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45年近くも前に発売されたRPG
2024年5月23日にSwitch,PS5,PS4,PC(Steam),XBOXで発売された『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』(以降、ウィザードリィ)。
1981年に「AppleⅡ」というMacの兄貴分みたいなPCで発売されて以降、日本のPCやファミコン、ゲームボーイ、PSなどさまざまな機種に移植され、多くの人に親しまれてきた古典的なダンジョンRPGだ。

そんな『ウィザードリィ』が、40年以上の時を経て再び登場したというわけで、これはやっておかねばならんだろうと。
ファミコン版にハマって、今でもファミコン版をさわっている筆者が、このイマドキの『ウィザードリィ』をプレイしてみたぞ。
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- 8月17日(日)
『Wizardry - Proving Grounds of the Mad Overlord』ファミコン世代が新生『Wizardry』をプレイしてみた!
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目次
『ウィザードリィ』の基礎知識

「ワードナという悪い魔法使いが、トレボー王から魔除けを強奪して迷宮にたてこもったので、倒して取り返してこい。」
うん、ストーリーはこれだけ。まぁ、昔のゲームだからね。
じゃあ、何が多くの人をダンジョンから抜け出せなくなるほどトリコにしたのか?
ひとつは、自分で作成したキャラを極限まで強くすること。

そして、もうひとつは敵を倒すと出現する宝箱から、レアで強力なアイテムを手に入れること。

イマドキの言葉でいうと、ハクスラ(ハック&スラッシュ)というやつですな。
とはいえ、素材がどうだの、合成がどうだの、そんなものはない。
ダイレクトに、武器やアイテムそのものが出てくる超シンプル仕様……うん、昔のゲームだからね。
そんなゲームになんでハマっていたのか、イマドキのハードで登場した新生『ウィザードリィ』をプレイして再確認してみるとしよう。
イマドキの『ウィザードリィ』をやってみよう【前半戦】
それでは、さっそくプレイしてみるとしますかねぇ。
取り出したるハードは……PS4。
さっきまでPS4で『ドラゴンクエストX』やってたんで、そのままPS4で『ウィザードリィ』のダウンロード版を買ったのさ。
PS5は、高くていまだに持ってないんじゃよ……。
まぁ、ハードはなんでもよい。とにかくイマドキの『ウィザードリィ』をやりますぞ!
結局、素質で決まるのか?
キャラクターは6人分、作ることになる。
「俺はソロ専だから、1人でじゅうぶんじゃあ」ということもできるが、たいへんすぎるので素直に6人作った方がよろしかろう。

種族ごとの基本ステータスに、ボーナスポイントをプラスして、最後に職業と属性を決める。
ボーナスポイントはだいたい1ケタだが、たまに20以上のとんでもない素質を持ったヤツが出てくる。
ステータスはレベルアップで上げられるとはいえ、まぁ多いにこしたことはない。ボタンひとつで簡単に再抽選できるのもいいね。
そんなこんなで6人分を作成。
戦士2人+僧侶+盗賊+ビショップ+魔法使いの6人だ。
これがイマドキのRPGなのか?
パーティを組んで、さっそくダンジョンへ。
酒場では善と悪のキャラは一緒にパーティを組めないが、ダンジョン内でいったん中断して、別のキャラでダンジョンに入れば合流できるぞ。
ウチのパーティも基本は善、盗賊とビショップは悪のパーティーだ。(いちおう理由はあるが後述)
最初はとにかく弱いので、手近な部屋に入ってオークやコボルドあたりと戯れることになる。

初戦闘はオーク。
行動順が表示されるのがイマドキっぽいが、コマンド決定後なのでこれは見守ることしかできない。
敵を睡眠魔法「KATINO」で眠らせて、無抵抗のまま倒す……というのが『ウィザードリィ』序盤の定石なのだが、あんまりきかねぇな。
聞くところによると、これはAppleⅡ版仕様の様子。
それよりも気になるのは、敵がアニメーションするぶん、ファミコンなどと比べると戦闘の進行にやや時間がかかること。
ここはマイナスポイントか……と思いきや、実は敵を「調べる」ことでモンスター図鑑を最終段階まで埋めると、アニメーションがカットされる。
戦闘の進行が格段に早くなるので、なるべく敵は「調べる」ようにしておこう。
いざ、開封の儀!
敵は「ランダムに出現する敵」と「玄室(部屋)で待ち構えている敵」の2種類。
今作ではたまーにランダムエンカウントの敵が宝箱を出すこともあるようだが、やはり基本は玄室にいる固定エンカウントの敵を倒して宝箱を出現させることになる。
とはいえ、地下1階で出てくる宝箱なんぞ、タカが知れているけど。

