその均衡を破り、ガーディアンの光を奪い、世界は荒廃へと向かっていった。
プレイヤーは、ガーディアンとしての力を秘めたキツネとなり、各地の神殿に封印されたガーディアンを解放しながら、故郷を取り戻すための旅に出る、というストーリーが展開されていく。

一見、「美しいファンタジーの世界を冒険する癒しゲー」を連想するかもしれない。が、実際にプレイすると、その印象は”いい意味”で裏切られることになる…。
確かに自然豊かな風景は存在する。しかしその裏には不穏な影が忍び寄っており、幻想と荒廃の”ギャップ”こそが作品全体の印象をより鮮やかにしているように感じた。
自然豊かな村から始まる、穏やかな旅路…?
冒険のスタート地点は「キツネの村」と呼ばれる自然に囲まれた場所。かわいらしいキツネたちが集う場所となっている。

ここではダッシュやジャンプといった基本操作をわかりやすく教えてくれる。

シンプルで操作もわかりやすく、なによりモフモフとしたキツネの可愛さに心を奪われるだろう。
筆者は開始10分ですでに落下死をキメたが、やり直しにペナルティが少ないのもありがたい。

▲悲痛な鳴き声をあげるので申し訳ない気持ちに…
壺を壊すと、ポイントのようなものを取得できるのだが、デスするとすべてロストしてしまうようだ。
死亡した地点にいくとキツネの像があり、触れればそのポイントは返ってくるというシステム。

ここで勘のいい人はピンと来ているかもしれない。”もしかして、死にゲーなのでは”…と。
自然豊かな世界から一転…!?

▲白キツネもかわいい
道中のかわいいキツネたちとの戯れに癒されつつ、探索を進めていくと…

おや、様子が変わったな…?
不穏な地下牢にたどり着くと、意味深なムービーが…。

地上の自然あふれる世界とは一変。
不気味なBGMへと変化し、知らぬ間に別ゲーを始めてしまったのかと錯覚した。

不気味な地下を探索し、「グリムニール」の杖を入手したが、橋が壊れ落下するキツネ。
先ほどの牢屋の中に落ちてしまったようだが、杖が光り、目覚めた…?!

お前が元凶か!
グリムニールが目覚めたことにより、地中からはマグマが噴き出し、美しかった村が一変。

襲い来る大きなクマが現れ、絶体絶命のピンチに。

ファンタジックな空気が一気に緊張感へと塗り替えられる展開には、思わず声が出た。
そして辿りついた先は、霧に包まれた地。

まさかダークな要素が入ってくるとは思わずギャップに驚いたが、その違和感が物語を引き込む力となっている。
このキツネ、ただの”キツネ”じゃない
本作最大の魅力といえば、やはりプレイヤーが操作する「キツネ」。
キツネの見た目は耳の大きさや体毛、目の色など細かくカスタマイズができるほか、探索やショップで新たなカラーを入手して、自分だけのキツネを作り上げることができる。

▲モフモフ感をアップさせたりなど自由度◎

▲目の色を変えるだけで印象が変わる
何より素晴らしいのは、キツネの動きに「生き物らしさ」があること。ちょっとした動きや仕草、放置中の動作すらも愛おしい…。
鳴き声も数パターン用意されているなど、こだわりを感じる作りとなっている。
そして、このキツネは「ガーディアン」であることが序盤でわかるようになっている。
様々な能力が秘められた「ルーン」と呼ばれるアイテムを装備することで、通れなかった場所を通過できるようになったり、連続ジャンプが可能になるといった特殊な能力を使うことが出来る。能力の変化に伴って、キツネの見た目の変化も楽しめるのが嬉しい。

▲装備するルーンによって模様が変わる

▲鹿のような角が生えたキツネ
そして、相棒となるカラスも操作可能。後にグライダーのように滑空できるようになるなど、移動の自由度を広げてくれる存在だ。

なによりもこのフォルム、あまりにもかわいい。
広大なフィールド、変化するロケーション
本作のフィールドはとにかく広い。単調な風景で終わることがなく、草原や霧に満ちた土地、雪山や火山地帯、そして時には不気味なダンジョンや神殿など、ロケーションごとに空気感がガラリと変わるのが特徴だ。


それぞれのエリアは環境音やBGMの変化など、没入感の高い体験ができる工夫がされていると感じた。天候や昼夜サイクルによって同じフィールドでもまた違った景色を楽しむことができるのも魅力的。
また、どこに行けばいいのかわからない…とならない様、「オベリスク」という周辺マップの情報が解放できるタワーを起動させれば、マップ上で訪れていない場所を表示してくれる便利機能も搭載されている。