宝箱を開けるのは盗賊の役目。
まずは罠の種類を調べて、次にその罠を解除する。
成功率が表示されるのがイマドキだねぇ。
「テレポーター」の罠にひっかかって、石の中にテレポートして即全滅……なんてのも『ウィザードリィ』あるある。
盗賊の素早さと運の良さはしっかりと上げておこう。
マーフィー道場へ、どうじょ!
全員をレベル5くらいまで上げると、そこそこ余裕を持って探索できるようになる。
地下2階への階段も簡単に見つかるだろう。
……とはいえ、すぐには行かないほうがよい。

こんなん喰らって、のたれ死にしたり……。

こんなん喰らって、戦えなくなったり……。

たまに経験値いっぱいくれるオイシイ敵もいるけど、そうそう出てくるわけではない。
そこで、パーティーを少ないリスクで効果的に鍛えてくれる、あの方のところへ参ろうではないか。

マーフィーズゴースト。
地下1階のある場所にいる固定エンカウントの敵なのだが、これがレベル上げにはもってこい。
ダメージを受けても必ず「2」なので安全に戦えるうえ、経験値も1体あたり750前後となかなかのもの。
しかも倒した後、またすぐに出てきてくれる。
イマドキの者はマーフィーズゴーストを使ったレベル上げを「マーフィー道場」と呼んでおるようじゃの。
攻撃が当たりにくいので魔法使いが敵に防御デバフ魔法「DILTO」をかけ、僧侶が味方に防御バフ魔法「MATU」をかけて被ダメージを抑えつつ攻撃しよう。
今後の探索のため、最低でもレベル9、できればレベル11になるまでマーフィー先生に鍛えてもらうのがよい。
地下2階以降の探索は、それからでも遅くない。
今も昔も、ショートカットがステキ?
イベントアイテムをもれなく入手しないと先に進めないので、レベルが上がったら地下2階以降の探索を進めよう。
もう毒や麻痺を喰らっても、呪文で回復できるようになっているはずだ。
地下2階で「Gold Key」、地下3階はすっ飛ばして、地下4階で「Blue Ribbon」を入手するのが目的となる。
特に地下4階では「モンスター配備センター」で中ボスと戦わなければならないが、マーフィー先生に鍛えられた我々ならきっと勝てるだろう。
そして、倒した先でついにゲット。

これで、地下9階まで直通のエレベーターを使えるようになる。
実は、地下5階から8階までは、フロア自体が罠。
階段は地下8階までしかつながっていないし、ダンジョンは複雑な構造なうえに罠だらけときたもんだ。
モンスター図鑑を埋めたり、いいアイテムをゲットしたりという目的で探索してみるのもいいけど、今回はそのまま地下9階へ。
イマドキの『ウィザードリィ』をやってみよう【後半戦】
さて、ここまでは『ウィザードリィ』を楽しむための準備段階にすぎない。
これからが真骨頂。
直通エレベーターを使って、地下9階・10階へと突き進んでいこう。
バカモン、返事はサー・イエッサーだ!
地下9階に降りると、最初の部屋に地下10階へ降りるシュート(すべり台みたいなもの)がある。
ここは一気に地下10階へ降りてしまおう。
1体につき5000もの経験値をくれる「Frost Giant」「Poison Giant」「Will o’ Wisp」といったオイシイ敵と戦って、さらにレベルを上げたい。
ただ、そこは最下層。

忍者に首をはねられたり……。(さすがに首をはねるモーションは作れなかったか。血は飛ぶけど)

ヴァンパイアにレベルを下げられたり……。(レベル1つ上げるのがどれだけたいへんか、わかっとんのかゴルァ)

ドラゴンのブレスに焼かれたり……。(なんでこんな狭い部屋にドラゴンが3体も4体もおるんじゃー)

……という光景は日常茶飯事。
ファミコンの頃なら即リセットしてやり直したものだけど、イマドキの『ウィザードリィ』はそれができないようで。
ただ、そのかわりにこんな救済策がある。

セーブスロットが5つあるので、事前にデータのバックアップを取っておく。
全滅したり、壊滅的な打撃を受けたら、いったん戻ってバックアップのデータから再開する……ということができる。
ちょっと面倒臭いかもしれないが、別のパーティを作って死体を拾いに行かされるのはさらに面倒だし。
非常に危険なフロアだが、それだけに見返りも大きい。
経験値だけでなく、非常に強力なアイテムを入手できる確率も高くなっている。
脳汁、プシャー!
地下10階にはラスボス・ワードナがいるが、もうちょい強くなるまではやめといた方がよい。
途中までは城下町へテレポートできる場所があるのだが、ワードナのいるエリアにはそれがない。
つまり、ワードナのいるエリアに踏み込んだが最後、ワードナを倒して魔除けを手に入れるか、転移魔法「MALOR」を使わないと城下町へ帰ることができないのだ。
最低でも魔法使いが「MALOR」を使えるようになるまで、地道にパーティーを強化していこう。

僧侶が呪文をすべて覚えたので「侍」に転職させる。
侍は魔法使いの呪文を覚えていくので、魔法使い・僧侶どちらも呪文も使えるようになるわけだ。
同様に魔法使いは「ロード」に転職させ、こちらもすべての呪文を使えるようにしたい。
ゆくゆくは戦士2人も「僧侶」→「侍」、「魔法使い」→「ロード」に転職。
ビショップは全呪文を習得したところで「盗賊」、盗賊は同じタイミングで「ビショップ」に転職させる。
6人全員がすべての呪文を使える、理想のパーティを作るぜ……って、道のり遠いわぁ。
ちなみに、盗賊は「中立」「悪」、ビショップは「善」「悪」しか転職できないので、いちばん最初に両方「悪」にしたというわけ。

そんな中、宝箱から「武器」をゲット。
「Muramasa Blade(村正)」か「Shuriken(手裏剣)」が確定する、超激アツのシチュエーションだ!
前者は、侍だけが装備できる『ウィザードリィ』最強の武器。後者は忍者しか装備できないうえに強さも微妙だが、ただ持っているだけでエナジードレインに耐性が付く。
心臓バクバクいわせながら、ビショップに鑑定させる。
……さぁ、どっちだ!

「Muramasa Blade」!
この瞬間、おそらく脳内でアドレナリンが限界まで吹き出ているに違いない。
『ウィザードリィ』にハマる理由は、まさにこの瞬間にあるだろう。
レアアイテムはこれだけではない。
ロードしか装備できないが、歩くだけでHPが回復する最強の鎧「Garb of Lords(聖なる鎧)」、同じく歩くだけでHPが回復するがどの職業でも装備できる「Ring of Healing(回復の指輪)」など。
これらをコンプリートするのが、『ウィザードリィ』最大のロマンというわけなのだ!
ワードナを倒すことよりも、レアアイテムを収集することが目的となってしまった者も数多いようである。
もちろん、ここにもひとり……。

ともあれ、侍に「Muramasa Blade」を装備させてみる。
戦士より攻撃回数が1回少ないのに、ダメージは2倍以上をたたき出す脅威の攻撃力。
冒険が格段にラクになることは間違いない。
オマエにヒトコト、モノ申す!
……と、いうところで残念ながらプレイはいったんここまで。
ワードナを倒したらどうなるか……それは、ぜひみなさんの目で確かめていただきたい。
さて、イマドキの『ウィザードリィ』。
プレイしてみてよかった点、残念だった点をまとめていこう。
イマドキも、なかなかよかったぞ!
①『ウィザードリィ』はやっぱり『ウィザードリィ』だった

過去に別のハードでプレイした人にとっても、その魅力は薄れていないはずだ。
過去ハードと変わっていない部分、イマドキの仕様となっている部分が入り混じっている印象だが、『ウィザードリィ』の楽しさの本質は何も変わっていない。
②視覚的にわかりやすいコンプリート要素