各地にはファストトラベルが可能なゲートも用意されており、違うフィールドへと移動する際に便利だ。

個人的にも助かったのはマップにピンを打てること。方向音痴にとっては心底ありがたい機能だ。
そして、この世界の海はとても怖い。泳いでいると…
後に安全に海を渡ることが出来るようになるが、不意打ちすぎて放心状態になった筆者だった。
謎解き×アクション
本作はただの探索ゲームではない。道中には多彩な謎解きギミックが用意されており、それらを解くことで新たなルートが開けていく。
例えば、バーを引いて橋をかけたりといった、基本的な謎解きに始まり、ルーンを活用したアクションや滑空での突破など工夫で道を切り拓いていく要素もある。

たいまつでトゲのツタを燃やすことができたが、奥には滝があってこのままでは進めない…別に道があるのだろうか?など考えながら進む必要がある。


神殿やダンジョンに入るためにはキーアイテムを入手する必要があるが、導線やヒントといったものはない。
が、その点もオープンワールドならではの探索を楽しめるようになっていると言えるだろう。

▲3つのアイテムを納めないと入れない
また、新たなルーンを習得することで、最初はいけなかった場所にいけるようになる要素もある。

▲入れそうで入れないところも多々
他にもフィールド上のいたる所に謎解き要素があるのだが、解けなかったギミックも多かったので筆者の代わりにぜひ挑戦してみてほしい。
手に汗握る、ガーディアン戦
本作に雑魚的は登場せず、戦闘は神殿でのガーディアン戦のみとなっている。
ただの力押しで勝つということが出来ないため、ギミックを把握して突破していかなければならない。

▲最初に対峙することになる、カラスのガーディアン
入手したルーンやギミックを駆使した戦いに挑むことになるのだが、初見で気づけず何度もトライする場面も多々…。
特筆すべきは「ひらめき」だけでなく、「ビルド」や「ルーン選択」が突破口になる点。メトロイドヴァニア的な成長要素がうまく組み込まれている。
苦戦した分、自力で攻略方法がわかった時の達成感はひとしおだ。
言葉はでてこない、だがそこが魅力的
本作では、キツネが主人公ということもあり、ナレーションやセリフといったものは一切登場しない。
その代わりにムービーやフィールド上のオブジェクト、断片的に残された手記を通じて、この世界に何が起こったのかを知ることができる。

▲言葉はないが、表情で伝わる

▲ガーディアン解放シーンはとても幻想的
こうした演出により、説明されるのではなく「気付いていく」という過程がこのゲームに没入感をもたらしてくれると感じた。言葉がないからこそ、自分なりの解釈ができる面白さがある。

▲このような石板が各地に遺されている

▲かつてこの地に存在した部族の手記だろうか
手記や石板はフィールドのいたるところに存在するため、本作のやりこみ要素だと言えるだろう。
広大なフィールドを駆け回ることにはなるが、よりこの世界観を楽しむためにコンプリートを目指したいところだ。
まとめ

『キツネになって美しい世界を冒険するゲーム』かと思いきや、本作はそのイメージをいい意味で裏切ってくる。
もちろん癒しもあるが、それ以上に深いストーリーを楽しめるという点が非常に面白いと感じた。
かわいらしい動物を操作しながら、プレイヤーは言葉なき世界の奥深くへと進んでいくというギャップ。
美しくも不穏なロケーション、断片的な手記など、この世界を知ることに夢中になれる点が魅力だ。
謎解きに悩み、フィールドで迷うのもオープンワールドならではの醍醐味。
本作には、派手な演出などはない。けれど、静かにプレイヤーに寄り添い、没入感を与えてくれるゲーム体験ができる作品。
癒されたい人も、冒険したい人も、この静かなキツネの旅にそっと飛び込んでみてほしい。
『Spirit of the North 2』の基本情報
発売日 |
2025年5月8日 |
---|---|
会社 |
Silver Lining Interactive |
ジャンル | アクション アドベンチャー |
対応ハード | PS5 / PC / Xbox |
タグ | |
価格 |
PS5 : 4,300円(税抜)
PC : 3,090円(税抜)
Xbox : 4,045円(税抜)
|
最大プレイ人数 |
1人
|
公式HP | |
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