モンスターは「調べる」ことで、モンスター図鑑を埋めていくことができる。
しかも、ただ図鑑を埋めるだけでなく、各モンスターを最終段階まで解明できれば、アニメーションがカットされ戦闘が高速になる実用的な要素も。
また、モンスター図鑑では出現するアイテムの一覧も参照でき、これまで出現したアイテム、まだ出現していないアイテムを調べられる。
収集欲をかきたてられる要素だ。
③細かく設定を変えられる「オールドスクール設定」

アイテムやモンスターの表示名、レベルアップの仕様など、さまざまな部分において自由に設定を変えられる「オールドスクール設定」。
ヌルくもできるし、鬼畜モードにもできるし、自由度は非常に高い。
④過去ハード版へのリスペクト

ゲーム内でも述べられているが、本作自体はAppleⅡ版をベースに作られている。
しかし「オールドスクール設定」でファミコン版の使用に変更できるなど、過去ハードへのリスペクトを忘れていない。
あと、タイトル画面で流れる曲にも注目。
なんか聞き覚えがあるなぁ、と思ったら、ファミコン版のオープニングテーマだったのだ。
スタッフクレジットを自由に見られるが、ちゃんとファミコン版の作曲者である「羽田健太郎」氏の名前も記載されている。(「西部警察」「渡る世間は鬼ばかり」のテーマ曲なども作成した作曲家)
ちなみに、戦闘終了後のファンファーレが2種類あるが、片方はファミコン版のものと同じだ。
モンスターのグラフィックも、まったく同じではないがファミコン版を担当した「末弥純」氏のものをベースに作られている様子。
こちらもきちんとスタッフクレジットに記載があるので、ちゃんと許可を得てアレンジしているのだろう。
……すごいね。
これはちょっと、改善してくれんかね……
⑤ゲームの進行に時間がかかりがち

戦闘時に敵がアニメーションするため、戦闘の進行がどうしても遅くなる。
とはいえ、こちらは前述したとおり、モンスター図鑑を埋めることでアニメーションをカットし、戦闘を高速にすることが可能だ。
だが、もうひとつ厳しいのは、地下10階の仕様。
経験値の低い敵が出たら逃げて、経験値の高い敵が出るまで何度も部屋に入り直すというファミコン版などのテクニックが、今回は使用できない。(そもそも地下10階では逃げられない様子)
経験値もアイテムも期待できない敵をいちいち相手にしないといけないため、どうしても時間がかかってしまう。
このあたりは「オールドスクール設定」でファミコン版の仕様にできるよう改善してほしいところだ。
ダンジョンの住人、今なお増殖中?

最新ハードで発売された、イマドキの『ウィザードリィ』をご紹介してみた。
あえて昔のままにした部分、大胆に最新の要素を加えた部分、いずれもあれど『ウィザードリィ』の楽しさは変わっていなかった。
PSでさえレトロゲームとなった現在でも、この古典的ダンジョンRPGを手軽に楽しめるというだけで価値がある。
経験者はもちろんのこと、まだ未プレイの方にも、ぜひ遊んでもらいたい。
ワードナの迷宮に潜ったきり出てこられなくなった、迷えるダンジョンの住人が、さらに増えることを望んでいる。
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『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord(ウィザードリィ 狂王の試練場)』とは?

DigitalEclipseから発売のSwitch、PS4/5、Xbox、Steam対応ゲームソフト『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord(ウィザードリィ 狂王の試練場)』は、1981年に第1作目を発売してから人気を博しシリーズ化したダンジョンPRGゲーム。
本作はそのシリーズ第1作目のフル3Dリメイク版となっており、グラフィックの美しさ、スムーズにプレイできる改善が加わったこと以外は大きな変更点もなく、難易度も当時のまま。ベテランプレイヤーも十二分に楽しめる仕上がりとなっている。

発売日など基本情報
発売日 |
2024年5月23日 |
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会社 |
Digital Eclipse |
ジャンル | RPG |
対応ハード | PC / PS4 / PS5 / Xbox / Switch |
価格 |
PC : 3,600円
PS4 : 3,600円
PS5 : 3,600円
Xbox : 3,590円
Switch : 3,618円
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公式HP | |
公式Twitter |
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